イサムノグチをニューヨークにたずねる～2015年10月 ニューヨーク市内の作品たち

2015/10/08 - 2015/10/08

イサムノグチをニューヨークにたずねる～ニューヨーク市内にあるイサムノグチ作品たちをたずねました。

地球を彫刻した彫刻家イサムノグチ
彼の目指したその彫刻の最終形は北海道の札幌にあるモエレ沼公園だと思います。

モエレ沼公園の造成は1988年にスタートし1998年にオープンしています。

1988年の12月にイサムノグチはニューヨークで心不全で84歳で死去している
ノグチイサムが残した基本設計、マスタープランをもとに公園の造成は継続されました

モエレ沼公園は札幌市が1978年にスタートした、ゴミの埋め立てで自然破壊の危機的状況にあったモエレ沼地を環境保全を目的とした水郷公園造成の事業でした
イサムはこの既に開発がスタートしていたモエレ沼公園に強い関心を示し、札幌市からも正式に公園設計がイサムノグチに委託されます

この時のイサムノグチのコメントが残されています
「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です」

21014年の札幌芸術祭に合わせてモエレ沼公園を見学してきました

その時の４T旅行記です

http://4travel.jp/travelogue/10933159

イサムノグチの作品は、美術館の中だとか建物の中だとかにある彫刻を抜け出して
「空間芸術」という世界に属する作品と言えるとおもいます。

ニューヨークは大きな州です
とりあえず、マンハッタン島内にあるイサムノグチの作品を見て回りました。

エリア ニューヨーク(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日はイサムノグチの市内の作品巡りへ

写真はホテルの脇の地下鉄降り口
Hotel Wellinton 57St-7th Ave
ニューヨークのホテルの宿泊費の高騰には驚かされます。

このホテルは古くて、狭くて、臭くて酷いです
良い点はどこへ行くにもアクセスは良い事です

ホテルを出るとすぐこの地下鉄の降り口があるので、どこに行くにも便利です

ウェリントン ホテル ホテル

57Stのホーム
地下鉄はR線で一本、乗り換えなしです

改札でニューヨク版スイカに10ドルチャージしました

よく知らない所で注意すべきは逆のり、反対方向に乗ってしまうことです
終点の表示が多いので乗るべき方向の終点の駅名を確認しておくと良いです

10駅くらい乗って
下車は
Cortlands St

Red Cube
赤いキューブ
140 Broadway, New York, NY
1968年イサムノグチ64歳の作品
スチール製に塗装　高さ7m

レッドキューブ 現代・近代建築

都市の空間を活気づける「パブリックアート」の先駆けとなった作品です
iPhoneの横パノラマ撮影です

通称Financial District金融街のHSBC銀行の正面入り口の敷地内に設置されています
横長画面で見るとRed Cubeの都市空間における存在感が確認できます

iPhoneの写真です
縦パノラマ撮影です

これは通常モードの撮影です
HSBC銀行の正面入り口から外側を見ています

正四角形ではないような印象がありました
存在感を強調するための考慮があるように思えました

レッドキューブ 現代・近代建築

Mark di Suvero 1933年?
Joie de Vivre
生きる喜び

中国の上海生まれの作家だそうです

新しく設置された彫刻です
手を上げて万歳している人物のように見えました

赤いサイコロと赤い万歳する人の位置関係の写真です

HSBC銀行はイギリスのロンドンに本社がある世界でも最大級の金融グループだそうです
香港での収益がメインで、従業員数は30万人だそうです

金融街です
通り過ぎる人もお忙しい様子です

この写真の奥にJean Dubuffetの作品が置いてあります
赤の２点と比べるとおとなしいですね

赤いキューブの次は、すぐそば（数百m）の「チェイスマンハッタン銀行プラザの沈床園」
Sunken Garden for Chase Manhattan Bank Plaza 1961年?64年
1 Chase Manhattan Plaza, New York, NY

Sunkenは沈んだ、沈没した、水底の、水中の意味
sunken shipで沈没船です

Chase Manhattan Bankも世界最大級の金融グループ
1955年にChase National BankとJPMが合併した従業員26万人の金融業

ここはさっきと違って中から見たいので、背筋を伸ばして入って行きました
ご覧のような空間で場違いな印象というか、入って行くのに抵抗がありました

体格の良い、知的な顔つきの黒人の守衛がいました
彫刻家イサムノグチの 作品を見学したいと申し入れました
日本の彫刻家だね、ここを真っ直ぐに行くとくだりのエスカレーターがあるから下のフロアーから見学してください
と言われました

パスポートとか身分を証明するものの提示は必要ありませんでした

ここは個人金融相談のエリアのようで個人資産運用相談用の小部屋が並んでいます

写真の左手にチェースの看板がある入り口を入って行きます
写真の奥に写っていますがスペースのセンターに沈んだ円形空間、イサムノグチの作品「Sunken Garden for Chase Manhattan Bank Plaza」があります

銀行の地下1階の中心部に円筒形のサンケンガーデンはガラスで囲まれています
写真ではわかりませんがガラス窓の清掃はあまりされていないようで残念でした

京都の龍安寺の石庭の影響が強く感じられた
イサムノグチ自身「私の龍安寺」と呼んでいたと言います

石庭の熊手で描いた波紋を思わせる同心円状の曲線が配置された石の周りに花崗岩で形成されている
山水としての噴水は札幌のモエレ沼公園の噴水の原型というか習作を思わせた

横パノラマ

縦パノラマ

動画です

http://youtu.be/D3LfntQrtgw

鑑賞を終了しました

外に出て地上フロアからサンケンガーデンを見学しました
静止画は撮影していません
iPhoneによる動画です

イサムノグチの設計意図である石の配置、水の出方と排水などは上から見下ろすと良くわかります

https://youtu.be/D3LfntQrtgw?t=1m33s

Jean Dubuffet　1901〜1985
Group of Four Trees 1972年

デュビュフェはフランスの画家です
これまでの絵画の歴史、伝統、テクニックを全て否定し、子供や未開人や精神障害者の作品にこそ芸術があると主張しました
アールブリュット「生の芸術」の先駆者と呼ばれています

ゲルニカで有名なスペインのマドリードのソフィア王妃美術館の入り口にも作品がありました

911メモリアル
新しく大きなスペースができたそうで、ここは閑散としていました

竣工なったまばゆい新タワー

何か建設中です

ご存知の方いらっしゃいますか？

こんな場所ですが？

911は遠い思い出のような
元気で、人が一杯のエリアを抜けて次のところ
ロックフェラーセンターまで歩きました

ワン ワールド展望台 建造物

この信号渡ると目的地です

ロックフェラー センター 建造物

News, Associated Press Building
1938年～1940年
50 Rockefeller Plaza, New York, NY
レリーフ　6x5.2m Stainless Steel

1938年に行われたコンペにノグチイサムは入選した
ロックフェラーセンターのAP通信社の正面玄関にある
この前を通った人は多いと思いますが、気がつかない人が多いと思います
Red Cubeは目立ちますが、これは地味ですね

AP通信社の記者が5人描かれている
電話をしている記者、取材のメモを取る記者、タイプライターで記事を打つ記者、記事を送る記者、カメラで撮影する記者で構成されています

34?36歳の作品です
石膏型の制作はもちろん、鋳造、溶接、仕上げの研磨までの全工程をイサムノグチ一人で行ったといわれています
9トンのステンレスを使用したそうです

ロックフェラー センター 建造物

iPhone動画です
動画の最初に初期のイサムノグチのサインと1940年と制作年を撮影しています

https://youtu.be/KDuWsOACvEg

この作品の2年前、1936年に31歳のイサムノグチはメキシコシティに行っています
当時のメキシコではディエゴリベラ、アルファロシケイロスたちによる社会主義リアリズム絵画である大壁画が隆盛でした
イサムノグチは「メキシコの歴史」という大型の壁面彫刻を残しています

イサムはディエゴリベラの妻フリーダカーロと恋愛関係になります
フリーダカーロはメキシコの最高金額紙幣に肖像が出るほどの天才画家です
メキシコシティの南西の町コヨアカンに彼女の生家があり、今ではフリーダカーロ美術館として公開されています
天蓋式のベッドがありますが、天蓋にイサムが送った「蝶々の標本」がまだ飾られていました
その時の４T旅行記です

http://4travel.jp/travelogue/10736058

ロックフェラー センター 建造物

ニューヨークで比較的美味しいラーメン屋さんです
経営は日本人です
味は普通の味噌でした

チップの要求があって13ドルでした

SAPPOROというラーメン屋さんです

ヤンキースクラブハウスストア

家人のリクエストで田中将大のグッズを買いました
このヤンキーズグッズのショップはタイムズスクェアにもあります
ヤンキーズ球場まで行かなくても買えるのはありがたいです

ボストンでヤンキーズの最終戦が見られるスケジュールだったんですが、残念でした

首振り人形はタイムズスクェアの店で買いました

リアルなマー君とネームタグ
29.37ドルでした

ロックフェラーセンターの後は

ユニクロとMOMAの通りの間にある壁面作品まで歩きました

静止画はありません
iPhone動画です
この場所はちょっと見つけにくいです
動画の最後に左側のユニクロ、右側にMOMAの動画がありますので参考にして下さい

https://youtu.be/3REcyplmoHQ

666 Fifth Avenue Building Ceiling and Wall1956〜1958年
666 5th Ave, New York, NY

1943年にイサムノグチは「ルナー」という光源を内蔵した彫刻作品を発表しています
このビルの天井と壁面はイサムの「ルナー」の延長上の作品です

アルミとステンレスを素材に細かい流線型の天井をイサムは「雲の風景」と呼んでいます
高さ3.6mで幅12mの壁面作品は、天井と同様の流線型を垂直に形成しています
その風景をイサムは「鉱脈の地質上の位置」を表していると言っていました


ニューヨークではイサムノグチの母である
レオニーギルモアの卒業したエシカルスクールの授業参観をしてきました
4Tにアップしましたので、お時間あったらご覧ください

http://i.4travel.jp/travelogue/show/11067707

レオニーギルモアは松井監督の映画「レオニー」でご存知の方も多いと思います

イサムノグチのアーティストとしての人生には母である
レオニーギルモアの影響、教育方針が大きな影響を与えていると思っています

この旅行記へのコメント （2）

• わんぱく大将さん 2016/11/28 11:27:09

  やっぱりＮＹ

  norio2boさん
  
  ＮＹ，いいですね。　でかい作品大好きです。　でも、チップを要求、流石ＮＹです。
  私も25年前位に行った時に、チップが少ないと言われました。当時ロンドンに住んでたので、チップはロンドン位でと思ってたら、舐めたあかんでえ〜と言う感じでした。
  
  　大将

  norio2boさん からの返信 2016/11/28 16:57:50

  Re: やっぱりＮＹ

  コメントありがとうございます。
  ニューヨークは何しろ物価が高いですね。
  
  ホテルの価格の高さにはガッカリします。
  値段相当のレベルなら良いのですが。