2015/05/17 - 2015/05/17
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ドクターキムルさん
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国宝「鳥獣戯画」甲巻に描かれている動物は良く知られている兎、蛙、猿の他にも、鹿、狐、猪、猫、鼠、雉、鼬、梟(あるいは木菟(ミミズク))があり、実に11種類に及ぶ。この中で、鹿と猪、それに梟は擬人化されてはいない。「鳥獣戯画」甲巻が古代に分類される平安時代に描かれたとするとこれら11種類の動物たちは当時も人々が身近に目にすることができた動物たちであろう。擬人化されなかった鹿と猪は貴重なタンパク源として食されていたであろう動物で、擬人化された兎や雉なども同様であろう。では梟は?
かつてウィキペディアの「フクロウ」の項には、中世においては、狼と梟は邪悪な心を持つ動物として嫌われていたことが記載されていた。しかし、それが削除されて一新され、今では「「森の物知り博士」、「森の哲学者」などとして人間に親しまれている」、あるいは、「「不苦労」または「福老」に通じるため縁起物とされることもある」となってしまっている。項目は何であっても内容が伴わないウィキペディアでさえも、誤記訂正や補足追加はあっても内容が180度転換してしまった項目も少ない((すく)ない)であろう。
忌み嫌われていたことの記載はなくても、「日本と中国では、梟は母親を食べて成長すると考えられていた為「不孝鳥」と呼ばれる」との記載はある。このことからも知れるように、大陸系の人々や支配者層には疎まれていた動物あった可能性は高い。しかし、縄文系の人々には逆にアイヌの例のように崇められていたのだろう。江戸時代(近世)まで時代は下がるが、寺に町民が奉納した天井絵(木彫り彩色)は松竹梅、花鳥風月を題材にしたものが多いのだが、鳥には梟が描かれているものが何枚もある(http://4travel.jp/travelogue/10394120)。
江戸時代には梟は嫌われていたなどということは京都ならまだしも、東国の鎌倉界隈では逆であった。「鳥獣戯画」甲巻に梟が描かれていることから、平安時代に遡っても疑ってみるべきことのようにも思える。
こうした内容は特別展「鳥獣戯画―京都 高山寺の至宝」(後期)(http://4travel.jp/travelogue/11020960)の待ち行列の中で何度も話題にしたことである。
NHK BS 「ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅」で「フクロウを育む田んぼ」(2015年 11月16日(月)放送 栃木県 宇都宮市)には
「宇都宮市郊外の逆面(さかづら)集落は家々の門にフクロウの飾りがあり、森にもフクロウの巣箱をかけて繁殖を手助けしてきた。フクロウはネズミを駆除する農業の守り神として大切にしているのだ。そのフクロウの狩り場は田んぼと森の境の草地。人々の草刈りのおかげでネズミやカエルなど捕りやすくなるのだ。また、農家は農薬を控えてカエルなどが増える米作りも始め、フクロウ米として売り出したところ、米が売れ始めた。」(https://www.nhk.or.jp/nature/program/satoyama/library/detail/151116.html)
とあり、異常なくらい梟を愛(いと)おしむ里がある。しかし、これは少し時代が下がるであろう。
日本の里人は昔から梟を遠くから見守るのが普通であったようだ。
(表紙写真は国宝「鳥獣戯画」に描かれた梟)
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国宝「鳥獣戯画」に描かれた梟。
この春の明け方、ベランダに出るとフクロウの鳴き声が聞こえた。ここに住んで四半世紀になるが、初めてのことだった。台湾リスの子供でも狙っているのだろうか?
「今、フクロウの仲間は大変人気があります。フクロウをかたどった木彫りやぬいぐるみなど、フクロウグッズがよく売れているそうです。私のフクロウ写真集もお陰さまで売れ行きがよく、野鳥に特別な関心のない方も買われているようです。なんでもフクロウは福を呼ぶものと言われ、どんなものでもフクロウをモチーフにしていれば買い求めるフクロウグッズ収集家が少なくないのだそうです。もともとフクロウは「森の賢者」などと呼ばれるプラスのイメージがありましたが、それが発展し、さらに福郎(当て字ですが)と書けるところからそうした発想に行き着いたのでしょう。
しかし、歴史的に見ればフクロウに対するこうした好意的な見方はむしろ異端です。古代にはエジプトでもローマでも中国でも不吉な鳥とされていました。日本でも江戸時代には忌み嫌われていました。夜、音もなく飛び回り、ネズミを捕らえ食べる…。科学知識の乏しかった時代に、そんなフクロウの姿を見た人々が恐れおののいたことは容易に想像できるでしょう。アメリカのペンシルベニア州でフクロウを気味の悪い動物として根絶させようという州法が成立したのは、今からわずか百年余り前のことでした。
フクロウを「森の賢者」とみなすのは、古代ギリシャで知恵の神の使いと考えられていたことが起源です。こうした例は古今東西を見渡しても珍しいのです。それが、しかし、現代の日本でこうももてはやされるのは、物質的な豊かさが決して幸せを意味するものでないことを皆が感じているからかもしれません。社会全体の幸福を、今、切に祈ります」(http://www.naturally.co.jp/info/070101.html)
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