2012/10/30 - 2013/03/17
166位(同エリア460件中)
石ちゃんさん
2012年から2014年にかけてアジア、中東、中南米を放浪しました。
その記録です
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ナグプールでは毎日佐々井さんの用事を手伝っていました。
その他に、佐々井さんとお坊さんがあちこちの仏教徒の村に呼ばれて出かけて行きます。
大体週一位でしたが、多い時は2〜3回出て行く時もありました。
表紙の車がインドのTATA社製のSUMOというジープです。
この車であちこち行きました、中はこんな感じです。 -
この車は運転席もベンチシートになっていて、運転手と佐々井さんが座ります。
その後ろに坊さんが4人掛けでギュウギュウです。笑
蒲田行進曲みたいです。
さらに後ろに4〜5人座る事もあり、キツキツで10時間位乗りっぱなしです。
インドも12月の夜は寒く、深夜に出発したりする時は寒くてきつかったけど、皆で旅をしているみたいでとても楽しかったです。
このTATAの車はインドではポピュラーな車です。
TATA社はゾロアスター教系なので、ヒンドゥーのカーストによる職業差別的な事はほぼ無い、と聞きました。 -
この日はこんな田舎の村に来ました。
普通に旅行してたら、まず来ない小さな村です。
幹線道路から外れて、麦畑や荒野を入って行くと、こんな小さな集落があちこちに有ります。 -
村人はとても感じの良い人ばかりです。
そしてとてもシャイで、写真を撮られる事に慣れていません。
でも嫌がってる訳では無いです。
「写真いいですか?」と聞くと、恥ずかしそうに、でもちょっと嬉しそうに頷いてくれます。
まあ佐々井さんと一緒に来てるから、皆僕の事を日本の僧侶かなにかと勘違いして、凄く気を使ってくれます。 -
子供達もカメラを向けると照れています。
外国人を生で見るのは初めて、らしいです。 -
当然というか絶対に牛が居ます。
インドの何処へ行ってもこれだけは変わりません。 -
井戸水汲んでますね。
この後、インドにおけるアンタッチャブルの村人、特に少女達が抱えている問題について、少し知る機会が有ったのですが、とても衝撃的な内容でした。
この村人達は佐々井さんが守っているので大丈夫なのですが、目の届かない奥地の集落では、、とても信じられない様な事が起きています。
一度その事について佐々井さんに聞いた事が有るのですが、とても苦しそうな顔で
「あ〜、そういう事が実際にあるんです。絶対に許してはいけない事が。しかしそういった村では警察に言っても相手にしてくれないんですよ」
と言っていました。
僕自身はそういう事件には遭遇していませんが、佐々井さんは何度もある様で、解決に奔走してきた訳ですね。
どういう事かはネットでも簡単に出て来ます。 -
村に着いて何をするかというと、大体がその村にお寺を建てる為の地鎮祭や、完成したお寺の落慶法要、そして仏教徒が大勢で辺りを行進する示威活動です。
村に着くとまず出迎えられます。
この人達からすると佐々井さんは本当に神の様な存在で、アンタッチャブルの為に闘う唯一の日本人僧侶です。
インドには仏教の僧侶は他にも居るのですが、佐々井さんの様にアンタッチャブルの人達と共に生きて、地位向上に取り組んでいる人は居ません。
彼は僧侶であり社会活動家でもあるのですね。 -
その辺りの事情について彼に聞いた事があります。
佐々井さんがインドに来た当時(50年近く前)は、タイやスリランカのお坊さんが居て、純粋に仏教だけをやっていたそうです。
アンタッチャブルの仏教徒は大勢居たのですが、まだお寺もあまり無く、特に彼等を導く僧侶が不足していたそうです。
皆在家信者なので、お経をあげたり、儀式をする坊さんが居なかった訳です。
そこに佐々井さんが現れ、僧侶として、また彼等の置かれている状況を打破する指導者としての道を歩んで来ました。
彼はよくそれを「実践仏教」と言っていました。
それを聞いて
「じゃあ先生が一番偉いんですね」
と言った事があります、そうすると
「偉い、なんていうのはありません。たまたま自分が長生きして、今は一番古くなっちゃっただけです。」
彼は人を分ける様な言葉には敏感で、一切言いません。
さて、いよいよ出発です。 -
ぞろぞろと村人が出てきます。
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佐々井さんを先頭に行進開始です。
皆「ジャイビーム、ジャイビーム」と声を挙げています。
ジャイビームとは、「ビームは勝利した」という意味で、ビームとは
アンタッチャブル仏教徒産みの親、アンベードガル博士の事です。
このジャイビームは彼等仏教徒の挨拶でもあり、こんにちはの代わりにジャイビームと皆言います。 -
大勢の先頭に立って佐々井さんが歩きます。
この行進は僕が初めて見たもので、とても興奮したのを覚えています。
「なんて凄い日本人が居るんだ!」と
この後も何度も佐々井さんと行進して行きました。
大きいものでは街中を通行止めにして練り歩いたり。
インドではこういう示威行動は割と当たり前で、ヒンドゥー教徒もよくやっています。 -
広場に集まった人の前で佐々井さんが説法して終了です。
もちろんヒンドゥー語なので何を言ってるかは分かりません。
たまに聞くと
「今日はね、みんな闘え!差別されたなら相手をぶん殴ってこい、と言ってきました。」
流石です。 -
これはまた別の日に落慶法要に行った村です。
爆竹を鳴らして皆が出迎えに待ち構えています。 -
なんか興奮状態でちょっと怖い。
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佐々井さんが降り立ちます。
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大歓迎です。
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皆が殺到して来ます。
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花輪をかけようと押し寄せてきて、だんだん収集がつかなくなってきた感じです。
もう熱狂しています。 -
先生、もう顔が...
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先生が止めて皆落ち着きます。
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村人の建てたお寺に向かいます。
今日は佐々井さんが来るという事でお祭りみたいになっています。
屋台も出てました。 -
他のお坊さん達も。
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佐々井さん。
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奥に小さなお寺が見えます。
裕福な村では無いのですが、皆がお金を出し合ってやっと完成させました。 -
中も外もゴチャゴチャです。
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落慶法要が始まります。
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仏像です。
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用意した袈裟を着せます。
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お経をあげます。
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熱心にお経をあげる佐々井さん。
彼の声はガラガラ声なのですが、とても大きく響き渡ります。 -
それが終わると例の行進です。
でも今日はなんか様子が違います。
先生が何かに乗り込んでいます。 -
銀の馬車っス。
象の時もあるみたいです。 -
出発です。
前の車には特大のスピーカーが積んであって、仏教ラップみたいなのを大音量で流し、踊りながら皆が歩いていきます。
もうなんか凄すぎです。 -
街中を練り歩きます、後ろの方に先生の馬車が。
が、この馬車がいきなり暴走して人々に突っ込んできます。
馬車に追われて皆が逃げ惑っていました、僕も全力で逃げました。
阿鼻叫喚です。
何度もそういう事があったので後で聞いてみたら
「上り坂では馬が馬車を引けなくなるので、手前で走らせて勢いつけて登るんだ、がはは」
と言っていました。
せめて合図して下さい。 -
その後も広場で集会です。
この日は朝から夕方までずっと忙しかったですが、佐々井さんはケロッとしていました。
「先生、疲れないですか?」
と聞くと
「な〜に、これ位は慣れてるからな、ブッダガヤに行進してた時は、何日もほとんど寝ないで歩いたりしてたんだよ、がはは」
凄い80歳です。
でも、この後お寺に深夜に着いて、またすぐ次の村から呼ばれてると、使いのインド人が来てたのです。
佐々井さんが僕に
「あなたも行けますか?」と聞くので
「僕は眠いので行きません」というと
佐々井さんもやはり断ってました。
「殺す気かっ!と言ってやりましたよ」
インド人は相手の都合は全く考えないので、先生も大変です。
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