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南門を潜ると正面に参拝所が控える。<br /><br />その奥の本殿へは特別参拝となる。(有料)<br /><br />特別参拝はルートが決められているが、その最初の紅葉の下のに4棟の祠の建つ庭が目を奪う。<br /><br />4棟の本堂が改修工事中で、捻廊と云う階段の脇から”春日造り”と呼ばれる屋根が望めるだけであったが、その代替として御蓋山浮雲遥拝所から御神体の御蓋山を直接参拝出来たことと、藤浪之屋に架かる萬燈籠の幽玄の世界を彷徨う機会に恵まれた。<br /><br />境内の案内ルートは春日大社の公式サイトをご覧ください。<br /><br />春日大社公式サイト<br />http://www.kasugataisha.or.jp/<br /><br /><br />境内のご案内/御本殿(回廊内)のご案内<br />http://www.kasugataisha.or.jp/guidance/index.html<br /><br />さて春日大社の御祭神だが、ここでも頭を悩ますこととなった。<br /><br />春日大社の由緒によると、1300年前に平城京鎮護の為に鹿島神宮から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を御蓋山(ミカサヤマ)の山頂浮雲峰(ウキグモノミネ)に奉遷したのが始まりとある。<br /><br />武甕槌命は天照大神の命で大国主命と国譲りの交渉を行い、国譲りに反対した大国主命の次男・建御名方命(たけみなかたのみこと)を諏訪まで追い詰めた武神。<br /><br />しかし島田裕己氏は武甕槌命が奉遷される前に、御蓋山には実態が良く分からない春日神(春日明神・春日権現)が祀られていたらしいと云う。<br /><br />現在の春日大社の由緒には御祭神は武甕槌命以外に経津主命、天児屋根命・比売神の4柱の神が祀られており、経津主命は武甕槌命とともに国譲り交渉に立ち合い、天児屋根命は天の岩戸で天照大神が隠れていた岩穴の扉を少し開けた際、天照大神を鏡の光で照らした神で、比売神はその妻。<br /><br />現在はこの4柱の神を一括して”春日四所明神”と云うらしい。<br /><br />諏訪の御神祭・建御名方命と違い、武甕槌命は闘いに勝利した神であり、他にも2柱の古事記にお出ましになる神が居られることでもあり、春日大社を”記紀にお出ましになる神々”の範疇に入れることした。<br /><br />大和の国全体が春日大社の神領だったこともあるらしい。<br /><br />それは天児屋根命の子孫と称する藤原氏が勢力を拡大し、天皇家との縁戚となり、藤原氏の菩提寺である興福寺と一体となって大和の国を実質支配したからに他ならない。<br /><br />明治の廃仏毀釈以降その勢いは縮小したが、皇室ゆかりの官幣大社としてその権威を維持した。<br /><br />朱の鳥居の奥は藪山としか見えない、御蓋山浮雲遥拝所からの御神体の御蓋山を参拝する我々を、物珍しそうに見つめて佇むアメリカ人と思われる夫婦の顔が印象的であった。<br />

日本の神を覗く旅路・第1部記紀の神々続・晩秋の大和路03祭神は国譲り交渉の主役たち・春日大社その2境内周遊と特別拝観・萬灯篭

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2014/11/26 - 2014/11/26

4003位(同エリア5994件中)

WT信

WT信さん

南門を潜ると正面に参拝所が控える。

その奥の本殿へは特別参拝となる。(有料)

特別参拝はルートが決められているが、その最初の紅葉の下のに4棟の祠の建つ庭が目を奪う。

4棟の本堂が改修工事中で、捻廊と云う階段の脇から”春日造り”と呼ばれる屋根が望めるだけであったが、その代替として御蓋山浮雲遥拝所から御神体の御蓋山を直接参拝出来たことと、藤浪之屋に架かる萬燈籠の幽玄の世界を彷徨う機会に恵まれた。

境内の案内ルートは春日大社の公式サイトをご覧ください。

春日大社公式サイト
http://www.kasugataisha.or.jp/


境内のご案内/御本殿(回廊内)のご案内
http://www.kasugataisha.or.jp/guidance/index.html

さて春日大社の御祭神だが、ここでも頭を悩ますこととなった。

春日大社の由緒によると、1300年前に平城京鎮護の為に鹿島神宮から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を御蓋山(ミカサヤマ)の山頂浮雲峰(ウキグモノミネ)に奉遷したのが始まりとある。

武甕槌命は天照大神の命で大国主命と国譲りの交渉を行い、国譲りに反対した大国主命の次男・建御名方命(たけみなかたのみこと)を諏訪まで追い詰めた武神。

しかし島田裕己氏は武甕槌命が奉遷される前に、御蓋山には実態が良く分からない春日神(春日明神・春日権現)が祀られていたらしいと云う。

現在の春日大社の由緒には御祭神は武甕槌命以外に経津主命、天児屋根命・比売神の4柱の神が祀られており、経津主命は武甕槌命とともに国譲り交渉に立ち合い、天児屋根命は天の岩戸で天照大神が隠れていた岩穴の扉を少し開けた際、天照大神を鏡の光で照らした神で、比売神はその妻。

現在はこの4柱の神を一括して”春日四所明神”と云うらしい。

諏訪の御神祭・建御名方命と違い、武甕槌命は闘いに勝利した神であり、他にも2柱の古事記にお出ましになる神が居られることでもあり、春日大社を”記紀にお出ましになる神々”の範疇に入れることした。

大和の国全体が春日大社の神領だったこともあるらしい。

それは天児屋根命の子孫と称する藤原氏が勢力を拡大し、天皇家との縁戚となり、藤原氏の菩提寺である興福寺と一体となって大和の国を実質支配したからに他ならない。

明治の廃仏毀釈以降その勢いは縮小したが、皇室ゆかりの官幣大社としてその権威を維持した。

朱の鳥居の奥は藪山としか見えない、御蓋山浮雲遥拝所からの御神体の御蓋山を参拝する我々を、物珍しそうに見つめて佇むアメリカ人と思われる夫婦の顔が印象的であった。

同行者
一人旅
交通手段
新幹線 JR特急 私鉄
旅行の手配内容
個別手配

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