コーカサス３国周遊　8シェキ・ハーン宮殿と隊商宿、そして市場

2014/07/04 - 2014/07/13

アゼルバイジャン第四の都市、人口６３０００人のシェキに来ました。標高は５００ｍくらいです。
ここではシェキ・ハーン宮殿と、同じくシェキ・ハーンが建てた隊商宿を見ます。
シェキ・ハーン宮殿は、１７６１年から７年をかけて建設された、堅固な城砦と建築群で、その後主として他国との戦乱が原因で破壊されますが、２００２年世界銀行の資金で、夏の離宮とその庭園が修復されました。
隊商宿（キャラバンサライ）は同じくシェキ・ハーンによって18世紀にシェキ・ハーン宮殿の隣接地に建てられ、19世紀まで、シルクロードを通り中国と行き来する隊商の宿として利用されました。シルクロード上のキャラバンサライは、アゼルバイジャン内に５ヵ所ありました。シェキのキャラバンサライは、コーカサス地方で最大規模のものです。

エリア その他の都市(アゼルバイジャン)

今日は雨模様です。
こんな風景を見ながら、シェキに向かいます。

シェキ・ハーン宮殿の城壁です。

城壁の反対側は、
シェキの街の一部がこんな風に見えています。

城壁内にある古い教会跡。

アルバニア王国時代のものです。

バルカン半島のアルバニアではなく、
現在のアゼルバイジャンにアゼルバイジャン人による、
アルバニア王国があった、と言うことのようです。

白い壁と赤い屋根のコントラスト、
赤い屋根のゆるやかなカーブが、
穏やかで牧歌的な雰囲気です。

シェキ・ハーン宮殿の塀です。

入り口のプレート。

ファサードの中央です。

これから建物内に入ります。

いかにも豪華な室内装飾ですが、
統一感には欠けます。

それぞれ独立したボード様の絵画や模様を、
パッチワークのように連ねた装飾です。

言わば、花鳥図。

鉢花。

花は生命力の象徴です。

繰り返し使われている図柄。
栄枯盛衰を象徴し、王に自戒を促していると、
解釈されるようです。

獣が踏みつけている魚はマス（鱒）で、
アゼルバイジャンでは昔から最上級の魚、
言わば日本のタイ（鯛）です。
しかし魚はぬるぬる、王の基盤は危うい。

そして、獅子であり剣を持つ王も（武力と権力を握っている王も）、
気を付けないと、自分の身体の一部である尾が魔物に変身して、
自らの頭をかじられてしまう。（自滅してしまう、殺されてしまう、自業自得の結果になってしまう）。

こちらの王は冠を被っています。

弱肉強食。

鹿も良く使われています。

鹿は穏やかに平和に暮らしている（皆仲良く平和な国）。

ザクロ。

豊饒、多産、子孫繁栄。

シェキ・ハーン宮殿では、
ステンドグラスによる装飾も多用されています。

確かに綺麗ですが、厳密に言って「ステンドグラス」なのかどうか。

イエメンなどの邸で、木の桟に色ガラスをはめただけのものを、
「ステンドグラス」と言っていますが、あれは違うと思います。

ステンドグラスは「断面がH型の鉛のリムで色ガラスを組み上げ、絵画や模様を表現したもの」と定義されます。
確認はできませんでしたが、シェキ・ハーン宮殿のものは、クルミ材の桟の片側に色ガラスを貼り付けているように見えます。
ヨーロッパのキリスト教会に典型的に見られるステンドグラスよりは、
イエメンタイプのように見えます。

ただし、クルミ材の桟は、見事な細工です。

パッチワークのような各々独立したボードの間に、
横に長く続く「戦争絵巻」があります。

長い望遠鏡。

この戦争絵巻は興味深いです。

戦功の証として、
敵軍の生首を大将に差し出す武将。

騎馬隊。
ターバンタイプの被り物です。

銃が使われています。

入り乱れた肉弾戦です。

敵軍騎馬隊。

被り物（帽子）が違います。

二階からの前庭と、
領地の一部。

前庭からのファサード。

やはりペルシャ風です。

釘を使わない木組みの建築です。

シェキ・ハーン宮殿を出ます。

隊商宿の前に来ました。
たまたまマルシュルットカ（ミニバス）が来ました。

１１が系統番号、その右に並んでいるのが経由停留所と終着地でしょうか。

シェキは斜面の街です。

歴史を感じさせる石畳の道を下って行きます。

シェキ・ハーン宮殿の隣接地、隊商宿（キャラバンサライ）に来ました。

ここは現在のホテル・レストランとしては中庭、
往時はラクダの係留場所です。

キャラバンサライは一般に、周りを堅固に固め、
内側に開けた空間を作ります。

隊商が集まると言うことは、即ち金と物とが集まっていると言うことです。
強力な武力があれば一気に戦利品を獲得できる場所です。
守りが硬くなければ、隊商は泊まってくれません。

二階の外廊下。

建材は主としてレンガです。

ホテルの客室として使用している部屋。
ベッドルームは奥です。

（チェックアウト後でドアが開け放たれていました。）

２階外廊下からの中庭。

反対側から。

庭から外壁を見ています。
道路に面した外壁は窓もなく、城壁のようです。

この後、シェキの市場へ行きます。

車で少し、シェキの市場に来ました。

ここから入ります。

甘いお菓子。
量り売りです。

美味しい！とアッピール。

ナッツやドライフルーツ。

獣肉。

この人、
私をカウンターの中に招き入れ、
紅茶とタバコを勧めてくれました。
紅茶は美味しくいただき、タバコは辞退しました。
「おれ達はもう友達だ」と強調していました。

しかし、写真は少し緊張。

この人も肉屋さん。

その息子さん？

万国共通、
市場らしい情景。

スイカ、日本の１割位で買えます。

去年７月、東トルコでは、大玉が５０円くらいでした。

場外の店。

こちらも場外の肉屋さん。

この後、
ここアゼルバイジャンのシェキから、
陸路国境を越え、グルジアに入国します。