2014/06/05 - 2014/06/05
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ぺこにゃんさん
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3年振りに西芳寺(苔寺)を訪れました。
前日に雨が降り,(苔の)コンディションは良好♪
モスグリーンの世界を堪能してきました。
タイトルは考えるのが面倒だったので,前回と同じで。
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苔寺こと西芳寺。
前回訪れたのは3年前ということもあり,そのときの記憶は遥か彼方へ…
失われた記憶を呼び戻すために,訪れたのでありました。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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■総門,大歇橋(だいけつきょう)
西芳寺を訪れると最初に目にする開かずの総門。
かつてはここから参拝していたらしいです。
手前の大歇橋はかつて茶室「潭北亭(たんほくてい)」に架けられていたそうです。
新調された柵が何ともミスマッチで…西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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イチオシ
柵をフレームから外すと絵になりますね。
青もみじが綺麗です。 -
■虚子句碑
総門脇に石碑があります。
かなり読みにくいですが「禅寺の苔を啄む小鳥かな」と刻まれています。
高浜虚子が詠んだ句です。 -
■衆妙門
西芳寺川に沿って歩いていくと門が見えてきます。
衆妙門といい,現在の寺の入り口となる門です。
とはいえ門自体は閉じられており,脇の扉から入ります。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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ちなみに「衆妙」とは「天地万物の深遠な道理」という意味らしいです。
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さて,西芳寺は臨済宗のお寺です。
もとは聖徳太子の別荘だったと伝わっていますが,奈良時代に行基が法相宗の寺として開山。
1339年に夢窓疎石が庭を整え臨済宗の禅寺として再興しました。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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■大仏次郎文学碑
中へ入ると,大きな石碑が目に付きます。
石碑には,大仏次郎の小説「帰郷」の中の一節が刻まれています。
川端康成の揮毫だとか。
ちなみに一枚目の苔の写真は,石碑の下に生えていた苔を撮影したものです。 -
■本堂(西来堂)
現在の本堂は昭和44年に再建された,比較的新しい建物です。
参拝者は玄関で冥加金を払った後,この西来堂へと案内され,ここで写経や読経などに参加します。 -
受付へ行く途中には蓮池があります。
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蓮池には大賀蓮が植えられています。
大賀蓮とは,2000年以上前の実から発芽させた古代蓮です。
と説明したものの,肝心の蓮はまだ咲いておらず。
代わりに蓮池を囲むようにドクダミが咲いてました。 -
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写経を終えたのち,庭園見学となります。
ここから先は自由行動です。 -
庭園に入る前,庫裏の前に一本の道がありますが,これが本来の参道です。
かつては総門から入り,築地塀に沿って庭園の南を通り,中門をくぐってここまで来ていたようです。 -
イチオシ
苔むした参道が奥へと続いていく…
踏み入れることができないためか,いろいろと想像してしまいます。 -
■観音堂
庭園に入ってすぐ左手に見える建物,観音堂です。
現在の本堂である西来堂ができるまでは本堂として使用されていました。 -
青もみじとともに。
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観音堂前には,皇后陛下行啓記念樹の松が植えられています。
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西芳寺の庭園は上下二段に分かれています。
下段は黄金池を中心とした池泉回遊式庭園,上段は日本最古の枯山水庭園です。
作庭家である夢窓疎石が手掛けた,趣の異なる2つの庭園があるというのが西芳寺の見所です。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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■金剛池
観音堂の東側にある池が金剛池です。
苔と楓に囲まれた緑の世界が広がります。 -
■夜泊石
金剛池には16個の岩島,3列(または2列ともいう)に並ぶ夜泊石があります。
夢窓国師の時代,西来堂は金剛池の東にありました。
その西来堂の南に瑠璃殿があり,西来堂と瑠璃殿を結ぶ回廊の礎石跡がこの夜泊石といわれています。 -
金剛池の反対側に目をやると,奥に小さな建物があります。
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■少庵堂茶室
池泉回遊式庭園にある三つの茶室のうちの一つ,少庵堂茶室です。
千利休の子・少庵の名にちなんでおり,少庵の木像が安置されています。 -
少庵堂茶室の前を流れる水は金剛池へと流れ込みます。
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さて,少庵堂茶室の南側を流れる遣水(左奥から来ている)は,庭の外から来ています。
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■夕日の清水
庭の外に何があるかというと,「夕日の清水」と呼ばれる湧き水があります。
閼伽井であり,清涼寺の釈迦如来像の御身払い(4月19日)では浄水として使われています。
受付前にありますので,気になる方は探してください。 -
遣水は苔がぎっしりと生えた庭園の中を進み…
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黄金池へと流れ込みます。
黄金池は心字形になっているそうですが,上からでも見ない限りわからないでしょう。 -
黄金池をゆったりと泳ぐ鯉。
緑一色の中ではまさに紅一点です。
ちなみに奥に見える小さな社は鎮守社です。 -
黄金池には朝日ヶ島,夕日ヶ島などと名付けられた島があります。
よく見れば小さな橋が架かっているのがわかります。 -
夕日ヶ島に架かる橋。
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苔に浸食されつつある木。
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では,奥へと進んでいきます。
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この日は雨は降らなかったものの,一日中分厚い雲が空を覆っていました。
さらに頭上を木々が覆っていたので,写真を撮るには結構暗かったです。
シャッタースピードが稼げなくて苦労しました。 -
先へ進むと,石がゴロゴロと置かれている場所にでます。
その中に一つだけ注連縄をした石があります。 -
■影向石(えいこうせき)
松尾明神がこの石の上に安座して,松尾大社の宮司藤原親秀に告げました。
「我、素より此処に跡を垂る。我が社殿を営むことなかれ」
翌朝,藤原親秀がこの石を調べると注連縄が張られていたといいます。
以来,社殿が建てられることはなく,毎年正月に注連縄を飾りかえています。 -
影向石の向こうには,茶室「湘南亭茶室」が見えています。
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土塀沿いに歩いて南西角へ。
ここから東へと歩いていきます。 -
庭園南西にある相生の杉。
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こちらは連理の木。
3年前の写真と見比べると,いっそう傷んでいました。 -
何か住んでそう。
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この辺りで苔撮影。
せっかく苔寺にきたので,撮っておかないとね。
苔寺に生えている苔の種類は約120種類だそうです。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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確かによく見れば種類が違う。
名前は全然わかりませんけど。 -
■湘南亭茶室
庭園南側に位置する二つ目の茶室,重要文化財の湘南亭茶室です。
夢窓疎石により建てられた後,豊臣時代に千少庵によって老朽化した建物を茶室として改築しました。
明治維新には岩倉具視がここに身を隠し,幕府の難を逃れたそうです。
当時の西芳寺住職神湫が,岩倉具視の従兄弟だったためです。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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湘南亭茶室を通り過ぎたところから振り返って。
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苔ばかりクローズアップされますが,ちらほらと季節の花も咲きます。
この季節はサツキですね。 -
前回も梅雨時を狙って来ました。
そのときはサツキはほんの少ししか咲いていなかったのです。
今回は咲いてくれていたらいいなと思っていたので,良いタイミングで来れました。 -
花数は少ないですけど,赤とピンクの彩りが加わると絵になりますね。
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ツツジが植えられているところは,石垣になっています。
この石垣の東側はかつて船着場だったそうです。 -
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池に向かって生えている松。
見事なバランスで倒れずにいます。 -
カエデの木が生えている島が亀島です。
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少し風があったのか,完全な水鏡とはならず。
水面に映る虚像がユラユラと揺れていました。 -
庭園南側の土塀。
来るときに通った一般道路から見えるのがこの土塀です。
背が高ければ土塀越しに庭園の様子がチラッと見えるんですけどね。 -
黄金池の南東側へ。
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■霞島(または長島)
黄金池の南東に位置する霞島。
かつては白砂で覆われていたそうです。
その霞島南岸には三尊石があります(写真右下)。
この石組みは金閣寺の葦原島,銀閣寺の白鶴島に写されました。 -
右に霞島,左に石垣,その間に見えるのが先ほどの亀島です。
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西芳寺を紹介する写真に良く使用される構図です。
京都の世界遺産の切手が発行されたとき,この景色が採用されました。 -
インターネットで昔の写真を見ていると,この橋は苔に覆われている時期があったようですが,今はご覧のありさま。
しかも3年前よりも緑が減っている!
この橋が苔に覆われるのに何年かかるのだろう… -
霞島の北側から。
右手が朝日ヶ島となります。 -
その朝日ヶ島の手前に見えるのが鶴島。
花菖蒲が咲いておりました。 -
朝日ヶ島の右手,鎮守社が見えているところが夕日ヶ島。
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夕日ヶ島に架かる橋。
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この辺りの苔はモコモコとしています。
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■潭北亭(たんほくてい)
黄金池東側に三つ目の茶室,潭北亭があります。
1928年,陶工・真清水蔵六により寄進されました。 -
潭北亭の中には入ることができます。
丸窓から見える景色はこんな感じ。 -
さらに先へと進みます。
この辺りはかなり鬱蒼としていますね。 -
池の対岸に舟が一隻泊まっているのが見えます。
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■七本竹
その舟の脇に夢窓疎石が植えたと伝わる「七本竹」があります。
作庭に参加した7人を労って植えたそうです。
どう見ても七本以上あるやろ,とツッコんでおきます。 -
苑路は続くよ…
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黄金池の北側を歩いていきます。
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この辺りは苔の生え方が違う気がします。
北側と南側では陽当たりの違いがあるためかな? -
青もみじ。
バックも緑なので,綺麗さが伝わらない… -
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何度も出てきた鎮守社。
ここからが一番近くに見えました。 -
ここで黄金池とはお別れ。
次の庭園へと向かいます。 -
■向上関
下段の庭園を回り終えると,小さな門に辿り着きます。
ここから先が上段の枯山水庭園となります。 -
向上関の背後を見ると,苔の中に飛び石があります。
このまま進むと入口にあった観音堂に出ます(実際は通行禁止)。
これで庭園の位置関係がわかりますね。
要するに一周してきたということです。 -
向上関をくぐると,急な階段があります。
通宵路(つうようろ)といい,全部で49段あるそうです。
かつて切手に採用されたこともある光景ということで,まねて撮ってみましたが…
うーん,暗い。
SSが稼げなくてブレてしまいました。 -
階段を登り切って別ステージへ。
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来るたびに思っていたことが一つ。
枯山水庭園のほうが苔が綺麗な気がします。
上手く表現できないですけど,モコモコ感があります。 -
ただ,正直なところここまで来ると苔は見飽きてます。
食いついて撮影する気は起らなかったです。 -
■須弥岩組(亀石組)
遊歩道を進んでいくと,左手に須弥岩組が見えてきます。
左側が亀の頭になっているようですが… -
■指東庵
そして右手の一段高くなったところに,西芳寺の開山堂である指東庵があります。
指東庵は夢窓疎石にとって最も神聖な座禅の場所でもあり,将軍足利義満も何度か座禅をしたとか。西芳寺(苔寺) 寺・神社・教会
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■枯山水石組
その指東庵の東側に,豪快な石組があります。
夢窓疎石により造営された,日本最古の石組みと言われています。 -
上段,中段,下段の三段の「枯滝石組み」となっています。
奥行き23mもあるらしいです。 -
こちらは中段から下段の石組み。
一匹の鯉が滝を登る様子を表しており,「鯉の滝登り」すなわち「登竜門」(流れの急な龍門という河を登りきった鯉は龍になる)にちなんで「龍門瀑」といわれています。 -
■鯉魚石
中央の石が鯉を表す鯉魚石です。
この石が鯉を表しているといわれると,雑然と置かれたようにしか見えない石たちが理由を持って置かれているように見えてきます。
不思議なものです。 -
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■龍淵水石組,坐禅石
指東庵を挟んで,龍門瀑と反対側にあるのが龍淵水石組です。
この石組みには夢窓疎石が坐禅した「坐禅石」と僧が身を清めるために使用した「龍淵水」があります。 -
■龍淵水
こちらが龍淵水で,今も湧き出しています。
周辺の石組みは金閣寺,銀閣寺の庭園にも写されているそうです。 -
■坐禅石
夢窓疎石はこの上に座って,作庭の際に指揮を執ったといわれています。 -
以上で旅行記はおしまい。
次に来るのは何年後でしょうか…
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この旅行記へのコメント (2)
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- 蔦之丞さん 2014/07/07 13:00:40
- 苔寺・西芳寺
- 姉に昨年秋に苔玉造りを教えたら
苔に興味を持つ様になりましたので
連れて行きたいです!!!
因みに姉は春の桜・秋の紅葉と
毎年2回訪れていますが…
京都の観方が変わると思います(笑)
蔦之丞
- ぺこにゃんさん からの返信 2014/07/08 22:42:27
- RE: 苔寺・西芳寺
- 蔦之丞さん,こんばんは。
旅行記を見ていただき,ありがとうございます。
京都の苔庭といえば,西芳寺(苔寺)ですね。
苔好きにはたまらない(?)場所です。
西芳寺の苔は,人が手を加えたのではなく自然にできたものなんですよ。
凄いですよね。
春,秋の京都もいいですが,夏の京都も楽しいですよ。
蒸し暑くて不快指数は高いですがw
> 姉に昨年秋に苔玉造りを教えたら
> 苔に興味を持つ様になりましたので
> 連れて行きたいです!!!
> 因みに姉は春の桜・秋の紅葉と
> 毎年2回訪れていますが…
> 京都の観方が変わると思います(笑)
> 蔦之丞
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