2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現【第12日目:サンクトペテルブルグ】(1)エルミタージュ美術館:大混雑で興がそがれた「大使の階段」から古代文明のすばらしいコレクション
2013/07/17 - 2013/07/17
463位(同エリア1805件中)
まみさん
2013/07/17水 サンクトペテルブルグ観光2日目
・エルミタージュ美術館(正味6時間)
・中央郵便局へ
【サンクトペテルブルグ泊:ゴーゴリ・ホテル】
エルミタージュ美術館で約7時間、正味6時間!!
疲れましたー!! !!
しかも、昼飯抜きなだけでなく、水抜き。
というのも、水持参は不可だからです。
カフェは一階に二ヶ所しかない上に、片方はアイスクリームスタンド。
カフェは団体が1つでもカウンターに並ぶと、あっという間に大渋滞!
7時間の間に、カプチーノ休憩とアイスクリーム休憩しかとれませんでした。
出発前に日本からオンラインでチケットを購入しておいたので、切符を買う前の大行列を追い抜いて入館し、クロークに荷物を預けてできるだけ身軽になり、いざ、有名な「大使の階段」へ!!
ところが再訪への期待が高すぎました。
あるいは13年前に比べると私の目が肥えてしまったのか。
なによりも人の多さに興ざめして、テンションがガタガタと下がってしまいました。
なにしろ、ひっきりなしに人が行き交い、団体が立ち止まって、朝のラッシュアワーとまではいかなくても、それを思い出させるせわしない駅の階段のような混雑で、情緒を感じている余裕なし!
それに、行く前に予習させてもらった旅行記の写真がとても上手だったので、現実に訪れてみて、私はあんな風に撮れそうにない、と思ったせいもあります。
さらには、NHKテレビ「ロシア語会話」で放映されたエルミタージュ美術館のVTRも思い出し、あれはレポーター以外だぁれもいなかったから当然なのですが、雰囲気が全く違うと思ってしまったせい。
現実はこんなものよ……と、私もその幻滅を招く一人のくせに、テンションが落ちまくってましまいました。
それでも、旅行後、しばらくたつと、撮っている最中にはいまいちと思った写真が、いい思い出になり、写真を撮っておいてよかった、と思うはずです。
それに、「大使の階段」も、上を向いて、天井に向かって撮る分には、余計な観光客の姿はファインダーの中に入らないので、気を取り直して撮影しまくまりました。
そうして写真を撮っているうちに、だんだんとテンションが戻ってきました。
本日はまず、穴場の古代エジプト・コレクションを見に行きました。
Lonely Planet(“Russia” 6th Edition, March 2012)に触発されたせいもあります。館員お奨め(Curator’s Choice)というコラム記事で取り上げていました。
思うに欧米人は日本人よりエジプト・コレクションに対する関心が強くて、評価が高いのではないかしら。
でも、私自身もエジプト・コレクションは好きなのです。
ただ、エジプト・ルームに続いて、延々とギリシャ・コレクションの間に入り込んでしまったのは、少々誤算でした。
ギリシャ・コレクションも好きといえば好きなのですが、数がありすぎて、関心度もピンからキリ。
ほんとはスキタイの黄金コレクションの方が見たかったのですが、それらしきものがなかなか見つからなくてイライラ。
ただ、本日は、「エルミタージュ美術館にはこんな作品もあるんだ!」コースをめざしたかったので、こういうルートをとったこと自体は面白くて、いいんではないかと思いました。
実際、こんな作品もあるんだ、と目からうろこで、それはそれで楽しかったです。
それに見学者も少なくて、あとで回った有名エリアの混雑に比べると天と地ほどの差がありました。
と言ったらちょっと大げさかな。
<2013年ロシア旅行:簡易旅程>
7/06土 出国&モスクワ到着
7/07日 モスクワ1日目(国立歴史博物館と民芸品博物館)
7/08月 モスクワ2日目(クレムリン)
7/09火 モスクワ3日目(トレチャコフ美術館)
7/10水 ズズダリ
7/11木 ウラジーミル
7/12金 モスクワ4日目(コローメンスコエ)
7/13土 ペトロザヴォーツク経由でキジ島へ
7/14日 ソロヴェツキー島1日目
7/15月 ソロヴェツキー島2日目(ザヤツキー島エクスカーション)
7/16火 サンクトペテルブルグ1日目(ロシア民族学博物館ほか)
7/17水 サンクトペテルブルグ2日目(エルミタージュ美術館)★
7/18木 パヴロフスク宮殿&庭園
7/19金 ノヴゴロド1日目
7/20土 ノヴゴロド2日目
7/21日 サンクトペテルブルグ3日目(宗教博物館・ユスポフ宮殿ほか)
7/22月 サンクトペテルブルグ4日目(ロシア美術館)&出国
7/23火 成田空港着
※この旅行記の対象の日に★印をつけました。
詳細旅程はこちら。
「2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現させた旅行【旅程一覧】」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10797557
準備編や帰国後の全体の感想は、ブログ「まみ's Travel Diary」(http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/)に掲載しました。
<エルミタージュ美術館を回った順番(旅ノートのメモより)>
※この旅行記の対象に★印をつけました。
・大使の間
<1階(Ground Floor)>
・第100室 エジプト部門★
・第101~131室 古代ギリシャ部門★
・第89~90室 メソポタミア文明部門★
<2階(First Floor)>
・第192室 特別展示オランダ絵画の等身大の集団肖像画(撮影不可)
・第191~190室 宮殿内装とインテリア
・第157~167室 ロシア近代民芸品
・第187~168室 宮殿内装とインテリア
・第304~308室 白の間・黄金の応接間・ブドゥワール(化粧室)
<1階(Ground Floor)>
・中央アジア&コーカサス・コレクション
<2階(First Floor)>
・特別展示カラバッジョ&カラッチ中心のイタリア絵画
・ダヴィンチやラファエロのあるイタリア絵画常設展示
・第198室 聖ゲオルギー(大玉座)の間
・第204室 孔雀時計のあるパヴイリオンの間
・オランダ・フランドル・ドイツ絵画常設展示
・第227室 ラファエロの通廊
<3階(Second Floor)>
・フランス近代絵画~リアリズム、印象派、フォーブ
・マチス&ピカソ・ルーム
・日本や中国・インドなどの東洋美術部門
エルミタージュ美術館公式サイト(英語版)
http://www.hermitagemuseum.org/html_En/index.html
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝のエルミタージュ美術館正面は順光向きできれいに撮れる@
青空が広がって、よい天気です。
本日はエルミタージュ美術館で一日過ごす予定なのですが、屋内にこもってしまうのがちょっともったいないような良い天気でした。 -
ゲート付近をメインに
-
チケットを買いたい人で早くも長蛇の列の中庭
この段階で10時40分。
入館時間10時30分より30分前の10時には来ていようと思ったのに、前の晩に夜更かししたので(ホテルに戻ったあとも、部屋の無料WIFIが思ったより調子よかったので、ちょっとネットをやってしまったせい)、ちょっと出遅れました。 -
延々と続く列を追い越すのは気持ちが良い@
だって私はクチコミのアドバイスに従って、オンラインでチケットを購入済みだから。
なんでみんなそうしないで、こんな行列を我慢して並ぶんだろう、と不思議に思ったのですが、思うに、オンラインチケットはいわば外国人値段で、現地の人は窓口で買った方が割安なのでしょう。
確かインターネットではロシア人用の割引チケットは販売していなかったと思います。 -
チケットをすでに手にしているはずの私は、真っ直ぐこっちに行ったら
実はオンラインで手にしたのはチケット引換券、いわゆるバウチャーにすぎず、ゲートのすぐそばのブースでチケットと交換してください、と言われてしまいました。
あちゃ〜、そういえばそのようなこともクチコミに書いてあったはず。
チケット購入オンラインサイト
http://www.hermitageshop.org/page.php?pagename=tickets
1日シンプル・エントランス・チケット:17.95ドル
(2013年6月に購入/撮影代込み) -
というわけで、少し戻ってこのブースでチケットと引き替える
ちゃぁんと英語で案内があったのに。
でも、気になることがあると視野が狭くなる私は、この段階で水曜日の本日、チケット交換時間が午後8時30分までと延期になっていることに気付きませんでした。
実は、エルミタージュ美術館は、水曜日の本日は21時まで開館していたのです。 -
チケット交換ブース(兼団体チケット売り場)はこんなかんじ
並んでいる人はいなくて、すぐにチケットが手に入りました。
ただし、特別なコレクションがある黄金の間のチケットは、あの長蛇の列のチケット売り場で買わなくてはならないようです。
余分に払っても、撮影不可でも見たいなぁ、とかなーり惹かれていたのですが、あの行列に並ぶ気にはならず、あきらめました。 -
有名な「大使の階段(ヨルダン階段)」
あまりの混雑に、テンションががたがたと下がってしまいました。
人にぶつからないように壁際に寄り、なんとか後から見たら、いいんでないの、と思える写真をゲットするようにしてみました。
ミーハーな私はこういうバロック装飾も大好きです。
ただ、上の方はだましい絵技術と節約を兼ねた二次元装飾で、浮彫り漆喰装飾ではありませんでした。 -
観光客の喧噪を静かに見下ろすニンフ
目に届く範囲は所狭しとバロック彫刻のオンパレードです。 -
支柱を彫刻にしちゃうのは典型的なバロック様式
-
見上げるツアー客と
瞬間的に人が空くことがあっても、途切れることありませんでした。
7月のハイシーズンのロシアは混雑しているのが定説ですから、覚悟していたはずでした。 -
豪華なシャンデリアと豪華なバロック装飾
-
だまし絵仕立ての二次元装飾の天井近く
-
往時に各国大使たちを迎えた階段
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バロックな明かりと天井を見上げて
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バロックな装飾は隅々に
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典型的なバロック宮殿風の天井画
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1つ1つの装飾に目を向けると、面白いし見事だと思う
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壁が白く白と金の二色使いだから派手だけど派手すぎない
こういうバロック装飾も結構好みで、かつてこういう内装の宮殿や教会を求めて南ドイツを旅行したことがあるんでした。 -
第100室のエジプト・ルームにて
棺のフタだったと思われる木の板のヒエログリフや神々の絵 -
第100室のエジプト・ルームにて
棺のフタだったと思われる木の板のヒエログリフや神々の絵 -
夫婦が描かれた石碑
おそらくこの夫婦どちらかの墓碑だったろうと思います。 -
宴会と思われる場面が描かれた石碑
-
鳥の形の壷
振り返って毛づくろいするところが持ち手になっているなんて、ステキ@ -
ずらりと展示された棺
1つ1つ見応えありました。
Lonely Planetで絶賛していたのもうなづけます。
もっともLonely Planetで話題にされていたのはミイラばっかりでしたけど。 -
素朴な渦模様や波線模様の土器にも惹かれる
-
どーんと展示された石棺
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石棺の横面にヒエログリフ・その1
-
石棺の横面にヒエログリフ・その2
-
石棺のフタの人面
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副葬品だったと思われる美しく彩色された鳥の彫刻
-
古代エジプトといえば、なぜか猫も連想
こういう美しい彫刻が発見されているからかしら。 -
浮彫りがぎっしり施された小さな容器
穴に紐が鎖を通して吊るせるようになっていました。 -
美しい波線模様の青くペインティングされた容器
-
まだまだ彩色が鮮やかな木の棺
-
色鮮やかな描写
葬式か死者が死の国に旅立つところに見えます。
エジプト・コレクションからの写真は以上です。
スキタイの黄金コレクションを求めてギリシャ・ローマ・ルームにちょっとだけ足を運ぼうと思ったのですが……。 -
通廊に展示されていた大理石のレリーフより「踊るサテュロス」
紀元1世紀古代ローマ時代の作品 -
大理石の石棺のレリーフ「9人のミューズ〜科学と芸術のバトロン」
紀元2世紀古代ローマ時代の作品
ミューズたちはゼウスの娘でしばしばアポロンと一緒に描かれます。 -
「ガニュメデと鷲」
紀元1世紀末古代ローマ時代の大理石の作品
ガニュメデはもと羊飼いの少年で、あまりにも美少年だったので鷲に化けたゼウスにさらわれて、オリュンポスでゼウスに仕えることになります。
要するにゼウスは美少年にも手を出したということでは? -
すてきな天井に注目
-
大理石の古代ローマ彫刻が並ぶ「ジュピターの間
こういうコレクションをまともに見ていたらきりがないので、こういう彫刻はスルーすることにしましたが……。 -
【7008】
古代ローマ・コレクションの部屋にふさわしい天井
こういう天井の装飾もけっこう好みです。 -
古代ローマ・ルームのコレクションはスルーしても部屋自体は見応えあり
-
こういう天井装飾にも惹かれる
-
子供の彫刻に目を留める
子供時代のヘルメスでした。
ヘルメスはギリシャのオリュンポス十二神の1人で、神々の使い、商人や旅人の守護神なのですが、生まれたばかりの赤ん坊のときにアポロンから牛50頭を盗んだというエピソードの持ち主でした。
なので子供姿の彫刻もあるのでしょう。 -
あひるをつかまえた子供の像
古代ローマの作品で、ユスーポフ家のコレクションから1928年にエルミタージュのコレクションに加わったそうです。
ユスーポフ侯爵といえば、ロマノフ王朝末期の貴族で、怪僧ラスプーチンを殺害した中心人物なのですが、池田理代子さんのコミック「オルフェウスの窓」ですっかりなじみになったため、この旅行ではそのユスーポフ邸も見学しに行きました。
ラスプーチン殺害の間は予約が必要なので、あきらめましたけど、裕福な貴族だったので、豪華な邸宅は見応えがありました。
でもそれはもう少し先の話。 -
ブドウをかかげたワインの神ディオニソス
もじゃもじゃひげの親父として描かれることの多いディオニソスですが、ときどき若くてハンサムなディオニソスとも出会います。
紀元前3世紀の作品。
手前の女性像はたぶん無関係。 -
列柱が並ぶすばらしい階段
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幾何学模様に水鳥の行列が描かれたギリシャの壺
こいう考古学時代の出土品でよく見かける模様は大好きです。 -
線の模様に、水鳥が少しラフに描かれたこういうのもいいかんじ
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渦巻き模様の時はどの古代文明にも見られる@
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数学的知識も感じさせる幾何学模様の壺
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獣が生き生きと描かれた古代ギリシャの黒絵の壺
狩るものと狩られるものの絵は定番ですが、すばらしいです。 -
生き生きと描かれた動物と、サークル模様に惹かれた
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古代ギリシャ・コレクションのある部屋の1つ
この部屋の天井装飾にも惹かれました。
コレクションはものすごくたくさんあったので、ほとんど駆け足だったのですが、それでも、おおっ、と思った作品をぱぱっと撮ってしまいました。 -
黒絵のギリシャの壺にはどうしても惹かれる
黒絵は、まず人物などを黒いシルエットで描いて、そこに線刻で描写する技法です。
次の赤絵の方が自由な描写ができるのですが、黒絵のぎごちなさがプリミティブに通じ、さらに時代的にもアルカイク期と赤絵よりも古い時代に流行したため、よりプリミティブなかんじがかえって新鮮で、ほほえましくて気に入っています。 -
獣と幾何学模様だけでなく壺の形も気に入った@
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盾を持った戦士たちが小人のよう
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これも戦士たちが描かれているように見える
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展示ケースの装飾の突起と天井
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高いを描いた見事な黒絵の壺
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月桂樹の飾りと騎馬戦士の浮彫のある黄金の冠@
スキタイのものではないですが、やっと黄金コレクションを見つけました。
はめこまれている宝石はガーネットかな。 -
思わずにやりとする壺
東地中海産で、紀元前4世紀から3世紀の銀製の容器 -
現代人も十分惹かれるネックレス
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黄金の月桂樹の冠・その1
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黄金の月桂樹の冠・その2
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ヘビをかたどった黄金の腕輪
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巧みな浮彫のある油ランプ
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好みの形の壺に、ブドウやアパガンサスの葉の装飾
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1枚の碧玉から浸かられた巨大な「コリヴァンの飾り鉢」
いかに巨大か、記念撮影している人の後ろ姿と。
「地球の歩き方」によると、一枚の碧玉(ジャスパー)でできていて、研磨に14年かけ、160頭の馬でサンクトペテルブルグに運ばれたそうです。 -
人が切れた瞬間に「コリヴァンの飾り鉢」をぱちり@
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戦うアッシリアの戦士の浮彫
アッシリアの首都ニムルドのティグラト・ピレセル3世の宮殿のレリーフより
おおおおっ、こういうものも私好みなのです@
古代ギリシャやローマの三次元的な浮彫よりずっと二次元的な浮彫です。 -
植物を持つ神官の浮彫
アッシリアの首都ニムルドのサルゴン2世の宮殿のレリーフより
もじゃもじゃひげの1つ1つの巧みさと指先の美しさにうっとり@ -
アッシリアの首都ニムルドにあった宮殿レリーフ・コレクション
1番右にある、翼のある神のレリーフの一部に注目すると……。 -
美しい手の浮彫部分とその上に刻まれた楔形文字
アッシリアの首都ニムルドのアッシュルナシルパル2世の宮殿のレリーフより -
聖なる木のそばに立つ鳥顔の神
アッシリアの首都ニムルドのアッシュルナシルパル2世の宮殿のレリーフより -
孔雀石(マラカイト)の列柱に囲まれた豪華なガゼボ
-
ガゼボの黄金天井と部屋の天井
以上、1階の古代エジプト、ギリシャ・ローマ、そしてメソポタミア文明のコレクションからの写真でした。
エルミタージュ編、つづく。
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