2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現【第11日目:サンクトペテルブルグ】(2)ロシア民族博物館(中編)シベリアから中央アジアやヨーロッパ・ロシアに住む人々の文化
2013/07/16 - 2013/07/16
596位(同エリア1805件中)
まみさん
2013/07/16火 サンクトペテルブルグ観光1日目
~寝台車で12時11分に到着
・ロシア民族学博物館(約3時間半)
・芸術広場でひと休み
・血の上の救世主教会(約45分)
・民芸品マーケット
・宮殿広場
【サンクトペテルブルグ泊:ゴーゴリ・ホテル】
ロシア民族学博物館では、あまりに多彩多様なロシア領土内の民族の展示に目を奪われ、詳しいことはちっとも分からないままでも、百聞は一見にしかず、と、なんとなく分かった気分になって、写真を撮りまくりました。
いやぁ、もう楽しかったです、楽しかったです。
写真に撮りたいと思えるくらい気に入る展示がたんさんあったし、写真もそこそこ撮りやすい展示でしたから。
でも今回もほんとにたくさん写真を撮ったものの、当然ですが、展示品のごく一部にすぎません。
ただ、念入りに写真を撮ったセクションと、写真が撮りにくそうだと思って撮らなかったセクション、かいつまんで撮ったセクションがあります。
旅行記を作成するにあたって、公式サイトでできるだけ復習しましたが、公式サイトに掲載されている写真を見て、ああ、このセクションはほとんど写真を撮らなかったな、とか、○○○の展示だと思っていたのに違っていた~!
というのをいくつも見つけました。
民族学は素人の私には把握しきれないとてつもなく幅広く奥が深いので、広大な民族を抱えたロシアならなおさら、頭の中の整頓がつきません。
しかし、生活に根ざした民芸品や生活用品の美しさ、ぬくもり、同じ人間や人間が集まった社会の営みなのに驚くほど違いがあること、それでも根っこのところはわかり合えることなどが漠然と感じられただけでも、私にとっては大きな収穫だったと思います。
───というのは、負け惜しみ。これだけのすばらしい資料と宝庫を前にして、ほんのちょっとしか理解できないことに対して。
<2013年ロシア旅行:簡易旅程>
7/06土 出国&モスクワ到着
7/07日 モスクワ1日目(国立歴史博物館と民芸品博物館)
7/08月 モスクワ2日目(クレムリン)
7/09火 モスクワ3日目(トレチャコフ美術館)
7/10水 ズズダリ
7/11木 ウラジーミル
7/12金 モスクワ4日目(コローメンスコエ)
7/13土 ペトロザヴォーツク経由でキジ島へ
7/14日 ソロヴェツキー島1日目
7/15月 ソロヴェツキー島2日目(ザヤツキー島エクスカーション)
7/16火 サンクトペテルブルグ1日目(ロシア民族学博物館ほか)★
7/17水 サンクトペテルブルグ2日目(エルミタージュ美術館)
7/18木 パヴロフスク宮殿&庭園
7/19金 ノヴゴロド1日目
7/20土 ノヴゴロド2日目
7/21日 サンクトペテルブルグ3日目(宗教博物館・ユスポフ宮殿ほか)
7/22月 サンクトペテルブルグ4日目(ロシア美術館)&出国
7/23火 成田空港着
※この旅行記の対象の日に★印をつけました。
詳細旅程はこちら。
「2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現させた旅行【旅程一覧】」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10797557
準備編や帰国後の全体の感想は、ブログ「まみ's Travel Diary」(http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/)に掲載しました。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2階の展示は、まずは広大なシベリアの民族文化の紹介から
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美しい刺繍の数々
中央アジアっぽさを感じました。
たとえばウズベキスタンとかカザフスタンとか。 -
赤ちゃんのゆりかご
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動物の皮が張られたテントの中で生活
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私の中のステレオタイプのエスキモーそのもの!?
もしかたらヤクート人のものだつたかもしれません。
極東の民族とくくれば、エキスモーもヤクート人も仲間でしょう。 -
ヤクート人の美しい民族衣装
おととしの2012年まで繰り返し放送さていたNHKテレビ「ロシア語会話」のシベリア・シリーズのおかげで、ロシア連邦のサハ共和国とヤクート人には少しだけなじみがあります。
サハ共和国の首都ヤクーツクは、永久凍土があってその上に町が作られていたり、ダイヤモンドがとれるのですばらしいダイヤモンド博物館があることなどで覚えています。
ヤクート人は、顔つきは日本人や韓国人に似ている人が多いようです。 -
ヤクート人の美しい民族衣装
NHKテレビ「ロシア語会話」のシベリア・シリーズで取材された白夜の夜の祭りの服装はこんなかんじだったような気がしてきました。 -
襟の貝殻ボタンの飾りがステキ!
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ヤクート人の馬に乗る花嫁衣装と女性用のサドル(鞍)カバー
花嫁さんは、ベールではなく、あったかそうな毛皮の帽子をかぶるようです。 -
ものすごいネックレス!
花嫁衣装の一部であって、さすがに日常的にこれをいつも身につけているわけではないでしょう。 -
これでも衣装なのか、武装用なのか、ものすごい背中!
シベリアのどの民族のものかは不明で、続きの旅行記を作成しているときに、もしかしたらシベリアのツングース系民族のシャーマンの衣装かもしれないと気づきました。 -
刃物と太鼓を手にした正面側
ひらひらと紐状のものがぶらさがった帽子もすごいです。 -
こちらは女性版かな
貝殻の飾りがたくさんついた帽子が可愛らしいです。 -
女性の衣装も背中側がすごい!
-
その下に展示されていた道具
シャーマンが儀式に使ったものでしょうか。 -
サドルカバーかな
模様の美しさに注目。 -
なんだかよく分からないけれど金属製の平べったい可愛らしいもののコレクション
-
なにかの動物の形に見えるけど……
用途がさっぱり分かりません。
釣りのルアー(疑似餌)のようにも見えますが、これはともかく、全くルアーっぽく見えないものもありました。 -
人型に見える
どことなく可愛らしくて気に入りました。 -
これは完全に人型
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仮面のよう
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渋いけれど美しい
なにかのカバーかしら。
実用品らしい使い込まれた美しさもありました。 -
螺鈿のような装飾が施された箱
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シンプルな模様も美しい木箱
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おそらく中国や大陸中央部あたりの民族の衣装
ただし、水辺の暮らしをしている民のものにも見えます。
手入れしているのは、漁業用の網……?
にしては粗くて弱そうなので、違うかしら。 -
向かいの女性のマネキン
衣装の帯状の飾りがステキです。
こちらの女性はおそらく穀物をすりつぶしているところでしょう。 -
ここから、19〜20世紀初頭のヴォルガ流域とウラルの民族紹介
ヴォルガ流域とウラルの民族は非常に多彩でユニークだそうです。
16世紀にはモンゴルのカザン汗やアストラ汗だった地域が17世紀にロシアに征服されたため人種的にも語族的にも宗教的にも多彩だった上に、18世紀の帝政ロシア時代から民族の力をそぐ分断政策などにより、ますます複雑になりました。
主な民族は、トルコ語系でイスラム教のタタール人やバシキール人、モンゴル語とトルコ語の中間のアルタイ語族で土俗的なアミニズムを信仰するチュヴァーシ人、フィン=ウゴル語族で土俗的なアミニズム信仰の世界に生きるマリ人やウドムルト人、そして仏教を信じるカルムイク人などがいました。
タタール人のことは少しばかり知っていましたし、カルムイク人はなぜか名前を聞いたことはあるのですが、バシキール人、チュヴァーシ人、マリ人(アフリカではない)、ウドムルト人に至って名前すら知りませんでした。
ここからは、そういった人々の民族衣装や生活道具などの展示から撮った写真です。
フィン=ウゴル語族(コミ人、ウドムルト人、モルドヴィア人、マリ人)とトルコ語系(チュヴァーシ人、バシキール人、タタール人)の衣装や彼らの生活の中の重要な道具や特徴的な道具を中心に展示されたものから写真を撮ってきました。
ただし、はじめはどの民族のものであるか全く意識せず、フォークロア美術の美しさを鑑賞して気に入った展示の写真を撮り、ひととおり見終わったあとで民族名のラベルが壁にあることに気付いてもう一度戻って写真を撮り直すという見学の仕方をしたため、旅行記作成時点では、もはやどの民族のものかさっぱり分からなくなってしまったものもあります。
公式サイトの写真やネットで少しググッて調べましたが、違っているものがあるかもしれませんので、ご注意ください。 -
おそらくウドムルト人の民族衣装
ここのセクションでは、ヴオルガ流域とウラルの民族の多様性の紹介もありますが、多様な民族がいる中でも地域的な共通性があることを示す目的もあっようです。
ウドムルト人のおおざっぱな分類は、フィン=ウゴル語族で、土俗的なアミニズム信仰の世界に生きる人々です。 -
すばらしいビーズ刺繍とネックレス
この地域では、このように民族衣装にビーズ刺繍を施すところが多かったようです。 -
すばらしいかぶり物と胸元の刺繍
刺繍の豊かさも特徴に挙げられます。 -
赤が多く使われた民族衣装
-
この民族にとって重要な生活用品
ヴォルガ川で漁をして暮らしていたのでしょう。 -
水鳥の形の入れ物
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編んで作られた箱と注ぎ口のある箱
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仕事場でもある家の中の様子
-
フィン=ウゴル語族のコミ人の衣装
コミ人は大半がロシア連邦コミ共和国に住んでいます。
信仰はロシア正教会ですが、キリスト教改宗以前の土俗の要素が残ったロシア正教のようです。
この衣装を見て、私の中でフィンランドなどの北欧の民族を重なりました。
ただし、私自身、北欧民族に詳しくないので、私の中のステレオタイプが重なっただけです。 -
コミ人の男たち
分厚い靴下にも注目。 -
コミ人の男性の衣装
だいぶシンプルで庶民的です。
さきほどの衣装とがらっと違うので、どちらかのものがコミ人のものでなかったらあしからず。 -
コミ人の女性の衣装
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粘土で器を作っているところ
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マリ人の木製の装飾
ここからはマリ人の展示。
アフリカにもマリ族がいますが、そちらではなく、フィン=ウゴル族の人々です。
マリ人はウィン=ウゴル語族で、土俗的なアミニズム信仰の世界に生きる人々です。
多くはロシア連邦マリ・エル共和国に住み、チェレミス人とも呼ばれ、土俗的なアミニズム信仰に生きる人々です。
これらの展示はきっと家の一部や内装・外装用でしょう。 -
マリ人の衣装とアクセサリー
やはり女性用の衣装が華やかで展示数も多かったです。 -
これもおそらくマリ人のもの
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マリ人の女性の衣装
このあたりの衣装は、かぶり物が大事なようです。 -
こちらはマリ人の民族衣装
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紐のようなものを叩いて製作中
これもマリ人。
衣装がシンプルなのは、ふだん着あるいは仕事着だからかしら。 -
チュヴァーシ人の展示
チュヴァーシ人は、おおざっぱな分類では、モンゴル語とトルコ語の中間のアルタイ語族で土俗的なアミニズムを信仰する人々です。
これは糸を染めているところです。 -
丈夫に編まれた布
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染めているところ
あるいは防水か何かのために処理しているところかな。 -
底の深い木の桶のコレクション
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表面に施された美しい装飾
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フタ付きのものなど
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手仕事中のモルドヴィン人の女性
モルドヴィン人は、モルドヴァとは違います。似ているので、はじめごっちゃにしていました。
モルドヴィン人はフィン=ウゴル語族で、モルドヴァ人はルーマニア系らしいです。
モルドヴィン人の多くはロシア連邦モルドヴィア共和国に住み、ロシア帝国に征服された後に、土着の宗教からロシア正教会を信仰するようになったようです。 -
モルドヴィン人の女性たち
仕事中にしては衣装が華麗すぎるので、祝祭用の民族衣装と、モルドヴァ人の女性たちの仕事の展示を一緒にしたのかもしれません。 -
主に赤と白系統の衣装がとってもステキ!
前の写真のマネキンと同じ展示なので、モルドヴィン人の民族衣装です。 -
ビーズや貝のかぶり物の装飾
これもおそらくモルドヴィン人のもの。 -
メダルのようなものをぎっしりと使った胸元とかぶり物の装飾に注目
これはどの民族のものかは不明です。 -
1つ1つが立派なペンダントになりそうなメダルの飾り
残念ながら、ここからしばらく、どの民族のものか不明。 -
美しい民族衣装を着て、なにやら布で作業中
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頭のかぶり物の飾りに注目
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まるで鎧のような装飾がついた上着とかぶり物
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革袋コレクション
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トルコ語系でイスラム教のバシキール人のマネキンとテント
バシキール人は、タタール人と同じく、トルコ後系でイスラム教徒です。
祖先は、中世ロシア史で原始ロシアのライバル民族だった遊牧民のペチェネグ人の一部だったようです。
ロシア連邦内には、バシコルトスタン共和国があります。 -
バシキール人の女性
-
さまざまな木のスプーン
バシキール人の展示にて。
こういう木のスプーンはルーマニアでよく見かけましたが、柄のデザインはもちろん、お玉の部分の形も違っています。
こちらはずいぶん丸っこくて分厚いと思いました。 -
カザン・タタール人の生活展示
タタール人は、韃靼人などと呼ばれて、その正体は曖昧でも、名前を聞いたことがある日本人も多いのではないでしょうか。ちらかというとクリミア・タタール人の方。
歌劇やバレエとなった「イーゴル公」の影響かな。 -
カザン・タタール人の刺繍
これらの用途はよく分からないです。
食器か何かにかぶせるもののようにも見えますし、衣装の一部にも見えます。 -
極東に棲む人々のテント
ここからは極東シベリアの人々の展示です。
極東といえば、ハバロフスクやウラジオストクなども含まれます。 -
トナカイを遊牧する極東の人々
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テントの中で、食事の仕度をする女性
写真が少し白飛びしてしまったのが残念。 -
テントの中で、木を彫ってなにやら作っている女性
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イヌぞりを使う極東の人々
極東の人々と一概に言っても、エスキモーやアイヌ人を含めてたくさんいます。
ところでこの緑の服の人は、男性? それとも女性? -
木製のなにやら人型の道具
船か何かにはめ込むもののように見えます。
デザインはとてもユニークです。 -
毛皮の上着を着た木製の人形
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ステキなデザインの毛皮の袋
こんなカバンが欲しいです。 -
こちらもとても素敵なデザイン!
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なかなかお洒落な衣装
適度にエスニックで、とても日本人好みではないでしょうか。
私はとっても気に入りました。 -
牙のアート
象牙かな、と思ったのですが、ひょっとしたらアザラシの牙でしょうか。 -
木製の人形と器
もしかしたら実用品というより、アミニズムな信仰のシンボル的なものかもしれません。 -
まるでぐるぐる縛られた宇宙人みたいな人形
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美しい木の容器
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ミニ袋がぶら下がったウエストポーチみたいなものと鉄砲など
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板に描かれた柄に注目
先史時代の壁画みたいな絵です。
何に使われたものか分かりませんが、この絵そのものがとても気に入りました。
以上、2階段のボルガ川・ウラル地方から、シベリア〜極東までの広大なエリアのさまざまな民族の展示でした。
民族学博物館の後編の旅行記へとつづく。
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