2013/12/13 - 2013/12/15
53位(同エリア141件中)
ばねおさん
ナンシーの旅2日目の午後。
予定していた3つのミュゼの内
最後のミュゼ・ロレーヌ(ロレーヌ博物館)へ
ここでの展示はおおよそ三つのパートに分かれている
1.先史時代からメロヴィング朝時代
2.ロレーヌの17、18世紀文化
3.18世紀後半以降の芸術
楽しみにしていたジョルジェ・ドゥ・ラ・トゥールの収蔵5作品のうち、1点は館外貸し出し中であったが4点の原画を目にすることができた
隣接するコルドリエ教会を含め、ここもまた見ごたえのあるミュゼであった
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
ミュゼ・ロレーヌ(ロレーヌ博物館)は、かってのロレーヌ公宮殿内にある。
面する旧市街の通り(Grande-rue)には味のある店がいくつもあって、親しみやすい雰囲気がある。 -
ミュゼ受付のマダムは親切かつ積極的で、こちらが1階をパスしようとしたのを察してか、まず1階の展示から順当に観覧すべきであることを力説し、自ら先頭に立って案内を開始。
こちらが1階担当者に身柄を確保されるのを見届けて受付に戻っていった。 -
という訳で、大した予備知識もなく、さらにはよく理解もできないまま
1階のいわばキリストコーナーから観覧を開始
こちらは16世紀の壁画 -
キリスト像 (Christ aux outrage)
-
二人の天使に囲まれた聖母子像
テンプル騎士団の礼拝堂の入り口部分であったらしい -
こちらはルネサンス美術に数多く登場しているので
多少は馴染のある聖ジョルジュ(ゲオルギオス)像
足で踏みつけられているへんてこな生き物はドラゴンであろう
ここには出ていないがシンボルの白地に赤十字は
ヨーロッパ中の旗やら紋章に用いられている -
修復された「葦を持つキリスト」像
この葦は、なかなか立派である -
さて、2階に上がると、まずは17,18世紀を中心とした展示となっている
-
フランス王国とロレーヌ公国の対比年表があった
こうしたツールがあると、乏しい知識を補ってくれるのでとても助かる -
ナンシーを俯瞰する城郭の模型と立体画像。
各城門の位置関係や全体像を把握することができる。 -
こちらは1611年のクロード・ドゥ・ラ・リュエル設計の図面
-
太陽王ルイ15世の胸像
作者はナンシー生まれの ランバート・アダム(1700-1759)という人 -
ジャン・ジラルデJean Girardet(1709-1778)が描いた
スタニスラス・レシチニスキーの肖像
この人の娘婿に対する気配りは半端なものではなかったな
と、つい余計なことを考えてしまう -
当館の目玉その1.ジャック・カロの展示コーナー
技術においても表現力においても卓越した存在であることは知られているが
それ以上に、すぐれた人間性の持ち主であったに違いない
聞き及ぶところでは、日本の国立西洋美術館は
ジャック・カロの版画の7割近くを購入しているという
事実であれば世界有数のコレクターではないか -
有名な「戦争の惨禍シリーズ」の一部
おそらくこれを見るために訪れるひともいるのだろう
ひとつひとつの作品はとても小さなサイズ(8×13cm)であるが
迫力満点である -
こちらも良く知られている La Foire de l'Impruneta(1620年)
写真のない時代、こうした作品によって同時代の人は情報を得
後世の人は歴史事象や時代背景を知ることができる -
その銅板がこれ
舌を巻く細密さ -
そして目玉その2.
ジョルジェ・ドゥ・ラ・トゥール
あいにくと、こちらの作品は他館へ貸し出し中 -
「蚤をとる女」
2005年に東京・国立西洋美術館でラ・トゥール展が開催されたときに出品されている作品だが、おそらく相当な人出があったに違いない
ここでは他の観光客も居らず、まことに至福のひとときであった -
こちらはナンシー出身のシルヴァン・ラング(1965− )のビデオ・インスタレーション作品
ナンシー美術館ではフリアントの画中の登場人物を右から左へ移動する様を表現していたが、この作品では蚤とりを終えて胸のボタンをかけて灯りを吹き消すまでの動作となっている -
「マグダラのマリア」
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いずれも初めて直接目にする作品ばかり
心行くまで鑑賞させてもらった -
ラ・トゥールを見終えて、中庭へ
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中庭から仰ぎ見る宮殿の尖塔
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庭にはいろいろな造作物もあるのだが、特に説明案内もなく時代も不明
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中庭を横切って右手の建物に行くと
先史時代〜メロヴィング朝時代の展示があった -
青銅器時代の集落模型
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発掘された土器や装身具類
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4,5世紀頃の墓碑であるとのこと
まだまだ多くの品々が丁寧に整備され展示されてあった -
ミュゼ・ロレーヌの観覧を終えて一旦外へ
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かっては宮殿と連結されていたという隣接のコルドリエ教会への入場はミュゼ・ロレーヌとの共通券でOK(単独鑑賞券もある)
ここには代々のロレーヌ公の棺が納められているが、貴族であったジャック・カロも葬られている -
それでは代々のロレーヌ公にご挨拶と思いきや
手前に民俗資料のお勉強コーナーが待ち受けていた
生活用具やらレリーフやバルコニーの手すりに至るまで実に多彩な内容である -
こちらはロレーヌ地方の農家の台所を再現したもの
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いよいよ礼拝堂の入り口
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外観から想像以した上に内部は広い
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石彫りの主祭壇と祭壇画
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最後の晩餐
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薄暗い礼拝堂に比して明るいドーム
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天頂部には天使が舞っている
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主祭壇と反対側、向かい合わせにあるロゼットのステンドグラス中央に描かれているのはロレーヌ公の紋章
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埋葬のされ方も様々であるが
数も多く、いったいどれが誰やら
共通しているのはどれもこれも立派であること -
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皆様どうか安らかにお休みください
お邪魔いたしましました -
建物を一巡し、帰り際に窓の外を見ると
中庭中央にロレーヌ十字の塔があった
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