2013/12/13 - 2013/12/15
51位(同エリア148件中)
ばねおさん
パリからTGVでロレーヌ地方の中心地ナンシーへ。
同地で2泊したあとはストラスブールへ向かう。
ナンシー1日目は、ナンシー美術館訪問。
地方の美術館とは思えない質の高さと品揃えの豊かさに驚くばかり。
特に300点近いドームの作品群は圧巻。
2日目はナンシー派美術館、そしてミュゼ・ロレーヌ(ロレーヌ博物館)へ。
ナンシー派美術館ではガレをはじめとするアールヌーヴォーの作品を満喫。
ミュゼ・ロレーヌでは先史時代からのロレーヌ地方の変遷をあれこれ学ぶことができたが、やはり何と言ってもジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールの作品に接することができた喜びが大きい。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2013年12月13日朝、パリ東駅( Gare de l'Est)。
東駅はフランス東部へ向かう列車の発着駅で、ドイツ、ルクセンブルグ、スイス方面の国際列車も運行されている。 -
長距離、国際列車が発着するゆえか自動小銃で武装した憲兵が警戒に立つ。
緊迫した時期であれば、カメラを向けただけでも咎められることもあるようだ。 -
列車の発着時刻とホームを表示するモニター。
発車時刻が近づかないと、乗車ホームが示されない。
いったん表示されたホーム番号が、訂正されることもあるので
なかなか気を抜けない。 -
乗車するのは10時13分発TGV2505号。
ナンシー到着予定は11時43分で、ちょうど1時間半の行程である。
乗車券上の東駅はGare de l'EstではなくPARIS ESTの表示となる。 -
定刻通りに出発。
2階建て車両の上階のため、見晴らしはすこぶる良い。
パリを出てしばらくすると、もう広野である。
12月に入ってからのパリはほとんど雨が降らず、寒さもそれほど厳しくない日々が続いていた。 -
車窓に白い風景が飛び込んできた。
空は晴れているのだが、このあたりは降雪があったのだろう。 -
これはもう完全に雪景色。
幻想的な美しさがある。 -
一面の雪原
-
通り過ぎ行く村
教会を中心に家々が寄り添っている。 -
なだらかな起伏。
絵のような風景が展開していく。
沿線に立て看板などが並んでいないのが何よりも良い。 -
ロレーヌ・アルザスを周るにあたり
初めはレンタカーの利用を考えていたのだが
この冬景色をみて
やはりこの季節は無理だなとあらためて認識した -
雪の白さが消えたあたりから、霧に包まれてきた。
-
やがて霧の中から運河のような水路が線路沿いに現れ
列車はナンシー駅に到着。 -
降りる人々の後に続いて駅から出ると
霧の中から教会の建物がぼんやりと見えてきた。 -
振り返った駅舎も霞がかかったよう
ずいぶん小さな駅だなと、疑問に思いつつも
頭の中の地図を頼りに歩き出す。
目指すはスタニスラス広場 -
歩き始めて5分後、
何やら由緒ありげな塔の近くまでやってきて
疑問が不安に変わった。
通りがかりの人に尋ねたところ、まさに正反対の方向に来ていた。
霧に気を奪われた訳ではないが、
あぁ又やってしまった -
道を間違えながらも、この塔が何であるかが
気になって仕方がない。
あとで観光局でもらった案内地図を調べても、Tourとしか記されていない。
翌日、ナンシー派美術館へ向かう途中、あらためて寄ってみたところ
塔に由来らしきものが書かれていた。 -
少し字がかすれているがプレートには、
かってここに聖ヨハネ騎士団が在り(1177年設立)
そしてロレーヌのルネ2世とブルゴーニュ公シャルルが戦い、
1477年1月5日にシャルルがこの近くで戦死した、という意味が記されている。
突進王とか豪胆王とか、中には軽率王とも呼ばれるシャルルは
生涯、反フランスの急先鋒であり、その夢は神聖ローマ帝国の皇位に就くことであった。
当人は夢を果たせず亡くなったが、時代をずっと下り
やがて曾孫のカール5世が神聖ローマ皇帝となる。
こうした旧跡に出会うたびに、西洋史のお勉強を追加する必要に迫られる。 -
後日、分かったことであるが
これはナンシーで現存する最も古い建造物である。
ヨハネ騎士団がこの地にあり、塔は教会や病院に付属する鐘楼であったようだ。
二つあった鐘はフランス革命期に失われたとのこと。
調べればもっともっと面白い歴史が出てくるのだろう。
観光名所になっていないのが不思議なくらいである。 -
さて、進路を180度修正し、Uターンを開始して15分後
スタニスラス門を通過した。
門の下の道がスタニスラス通り。 -
スタニスラス通りをまっすぐ進むと
前方に広場らしき空間が見えてきた。
宿泊先は広場に面したホテル -
霧はまだ晴れないが
広場中央にはポーランド王の地位を追われ、
女婿のルイ15世からロレーヌ公国を委ねられた
スタニスラス公が指さし姿で立っている。
大きなツリーの向こうにあるのがナンシー美術館 -
広場に面する建物の中で最も長く大きいこちらが市庁舎
1階には観光局がある -
広場を見渡せば四方に壮麗な門が
全部で6か所あるという -
ロココ様式の門
鉄骨を黒と金で仕立て上げ
壮麗さは薄霧のなかでも分かる -
チェックイン時間には間があるのでホテルに荷を預け、
斜め向かいのナンシー美術館(ミュゼ・デ・ボーザール・ドゥ・ナンシー)へ。
広場だけでなくここの建物の一部も世界遺産であるとのこと。
ナポレオンがルーブル級の美術館の設立をめざしたことだけあって
収蔵品はとても地方の美術館とは思えない充実した内容である。
(美術館の展示内容は別記) -
常設展だけでも短時間では観きれないほどであるが
さらに特別展としてプチ・パレ美術館所蔵のタピスリーの展示がされていた。
パリからやってきて、パリの展示物を見学するというのもどことなく妙だが
せっかくの機会なので覗いてみた。
この写真は子供向けのリーフレットであるが
分かりやすい解説で自分にはちょうどよい -
美術館地下には、改装時に発掘された15〜16世紀の城壁が
そのままの形で残されている。 -
その城壁の形を図面で説明している。
-
この地下フロアには
ドームのガラス作品が300点近く集合展示されていて
まさに偉容の一言に尽きる。
しかも美術館には約700点の収蔵があるというので驚きである。 -
先ほど広場からみた門を
ナンシー美術館からみるとこんな様子 -
鑑賞に疲れ果て、途中休憩をすることとしていったん館外へ
霧は晴れたが、今度は小雨模様
凱旋門を通り近くの旧市街へ向かう -
カリエール広場の方に足を伸ばすと、誰かさんの銅像があった。
近づいてみるとJacoues CALLOTとある。
ジャック・カロは17世紀初めに活動した卓越した版画家で
戦争の非人間性を作品で表現し、ゴヤの「戦争の惨禍」シリーズとも比較される。
ここに銅像まであるとは知らなかったが、ロレーヌの出身でこのナンシーで没している。
ゴヤも宮廷画家であったが、カロも宮廷からの制作注文を多く受ける一方では
庶民の暮らしに題材をとった風刺たっぷりの作品や戦争の悲惨さを告発するなど
両者の共通点が多いように思う。 -
ここは美術館裏手の通りで
感じの良さそうなレストランやブラッスリーが多く並んでいるが
あいにくと営業終了。 -
今度は美術館横のスタニスラス通りへ
軽食を作ってもらえそうな店を物色
中に一軒、店頭でアイスクリームを販売し、奥にテーブル席のある店を見つけた。
おすすめを尋ねたところ、血入りソーセージ。
いつもなら飛びつくところだが、この時は少しサッパリ系がほしく
茸入りパスタを作ってもらったが、なかなか上出来。
妻が店頭販売、夫が調理と夫婦でつましくやっている店だが感じがよい。
口直しにミラベルという当地の果実でできたシャーベットを注文
これが実に口当たりがよく爽やかな味。
一度でミラベルファンになった。 -
一口惚れしたミラベルはナンシーの特産でスモモの一種とか。
夏に収穫されるのみなので、加工品として用いられることが多いそうな。
ミラベル館(Maison de la Mirabelle)がナンシー近郊にあるそうなので
いつか機会があればぜひ寄ってみたいと思う。 -
途中休憩をはさみ、2回に分けたナンシー美術館見学を終えると
すでにくたくた。
美術鑑賞は格闘技のようだと常々思っているが、ほとんどダウン寸前。
ホテルに戻ると預けた荷物はすでに部屋に運ばれていて、
鍵を渡されただけでチェックイン終了。 -
実はこのホテル
かのマリーアントワネットがルイ16世に嫁ぐ際に泊まった建物である。 -
館内にはアントワネットゆかりの品や
当時の美術品やらが各所に見られる
興味のある人なら、一階のレストランを利用して
館内の見学をさせてもらえばよい -
タピスリーや
-
ナンシー派の作品と思われる絵画が配されている。
-
ただ、内部の設備は近代的に設えてあるが
上階の部屋の軋み音がするなど、建物の古さは否めない。
それよりも電源スイッチのカードを忘れたり、
利用もしていない請求を寄越すなど
従業員の緩みが多すぎて
ホテルとしてはあまりひとに勧められない。
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