2013/12/13 - 2013/12/15
61位(同エリア148件中)
ばねおさん
ナンシーの旅、初日。
1793年開館のナンシー美術館(ミュゼ・デ・ボーザール・ドゥ・ナンシー)を訪問。
ナポレオンがルーヴル級の美術館をと考えただけに、その充実ぶりはとても地方の美術館とは思えない。
15世紀のイタリアルネッサンス絵画から現代アートまで幅広くカヴァーしている。
当然ながら、ロレーヌあるいはナンシーにゆかりのある作家については重点的に収集されている。
とりわけ、ジャック・カロの版画、エミール・フリアンの絵画、ドームのガラス工芸品等、ここならではの作品に出会えることができた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ナンシー美術館の美しい螺旋階段
-
17世紀の天使像が来館者を優しく迎えてくれる
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ナンシー美術館の展示内容は幅広く、イタリアルネッサンス初期の作品から現代アートまで有名どころも揃っている。
鑑賞の仕方にもよるが、ざっと一巡するだけでも3,4時間は要しよう。
館内には併設レストラン等はないので、ゆっくりと観たい向きには館外のカフェで途中休憩をとるなどして回ると良いかもしれない。 -
ルーベンス (1577-1640)の「キリストの変容」
福音書の内容に題材をとっている「主イエスの変容」は、数多くのイコンや絵画によって表現されているが、何よりもラファエロの遺作となった同名作品からの影響が大きいのだろう。 -
オランダの画家ヤン・リーフェンス(1607-1674)
一時はレンブラントと共同で工房を構えていたが、やがてレンブラントはアムステルダムへ、リーフェンスはイングランドへと別々の道を歩むことになる。 -
フランダースの画家ギブレット・レイテンス(1586-1643)
独特の筆致で冬の風景を好んで描いた。 -
シモン・ヴーエ(1540-1649)
ルイ13世のお抱え画家で、当時の美術界の中心的存在であった
作品に登場する女性(あるいは女神)は常に豊麗で
キューピットはまことに愛くるしい姿が多い
寓意画ゆえでもあるが、この人の絵にはどこか人生の諧謔が潜んでいて
真面目な中に可笑しさが組み込まれているような楽しさがある
バロック期の人でありながら、少しも古典的なところがなく
むしろ現代的なユーモアが感じられる
いったいどういう人生観の持ち主だったのか
ぜひとも知りたい一人である -
クロード・ドリュエ (1588-1660)
古代ローマの伝説を描いた「サビニの略奪」
1615年、慶長の遣欧使節でローマ法王に謁見した支倉常長を描いたのはこの人
この絵の作者クロード・ドリュレ親子を
ジャック・カロが描いた作品がルーヴルにあり、確か切手の図案にもなった。 -
女流画家コンスタンス・メイエ(1775−1821)
ナポレオンの妻ジョセフィーヌの肖像画を描いたポール・プリュードンの弟子である。二人は共にパリのペール・ラシェーズ墓地に埋葬されている。 -
ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)
妹の肖像画
彼の代表作とされる「オルナンの埋葬」(オルセー美術館)から4年後の制作 -
ロダンの助手であったジュール・デボワ(1851-1935)作 の「ミゼラブル」
-
この像のモデルはカイラという名のイタリア人の老婆である。
ロダンは「ミゼラブル」に非常な感銘を受け、カイラをデボアに紹介してもらい、その後の多くの自分の作品に彼女を取り入れている。 -
ジャック・ウジェーヌ・フィエン(1815-1908)
ミレーの落穂拾いをつい連想してしまう。 -
ウジェーヌ・ドラクロワ (1798-1863)
「ナンシーの戦い」
ブルゴーニュ公シャルルとルネ2世との戦を描いた作品 -
ヴィクトル・プルーヴェ(1858-1943)
ナンシー派の画家 -
額もアールヌーヴォー
-
クロード・モネ(1840-1926)の「エトルタ」
描かれた地を10月に旅してきた。
エトルタは、まさに絵のような景観で
移り行く光の変化がさまざまな表情を見せてくれた
印象派ならずとも多くの画家の創作欲をかきたてたことがうなづける -
ラウル・デュフィ(1877-1953)
マティスと同じく「色彩の魔術師」との異名をとった画家だが
マティスよりも色彩が軽やかでリズム感がある -
ノルマンディのサン・タドレッス海岸の昼と夜の情景を描いた
1924〜1925年頃の作品 -
アンリ・マティス (1869-1954)
1921年の作品 -
チェコ出身のフランティセック・クプカ (1871-1957)
具象から抽象へと変化していった作家
この絵はまだ具象の領域にありながらも抽象化の萌芽のようなものを感じる -
アルベール・マルケ(1875−1947)
霧のポンヌフ、セーヌを描いた1906年の作品。
マティスから「わが北斎」と呼ばれたほどの技量の持ち主ながら
技巧に走ることなく、その抑えた色調の画風は終生変わらなかった。 -
ジョルジェ・ルオー (1871-1958)
道化師を描いた作品は多い
道化師は自分であるという意味ある言葉が残されている。 -
シュザンヌ・ヴァラドン(1865-1938) の作品
あるいはユトリロの母親といったほうが通りが良いのかもしれない。
その素描力はドガを驚嘆させたという。
画家になる前は貧しいモデルであった彼女は、ルノワールの「町の踊り」やロートレックの「酒を飲む女」に描かれている。
彼女は人物画を専ら描き、ユトリロはほとんど風景画で、ふたりの画風はまったく異なっている。
この母子の面白い所は、母は息子の画才に気づかず、ユトリロも母親から学ぼうとしなかった点にあるのかもしれない。
エリック・サティのよく知られた曲「Je te veux おまえが欲しい」は、彼女を想って作られたといわれている。 -
アメデオ・モディリアーニ (1884-1920)
1918年の作品「ブロンドの女性」
悲劇的な最期を遂げたモディリアーニ と妻ジャンヌ
今はパリのペール・ラシェーズ墓地に一緒に眠っている。 -
パヴロ・ピカソ (1881-1973)
ピカソの制作した作品の厖大な数を考えると
どこの美術館にも必ず収蔵されているのが当然と言えるかもしれない。 -
ピエール・ボナール(1867-1947)
1897年頃の作品。二人の子供の夕餉の情景。猫が見守っている様子が何とも良い。
終焉の地である南仏のル・カネには設立間もないボナール美術館があり
一昨年、同地を訪れたのだが、残念ながら閉館中であった。
いつか再訪したいと思う。 -
モーリス・ドニ(1870-1943)
ナンシーに来る前にパリ近郊のドニ美術館に行ってきたばかりなので
旅先で知人に再会したような感じ -
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ロレーヌ出身のエミール・フリアン (1863-1932)の作品群
「雪景色の中の(ナンシーの)若い女」(1887年)
彼の作品からは単なる写実ではない
人情の機微というものが感じられる -
「恋人たち」(1888年)
もし、この絵を見て解説など始めるひとがいたら
それは野暮というもの -
「酒飲みたち」(1884年)
傍らに控えている犬があってこその画面構成 -
「小舟」(1895年)
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幸せな日々 (1895年)
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「La Toussann 万聖節(諸聖人の祝日)」(1888年)
11月1日のLa Toussann は、カトリックの重要な祝日で、フランスではこの日に花を捧げて墓参りをする習慣がある。
この絵は墓参の家族の少女が物乞いに施しをせんとする場面を描いている -
「La toussann」のすぐ近くでは
フリアントの絵をもとにしたナンシー出身のシルヴァン・ラング(1965− )の
ビデオ・インスタレーションが上映されている。 -
画面右手から登場した墓参の家族が歩みを進め
先頭の少女が施しをし、通過していく一連の動きを
表現したもので、実によくできている。 -
ラングのビデオ・インスタレーション作品は
このあとミュゼ・ロレーヌに展示されているジョルジュ・ラ・トウールの
「ノミをとる婦人」でも観ることができた。 -
フリアンの自画像
上から1887年、1895年の制作となっている -
地階ではガラス工芸品の展示
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圧巻なのは、一堂に展示されているドームの作品群
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いやいやとにかくすごい
美術館に収蔵されている数は700点を超えるとのこと
その内、約300点がここに陳列されている
あまりのボリュームに圧倒される -
とても紹介しきれる数ではないので
以下、ピックアップして図録のように並べてみる -
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見て回るだけでも重労働に等しいようなボリューム
この旅行記のタグ
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この旅行記へのコメント (4)
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- mistralさん 2018/01/17 21:16:16
- アール・ヌーヴォー
- ばねおさん
いつもありがとうございます。
この秋のパリまでのティケットを隠し持っています。
パリからどこへ?と考えていましたところ
バネオさんの旅行記の中にナンシーを発見しました。
アール・ヌーヴォーに興味ある私としましたら
ナンシー、外せない地、と思い当たりました。
ここで出会ったのは!
またナンシーの旅行記、参考にさせていただきます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
mistral
- ばねおさん からの返信 2018/01/18 22:18:12
- Re: アール・ヌーヴォー
- mistralさん こんばんは
私にとってナンシーは
あまりにも見るべきものが多すぎて
本当に困ってしまう地です。
あれもこれもと
欲深く歩き回っただけの旅行記が
参考になるとは思えませんが
アール・ヌーヴォーを堪能できることは
間違いないですね。
それに、秋は訪れるのに最適でしょうね。
どうぞよい旅を!
ばねお
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- yunさん 2014/02/13 23:48:39
- 旅と絵画 前進♪
- こんばんは、寒い日が続きますね。
ナンシー美術館の充実ぶりを拝見しました。
私にとって未知の画家がたくさん登場しました。
ここ数年、旅先で眼にする事から始まり「絵画」に関心が増してきました。
自身はその道の能力に全く恵まれず、鑑賞専門です。
子供の頃、眼に映る景色を見事に書き上げていく友達が、魔法使いに見えました。
美術の授業が怖かった程に苦手分野でした。今でも、絵筆よりカメラ派です。
知識も無く「この絵が好き・・・」と感じるのみですが、「好き」が徐々に増えています。
好きと感じた画家についてなら、調べも多少進められます。
「電気の精」しか知らなかったデュフィの数点に「好き」のアンテナが反応します。少し調べましたら、ジョルジュ・ブラックと親交があり、ニースのシミエ修道院墓地に眠っていると・・・。私の旅との繋がりを見つけ、記憶に残っていきます。
何かのきっかけがないと前に進めない分野。
ばねおさんの旅行記に牽引され、またひとつ好きな絵が見つけられそうです。
yun
- ばねおさん からの返信 2014/02/14 20:31:49
- RE: 旅と絵画 前進♪
- こんばんはyunさん
いつも私の美術偏り紀行におつきあいただきありがとうございます。
デュフイはやはり色彩が魅力ですね
一昨年訪れたニース美術館には数多くのデュフイ作品があり、ゆっくりと鑑賞することができました。
子供の頃、美術が苦手分野であったとの由。
絵を見るのに知識はいりません
見方も決まりはないのですから
その作品が好きかどうか、それが全てであると思います。
気に入っている作家でも、好きな絵とあまりそうではないものがありますし、同じ絵をみても、見るときの感受性によって印象は大きく変わりますね
見る対象は変わらないのに、見る眼が変化している
時には興味の赴くままに作品の表現方法や歴史的、社会的な背景とかを知りたくあれこれ調べ出し、いつか再び作品に向かい合った時に、また違った感想をもつ
つまるところは、何を見出すかでしょうか?
日本では美術や芸術を何か普段の生活とは別なものとして扱いがちですが
フランスなどでは、誰もが構えることなく美術館に通い
無名であろうと自分が気に入った絵を家具のように購入し部屋に飾る
何の気負いも衒いもない、まさに普通の生活の一部ですね
少なくとも有名絵画の複製を部屋に飾るような光景はみたことがありません。
実はyunさんの写真には絵画的な魅力があると以前から思っています。
場面の切り取り方や、対象のとらえ方などyunさんの感性から生まれている自然な構図でしょうが、いつも感心しています。
好きなこと、好きなものが増えていくことは素晴らしいことです。
私の出会った作品の中から新たなお気に入りが見つかったとすれば幸いです。
なかなかアルザスまでたどり着けませんが、私も前進します。
ばねお
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