2015/05/02 - 2015/05/03
39位(同エリア141件中)
のまどさん
ナンシー2日目は巨匠たちの眠る霊園の後、待望のナンシー派美術館見学です。美術館は訪問者が絶えませんが、展示品のどれをとっても細部まで凝って作られていて、前衛的な夢想世界を表現したナンシー派を肌で感じることができました。
翌日帰路はロレーヌ地方をドイツ方面に北上し、ウィンゲン・スル・モデという村にあるラリック美術館を訪れます。アール・ヌーヴォーの曲線美とは一転し、ラリックが代表するアール・デコの主役は曲線で、静かな美術館の中には洗練された作品が多く並んでいました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ナンシー2日目。昼食の後はお墓参りです。
まずはナンシー派の中心人物で美術収集家コルバン。 -
続いて建築家マジョレル。彼が設計した庭園がマラケシュにあります。
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ガレのお墓は意外と地味でした。
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そして、昨日のリベンジを果たすべくナンシー派美術館です。中はすごい人なので先に庭園を見学します。
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コルバンの水族館。というより、大きな水槽があった離れだと思いますが。江戸時代に天井に金魚を飼っていた淀屋辰五郎を思い出しました。
中のステンドグラスには魚などの動物が描かれているようです。 -
この美術館のシンボルとしても知られるこのオブジェはうら若くして亡くなった乙女のお墓だそうです。何とも前衛的です。
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中に入ります。とにかくすごい人で説明書を写している余裕がありませんでした。
サロン。 -
ここにもピアノが。
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ダイニング、重厚な感じです。至る所が大胆な曲線で成り立っています。
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ガレ作、海藻の巻きついた手。恐らくオルセー美術館にある作品のシリーズだと思います。アール・ヌーヴォーのテーマである自然回帰を前面に出した作品です。
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ガレ作品が並びます。
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こちらはピンク色の杯。やはり曲線が複雑に入り組んでいます。
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ガレの肖像画です。凝り性なのが伺えます。
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確かガレの作品だったと思う。ウリをモチーフにしたランプ。蔓の表現が見事です。センスの良さを感じる大好きな作品。
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グリュベのステンドグラスシリーズが続きます。
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どれを見ても絵のように細部まで精巧に作られています。
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そして季節感たっぷりの描写。
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もちろん、官能的な女性美も見られます。
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ここからはベッドシリーズ。撮りまくった私はこの時眠たかったのかな。
まずは蝶のモチーフ。 -
こちらは明け方という名前が付いています。
少し前まで私はブリュッセルのアール・ヌーヴォーはナンシーに影響されたのだと思っていましたが、ブリュッセルの起点が1893年に対して、ナンシー派が起こったのは1901年なので逆です。 -
オルタ邸に見られる植物や動物の自然描写がナンシーでは更に強調されている気がします。
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アール・ヌーヴォー建築の旗揚げであったため、ベルギーの流派はまだ地に足が着いている感じがあるのに対して、常にヨーロッパ芸術の中心だったフランスのナンシー派は完全に夢想世界に浸っているというのが個人的な感想です。どちらも好きです。
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そして、アール・ヌーヴォーに欠かせない要素のエキゾチズム。この部屋には漆塗りのように見える東洋趣味の家具がたくさん見られました。
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最たるものがこれです。幼い日、ひな壇にこんな家具を見た気がします。
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それにしても終始、ものすごい数の見物人でした。
見学し終わった後、すれ違いに入ってきたのは昨日のヤン・ヤープ氏が率いるオランダ人団体でした。 -
ホテルで一服。名産らしき杏子を使った地ビール。ジュースだと言われても恐らく気づかないと思います。アルコールは微量です。
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さて、翌日は北上しラリック美術館を見学。
私がラリックという名前に出会ったのは江ノ島の香水瓶美術館。
http://www.shonanbottle.com/
残念ながら既に閉館しましたが、個人宅の一部を公開したような展示室には館長自らが渡欧して集めた香水瓶が丁寧に展示されていました。この美術館に行っていなければアール・ヌーヴォー/デコにこれほど食いつかなかったかもしれません。 -
まず出迎えてくれたのがこのシャンデリア。アール・デコの直線美の世界が始まります。
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ラリックのキャリアはアール・ヌーヴォーのアクセサリーデザイナーとして始まります。ご婦人たちのためにお決まりの動物、昆虫などをモチーフにアクセサリーを作っていたのですが、個人的に身に着けるのが気が引けようなリアルな作品も多いです。
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それでも大多数は今でも多くの女性を魅了するような美しい作品です。
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このティアラなどはツンデレの私でもうっとりしてしまいます。
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そして、ガレなどから影響を受けてガラス工芸も出がけ始め、20世紀に入ってから本腰を入れるようになります。初期はガラス瓶をデザインしていたようです。
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アール・デコの時代が到来するとますます名声が高まり、世界中のアール・デコ建築で彼の作品が採用されるようになります。こちらは1929年完成の聖オディール像。
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スズランの装飾などにはアール・ヌーヴォーから継承される自然描写がありますが、アール・デコではラインがシンプルになります。
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そして、有名な香水瓶。洗練美があります。
ラリックは他の芸術家とは一線を画して、工場を建てて鋳型を作り作品を大量生産していったことで世に名が知れ渡るようになりました。つまりは芸術家であるとともにビジネスマンでもあったのです。なかなか両方の素質を兼ね備えている人は珍しいでしょう。 -
装飾品、花瓶、グラスやお皿などの食器、ランプなど幅広くカテゴリーを手がけました。工場は彼の子孫が受け継ぎ、現在もラリック社は健在です。
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館内は落ち着いた雰囲気で、人が少なく見学しやすかったです。
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隣接のレストランで遅い昼食。
ウワバミちゃん好物のエスカルゴ。なぜか私の記憶に全く残っていない。 -
迷わず頼んだ白アスパラ。布ナプキンに包まれて出てきたのは衝撃的でした。
白アスパラはオランダ、ベルギー、ドイツ、フランスで好まれる品種も料理方法もみんな違うというのが私の持論です。 -
帰路、ベルギー国境に入った途端、巨大な虹が現れました。
旅行中に晴れていてくれたならば・・・
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