2013/11/02 - 2013/11/04
167位(同エリア590件中)
naoさん
香川県丸亀市に属する塩飽本島(しわくほんじま)は、大小28の島々からなる塩飽諸島の中心となる周囲約16Km島で、大型船をもつ水軍として織田信長や豊臣秀吉に取り立てられた塩飽水軍の本拠地があったところです。
島には、水軍時代に政治をつかさどった塩飽勤番所をはじめ、水軍の拠点であった笠島の町などがあり、海に生きた人々の息吹を今に伝えています。
笠島は本島の北東にある港町で、三方を小高い山に囲まれた地形を生かし、防衛上の観点から道路を枡形状や湾曲状にするなど、水軍の拠点としての面影を留める町並みが残っています。
町中にめぐらされた、東小路(とうしょうじ)、田中小路、マッチョ通りなどの町並みには、江戸から明治にかけて建てられた、本瓦葺きの屋根、漆喰塗りの白壁やなまこ壁、格子窓といった意匠を凝らした、風情ある町家が連なっています。
この日、本島では「瀬戸内国際芸術祭2013秋IN本島」が開催されており、現代アートを求める大勢の人達で賑わっていましたが、展示されている現代アートを横目に見ながら、一目散に笠島目指して歩きました。
あいにく、町歩きの途中から雨に降られましたが、それがかえって町並みに潤いを与えることとなり、しっとりとした風情をたたえる笠島の姿に触れることができました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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丸亀港フェリーターミナル10:40発の本島汽船のフェリーで塩飽本島へ渡ります。
本島汽船 乗り物
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フェリーが停泊する丸亀港の様子。
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丸亀港を出航したフェリーは、穏やかな瀬戸内海を進みます。
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この日は、本島で開催されている「瀬戸内国際芸術祭2013秋IN本島」の最終日の前日で、フェリーには大勢の人達が乗り合わせています。
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本島が見えてきました。
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本島のすぐ東側を瀬戸大橋が渡っています。
瀬戸大橋を背に、本島港に入港です。 -
フェリーは、スクリューを逆回転させながら方向転換して接岸体制に入ります。
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桟橋に接岸したようなので下船します。
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ゲートの前で下船を待っていた人々の列が・・・
本島 自然・景勝地
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ゲートオープンと同時に、我さきにと下船して行きます。
中には、走り出す人も・・・。 -
地元の方々は慌てる必要がないので、ゆっくりと下船しています。
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島内にはコミュニティーバスが運行されているんですが、観光案内所の方に伺うと、笠島まで歩いて30分程度だとのことなので、途中の風景を楽しみながら歩くことにします。
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本島港から10分くらいの所にある、塩飽勤番所にやって来ました。
塩飽勤番所 名所・史跡
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入り母屋造りの重厚な門構えの塩飽勤番所は、1797年に建てられた建物を解体修理して公開しています。
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当時の塩飽勤番所は、秀吉の時代に船方の代表を勤めた、4人の島役人が交代で政務にあたったとのことで、塩飽の人々が海上輸送に重要な役割を果たしていたことを示しています。
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笠島までの道すがら、秋を感じさせてくれるススキや・・・
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コスモスの花が・・・
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心を和ませてくれます。
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瀬戸大橋のビューポイントへやって来ました。
本島 自然・景勝地
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しまなみ海道ほどではないにしても、この橋も瀬戸内海に浮かぶ島々を橋脚にしながら建設されています。
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この辺りも良好な漁場なんでしょうね。
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笠島に差し掛かりました。
この光景を見ると、かつて水運で機動力を誇った塩飽水軍の町と、現在の機動力の象徴である瀬戸大橋が、この島で対峙することの面白さを感じます。 -
では、笠島の町を歩きます。
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マッチョ通りと東小路(とうしょうじ)の交差部に、道標が立っています。
道標に書かれた地名を島の案内図で探すと、どちらも海水浴場があるように書かれています。 -
まず、マッチョ通りを歩きます。
町中の道路は、水軍の拠点ということもあって、防衛上の観点で道路を枡形状や湾曲状にするなど、一直線に見通せないようになっています。 -
町並みには、江戸から明治にかけて建てられた風情ある町家が連なっています。
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この町家の外壁には焼杉板が使われています。
杉板の表面を焼いて炭化させることで、腐食を防ぐ丈夫な外壁材として、焼杉板は古くから使われてきました。 -
この町家には、ところどころナマコ壁の化粧が施されています。
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間知石積みの側溝。
間知石は、擁壁に使われる材料です。 -
本島も秋の収穫期を迎えています。
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この辻の道路は、枡形になっています。
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道路が枡形になっているので、屋根の軒先が変な位置で向かい合っています。
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小高い山を背にした町並み。
これも、防衛上の観点からこういう町割りになっています。 -
郵便ポストの先の道路は、緩やかに湾曲しています。
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道標が立っている、マッチョ通りと東小路の交差部に戻って来ました。
この辻も枡形になっています。 -
交差部の北の角にあるのは、笠島まち並保存センターとして利用されている、江戸時代の廻船問屋「真木家」です。
玄関前には、「瀬戸内国際芸術祭2013秋IN本島」のPR用上りが立てられています。 -
こちらは東小路の町並みです。
この町は、いたるところ見通しが利かない通りばかりです。 -
東小路は後にして、マッチョ通りの残りを歩きます。
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突きあたりの町家のナマコ壁と虫籠窓がいい雰囲気を醸し出しています。
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この町家の裏山がかつての城山で、笠島城址があるそうです。
とりあえずここでUターンして、東小路へ向かいます。 -
ここにも焼杉板の外壁の町家が並んでいます。
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焼杉板の町家の間にある路地。
こんな路地にまで、枡形状のしつらえが見えます。 -
町家の軒先に吊り下げられた吊るし柿。
熟成するのを楽しみに待っておられます。 -
東小路へ入りました。
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窓格子の掛け花入れに活けられた花が、町並みをゆく人に潤いを与えています。
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こちらは壺に活けられた花々です。
落ち着いた町並みなだけに、花々の彩りが際立ちます。 -
こちらのカフェは、暖簾で彩りを添えています。
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脇道も湾曲しながら延びています。
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親子でしょうか、かわいい子猫が甘えています。
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この子は仲間を呼んでいるんでしょうか、鳴き声が聞こえてきそうです。
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落ち着いた町並みは・・・
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緩やかに昇りながら続いています。
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ここにも物憂げな表情の猫ちゃんがたたずんでいます。
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格子のデザインは、家々でバラエティーに富んでいますが、不思議と統一感はあります。
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赤い花の次は、黄色い菊の鉢植えが置いてあります。
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日本独特の菊の花は、落ち着いた町並みにはぴったりです。
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「やかた船」さんの横には、田中小路へ通じる脇道があります。
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脇道からみた東小路の町並み。
正面に見えるのは、文書館として公開されている「藤井家」です。
藤井家は江戸時代に島役人を勤めた家柄で、所蔵する古文書や絵図などを展示しています。
個人的には、この風景が一番のお気に入りです。 -
立派な築地塀をめぐらせた町家があります。
下から見ると圧倒されそうです。 -
東小路の外れにある専称寺さんへやって来ました。
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専称寺さんの境内では、いろんな秋が姿を見せています。
とり残された柿が行く秋を惜しんでいるかと思えば・・・ -
井戸の前のもみじは、これから迎えるであろう、紅に燃える晩秋に備えて身づくろいしています。
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そろそろ昼食の時間なので、途中で見かけたカフェへ向かいます。
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掛け花入れと町並み。
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先ほどは気づかなかったんですが、「藤井家」の手前に路地が見えます。
路地好きな私です、もちろん入ります。 -
路地から東小路を見ていると、観光客の方が通り過ぎて行きます。
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朝から怪しかった空模様が、ここにきて泣き出してしまいました。
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「やかた船」さんの2階の虫籠窓。
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カフェ「吾亦紅」さんです。
ここは、町屋を使ったカフェ&ギャラリーで、美味しい食事の提供とともに、地元の作家さんの作品を展示しています。 -
客席に座ると、格子窓に掛けられたすだれを透して、町並みの様子がしのび込んできます。
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昼食の後、再び町歩きを続けます。
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東小路を戻って、田中小路へ向かいます。
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昼食を採っている間に、雨は本降りになっています。
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田中小路の町並みです。
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東小路は、町の東側にあるので名前の由来は想像できるんですが、田中小路の名前は、何に由来しているのでしょうか・・・。
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この町並みには珍しく、外壁にトタンを張った町家があります。
防火のためなんでしょうね。 -
田中小路を抜けて少し南へ下がると、公園が整備されています。
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町歩きで疲れた観光客の休憩用なんでしょうか、木陰を作る植樹と、木や石のベンチが置かれています。
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道端に植えられた下草が、雨に打たれて艶々しています。
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では、笠島港の方へ行って見ましょう。
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港が見えてきました。
漁を終えたのか、漁船が停泊しています。 -
港に面して建つ町家。
背後の山中には尾上神社があります。 -
「この町並みには、見通しのきく道はないのか!」と言いたくなるくらい、枡形や湾曲した道ばかりです。
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枡形の典型のような道にやって来ました。
まず左に曲がって・・・ -
次に右に曲がると・・・
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枡形の完成です。
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はじめに左に曲がった角を振りかえって見たところです。
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でっ、これがこの枡形に面して建つ町家です。
なお、この町家は、笠島まち並保存センターの前のマッチョ通りの奥に見えていた、いい雰囲気のナマコ壁と虫籠窓の町家です。 -
帰りのフェリーの時間があるので、そろそろこの辺りで町歩きを切り上げます。
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雨が降っているので、本島港へはコミュニティーバスで戻ることにして、この先のバス停に向かいます。
あいにく町歩きの途中から雨に降られましたが、そのことで、しっとりとした風情をたたえる笠島の姿に触れることとなり、却って良かったと思います。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島に、こんなにも落ち着いた良い町並みがあるとは思ってもいませんでした。
では、小さな驚きとともに、大きな感激を胸に、本島港へ向かいます。 -
島のコミュニティーバスで本島港へ戻り・・・
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本島港14:50発のフェリーで丸亀港フェリーターミナルへ帰って来ました。
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本島汽船の切符売り場です。
行く前に撮り忘れたので、帰ってきてから撮りました。
ちなみに、船賃は往復1010円でした。
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