2013/05/06 - 2013/05/09
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belleduneさん
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神戸の用事を済ませてから、予てから気になっていた建物をゆっくり見て歩きました。平成7年に、阪神・淡路大震災があり、多くの建物が崩壊しましたが、今は耐震高層ビルやマンションが建ち並び、すっかり変わりました。その中に、大正・昭和初期の名建築は、登録有形文化財として補修、再建されて、残されています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 交通手段
- JALグループ 私鉄 徒歩
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旧生田川が流れていたフラワーロードを三ノ宮駅から歩いて来ると、東遊園地公園が見えてきます。
1868年に外国人居留遊園として、開園した日本で最初の西洋式運動遊園でした。開園当時は、外国人専用の運動公園で、野球、ラグビー、サッカー、ボウリング等が行われていました。1890年に、アレキサンダー・ネルソン・ハンネル設計の神戸倶楽部が建設されて、外国人の社交場になりました。 -
東遊園地公園には、平成7年の阪神淡路大震災の慰霊と復興のモニュメントや希望の灯があります。
若者がスケボーで遊んでいましたが、夜も遅くまで騒いでいるのでしょうか。 -
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関西電力やベリスタ神戸旧居留地に建つ高層マンション、その手前にあるのが、現在東遊園地公園の管理事務所と旧神戸社交倶楽部です。
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居留地時代の在留外国人の社交倶楽部とスポーツクラブの建物す。
各々の建物の特徴を正面建築(現・管理事務所)と右側建築(レストハウス)の外観に生かしているそうです。 -
こちらがレストハウス
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イギリス人の建築家アレキサンダー・ハンセルは、ゴシック.リバイバル建築に基づき、煉瓦を剥き出しにしたデザインを好んで採用しました。社交倶楽部を始め、香港上海銀行、チャータード銀行、ジャーディン・マセソン商会、ドイツ領事館、デラカンプ商会などの設計を手掛けました。
後ろに見えるのは、神戸市役所1号館です。 -
神戸に当時、社交倶楽部は2つあり、1868年(慶応4)にドイツ陣が設立したクラブ・コンコルディアにはドイツ人以外に、オランダ人、ノールウェー人、スエーデン人などが入会したそうです。もう一つは、アメリカ人とイギリス人が中心となって設立したユニオンクラブ(インターナショナルクラブ)で、これが後の神戸外国倶楽部です。ユニオンクラブは、居留地内の建物の31番地、次いで32番地、79番地(オリエンタルホテル地下)に本拠を置いて活動していました。
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一方、クラブ・コンコルディアは、非ドイツ人会員が、対立を機に大量に脱会したため、資金源となり、ユニオンクラブへ売却し、1881年(明治4)頃、79番地のオリエンタルホテル地下へ本拠を移しました。
ユニオンクラブは居留地返還後も、活動を行っています。 -
太平洋戦争で、クラブ施設は日本軍に接収され、空襲で焼失しました。1950年(昭和25)に施設は再建されましたが、東遊園地に、アメリカ合衆国領事館が建てられることになり、クラブは、現在のトーアロードにあるドイツ系資本のトーアホテル( Tor Hotel ) 跡地に移転することとなりました.
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居留地が置かれた神戸村の人口は、開港当時約3600人だったそうですが、居留外国人(イギリス人、ドイツ人、フランス人、オランダ人)の数は、1871年(明治3〜4)の時点で、400人程度でした。しかし、1890年には、2000人を超えています。
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裏側です。
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阪神高速3号神戸線を渡って、神戸税関本関庁舎へ
土・日・祝は休館なので、次回は内部や時計塔の傍まで行って見たいです。
今回は外観だけにします。
住所:中央区新港町12−1 -
神戸税関の歴史は古く、1868年1月1日に江戸幕府が兵庫運上所をここに開設しました。その後、1873年1月に神戸税関と改称されました。
1873年12月、初代本関庁舎(石造り、2階建て)が、大蔵省営繕課の設計で竣工しました。
1922年1月20日火災のため、焼失しましたが、1927年3月に日本最大の税関庁舎、2代目本関庁舎(花崗岩、煉瓦造り、地上4階、塔屋4階)が竣工しました。
平成7年の阪神・淡路大震災で半壊したため、1998年11月に3代目庁舎(地上10階)が、国土交通省近畿地方整備局営繕部と日進設計が協力して、設計し、完成しました。2代目庁舎の花崗岩張りの時計塔を含めた外観とホール等を保存・継承しています。旧館を船体に見立てると、その上に造られた新館の高層部が舟のブリッジに見えます。 -
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向かい側に渡ると
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新港貿易会館・後藤合資会社(旧新港相互館)登録有形文化財
1931年に新港相互館の設計で、地上4階の会館が建てられました。舟のブリッジを思わせる外観の現役テナントビルです。
住所:中央区新港町8−2 -
外壁は、スクラッチタイルを張り、玄関や船室のような丸窓にステンドグラスが施される等、意匠ある建物となっています。
新港地区周辺に点在していた港湾関係業者の事務所を集約するために建てられたそうです。 -
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船室のような丸窓にステンドグラスが施されているのが分かります。
その奥は、クラブのようです。 -
こういう門灯も今は作れないでしょう。
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こちら側にも丸窓が
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丸いコーナー部分
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裏側
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その直ぐ傍に、旧神戸生糸検査所(旧独立法人農林水産消費安全センター・神戸センター)があります。
神戸の玄関口である神戸港の中心施設として、当時の日本最重要産物であった生糸の品質を保証する機関施設として、威厳あるデザインを取り入れた近代神戸の貴重な遺産だそうです。
旧横浜生糸検査所が改変されて、なくなった今日、日本に現存する唯一の生糸検査庁舎です。
2008年まで独立法人農林水産消費安全センターとして使用されていましたが、ポートアイランドへ移転したため、神戸市が買い取り、デザインクリエィティブセンターとして保存活用されています。
住所:中央区小野浜通1 -
1927年(昭和2)に神戸市営繕課の清水栄二氏の設計で、地上4階建ての垂直線を強調するチューダー・ゴシック様式の建物が建てられました。
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正面玄関の上部に、生糸検査所らしく、蚕の頭部をモチーフにした装飾があります。
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向かいに神戸税関庁舎が見えます。
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現在はデザイン会社が入っています。
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旧国立生糸検査所
1932年(昭和7)に置塩章氏の設計で、ネオ・ゴシック様式になっています。
住所:中央区小野浜通1 -
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日本銀行神戸支店
旧日銀神戸支店の店舗は、昭和2年に現在の神戸博物館北側に開設されました。敷地を購入したのは、大正10年で、旧居留地の独亜銀行の土地でした。戦時中、空襲の目標とならないように、建物全体をコールタールで塗ったお陰で、被災を免れましたが、終戦後、コールタールの剥ぎ取り工事を行いました。しかし、かなり難航し、サンドスプレー工法で昭和25年にやっと元の姿を取り戻すことが出来ました。 -
昭和34年、通りの向かい側に現在の新店舗を新築することになり、昭和36年7月に4階建てのビルが落成しました。エスカレーターもある当時としては近代的なビルでした。旧店舗同様、耐震性、対火性を高めた建物だったため、阪神淡路大震災にも耐えた優れた建物です。
住所:中央区京町81 -
旧居留地19番 現・ニッセイ同和損害保険会社ビル
旧神戸海上火災ビルは、1935年(昭和10)に長谷部・竹腰建築事務所の設計で竣工しました。
住所:中央区明石町10 -
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この旅行記へのコメント (2)
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- SUR SHANGHAIさん 2013/05/19 09:47:40
- いまも残る歴史建築
- 神戸の街は一度行ったきりですが、石造りの洋風建築が多い街。
上海の外灘(バンド)にも似た雰囲気だと思います。
震災後も、補修され残されている建物を見ると、うれしくなってしまいます。
これからも、災害にも時代の流れにも負けず、風化させてはいけない風景ですよね。
- belleduneさん からの返信 2013/05/19 10:08:53
- RE: いまも残る歴史建築
- SURSHANGHAIさん、神戸の街散策を見て頂いて、ありがとうございます。
貿易港として、江戸末期から外国人が多く居留していた町なので、独特の雰囲気があります。
横浜と違って、神戸は六甲の山並みと海が両方見渡せるので、特徴ある場所が多いです。
阪神淡路大震災後、復興した街並みですが、完全に取り壊されて、新しいビルになっているところが多い中、ちゃんと創建当時の姿に復元されている建物も数多く残っているのは、嬉しいことです。莫大な費用と時間が掛かったと想像しますが、京都も残念なことになりつつありますね。
今回、ソニーの携帯で撮った写真等があり、全体図が上手く撮れていなかったので、次回一眼レフで、撮ってきます。
> 神戸の街は一度行ったきりですが、石造りの洋風建築が多い街。
> 上海の外灘(バンド)にも似た雰囲気だと思います。
上海には行ったことがありませんが、ネットや建築雑誌で見る限りでは、有名建築家が設計したビルがどんどん筍のように、建っていますね。
古い建物を保存している地区は、限られているのでしょうか?
> 震災後も、補修され残されている建物を見ると、うれしくなってしまいます。
> これからも、災害にも時代の流れにも負けず、風化させてはいけない風景ですよね。
本当にそう思います。
ヨーロッパでは、特に北部では、日本のように大地震がないので、古いビルがまだ健在だということが珍しくないですね。
都市計画が行政でちゃんと行われている街が、増えるといいのですが。
これからもよろしくお願いします。
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