2012/12/07 - 2012/12/07
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たびたびさん
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滋賀の湖東三山は、百済寺、金剛輪寺、西明寺。紅葉の名所として有名。シーズンには、シャトルバスが出るのですが、期間も限られていて、これまでなかなかタイミングが合いませんでした。実は今回も、直前で、そのシャトルバスは終了していましたが、それなら、いっそレンタカーでついでに近くの永源寺やできれば、多賀大社も回ってみようという決断がつきました。
大津駅でレンタカーを借りて、丸一日。どこまで回れるか、様子を見ながらの旅の始まりです。
湖東三山や永源寺、多賀大社は、いずれも歴史に文化財、見るべき景観が揃っていました。京都とも違うし、奈良とも違う。全国的な知名度では、比叡山や三井寺、石山寺の方がずっと上でしょうが、内容的には、決して引けを取らない。むしろ、今回、回った寺の方が滋賀の性格、たぶん、京都や奈良に近くて、影響を受けながらも、山岳仏教のような古代の日本的なものを残しながら、それでいてちゃんと一定の独自性や文化的な高い水準も保っている。滋賀の凄さを強く感じれたような気がします。滋賀だと観音の里がまだ行けてなくて、気になっていましたが、これは早めに回ってみる必要があるようです。
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大津のホテルを出て、まずは、朝飯。目に入ったのは、パン工房 HIRO。
大津の市内には、コンビニも少ないし、けっこう不便を感じるのですが、そういう意味で、ちょこっとこんなところにこんなお店があるのはうれしいです。 -
朝、8時前でしたが、お店は、まだ、準備の途中のようでしたが、デニッシュ系のパンを買いました。とにかく、あるだけでうれしいという感覚で期待はしていなかったのですが、これがとてもおいしい。サクサクっとした食感に穏やかな甘さで、かなりいい線行ってます。
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大津駅前をうろうろしていたら、小さな祠発見。山吹地蔵というのですが、説明書きによれば、山吹地蔵に祀られた山吹御前とは、木曽義仲の妻。義仲が粟津の戦で鎌倉方と戦って戦死した際、山吹御前は夫に会うために粟津へ向かうのですが、敵の刃に倒れ、夫義仲に会うことはかなわなかった。その山吹御前を弔うための地蔵尊だというのです。こんな場所でも滋賀の歴史に触れた思いがしました。
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大津って、けっこうレベル高いのかあ。大津駅の改札を出てすぐの場所にあるパン屋さんにも寄ってみます。広い店舗に、女性が二人。パンが並んでいても、店舗が広すぎて余裕があり過ぎるので、一見するとさみしい感じになってしまいます。
それでも、京都のパン屋さんと出ていたので、一番人気というカレーパンを買ってみました。毎日京都から運んでいますとの説明でしたが、ただ、京都だと進々堂を基準に考えてしまいます。こちらは、ちょっとぼんやりした味わいで物足りないかなあという感じ。残念でした。 -
さて、湖東三山の前に。まず到着したのは、永源寺。
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ここは、東近江市にある臨済宗永源寺派の本山。南北朝時代1361年の創建という古刹です。
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紅葉の名所として有名ですが、この日は紅葉のトンネルという山門前もすっかり葉が落ちてしまっていました。
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この山門は、空間が広くとってあって、なんか鎌倉風ですね。柱が美しいです。
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イチオシ
境内はそれなりに広大で、茅葺の本堂も堂々として威容を誇ります。
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内部の襖絵は美しくて、とても趣がありましたが、誰の作なのでしょうか。
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近くで見れて、
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他には誰もいない。贅沢なひと時です。
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帰りに気づいた参道の脇の十六羅漢の石仏。
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亀に乗った羅漢が珍しいです。
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永源寺ダムは、紅葉の名所、永源寺から、車で上流に向かうこと10分ほど。永源寺の方が「この時期は、放水していて、ダムの水は少ししかないよ。」という通り、少しさみしい感じでしたが、それでも「ダム湖百選」に選ばれたダム湖の美しさは感じられました。ダム(高さ73.5m)は、立ち入り禁止で、脇から見るだけでも、一見の価値はあると思いました。
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今度は、百済寺に向かいます。
しかし、そういえば、この辺にジェラートのおいしい店があったはずだと思い出して訪ねました。国道から、牧場に続く道を少し入っていくと小さな木の小屋。こんなところで販売しているんですね。 -
で、ミルクの味が濃いというお店の一押し「ミルク」を注文。しかし、これが確かにうまい。ミルクの味わいがブワッと口に広がって、もしかしたら、これまでに食べた中で一番おいしいジェラートかも。これは評判になるはずだと思いました。
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百済寺からは、いよいよ湖東三山です。百済寺は、「ひゃくさいじ」と読みます。
寺伝によれば、聖徳太子の建立という古刹ですが、名前からしても、渡来系氏族の氏寺でしょう。
ここが駐車場からすぐの入口です。 -
こちらの紅葉も、ピークは過ぎています。しかし、この参道の雰囲気は、紅葉の名所としての貫録は十分。それを見れただけでも収穫です。
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さらに、大きな草鞋の山門を抜けて進みます。
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イチオシ
これは本堂です。石垣の奥にこれが見えて、本格的な山岳寺院のような雰囲気です。滋賀にこんなイメージはありませんでしたし、湖東三山と三つで一つみたいな言い方も誤解を与えているかもしれません。
規模は、さっきの永源寺の方が大きいと思いますが、この景色だけでも十分肩を並べれます。 -
この本堂の如意輪観音半跏像は穏やかな容姿。
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人気急上昇中だそうです。
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気分が高まってきたところで、二つ目の金剛輪寺。
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本堂まで登って行く中腹といった場所にある日本庭園。山陰に造られた庭園です。ちょっと陰気かもしれませんが。。
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その脇を登って行きます。
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森の中に、これも紅葉の大木。
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イチオシ
こちらの山門にも、草鞋です。
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この仁王様は、古そうですねえ。
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やっとたどり着いた本堂は、堂々たる構え。入母屋造、檜皮葺の和様仏堂で、中世天台仏堂の代表作として国宝に指定です。
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内陣には、十二神将像、四天王像など、鎌倉時代初期の仏たちがずらり並んで、奈良の寺に引け目を取らない充実度でした。なお、三重塔は修復中でしたが、逆に工事の様子がまじかで見学できるよう、順路が設定されていました。
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愛荘町立歴史文化博物館は、金剛輪寺の脇にある施設。町立の施設なのに、これはすごくりっぱ。県立の施設でも、全然恥ずかしくない建物で、違和感があって理由を尋ねたのですが、はっきりした答えはありませんでした。いろいろ話して、お隣の金剛輪寺の支援とかがあったのかもしれないという話になりましたが、それくらいりっぱです。
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展示では、秦氏、東漢(やまとのあや)氏といった渡来人の多く住む地域が滋賀一帯にあって、勢力があったことを解説するコーナーが目を引きました。司馬遼太郎も、古代をテーマにした場合、こうした点を語っていますね。
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一休庵は、湖東三山の一つ西明寺の門前、国道沿いにある食堂です。ドライブインみたいに広い駐車場で、車で寄るには便利。
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豆腐の看板があちこち目立つので、私は「ぶっかけ丼」という豆腐をどんぶりに乗っけたのを食べました。こんなのおかずになるかなあと思っていたのですが、これがけっこううまい。豆腐の味わいが濃いので、こうなるんでしょうか。
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白いふりかけは、おからが原料。なかなか工夫をしています。
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いよいよ最後の西明寺。ここは、天台宗の寺です。
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ここは、新しい時代の庭でしょうか。苔が美しい庭です。
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山門から、
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イチオシ
仁王様の脇を抜けて本堂へ。
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本堂は、鎌倉時代初期の建立で、釘を一本も使わない純和風建築。国宝です。信長の比叡山焼き討ちの後、この寺も焼打ちにあうのですが、本堂は何とか難を逃れたのだとか。
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本堂の脇に立つ三重塔も、ひさしの曲線が美しくて、びっくりするほど優美でした。ほか、増長天、持国天を祀る二天門も室町時代の作。見所です。
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ここからは、時間の許す限り、どこまで回れるか。高速で事故渋滞に巻き込まれたこともあって、予定は大幅に遅れています。気持ちは焦るのですが、そんなことも旅にはつきものでしょう。
勝楽寺は、佐々木道誉(どうよ)ゆかりの寺。と言っても、まったく聞いたことはありませんでしたが、案内板によると、佐々木道誉は、足利尊氏とともに室町幕府創建に活躍し、その豪放無比な言動から婆裟羅(ばさら)大名と呼ばれた人物だとか。 -
足利尊氏が関東の源氏だと考えると、近江の地に尊氏に強力な支援者がいたのは不思議な気もしましたが、確かに、尊氏に仕え、一定の影響力を持っていたようです。
境内奥に、佐々木道誉のお墓もありました。 -
勝楽寺から多賀大社に向かう途中、国道脇に看板が出ていたので、寄ってみることに。確か、ここは紅葉の名所だったはず。なんでもないような、山すそに鳥居があって、緩やかな上りの参道が続きます。
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イチオシ
ただ、その一帯が、ものすごい紅葉。真っ赤に色づいた紅葉が、夕陽を受けて輝いていました。ちょっと時期が遅れたと思っていたのですが、思いがけず出会った素晴らしい紅葉に大満足です。
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イチオシ
なんとか多賀大社に到着。
ここは、伊邪那岐命(イザナギ)・伊邪那美命(イザナミ)の2柱を祀っています。伊邪那岐命(イザナギ)・伊邪那美命(イザナミ)は、天照大神(アマテラスオオミカミ)の親になるので、「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」と、伊勢神宮の親に当たるとされ、古くから「お多賀さん」として親しまれています。
本殿は、霧島神宮ほどではありませんが、いくつかの建物が重なり合うような姿。檜皮葺の屋根がとても美しいと思いました。 -
こちらは、奥書院。秀吉の母、大政所が養生のために使いました。秀吉が「3年、それがだめなら2年、せめて30日でも」と母の延命を祈願したのは有名です。
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奥書院庭園も、名勝。独特の雰囲気で、見下ろす庭なのに、雄大で荒々しい気配が漂っています。どうしてこんなことになるんでしょうか。不思議な庭ですねー。
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多賀大社の境内にあるそば屋さん。といっても、本格的な店構えで、店内も何人座れるか分からないくらい広さです。たぶん、団体客がどっと押し寄せた時にもさばけるように、こんな広さになっているんだと思います。それだけ、多賀大社の名物そばとして、認知されたそば屋さんということでしょう。券売機で食券を買って、注文。さて、いかがでしょうか。出汁は、いりこでしょうか。すっきりした味わい。一方のそばですが、かすかにもっちりコシがあります。例の鶴喜そばはもっちり感がありますが、このもっちりっていうのは滋賀の特徴なのかも。お店の人に聞いてみましたが、それは不明。ただ、少なくとも、ここの特徴ではあると思います。
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多賀大社の真ん前にある、糸切り餅のお店。
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糸切り餅は、お餅に赤青三筋の線が入って、独特の美しさがあります。でも変わっているので、なんでかなあと思ったら、これは元寇の役で攻めてきた元の船の旗の色だとか。
二度の蒙古襲来を台風によって救われ、平和が甦ったことを喜び、御神前に供えたというのです。糸切りは餅を糸で切ったから。刃物を使わず、糸で切る。平和を意味しているお餅です。 -
ぎりぎりで、安土城跡に到着。
信長の築いた安土城は、明智光秀に焼かれて、灰燼に帰してしまいましたが、信長が天下を望んだ場所はどんなところだろうと、興味は尽きない場所だろうと思います。夕方に到着し、5時までという駐車場も閉まっていたのですが、辺りを散策してみました。そう大きくもないし、険しくもない。やはり、戦闘のための城ならあり得ない地形でしょう。琵琶湖を背景とする水運に大いなる価値を見ていたのだろうと思いました。 -
その後、琵琶湖大橋を通って帰ります。この橋は、大津市と守山市を結ぶ橋。近江八幡から大津だと、湖岸道路を経由して、この橋を渡るのが早いコースになります。橋は、琵琶湖大橋有料道路でもあり、普通車で200円。水面からの高さは最大26m。中央部分に近づいてからだんだん上がっていく感覚が独特だと思いました。
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ついでに、ちょっと浮御堂へも。
大津市堅田の琵琶湖畔。湖上に突き出た仏堂です。国道から、琵琶湖に向けて少し入ったところにありましたが、想像以上に大きな建物で、これにはちょっとびっくりしました。 -
寺伝によると、比叡山の恵心僧都が比叡山から琵琶湖をながめ、湖の光明から黄金の阿弥陀仏像を発見。これを収めるために浮御堂を創建したのだそうです。言われるとそんな感じの雰囲気です。
なお、松尾芭蕉も訪れているそうです。 -
スパリゾート雄琴 あがりゃんせ スパリゾート雄琴 あがりゃんせは、雄琴温泉の中心。国道沿いにあります。駐車場もかなり広くて、りっぱなのですが、平日1,650円 土日祝1,850円は高いですね。時間もなかったので、どこかこじんまりした共同浴場でよかったのですが、雄琴温泉にはそんなところはありませんとのこと。他の日帰り温泉も同じようなところだそうで。悪くはなかったのですが、料金の高さだけが印象に残りました。
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大津駅で、レンタカーを返して、京都に到着。京都駅から四条烏丸まで歩いて、ふらりラーメン屋へ。
天天有は、野菜と鳥をことこと18時間も煮込んだという栄養たっぷりのスープが売り。どろんとするくらい濃厚なスープですが、野菜と鳥の出汁だと思えば、体にもよさそうです。個人的に、ラーメンは体にはあまりよくないイメージもあってしまうので、こういうラーメンはうれしいです。最後まで、スープをいただき、あったまりました。
では、いつもの定宿に向かいます。
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