2013/02/02 - 2013/02/02
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ドクターキムルさん
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川崎市幸区塚越2にある東明寺(とうみょうじ)は浄土宗のお寺で摂取山浄土院東明寺という。創建は天正17年(1589年)であり、浄土真宗の僧浄円が当地に住み浄円坊と称していたが、慶長15年(1610年)に入寂した。後に増上寺の貞蓮が止住し、慶長18年(1613年)、徳川家康が鷹狩りのため小杉御殿街1にある西明寺に泊まった際、給仕にあたった貞蓮が家康から身分を問われた貞運が、小庵の主であると答えたところ、その庵が西明寺の東にあったので、家康から東明寺と号すよう拝命され、貞蓮が開山となり東明寺となったといわれている。
文化・文政期(1804年〜1830年)に編まれた新編武蔵風土記には御嶽社(御嶽大神)は「東明寺持」との記載がある。近くに鎮座する塚越御嶽神社の神宮寺であった。
本堂は昭和56年(1981年)に建てられた鉄筋コンクリート造である。本堂横にも鉄筋コンクリート造の鐘楼や東明寺会館(斎場)などが並び、境内は地蔵堂を除けば概して赴きがないが、参道には庚申堂が建ち、古刹であることを偲ばせている。
(表紙写真は東明寺本堂)
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門前と参道。
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「浄土宗 塚越の灸 東明寺」の金属標。
「塚越の灸」とあるのは、毎月3と8のつく日に灸施療が開かれるからどという。 -
「塚越の灸 東明寺」の寺号標石。
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寺の掲示板。
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庚申塔を祀るお堂脇には「庚申さま」の碑が立つ。
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庚申堂。2基の庚申塔(宝永4年(1714年)銘と文化8年(1811年)銘)がお堂に安置されている。お堂に祀られている庚申塔は弘明寺や貞宗寺(鎌倉市植木)などで見られるが数は少ない。
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庚申塔(宝永4年(1714年)銘)。お堂には金網が張られている。
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庚申塔(宝永4年(1714年)銘)。金編の間から。
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庚申塔(文化8年(1811年)銘)。金編の間から。
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「東明寺の文化財
当寺には江戸時代後期に描かれたものと考えられる「紙本着色閻魔府之図」が所蔵されています。
本図は縦一九一センチ・横一五四センチの大画面の上部に閻魔王を描き、死者の罪業を裁くための人頭杖や浄波瑠の鏡、眷族(従者)などを配しています。閻魔像は姿勢良く正面を向き、忿怒(ふんぬ)の相を呈しながらもその表情は明るくユニークで、リズミカルな手の動きとともに叱咤(しった)の声が聞こえてくるようです。
中央には罪人の舌を抜く、釜で煮るなどの責め苦のほかに、修羅道を描いています。右上には不動明王、右下には賽の河原で石を積む子供達とこれを救済する地蔵菩薩、左下には女人が落ちる血の池地獄と如意輪観音が描かれています。
このように十王の中でも庶民に最も知られる閻魔王と、地獄を同画面に描くという構成により地獄の世界観を強調し、庶民の仏教への帰依を促したのでしょう。
このように十王の中でも庶民に最も知られる閻魔王と、地獄を同画面に描くという構成により地獄の世界観を強調し、庶民の仏教への帰依を促したのでしょう。
また、仏教美術史の中で近世仏画は一般的に類型化が進んだものが多いとも言われますが、本図は鬼卒(きそつ)の明るい表情など、地獄絵の近世的な新しい展開として注目されます。
本図は、平成八(一九九六)年一月二五日、川崎市重要歴史記念物に指定されました。
なお、保存上の都合により、一般公開はしておりません。
平成十三(二○○一)年三月
川崎市教育委員」。 -
「東明寺と酒造りの絵馬
もとは、東京・芝の増上寺の末寺で、天正一七(1589)年、浄円がここに住み、のちに増上寺の貞運が止住。東明寺の名は、慶長一八(1613)年、徳川家康が鷹狩りのため小杉の西明寺に泊まった際、給仕にあたった貞運が家康から身分を問われ、東にある小庵(しょうあん)の主と答えたところからその名がついた。現在、三、八のつく日に開かれる灸施療(きゅうしりょう)は、塚越の灸として有名である。
またこの寺には、江戸末期の作といわれる酒造りの過程を描写した絵馬が残っている。絵馬には、その頃、塚越村で最も大きな造り酒屋であった新開屋六右衛門の名もみられる。江戸時代における酒造りの様子をうかがい知る上で貴重な資料である。」
早い話が西明寺の東にあるから東明寺となった。 -
境内地蔵堂脇の梅。
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地蔵堂。
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中央のお地蔵さま。
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向かって右のお地蔵さま。
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向かって左のお地蔵さま。
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東明寺本堂。
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東明寺本堂。
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東明寺本堂。
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東明寺本堂の向拝。
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東明寺本堂の木鼻。
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東明寺本堂の龍の彫刻。
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東明寺本堂の木鼻。
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東明寺本堂に掛かる「摂取山」の扁額。
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東明寺本堂に掛かる六角の堤燈。
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東明寺本堂の扉のガラスには葵の紋が。
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東明寺会館(斎場)。鉄筋コンクリート造だ。
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手水舎と水桶置き場。鉄筋コンクリート造だ。
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手水。
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