2012/05/06 - 2012/05/07
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frau.himmelさん
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私が出発前に読んだドレスデン関連の書籍に、こんな一文がありました。
「建築、絵画、彫刻を見るならここ以外何処へも行く必要はない。
美しいギリシャ風彫刻、素晴らしい絵画、イタリアのもの、オランダのもの、全てがこの城の中にある。
パリの王宮にもかなりの数が揃っているが、ここのコレクションはその比ではない。
ここは完璧な場所だ。」。
1739年にドレスデンを訪れたある国の王子の言葉だそうです。
そう言わしめた豪華な芸術品の数々は、ドレスデンの最も華やかな時代を築いたアウグスト?世とその息子アウグスト?世がなんと70年ほどの間に蒐集したものだそうです。
今回はそれらドレスデンの美術館・博物館を中心に回りたいと思います。
それにはドレスデンカード(Dresden-Card)が便利です。
ドレスデン市内交通と博物館などの入場料などがついて1日券が9.9ユーロ、2日用が25ユーロ。
また、近郊交通券と博物館入場券がついたレギオカード(Regio-Card)は3日用48ユーロ、5日用75ユーロがあります。
私はマイセンやバートシャンダウにも行く予定があり、ドレスデン・レギオカード、3日用を購入しました。
ドレスデンの駅中に観光案内所があり、そこで買うことができました。
まずは、アルベルティーヌムでフリードリヒの「山上の十字架」に会いに行きます。
"
-
アウグストゥス橋を渡って旧市街に移動します。
-
橋の上から左側。エルベ川沿いに広がる旧市街の街並みが見えます。
丸い屋根や尖塔、まるで絵画のようです。
ちょっと空がどんよりしているのが気になりますが…。 -
もっと近づいてみましょう。
真ん中にひときわ目立つ建物はフラウエン教会。
NHKの「ふれ合い街歩き」では、ふくよかな女性のスカート姿って表現していましたね。
なるほどナットク。 -
今度は橋の右側を。
-
橋の右側にはゼンパーオーパー、オペラ劇場が見えます。
-
と、ゼンパーオーパーをバックにして、私達日本人には見慣れたものが…。
なんと橋の真ん中に葛飾北斎風の波の絵があるじゃございませんか。 -
実は2002年8月、ザクセン州はエルベ川が氾濫して、世紀の大洪水に見舞われました。
この大波のモニュメントは、その洪水を忘れないというメモリアルだそうです。
その1ヵ月後、2002年の9月に私はドレスデンを訪れています。
洪水の後ということでアルテマイスターの絵画は見ることができなかったと記憶しています。 -
目の前に何度見ても美しいドレスデンの旧市街が現れました。
宮廷教会、ドレスデン城の塔。 -
もう一度、ドレスデンを代表するバロックの風景を…。
いかにも古色蒼然とした歴史ある古都って感じが漂っていますね。
ところが…。 -
こちらはゼンパーオーパー。ドレスデンのオペラ場です。
建築家ゼンパーによって作られたのでこの名前が付いています。
この美しいバロック建築も、古きよき時代の歌劇場といったオモムキなのですが…。 -
ドレスデン城。これもそう、いかにも歴史ありそうな建物です。
実はドレスデンは、第二次世界大戦末期に起こった「ドレスデン大空襲」でほぼ全てを破壊されてしまいました。
これらの宮廷教会やゼンパーオーパー、宮殿など、今現在見ることのできる旧市街の建物は、終戦後、オリジナルな建物に忠実に再建されたものなのです。 -
そんなバロック建築の煌びやかな中世の古都ドレスデン(実は新しく再建された)の旧市街。
右手の旧議会の横から広がる階段は、ブリュールのテラスに行けます。
私はブリュールのテラスは後回しにして、正面に進みます。 -
旧議会の前にはフリードリヒ・アウグスト1世(1750〜1827)の像。
同じアウグストでも、新市街広場に立っていた金ぴかのアウグスト2世(1670〜1733)の曾孫になるのです。 -
まさに見下ろしているといった感じのアウグスト像。
分かりにくいので、金ぴかのアウグスト2世を強健王、曾孫のこの銅像の主は正義王と呼ばれています。 -
ドレスデン城の外壁には「君主の行列」と呼ばれる長い壁があります。
私が最初にドレスデンを訪れたのは1997年。
最初にこれが目に飛び込んできたときにはビックリしましたねー。
2万4千枚のマイセンのタイルで出来ており、ザクセンの代々の君主と要人が描かれているのだそう。 -
この中で最も有名人の二人。
手前の豪華な衣装を着けた騎乗の人物がアウグスト強健王、その後ろがその息子アウグスト?世。
この二人で湯水のごとくお金を使って、ドレスデンに豪華絢爛な美術品、芸術品を蒐集しました。 -
102メートルに及ぶ、1123年から1906年までの君主の行列の先頭はここ。
先の大戦で、ドレスデンの大空襲の際にはこの壁は奇跡的に難を逃れました。 -
この壁の前でフルートを吹いている音楽家。
身なりは貧しいけれど、透き通った美しい音色を奏でていました。
この街に素晴らしくマッチするパッフェンベルの「カノン」。
感激しましたー。
私にしては珍しく、1ユーロを缶の中に入れました。 -
君主の行列を後にして、フラウエン教会にやってきました。
ここは別編でゆっくりご紹介します。 -
フラウエン教会の前には馬車が停まっています。
馬車に揺られてドレスデンをまったり観光ですか。 -
その先にはドレスデンの芸術アカデミーが続きます。
1885年から1894年に建てられた芸術の殿堂。 -
レモン絞り器、というより、グレープフルーツ搾り器の形をした芸術アカデミー。
この丸屋根の上には、ギリシャ神話の女神ファーマの金の像。
この丸屋根、エルベ川の対岸、新市街からもよく見えましたね。 -
ここもブリュールのテラスに続く階段です。
そして階段の下にあるのは、16世紀に造られたドレスデンの街を護った要塞です。 -
この小さな入口から入って、要塞の中(地下壕)を見て回るツアーがあるそうです。
入場料が必要です。 -
芸術アカデミーの建物。
重厚な建築です。 -
煤けた顔の彫像たち。
ここも例に漏れず戦火に逢い、再建された建物なのです。
まあ、よくここまで古い状態を再現したものだと、感心します。 -
そしてやっと目的の場所へ。
アルベルティーヌムです。
ここにノイエ・マイスター絵画館やその他の博物館が入っています。 -
さあ、中に入りましょう。
ノイエマイスター絵画間には、ゴッホやモネ、マネなどのロマン派から印象派にいたる作品が多く展示されています。 -
外観は重厚な建築なのに、中は近代的な造りになっています。
1階は彫刻展示室、2,3階が絵画館となっています。
ここに私がどうしても会いたい名画があるのです。
残念ながら中は撮影禁止。 -
カスパーダーヴィット・フリードリヒの「山上の十字架」。
ドイツの画家です。
これは風景画ではないんですよ。祭壇画なのですって。
荒涼とした風景の中に、ピーンと張りつめた空気がなんとも心地いい。
ベルリン絵画館で「樫の森の修道院」の絵を見てから、彼の絵のファンになりました。
彼の絵はその他にもたくさん見ることができました。
しあわせー!
絵葉書からコピーしました。 -
絵葉書からもう一枚。
ヨハン・クリスティアン・ダール「満月のドレスデン」、1839年
エルベ河畔の眺望を描いた夜景画。
ドレスデンの独特の雰囲気の有名な作品です。 -
名画鑑賞を終えて外に出てきました。
このアルベルティーヌムは16世紀に建てられた兵器庫だったそうです。
ネオ・ルネッサンス様式の美しい建築です。 -
芸術アカデミーのレモン(グレープフルーツ)搾り器のような丸屋根で、羽を広げている金色の女神ファーマに別れを告げて…。
-
路地に入ったら、フラウエン教会が見えました。
-
「君主の行列」にまたやってきました。
ツアーでは何度も君主の壁は見ているけれども、実はこの門の中にはまだ一度も入ったことがないのです。
中庭はシュタールホーフと呼ばれ、交通博物館が入っている建物があります。 -
選帝侯の馬小屋だった(?)シュタールホーフの長い壁、ランガーガンク。
この壁の外側が「君主の行列」になっています。 -
美しい装飾のステキな回廊です。
-
そこを通り抜けるとドレスデン城になります。
いろんな博物館が入っています。 -
天井を網で覆われた中庭には大勢の人が集まっていました。
-
ここにも。
みんな何をしているんだろう? -
奥に設置してある電光掲示板でナットクしました。
ドレスデン城やツヴィンガー宮殿にいろいろある美術館・博物館のチケット売り場なのですね。
集まっている人は、大変人気がある「歴史的緑の丸天井」の番号待ちの人でしょうか。 -
私は2005年にツアーで訪れた際に「緑の丸天井」は見ています。
ものすごい宝飾品がこれでもか、と並んでいてちょっと食傷気味になりました。
ですから今回は見なくてもいいかなーと。
だけどあの時はスムースに入れたのに、どうしてこんなにチケットがとり辛いくらい人気が出たのかなーと思ったら、
「歴史的緑の丸天井」というのが新しく出来て、これが大変人気があるんですってね。
写真は当時購入した「緑の丸天井」と「武器博物館」の冊子。 -
特に豪華だと思ったものはこれ。
こんな感じの、豪華で繊細な工芸品がコレクションが中心でしたが、
インドの宮廷か何かの、王様の誕生日パーティーの様子が精巧に作られたもの。
金銀宝石で作られた宮廷の内部や、多数の小さな人形が、もう見事でした。
何でも、近郊のモーリッツブルク城の建築費より高かったというからビックリです。 -
ベンチに座って人物観察をしていたら、足の疲れが取れました。
次に行きましょう。
お城博物館の入口。 -
とうとう雨が降り出しましたね。
宮廷教会の広場ではみんな傘をさして歩いています。
さて私は?
こういう時は屋根のある美術館に逃げ込むに限ります。 -
何度も訪れているけれど、何度見ても飽きない美術館、アルテマイスターに入ります。
この写真は2007年に訪れた時の写真です。
アウグスト強権王とその息子アウグスト3世が、湯水のごとく金を使って集めた膨大な作品が展示されています。 -
贅沢な休憩時間です。
ルーベンスの大作を目の前にフカフカのソファーで休憩していると…、
いろんな国の観光客がツアーガイドの説明を聞きながら通り過ぎます。
ドイツ語、フランス語、英語、スペイン語…。
残念ながら、一昔前は多かった日本の団体は通りません。
こういうところにも日本の現状を見ているようで寂しかった。
さあ、そろそろマドンナに会いに行こう! -
ラファエロの「システィーナのマドンナ」1513年。
アルテマイスターの最も有名な作品です。
息子アウグスト3世は美術に造詣が深く、この作品を苦労して手に入れたのだそうです。
マドンナの前にはいよいよ中国のツアーもやってきました。相変わらず賑やかなこと!
そして…、
見覚えのある東洋人のカップル。
そうです、朝ホテルの朝食会場で、満員で順番待ちが長蛇の列を作って並んでいるのに、食事が済んでもいつまでもグズグズしていたカップル。
回りの顰蹙を一身に集めていたあのカップルです。
彼らの言葉に耳を傾けます。隣国の言葉でした。
ああー、良かった、日本人ではなくて。 -
雨がまだ降っているけれど、ツヴィンガー宮殿の中庭を少し散策します。
マイセン磁器製のグロッケンシュピールが飾られた豪華な門。 -
王冠の門。左側の回廊は工事中でした。
ツヴィンガー宮殿は1732年、フリードリヒ・アウグスト強権王が、居城として造らせたもの。
後期バロック様式による宮殿は、彼の権力と贅の限りを尽くして造られました。
この宮殿はドレスデンを代表する、ドイツ・バロックの最高傑作といわれています。
ここも第二次世界大戦で破壊されましたが、復元されたものです。 -
ツヴィンガー宮殿から劇場広場を眺めます。
中央にはヨハン王(1801〜1873)の騎馬像。
ザクセン王国第4代国王であったヨハンは、エルベ川で見下ろしていたアウグスト正義王の弟になります。
左の荘厳な建物はゼンパーオーパー。 -
そしてヨハン王を挟んで右側の建物が、何度もグルグルしている宮廷教会です。
さて、散策はまだ続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ももであさん 2012/11/29 19:20:52
- 同じ行列でも…
- himmelさん
「君主の行列」は、見応えありそうですね。
一般人には、これ自体が一番分かりやすい
芸術作品に思えます。
「顰蹙カップルによる行列」より随分と良い♪
ふくよかな女性のスカート、グレープフルーツ
搾り器、北斎もどきの大波
形にこだわる街ですね。
戦争がなければ、さらに凄いコレクションに
なっていたことでしょう。
ドレスデンを褒め称えた王子が、大塚美術館
を見たら、どうコメントするのでしょうか?
ももであ
- frau.himmelさん からの返信 2012/11/29 21:12:14
- RE: 同じ行列でも…
- ももであさん こんばんは。
あらほんと、ここにも行列があったんでした。
でも、「行列が出来るホテルの朝食会場」って初めてでした。
あんまりいただけません。
まあ、顰蹙をかった某国(どことは申しませんが)のカップルもさることながら、
まずホテル側が改善しなければならない問題ですね。
> 戦争がなければ、さらに凄いコレクションに
> なっていたことでしょう。
私もそう思いました。
ドレスデンも例外ではなく、ヒトラーの退廃芸術で焼かれた作品や、
また、戦後ソ連に渡った数多くの絵画や財宝があったようです。
ソ連に渡ったものは、どうしたわけか何年かして東ドイツに返還されました。
どういう政治的カケヒキがあったにせよ、それらがドレスデンに
戻ってきたことは喜ばしいことですね。
それから運が良いことに、ドレスデン大空襲の際は、
これらの宝は、山奥の洞穴などに隠されていて焼失を免れたのだとか。
それらの偶然が重なって、アウグスト親子が蒐集した財宝は、
今日のドレスデンの繁栄をもたらしているのですね。
> ドレスデンを褒め称えた王子が、大塚美術館
> を見たら、どうコメントするのでしょうか?
笑っちゃいましたー。ホントですね。
きっと何も言えずに悶絶したんじゃないでしょうか(笑)。
himmel
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