2011/07/03 - 2011/07/03
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まみさん
キリスト教の習慣は詳しく知りませんが、今まで旅行してきた東欧諸国では、例えばルーマニアやブルガリアの正教会では、蜜蝋のろうそくに火を灯して祈るとき、生者と死者のどちらのために祈ってもよいのですが、ろうそく立ては別々にありました。
ルーマニアでは、生者のためと死者のためのろうそく立てはたいてい同じところに並んであって、同じような形をしていて、VII(=生者)とMORTI(=死者)といったように書かれた文字で区別されていました。
ブルガリアでは、ろうそく立ての高さが違っていて、低いろうそく立てが死者のためのものでした。
これらの情報は現地ガイドから教えてもらいました。
その後に訪れたウクライナやその他の国々では、現地の人に聞くチャンスはなかったのですが、このように生者と死者のためのろうそく立てはきっと分かれていて、信者には一目瞭然だったろうと思います。
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教会の中はある意味、美術品の宝庫であり、興味深くて美しいものがたくさんあります。
その中でもろうそく立てに注目するようになったのは、ルーマニアやブルガリアでそのような話を聞いたせいもあります。
でも、信者なら、教会に足を踏み入れれば、たいてい、教会内の売店でろうそくを買い、火を灯して捧げて祈ります。
私たちが神社にお参りするときに、鐘を鳴らしてお賽銭をあげるのと似たようなものでしょう。
だから、ろうそく立ては、イコノスタシス(信者の空間と祭壇を仕切るイコンの壁)やイコン同様、教会の中で、とても重要で身近な部分といえます。
なので、撮影が許されるなら、教会の中でろうそく立てを撮りたくなるのは当然なのですが、グルジアとアルメニアの教会で見たろうそくは、デザイン的にもとてもすばらしく、凝ったものが多かったので、余計にそそられました。
そこで、ろうそく立ての写真だけ集めて一つの旅行記にまとめてみることにしました。
また、ろうそくの神秘的な光に誘われて写真も撮ってしまったので、その写真もまぜました。
ちなみにグルジアでは、現地ガイドから生者のためのろうそく立てと死者のためのろうそく立ての見分け方を教わりました。
ろうそく立ての前にはたいていイコンがあります。
それぞれのイコンに描かれた聖者は、それぞれに特定の守護する対象がある、守護聖者です。
だから、信者は祈りたい聖者のイコンの前にろうそくを立てて祈るのです。
そんなイコンの中で、キリストの十字架磔のイコンの前にあるろうそく立ては、死者のために祈るときだけのものなのだそうです。
なぜかというと、十字架磔のキリストは死者だからだそうです。
それ以外のろうそく立てでは、生者のためでも死者のためでもどちらのために祈っても構わないそうです。
※2011年コーカサス3カ国旅行の旅程一覧とルートマップはこちら。
簡易版「2011年コーカサス3カ国旅行プロローグ(旅程一覧)地図付」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10584724
詳細版「2011年コーカサス3カ国旅行の詳細旅程(写真付き)」
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2011/07/2011-1ab0.html
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同心円状に並ぶろうそく立て
まるで宇宙の縮図のようです。
7月6日、グルジア正教総本山のムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂にて撮影。 -
四隅に馬の頭があるろうそく立て
とても芸術的でびっくりしました。
7月6日、グルジア正教総本山のムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂にて撮影。 -
聖人のイコンに捧げられたろうそく
7月6日、グルジア正教総本山のムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂にて撮影。 -
砂の中にろうそくを立てる
お線香を連想してしまいました。
真ん中には不思議な十字架のようなもの……?
7月6日、グルジア正教総本山のムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂にて撮影。 -
聖母子のイコンに捧げられたろうそく
7月7日、グルジア軍道途上のアナヌリ教会にて撮影。 -
枠にお花や十字架のある、なかなかおしゃれなろうそく立て
7月8日、グルジア第二の都市クタイシ郊外のモツァメタ修道院にて撮影。 -
ろうそくの残骸?
なんでこんな風になったのでしょう。
ちょっと不気味かも@
7月8日、グルジア第二の都市クタイシ郊外のモツァメタ修道院にて撮影。 -
イコノスタシスのイエスと聖ニコラのイコンを背景に
マッチの存在がなんともいえません@
7月9日、グルジア第二の都市クタイシの教会にて撮影。 -
キリストの十字架磔像の前のろうそく立ては、死者のために祈りを捧げるときのもの
マッチがあるのが、妙に現実的!?
7月10日、グルジアのダヴィッド・ガレジ修道院のペリツヴァレバ教会にて撮影。 -
ろうそく立ての前にあるのも、一種のイコンといえるのかな
このろうそく立て、ネコのトイレみたい……と言ったら失礼でしょうね。
7月11日、グルジアの首都トビリシのアラヴェルディ地区にある聖エチミアジン教会(アルメニア教会)にて撮影。 -
これもまた、おしゃれなろうそく立て@
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会にて撮影。 -
非対称的な脚がモダンアートチック!?
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会にて撮影。 -
十字架磔像の前の、死者に捧げられたろうそく
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会にて撮影。 -
アングルを変えて、聖ニノを背景に
奥に映っているイコンは、グルジアに最初にキリスト教を広めた聖ニノです。
グルジアにとって大切な聖人です。
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会にて撮影。
<歴史メモ>
グルジアは、アルメニアに続き、世界で2番目にキリスト教を国教化しました。337年です。
アルメニアは301年です。
古代ローマ帝国は313年のミラノ勅令でやっとキリスト教を公認しました。国教化されたのは380年です。
もっともミラノ勅令はキリスト教のみを公認したのではなく、すべての宗教の信仰の自由を保障したものだそうです。 -
聖ニノのイコンとろうそくの光
聖ニノは「地球の歩き方ロシア」の巻末にあるグルジア部分から抜粋すると「(前略)4世紀にグルジアにキリスト教を伝えたとされるカッパドキアの聖ニノの十字架が飾られている。2本のブドウの枝を彼女自身の髪の毛で束ね作った十字架(後略)」がアトリビュートです。
旅行人「シルクロード」によると「伝承ではイベリア王(※イベリアは現グルジア東部【補足by まみ】)をキリスト教に改宗させたのはアナトリア(現トルコのカッパドキア)から伝道に来たニノという女性。他にも数々の奇跡にまつわる逸話があり、グルジアにキリスト教をもたらした聖人・聖ニノとして、崇敬を集めている」とのことです。
カッパドキアからやってきてグルジアにキリスト教を広めたとき、彼女はまだたったの14歳だったそうです。
だからイコンに描かれた姿はいつも若いです@
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会にて撮影。 -
イコノシタシスの中の聖ニコラと聖母子を背景に
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会の敷地内に併設された教会にて撮影。 -
こちらは死者のためのろうそく立て
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会の敷地内に併設された教会にて撮影。 -
イコノスタシスと、ろうそく立て
ろうそく立ては、イコノスタシスの両脇にあったわけです。
7月11日、グルジアの首都トビリシのツミンダ・サメバ教会の敷地内に併設された教会にて撮影。 -
キリスト十字架磔の絵の前のろうそく立て
ろうそく立ての足の部分のブドウモチーフがステキです。
キリスト十字架磔の絵は、ひょっとしたらこれも一種のイコン!?
7月11日、グルジアの首都トビリシの旧市街にあるスルプ・ゲヴォルグ大聖堂(アルメニア教会)にて撮影。 -
ブドウの果実や葉っぱやつるをモチーフにしたステキなろうそく立て
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
ろうそく立てと、聖母マリアの受胎告知のイコン
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
捧げられたろうそくと、祈る人々・その1
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
ろうそくの神秘的な光に魅せられて・その1
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
大きなろうそく立てが2つ、45度に並んで
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
ろうそくの神秘的な光に魅せられて・その2
ろうそくは、あんなにチビちゃんになっても、最後まで火を灯していました。
さすがに芯がなくなってしまってろうそくだけになってしまうとダメでした。
そういうろうの残骸を、教会のおばちゃんが回収していました。
7月13日、アルメニア正教総本山のエチミアジンの大聖堂(マイル・タチャ=母なる教会)にて撮影。 -
エチミアジン大聖堂で見たのと同じろうそく立て
7月14日、アルメニアの北部ロリ地方のオズン教会にて撮影。 -
もう少しシンプルな、十字架モチーフのろうそく立て
同じ教会の中に、似ているけれど違う2つのタイプのろうそく立てがありました。
ひょっとしたらどちらかは死者のためのろうそく立て?
7月14日、アルメニアの北部ロリ地方のオズン教会にて撮影。 -
オズン教会で見た片方とよく似たろうそく立て
7月14日、アルメニアの北部ロリ地方のアフタラ城塞跡の教会にて撮影。 -
捧げられたろうそくと、祈る人々・その2
7月15日、アルメニアの首都エレヴァン郊外のゲガルト修道院のスルプ・アストヴァツァツィン(聖母)教会にて撮影。
余談ですが、グルジアで見学した教会は、イコノスタシスがあって、信者席がなくて(信者は立って礼拝に参加します)、イコンがいっぱいの、いかにも正教会らしい教会ばかりでしたが、アルメニアでは、アルメニア教会といっても、正教会らしい教会と、カトリックかプロテスタントを思わせる教会の両方ありました。
後者はすなわち、イコノスタシスがなくて、主祭壇が信者の目に見えるところにあり、信者席もたくさんある教会……という程度の手がかりですが。
後者の教会では、立派な王座が、一般信者が立ち入ってはいけない主祭壇エリアの左脇に、信者に背を向けてド−ンとあったのも印象的でした。
ろうそく立てとろうそくの写真は以上です。
次は、風情を感じてカメラに収めた、ひなびた街角写真を集めたハイライト旅行記です。
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