初夏のハルピン4★日本軍「731部隊」跡を訪ねる

2011/06/24 - 2011/06/26

2度目のハルピン。
前回時間の関係で行けなかった所を中心に回りました。

最終日に訪ねたのはハルピン郊外にある731部隊跡。
731部隊について知ったのは、以前NHKで放送したドキュメンタリー
（確か部隊の隊員による証言みたいなもの？）がきっかけでした。
731部隊というと細菌部隊とか人体実験とかいう言葉がつきまといますが、
実際にどんな場所だったのか、中国側の見解はどうなのかと思い、
731部隊跡を訪ねました。

訪ねての感想は…非常に複雑でした。
下に紹介するように、731部隊遺跡の説明書き（中国側の言い分）と
日本のWikiにも隔たりがあり、731部隊の実態はよくわかりません。
実際にあのようなむごい人体実験が行われていたのならば、
それはとても恐ろしいこと。
しかしながら、歴史、特に戦争に関する記述は、各国政府によって
利用される部分も多く、真偽のほどはわかりません。
ただ今回の訪問は、日中関係、戦争、について考えるよい機会になりました。



★★　日本軍「731部隊」遺跡の紹介（部隊跡の入口にあった説明書き）　★★

「満州731部隊」は当時の日本最高支配者の命令により、中国で創立された一つの特殊部隊である。同部隊は1935年にハルピンの平房地域で生物兵器の開発と実験基地の建設を進め、当時の日本軍が東南アジアの戦場で行っていた細菌戦の指揮中心地になっていた。

この「人を食う魔窟」と呼ばれていた基地において、「731部隊」は残虐な手段で人体実験を行い、細菌兵器の研究の開発に取り組んでいた。歴史の資料と考証によると、1935年から1945年までのわずかな期間に少なくとも3000余名に達する国内外の抗日反満州の人士と罪のない人々が人体実験に使用され、殺害された。

1945年8月、日本は敗戦で降伏した。そして「731部隊」が敗走する際、その兇暴な犯罪を隠蔽するために、この地域の施設を激しく破壊した。現在発見されている遺跡は合わせて23か所に上る。


★★　731部隊（Wikipediaより引用）　★★

731部隊（ななさんいちぶたい）は、第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつ。正式名称は関東軍防疫給水部本部で、731部隊の名は、その秘匿名称（通称号）である満州第七三一部隊の略。このような通称号は日本陸軍の全部隊に付与されていた。初代部隊長の石井四郎（陸軍軍医中将）にちなんで石井部隊とも呼ばれる。

満州に拠点をおいて、防疫給水の名のとおり兵士の感染症予防や、そのための衛生的な給水体制の研究を主任務とすると同時に、細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあった。そのために人体実験や実戦テストまで行っていたとする説もある。細菌戦研究機関だったとする論者の中でも、その中核的存在であったとする見方がある一方で、陸軍軍医学校を中核とし、登戸研究所等の周辺研究機関をネットワーク化した特殊兵器の研究・開発のための実験・実戦部門の一部であったという見方も存在する。
（http://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A）

★★　初夏のハルピン旅行記6/24-26　★★
初夏のハルピン1★まずはソフィスカヤ寺院へ！
http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10579921/
初夏のハルピン2★中華バロック建築に感動！の「傅家甸」
http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10580218/
初夏のハルピン3★夕暮れの天主堂、秋林公司でのお買い物、夜の中央大街散歩
http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10580300/
初夏のハルピン4★日本軍「731部隊」跡を訪ねる
http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10580482/

エリア 哈爾濱(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: 中国東方航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

最終日、「露西亜」で遅い朝食をとってから、タクシーで731部隊跡のある新彊大街に向かいました。（ロマンチックな「露西亜」：http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10579423/）

部隊跡のちょっと手前で降ろされてしまったので、線路を渡りてくてく。

やってきました、731部隊跡。

しかし、到着したのがちょうどお昼頃。

暑かったのでまず水を買いに行きました。

商店が見つからなかったので東北料理屋さんに入って水を買いました。お店の人に「731部隊跡に行くの？」と聞かれたので、そうだと答えたら、「開くのは1時半だよ」と教えてくれました。

することもないので、お店で水を飲みながら一休み。

1時になって、周囲を散歩することに。

商店発見。

アイスキャンディを購入。1元。

この建物は一体？？

哈飛文化宮、でした。

前の広場は高齢者のたまり場？みたいになっていました。

1時25分、731部隊跡に戻ってきました。

○　南門衛兵所

731部隊は独自の防衛施設を備え、周囲は長さ5km、高さ2.5m、幅1mの土壁で囲まれていました。壁の上には高電圧のフェンスが張り巡らされ、壁の外には壕が掘られ、土壁に沿って5つの衛兵所が設置されていました。この衛兵所は日本人が本部大楼などに出入りするために利用された通路で、現存する唯一の衛兵所となっています。

中に入るのは無料ですが、チケットが必要です。

南門衛兵所の中に入り、身分証明書（日本人はパスポート）を見せると、チケットがもらえます。

○　本部大楼

1938年竣工。内部には、731部隊長事務所、侍衛官室、診療部、標本陳列室、憲兵室などが設置されていました。

展示は2階から。

1階の廊下。

展示は大まかに分けて毒ガスと人体実験に関するものにわかれています。

毒ガス工場があったことから、日本の地図から一旦姿を消したという大久野島。（大久野島について：http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E9%87%8E%E5%B3%B6）現在、大久野島には毒ガス資料館なるものがあるそうです。機会があれば行ってみたいです。（毒ガス資料館：http://www.city.takehara.hiroshima.jp/takehararoman/spot/s_poisongas.html）

日本軍による毒ガス戦は1800例あったとの表示。壁にはびっしり詳細（時間、場所、死傷者数など）が書かれていました。

毒ガス戦に関する書籍。

516部隊についての説明。

ちなみにWikipediaの説明では…

516部隊（-ぶたい）とは、大日本帝国陸軍の化学戦研究機関であった関東軍化学部のこと。その通称号の「満州第516部隊」の略。その前身は、1937年8月に創設された関東軍技術部化学兵器班で、1939年5月に技術部から独立した。関東軍防疫給水部、秘匿名731部隊と共同で人体実験をしたとされている。（http://ja.wikipedia.org/wiki/516%E9%83%A8%E9%9A%8A）

日本軍化学兵器研究、生産、教育訓練、及び実験関係部門関係図。

ガスマスク。

同盟軍が大久野島の毒ガス兵器を廃棄している写真。

731部隊址全体図。

731部隊跡のある平房区は以前は軍用地として使用され、一般市民は立ち入ることができませんでした。

ここで行われたとされる人体実験の種類。

実験器具も展示されています。

実際に使用されていた電話。

部隊長事務所を再現。

731部隊長であった石井四郎専用の階段。

731部隊に関する日本語書籍。

元隊員の方のメッセージ。

シンガポールにもあった防疫給水部。

このあと、外へ。

○　地下通路

本部大楼から四方楼、笠原班へ抜けることができる秘密地下通路。

○　結核研究所

線路を越えると、

○　動力班鍋炉房

1936年に建設されたもの。731部隊に電力、ボイラーなどを供給していました。731部隊が撤退する前に、爆破され、現在の姿になりました。

見学を終えて、タクシーを相乗り（40元）し、中央大街まで戻ってきました。

串焼き屋さんなどが並んでいます。

ハルピン最後もロシア料理。波特曼にて。（落ち着いた雰囲気「波特曼」：http://4travel.jp/traveler/blue_tropical_fish/album/10579209/）

5時半に食事を終え、ホテルに戻りタクシーに乗って空港へ。7時半のフライトだったので、ぎりぎり最後までハルピン滞在を楽しんだ形です。

今回も太陽島に行く時間がとれませんでした。次回こそはぜひ太陽島を訪れたいと思います。

おわり。