越後・浄念寺－土蔵造りの本堂

2006/05/01 - 2009/08/14

　新潟県村上市寺町にある浄念寺は浄土宗のお寺で快楽山称名院浄念寺という。創建は明応年間(1492年〜1500年)で、浄念という行脚僧が庵を結んだのがはじまりとされる。本尊は阿弥陀如来坐像である。天正末年(1591年)に上杉氏の武将・春日元忠が中興したと伝えられている。寛文7年(1667年)に榊原政倫が藩主となり、当時江戸でもっとも高僧といわれた珂碩（かせき）上人を泰叟寺の住職にし榊原家の菩提寺とした。元禄2年（1689年）には松尾芭蕉が「奥の細道」の途次、弟子の曽良とともにこの村上に2泊し、榊原家の家老榊原一燈公の墓に参詣している。その後、紀州藩主から8代将軍になった徳川吉宗に替わると、6代将軍徳川家宣と7代将軍家継に側用人として仕え、幕閣の中心にあった間部詮房が左遷され、享保2年（1717年）に村上藩主となったが、享保5年(1720年)に病没し、間部家では浄念寺を菩提寺とし詮房を葬った。浄念寺には間部詮房の御霊屋がある。
　土蔵造りの本堂で知られる。文化15年(1818年)に建てられた土蔵造りの本堂は日本で一番大きく、平成3年に国の重要文化財に指定されている。また、本堂に安置されている本尊・阿弥陀如来は丈六の坐像であり、大きなものである。
（表紙写真は浄念寺本堂）

エリア 村上・岩船(新潟)

浄念寺本堂(重文）。

浄念寺本堂。

浄念寺本堂。

浄念寺境内。