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小樽観光の中心地のひとつ、「北のウォール街」と呼ばれる一帯の周辺にある歴史的建築などを軽く紹介してみます。<br /><br />個別の建物も後日、機会を見て紹介していきたいと思います。

【小樽建築散歩】北のウォール街周辺

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2010/07/16 - 2010/07/16

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ヌールッディーンさん

小樽観光の中心地のひとつ、「北のウォール街」と呼ばれる一帯の周辺にある歴史的建築などを軽く紹介してみます。

個別の建物も後日、機会を見て紹介していきたいと思います。

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  • 旧三井銀行小樽支店。<br /><br />三井銀行は小樽に店舗を置いたのが非常に早く、明治13年からありました。この建物は曾禰中條建築事務所による設計で昭和2年に竣工しました。<br /><br />関東大震災の経験に学んだ当時の最先端の耐震構造を実現する鉄骨鉄筋コンクリート造であることが大きな特徴です。<br /><br />ファサード(正面)のデザインの5連アーチなどがルネサンス風のデザインであるといわれています。<br /><br />2010年7月現在、未公開のため外観しか見ることができません。白い恋人でおなじみの石屋製菓が所有しているとのこと。何らかの形で活用してほしいものです。

    旧三井銀行小樽支店。

    三井銀行は小樽に店舗を置いたのが非常に早く、明治13年からありました。この建物は曾禰中條建築事務所による設計で昭和2年に竣工しました。

    関東大震災の経験に学んだ当時の最先端の耐震構造を実現する鉄骨鉄筋コンクリート造であることが大きな特徴です。

    ファサード(正面)のデザインの5連アーチなどがルネサンス風のデザインであるといわれています。

    2010年7月現在、未公開のため外観しか見ることができません。白い恋人でおなじみの石屋製菓が所有しているとのこと。何らかの形で活用してほしいものです。

  • 旧越中屋ホテル。<br /><br />昭和6年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。外国人専用として建てられたモダンなデザインのホテルでした。内部のステンドグラスなどのデザインにはアール・デコの影響が見られるそうです。ファサード(正面)の中央の縦割りのベイウィンドウなどが特徴とされています。<br /><br />2010年7月現在、未公開。私としては、このまま活用されない状態が続くと取り壊しの懸念があると思っています。<br /><br />【追記】<br />このホテルが建てられた時期は、ちょうど日本全国でリゾートブームがあった時代でした。<br /><br />昭和5年から15年にかけての約10年間にリゾートブームがあり、多くの外国人客の誘致が目指され、全国の景勝地にホテルが建設されました。この背景には、当時の世界的な不況にあたり、観光で外貨を獲得し、国際収支の赤字を少しでも埋め合わせようという、政府の赤字減らし対策もあったのです。<br /><br />この外国人客用のホテルもそうした流れの中で建設されたのかもしれません。

    旧越中屋ホテル。

    昭和6年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。外国人専用として建てられたモダンなデザインのホテルでした。内部のステンドグラスなどのデザインにはアール・デコの影響が見られるそうです。ファサード(正面)の中央の縦割りのベイウィンドウなどが特徴とされています。

    2010年7月現在、未公開。私としては、このまま活用されない状態が続くと取り壊しの懸念があると思っています。

    【追記】
    このホテルが建てられた時期は、ちょうど日本全国でリゾートブームがあった時代でした。

    昭和5年から15年にかけての約10年間にリゾートブームがあり、多くの外国人客の誘致が目指され、全国の景勝地にホテルが建設されました。この背景には、当時の世界的な不況にあたり、観光で外貨を獲得し、国際収支の赤字を少しでも埋め合わせようという、政府の赤字減らし対策もあったのです。

    この外国人客用のホテルもそうした流れの中で建設されたのかもしれません。

  • 旧北海道拓殖銀行小樽支店。<br /><br />大正12年竣工、鉄筋コンクリート造の建築。<br /><br />大正時代になると鉄筋コンクリートの建築が普及していきました。その意味では現代の私たちからすると「普通」に感じてしまい、面白みに欠けるところもありますが、明治時代の建築には木骨石造やレンガ造が多いことと比較しながら見比べると、それなりに興味深く見ることができます。<br /><br />ちなみに、ここは小林多喜二が勤めていたところとしても知られています。<br /><br />現在はホテルとして活用されています。

    旧北海道拓殖銀行小樽支店。

    大正12年竣工、鉄筋コンクリート造の建築。

    大正時代になると鉄筋コンクリートの建築が普及していきました。その意味では現代の私たちからすると「普通」に感じてしまい、面白みに欠けるところもありますが、明治時代の建築には木骨石造やレンガ造が多いことと比較しながら見比べると、それなりに興味深く見ることができます。

    ちなみに、ここは小林多喜二が勤めていたところとしても知られています。

    現在はホテルとして活用されています。

  • 旧第一銀行小樽支店。<br /><br />大正13年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。<br /><br />現在のデザインは非常にシンプルですが、建築当初は道路側に3階通しの大円柱があり、入口のところにもライオンの飾りなどがあったと言われており、現在よりも重厚感があったものと推測されます。<br /><br />2010年7月現在、トップジェント・ファッション・コアという縫製業の会社になっています。<br />

    旧第一銀行小樽支店。

    大正13年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。

    現在のデザインは非常にシンプルですが、建築当初は道路側に3階通しの大円柱があり、入口のところにもライオンの飾りなどがあったと言われており、現在よりも重厚感があったものと推測されます。

    2010年7月現在、トップジェント・ファッション・コアという縫製業の会社になっています。

  • 小樽郵便局。<br /><br />歴史的建造物ではありませんが、都市景観賞も受けている建築で、この周辺の景観にマッチした、なかなか良い建築だと思います。<br />

    小樽郵便局。

    歴史的建造物ではありませんが、都市景観賞も受けている建築で、この周辺の景観にマッチした、なかなか良い建築だと思います。

  • 旧北海道銀行本店。<br /><br />日本銀行旧小樽支店と同じ年、明治45年に竣工した石造建築。長野宇平治による設計で、彼は日本銀行旧小樽支店にも関わっていました。<br /><br />様式はネオルネッサンス様式と言われています。入口の上部にある貝殻状のニッチ(窪み)は、スペインなどで見られるイスラーム建築由来のデザインを想起させます。<br /><br />現在は小樽バインというレストランとして活用されています。

    旧北海道銀行本店。

    日本銀行旧小樽支店と同じ年、明治45年に竣工した石造建築。長野宇平治による設計で、彼は日本銀行旧小樽支店にも関わっていました。

    様式はネオルネッサンス様式と言われています。入口の上部にある貝殻状のニッチ(窪み)は、スペインなどで見られるイスラーム建築由来のデザインを想起させます。

    現在は小樽バインというレストランとして活用されています。

  • 旧三井物産小樽支店。<br /><br />昭和12年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。<br /><br />今見ると普通のモダニズム建築(インターナショナルスタイル)に見えますが、建築当時は北海道では最も早い時期にエレベーターを導入した先駆的なオフィスビルでした。下層の黒御影石と上層の白いタイルのコントラストもなかなか様になっていて、よく見るとなかなか味があるビルになっています。<br /><br />現在は松田ビルというオフィスビルとして活用されています。

    旧三井物産小樽支店。

    昭和12年竣工の鉄筋コンクリート造の建築。

    今見ると普通のモダニズム建築(インターナショナルスタイル)に見えますが、建築当時は北海道では最も早い時期にエレベーターを導入した先駆的なオフィスビルでした。下層の黒御影石と上層の白いタイルのコントラストもなかなか様になっていて、よく見るとなかなか味があるビルになっています。

    現在は松田ビルというオフィスビルとして活用されています。

  • 旧郵政省小樽地方貯金局。<br /><br />こちらも何の変哲もないインターナショナルスタイルの鉄筋コンクリート造建築ですが、北海道の貯金局のモデルになった建築だそうです。今回、観察してみると、窓が上げ下げ窓に見えたことにちょっと驚きました。(本当に上げ下げ窓かどうかは未確認ですが。)<br /><br />現在は市立小樽美術館・文学館となっています。近年、リニューアルするという話も聞いています。<br />

    旧郵政省小樽地方貯金局。

    こちらも何の変哲もないインターナショナルスタイルの鉄筋コンクリート造建築ですが、北海道の貯金局のモデルになった建築だそうです。今回、観察してみると、窓が上げ下げ窓に見えたことにちょっと驚きました。(本当に上げ下げ窓かどうかは未確認ですが。)

    現在は市立小樽美術館・文学館となっています。近年、リニューアルするという話も聞いています。

  • 日本銀行旧小樽支店。<br /><br />この建物については既に独立したページを作成済みなのでコメントは省略します。

    日本銀行旧小樽支店。

    この建物については既に独立したページを作成済みなのでコメントは省略します。

  • 旧手宮線跡地。<br /><br />日本銀行旧小樽支店の近くに、かつて存在した「色内駅」を復元する計画が進行中です(2010年7月現在)。

    旧手宮線跡地。

    日本銀行旧小樽支店の近くに、かつて存在した「色内駅」を復元する計画が進行中です(2010年7月現在)。

  • 旧名取高三郎商店。<br /><br />明治37年竣工、木骨石造2階建ての建築。正面向かって左側の「うだつ」――防火のための袖壁――が特徴的。<br /><br />2010年7月現在、大正硝子の店舗になっています。

    旧名取高三郎商店。

    明治37年竣工、木骨石造2階建ての建築。正面向かって左側の「うだつ」――防火のための袖壁――が特徴的。

    2010年7月現在、大正硝子の店舗になっています。

  • 旧百十三銀行小樽支店。<br /><br />明治41年竣工の木骨石造2階建ての建築。(平成18年に増築された部分あり。)<br /><br />2010年7月現在、小樽浪漫館。工芸品などのお店です。

    旧百十三銀行小樽支店。

    明治41年竣工の木骨石造2階建ての建築。(平成18年に増築された部分あり。)

    2010年7月現在、小樽浪漫館。工芸品などのお店です。

  • 小樽運河(浅草橋から見た夕景)<br /><br />北のウォール街から小樽運河までは目と鼻の先。運河は昼間の明るい日差しの中よりも、夕方などの方が綺麗に見えるような気がします。<br /><br />

    イチオシ

    小樽運河(浅草橋から見た夕景)

    北のウォール街から小樽運河までは目と鼻の先。運河は昼間の明るい日差しの中よりも、夕方などの方が綺麗に見えるような気がします。

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