2010/02/21 - 2010/02/26
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くまのみホヌ子さん
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ヒストリカル・ツアーのガイドさんが、こんな経験談を語ってくれました。
ツアー中にある男性が言いました。
「サイパンに来て暗い話なんか誰も聞きたくないんだ。みんな遊びに来ているのに暗い話なんかたくさんだよ。」
ガイドさんは、申し訳ありませんと謝ったそうです。
サイパンに来る日本人の多くが彼と同じ考えだとしたら、とても悲しいことです。
砂糖王公園
→プンタン・サバネタ (バンザイ・クリフ)
→バナデロ (ラスト・コマンド・ポスト)
→ラデラン・バナデロ (スーサイド・クリフ)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス タクシー
- 航空会社
- デルタ航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- 近畿日本ツーリスト
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-
昨年パラオへ旅行して、太平洋戦争の激戦のことを知りました。
太平洋の島々を旅行するなら、避けては通れない過去。
それを知るために『ヒストリカル・ツアー』に参加しました。 -
ツアー参加者は私たちだけでした。
まずはガラパン近くの“砂糖王公園”
日本統治時代、サトウキビの栽培と精糖産業で栄えてたんですね。
サトウキビの運搬に使われた蒸気機関車です。 -
南洋興発株式会社の設立者である松江春次の銅像。
サトウキビ栽培と精糖が、マリアナ諸島の産業と貿易振興におおいに貢献したことから、島民は彼を砂糖王と呼んだそうです。
米軍の激しい攻撃を受け、銅像の首筋に砲弾の跡が見て取れます。 -
公園の奥、彩帆香取神社
(サイパンかとりじんじゃ)
戦火で一度焼失しましたが、1985年に再建されました。 -
なんだか、たどたどしい漢字です。
-
こちらが御神体を祀ってあるところ。
この日のツアーは私たちの貸切状態だったので、
本来は島の南を巡るところを、
私たちの希望で北方面を行くことにしてくれました。 -
昭和19年
6/11.12.13と米軍の空襲。
これによってサイパンの首都ガラパンは壊滅
6/15 米軍サイパン島の南から上陸
6/19 マリアナ沖海戦で日本軍は多くの戦艦や戦闘機を失う
6/20 島の米軍が攻撃開始
6/26 米軍タポチョ山奪取
7/7.8 日本軍玉砕
7/9 多くの民間人がサイパン北端の地へ。
人々は北へ北へとジャングルを逃げていきました。
北に行っても海しかないことはわかっていても。 -
イチオシ
“プンタン・サバネタ”(バンザイ・クリフ)
北端に追い詰められた日本将兵も民間人も、米軍の降伏投降の薦めにもかかわらず、次々と自決あるいは断崖から身を投げました。
戦争にもルールがあるなど誰も知らない。
捕虜になったら処刑か辱めを受けると思い込まされていたのです。 -
母親はまず泣き叫ぶ我が子を落とし、続いて自分が身を投げました。
-
ちょうど眼下にウミガメが泳いでいました。
-
悲しいまでに蒼い海です。
-
今日の平和は、多くの人々の犠牲のうえに建っていることを忘れてはなりません。
-
数々の慰霊碑。
サイパンの在留邦人は本土への疎開を求めても、もはや船もなかったそうです。
かりに船を見つけても、空爆や潜水艦の攻撃にさらされる状況。 -
“バナデロ”(ラスト・コマンド・ポスト)
なかったのは船ばかりではなく、武器も弾薬もなかったそうです。
それに優秀な技量をもった兵士もほとんど戦死していて、このころ戦地にいた日本軍は素人集団だったようです。 -
残る道は「万歳突撃」しかなかったのでしょう。
-
TVや映画で見るアメリカの戦車って大きいので、この戦車を見たときは、その小ささに驚きました。
鉄板も薄いです。
これでは戦車の中はさぞ暑かったことでしょう。
今は朽ち果てて戦車の間から、草が生えていました。 -
旧日本軍最後の司令部へと続く階段。
-
水も食料もなく、写真の植物が日本のサトイモに似ているので食べた人もいたようです。
しかし、これにあたって嘔吐や下痢をおこしたそうです。
触るとかぶれます。 -
小柄な私でもかがまないと入れない小さな入り口。
-
激しい爆撃の跡が残るラスト・コマンド・ポスト内部。
だれかが供えた日本酒とお線香の跡がありました。 -
ラスト・コマンド・ポストを出たところ。
連合艦隊が壊滅し、もはやサイパンを守る手立てもなくなり、サイパンは見捨てられたのです。 -
民間人が身を投じたのは先ほどの岬だけではありません。
岬の後ろにある断崖絶壁。
“ラデラン・バナデロ”(スーサイド・クリフ)
ここに車で上ってみました。 -
十字架と観音様というめずらしい組み合わせの像がありました。
サイパンの激戦で出た多く犠牲者は数万人にのぼります。
チャモロ人、
カナカ人、
日本の一般市民、
日本の企業によって連れてこられた朝鮮人、中国人、
日本とアメリカの軍人、
国籍と宗教のいかんを問わず、亡くなられた霊を慰め、
二度と愚かな過ちを繰り返さないよう、平和を祈念しているものです。 -
イチオシ
スーサイド・クリフから岬の方を臨む。
ここまで波が砕ける音が風に乗って聞こえてきます。 -
もうひとつのポイントへ移動。
日本人のほかに、韓国のかたも来ていました。 -
ここから身を投じて途中木の枝にひっかかり、アメリカ兵に助けられた女学生もいたそうです。
-
サイパンの島は多くの遺体で埋め尽くされ焼け野原になりました。
遺体を埋め尽くすように米軍は島中にタガンタガンの種を散布しました。
散布した理由は諸説言われていて確信がありません。
この群生によってサイパンは緑の島になりました。
繁殖力が強く成長も早いタガンタガンは、もともとサイパンにはなかった植物です。
きっと生態系に影響を及ぼしているだろうな。 -
イチオシ
スーサイド・クリフを降りる途中。
遠くにマニャガハ島が見えました。
海上に浮かぶ絶好の射撃目標であったことから、早々に艦砲射撃を浴び潰されたそうです。
今ではマリン・スポーツのメッカです。
平和な時代だからこそ、こんなふうにリゾートとして楽しめるのですね。
ツアーは現代のサイパン観光スポットへと続きます。
③へ・・・
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この旅行記へのコメント (14)
-
- ちゃりんこさん 2010/07/23 20:50:38
- グッときました。。。
- こんばんは〜。
ホヌ子さーん、ビール飲んでますか〜??
って、テンションで遊びにきたんですが…
胸が締め付けられる思いっす!!
でも、非常に勉強になりましたm(__)m
太平洋戦争については、ほとんど無知なんですが…
自分の場合は以前、海外のことを広く浅く勉強する機会が
あり、そのとき気がついたことは日本のように豊かで、いろんな
ところに旅行に行ける国は多くはないということでした。
他の国にはその国の過去の歴史や今の現状、日本にも
過去の歴史と現状…
その日本の現状の中で豊かに暮らしている自分たち。
どうやって日本の今が出来上がったのか…
もっと知ろうとしなきゃいけませんね。
そして、いろんなことに感謝しなきゃですね。
そして、4トラのプロフィールにも載せてあるんですが
「せっかく豊かな国に生まれて、旅行というレジャーを楽しむ余裕を与えてもらえたのだから、たくさんの場所に自分の足跡を残していきたい」
と、ホヌ子さんの旅行記を見て改めて思いました〜!!
なんだか、話はまとまりませんが(笑)
「ヒストリカル・ツアー」
過去への旅行の旅行記!? いいと思います(^O^)/
ちゃりんこ
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/07/23 21:09:20
- RE: グッときました。。。
- ちゃりんこさん、こんばんは!
ありがとうございます!
こんな素敵なコメントをいただけるなんて、ホヌ子は幸せもんです。
ちゃりんこさんのおっしゃるとおりです。
豊かで平和な日本、いろんなところに旅行にいける国であることに
もっと感謝したいですね。
生きているうちにもっとっと、
生きている命の尊さを感じ、
旅先でいろんな経験をしていきたいと思います。
話は変わりますが、この猛暑を乗り切るために
十分なビールを、じゃなくて水分をとりましょう。
(十分な泡もとりたいよねー♪)
のみホ
- ちゃりんこさん からの返信 2010/07/23 21:30:31
- 話は変わりますが・・・
-
> 話は変わりますが、この猛暑を乗り切るために
> 十分なビールを、じゃなくて水分をとりましょう。
> (十分な泡もとりたいよねー♪)
サイパン旅行記に、おじゃまする前から
「訳あり弾丸トラベル」が気にはなっていたのですが…
冒頭の、「母が緊急入院・・・」しか見ていなかったので
↑のコメントの返信は…
「猛暑ですが、お母さんが心配でビールどころじゃないですね。」
の予定が…
うわ〜っ、新幹線でしっかりプシュっとやってる〜(笑)
さらに、うまそ〜な焼そばと一緒に銀河高原ビールまで(爆)
とにもかくにも、お母さんの経過がよくて一安心っすね!!!
ちゃりんこ
-
- takemoさん 2010/07/14 00:51:26
- 良い旅行記です。
- くまのみホヌ子さん、こんばんは。
改めて訪問しましたが、とても良い旅行記ですね。
子供の頃、戦争の話を聞いてもピンとこなっかった私ですが、沢山の人と接し、色んな話を聞いたり、新しい生命や死を身近に感じ、何時の頃からか不本意な死に、憤りと辛い悲しみを感じるようになりました。
サイパンの綺麗な海だからこそ、より悲しく感じさせられるのでしょう。
親愛なる人と出かければ、その気持ちはより深く刻まれるでしょう。
この島を訪ね、楽しむのは大いに結構。
と言うより、楽しまないことこそ失礼かもしれません。
ただし、歴史に触れること・・・
いえ、考えるだけでも良いのかもしれません。
先人が築いた礎の上いることを理解し、今の平和に感謝する気持ち、若いうちから持って欲しいものです。
また、海外に出掛けることで自分の国、自分のポジションを知ってもらうことは凄く大切なことだと思います。
takemo
なんだかチョット上から目線で説教くさくなりましたが、お許し下さい。
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/07/14 22:44:21
- RE: 良い旅行記です。
- takemoさんだー!!
ありがとうございます!
サイパンの深〜い話に共感いただけて嬉しいです。
♪お礼に (お礼に)
歌いましょ (歌いましょ)
ラララ ラララララー♪
あ、耳ふさがないでくださいよ。
実は、太平洋戦争について深く調べ始めたきっかけは
パラオ旅行のときからです。
そのときに、太平洋の島を旅行するには、太平洋戦争があった過去を避けて通ることはできないことを知りました。
サイパンに行ったら、初日にまずヒストリカル・ツアーに参加して
できれば慰霊をしたいというのが、ふたりの希望でした。
伝えたいけれども、暗い話で終わりたくない
でも、単なる観光で終わらせたくない
その想いが交差して、無い知恵を振り絞ってつくった旅行記です。
少しでも、事実が伝えられれば本当に嬉しいです。
> 先人が築いた礎の上いることを理解し、今の平和に感謝する気持ち、若いうちから持って欲しいものです。
>
> また、海外に出掛けることで自分の国、自分のポジションを知ってもらうことは凄く大切なことだと思います。
>
↑まさにこの通りです。
海外に出かけて、教科書では教わらなかったことを知って、
ちょっとは自分の国を理解できるようになったような気がします。
(まだまだですけど)
そして、takemoさんからこのようなコメントをいただけたことに感謝します。
のみホ
- takemoさん からの返信 2010/07/14 23:30:59
- RE: RE: 良い旅行記です。
> そして、takemoさんからこのようなコメントをいただけたことに感謝します。
いえいえ、こちらこそとても良い旅行記にジーンと来ましたよ。
写真とコメントを見ながら、「綺麗な海は昔も同じ・・・」なんて思うと悲しくなります。
そして、ポチッと押したら、2回目でした。(ありゃ;;)
仕方ないので、わたしもお礼に、ららら、らら ら ら ら〜ぁ♪
ジャイアン・リサイタルよりは、ましかな?
takemo
-
- Hiraさん 2010/05/15 14:25:05
- 母親の生まれ故郷なんです
- くまのみホヌ子さん、こんにちは。
私の母はサイパン生まれ(祖父母が南洋開拓団で移住)でして、小さい頃はよく島の昔話をしてくれたものでした。目の前で身を投げた人とか、死体を踏み越えて逃げた話とかは怖かったな...。
母はいまも健在です。平和が一番ですね。
Hira
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/05/16 02:54:14
- RE: 母親の生まれ故郷なんです
- Hiraさん、こんにちは。
サイパンから帰ってきてから、
サイパンについての本を読みました。
サイパンに日本人が始めて渡ってから終戦までの
日本統治時代のサイパンが書かれている本です。
そこで南洋開拓団のことを知りました。
そんなことは教科書には載っていないので、初めて知る事実でした。
Hiraさんのお母様がサイパン生まれと知って驚きました。
お爺様、お婆様もきっとご苦労なさったのでしょうね。
Hiraさんはお母様をつれていろいろ旅行なさってますね。
いいですねぇ、親孝行ですね。
(食中毒事件の話、親孝行のつもりが一番心配かけたかも)
お母様は以前入院されていた時期もあったようですが、現在はいかがですか?
恐ろしい戦争、むごい戦争の話からは大人でも目を背けがちですが、
幼い頃に、お母様から聞く実際の話はとても恐かったでしょうね。
平和を祈ってやみません。
のみホ
- Hiraさん からの返信 2010/05/16 10:18:33
- RE: 母親の生まれ故郷なんです
- 母親は健在ではありますが、老人保健施設で長期入院の身となってます。
脳卒中だったので記憶の混乱が残ったままですが、病気のせいで?かえってサイパン時代のむかし話を
良くしてくれるようになりましたね。
Hira
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/05/16 12:39:09
- RE: RE: 母親の生まれ故郷なんです
- そうですか。うちも人事ではありません。
どうかお母様と一緒に過ごす時間を大切になさってください。
のみほ
-
- Dry White Toastさん 2010/04/16 05:25:20
- 何十票も投票したいくらいです
- くまのみホヌ子さん、こんにちは。
歴史を学ぶのも、ただ本を読むよりも、こうして写真付きで解説があると何倍もインパクトがありますね。
実際にヒストリカル・ツアーに参加するともっと肌で感じることもたくさんあることでしょう。
同じ過ちを繰り返さないためにも、人間は過去を学ぶ必要があり、このヒストリカル・ツアーは大変有意義なものだと思います。
心無い発言をした日本人男性、そもそも何故このツアーに参加したのでしょうね。
旅先でこういう話を聞くと、同じ日本人としていたたまれなく恥ずかしい思いをしますよね。
Dry White Toast
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/04/17 00:19:52
- RE: 何十票も投票したいくらいです
- Dry White Toastさん、こんにちは
何十票もなんてとんでもない。
でも、そういっていただけるとすごくうれしいです。
最初、ヒストリカルは戦争ネタになるから皆様にあまりウケないだろうなと思っていました。
ひいてしまうのではないかと・・・
かといって、過去の歴史に目をつむってしまうのもどうかと思い
くどくならずに最低限の言葉で綴ることに一番苦労しました。
旅行記を公開してみると、最初の心配はどこへやら、皆様からのメッセージや投票をいただいて喜んでいます。
このような反響をいただけると
日本はまだまだ捨てたもんじゃないなと思います。
このツアーのガイドさんたちも高齢化がすすんでいますので、
ぜひ若い世代のガイドさんに引き継いでいってほしいものです。
心無い発言をした日本人男性は、
きっと団体旅行かなにかで、ヒストリカル・ツアーを
サイパン1周ツアーと勘違いされていたのではないでしょうか。
ま、想像ですが・・・
ほんとうにうれしい言葉をありがとうございました。
-
- zzr-cさん 2010/03/13 12:00:14
- 悲しい歴史
- くまのみホヌ子さま こんにちは
続きを見に来ました。
冒頭での男性の話は寂しいですね。
今回サイパンで戦争の傷跡を廻られて、
色々勉強されたんでしょうか?
詳しく解説されてました。
zzr-cもレンタカーを借りてサイパン観光しましたが、
生憎の台風でした。
続きをおじゃまします。
zzr-c
- くまのみホヌ子さん からの返信 2010/03/14 01:19:49
- RE: 悲しい歴史
- こんにちは!zzr-cさん
いつもいつもありがとうございます。
ヒストリカル・ツアー編は、話が暗くなりがちなので、多くの人がひいてしまうのではないかと心配していましたが、意外なほど反響があって驚いています。
勉強のうちに入らないかもしれないですが、
間違った情報を書かないために、いろいろ調べたりしました。
zzr-cさんの
サイパンに台風18号大接近!を拝見しました。
ご自身で車を運転して島をまわるっていいですね。
グロットの中のクマノミもよく撮れています。
先輩ダイバーさん、よろしくお願いします。
ひよっこのくまのみホヌ子(名前の中に生き物が三つも)
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