1962/03/05 - 1962/03/05
256位(同エリア382件中)
ソフィさん
1962年3月5日(月)
フランス国鉄が、シャロン・シュール・ソーヌの枕木工場に私を案内するのに、何故ディジョンで下車させたか。
それは、ディジョンがフランスきってのワインの産地であり、料理の美味しさでも名高い、ブルゴーニュ地方の中心都市だからだった。
ディジョンのコクのあるレストランで、部長の話が躍る。
部長は人生のピークに登りつつある人特有の明るさを、感じさせる人だ。
ブルゴーニュの食卓の話題として盛んなのは、当然ワインやグルメの話らしい。
ワインはフランスの誇りであり、その両横綱はブルゴーニュとボルドーなのだ。
フランス人のワインに対する執着には、われわれ日本人の想像を絶する深さがある。
視覚に対する芸術が絵画・彫刻であり、聴覚に対する芸術が音楽とすれば、味覚・嗅覚に対する芸術としてワインの占める役割は大きい。
ワインは恵まれた自然条件を基本にして、人間が知恵と情熱を傾けながら創り上げる、人間の可能性の極限を求める「芸術品」である。
さて、両横綱の勝負で、ブルゴーニュがボルドーに比べて圧倒的に優位に立っているのは、辛口の白ワインである。
その中でもさらに傑出し、世界一の呼び声高いのは「ル・モンラシェ」。
美食家として名高く、小説「三銃士」の作家アレクサンドリア・デュマ・ペール(1802-1870)は、このワインについて「脱帽し、ひざまずいて飲むべし」と讃えたと言われている。
こうなると、人間の味覚レベルを通り越して、神がかり的である。
生産量が少なく、ひと瓶数十万円の値がつくこともあるそう。
「ル・モンラシェ」の産地は、ブルゴーニュワインルートの北部に位置する「コート・ドール(黄金丘陵)」の南部にある、コート・ボーヌのピュリニー・モンラシェ村である。
ディジョンから国道76号線を南へ約50キロ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ボーヌを通り過ぎて国道6号線と合流する直前の小村だ。
ここには「シュバリエ・モンラシュ」「バタール・モンラシェ」など「モンラシェ」の名がつくワインがいくつもあり、いずれも格付けは最高級なのだが、その中でも図抜けている「モンラシェ」をはっきりと区別するために、「ル」と言う定冠詞を付けて「ル・モランシェ」と呼んでいる。
このワインは、一度飲んでみたいものだ。
(この文章は、山本博「フランスワイン愉しいライバル物語(文春新書)」を参考にしました)
写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)、
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スイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)
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ブログの作成日順に並んでいる「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)
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(片瀬貴文)
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