2009/10/25 - 2009/10/27
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funasanさん
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ヴェネツィアは音楽で溢れている。特に、サン・マルコ広場で朝から晩まで繰り広げられる生演奏は特筆ものである。ここに来た観光客は誰しも立ち止って生演奏に聞き入る。コーヒーを飲みながら若い女性ヴァイオリニストの演奏を身近で聴ける。こんな楽しい場所はない。さらに、ヴェネツィア市内では毎夜どこかの教会やホールで演奏会が行われている。よって、それらを探して聞きに行くのも楽しい。
写真:サン・マルコ広場「カフェ・クアードリ」の特設ステージで演奏する女性弦楽四重奏団
私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
http://www.e-funahashi.jp/
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サン・マルコ広場では3ヶ所に特設コンサート会場とオープンカフェがある。(サン・マルコ小広場でも1ヶ所あるので合計4ヶ所)写真:黄色の椅子が目立つカフェ「カルロ・ラヴェーナ」
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ここでは若くて綺麗な女の子(写真)が華麗なヴァイオリンの演奏をしている。男性(おじさん)とのヴァイオリン2重奏の場合もある。立ち止まってしばらく演奏に耳を傾ける。
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カフェ「フローリアン」の前では金髪が美しい女性が激しくヴァイオリンを奏でている。演奏はうまいのであるが、なぜか、いつも客は少ない。鐘楼が邪魔になって客席からサン・マルコ寺院が見えにくいことが原因か?コーヒーは17世紀初めにトルコからヴェネツィアに持ち込まれ、そしてヨーロッパに広まったといわれる。最初のカフェは17世紀にサン・マルコ広場に開かれた。現在残っている老舗カフェで最も有名なのが、ここ、カフェ「フローリアン」である。(1720年オープン)
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3会場で一番人気のあるカフェが赤い椅子の「クアードリ」(写真)である。日当たりがよく、客席からは程よい距離でサン・マルコ寺院の全体が見渡せる。
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そして、何よりも今回は出演者がいい。若き女性4名による弦楽四重奏(写真)。4人とも黒いドレスに黒いサングラス、そして金髪の髪の毛をなびかせて熱演する。かっこいい〜。
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我々もここで休憩タイムにし、カフェラテ(8.5ユーロ)とカプチーノ(8.5ユーロ)を注文。ゆっくり彼女達の演奏とサン・マルコ広場の雰囲気を楽しむ。水はサービス。
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この楽団の華はファーストヴァイオリンの女性(写真)である。体をゆすり金髪の長い髪を振り乱しながら激しく演奏する。実にかっこよくて、しびれる〜。
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20分ほど彼女達の演奏を楽しんで会計をすると席料として2人で11.4ユーロ加算されていた。よって、合計28.4ユーロ(3749円)にもなった。世界一高いカフェ?以前来た時には席料は取られなかったはずであるが‥‥。写真:誰もいないカフェ「クアードリ」の店内、この2階に綺麗なトイレがあり、無料で使える。
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サン・マルコ広場ではなぜヴァイオリンの生演奏が常時行われているのか?その鍵はイタリア・バロック音楽の最大の作曲家「アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)」にある。彼はヴェネツィアで生まれ若くして司祭になり、ピエタ教会(女子養育院:写真)で聖楽隊を指揮していた。
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ヴァイオリンの名手であったヴィヴァルディは330曲もの弦楽曲を作曲し協奏曲の王とも呼ばれる。写真:サン・マルコ広場にある「ATENEO S. BASSO」この会場でサン・マルコ・チャンバー・オーケストラが連日(日曜日のみ休演)演奏会を行う。曲目は日替わりで2種類、①ヴィヴァルディの四季を中心とした弦楽合奏②ヴィヴァルディとオペラ
開演20:30、料金は全席自由席で25ユーロ -
ヴェネツィアでは郷土の英雄ヴィヴァルディを偲んで連日連夜、弦楽合奏の演奏会をするのである。写真:リアルト橋近くのサン・サルヴァドール教会
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サン・サルヴァドール教会の前を歩いていたらヴィヴァルディの曲が隣の教会(写真)から聞こえてきた。中に入ってみるとコンサートホールになっており、ここでも連日演奏会を行っている。
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会場名は「Scuola Grande di San Teodoro」オーケストラは「The Orchestra I Musuci Veneziani」18世紀の衣装を身にまとって連日(土曜日、月曜日休演)演奏会を行う。曲目は日替わりで2種類、①ヴィヴァルディを中心に、アルビノーニ、パッフェルベルの弦楽合奏②モーツアルト、ベルディ、ドニゼッツィ、プッチーニ等のオペラ、開演20:30、フロント席35ユーロ、バック席25ユーロ
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ヴェネツィア内のコンサートホールを探してさらに歩く。サン・マルコ広場から出て大きな通りを西に進むと「サン・モイゼ教会」(写真)がある。教会正面の装飾が見事。
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サン・モイゼ教会から高級ショップ店が連なる「3月22日通り」を過ぎ、小さな運河を渡ると「S. Maria Del Giglio教会」(写真)がある。これも見事!
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Giglio教会の北側、見つけにくいが「フェニーチェ劇場」(写真)がある。17世紀から18世紀にかけてヴェネツィアでは人々の最大の娯楽は劇場でのオペラ観賞や演奏会であった。
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純バロック様式で贅を尽くしたフェニーチェ劇場(写真)は1792年に完成。しかし、1837年火事で焼失。再建されたが再び1991年の火事で内部がすべて焼失されてしまった。不死鳥フェニーチェ劇場は2003年12月再建された。参考までに2009年11月以降の公演日は:
2009年
11/9 ベートーヴェン、ショスタコービッチ
11/26ブラームス、メンデルスゾーン、グリーク
12/14シェーンベルク、マーラー
12/19シューベルト、ベートーヴェン
2010年
01/11ショスタコービッチ、フランク
01/18ベートーヴェン
02/01マーラー
02/08モーツアルト
03/15曲目未定
04/12曲目未定
04/19曲目未定
05/03ショパン
05/17曲目未定
05/24シューマン、リスト、プロコキエフ
開演20:00、入場料40〜10ユーロ
その他、オペラ公演もあり -
フェニーチェ劇場近くを歩いていたら、サン・マウリッツッオ広場に面して建つヴィヴァルディ博物館?(写真:Antonio Vivaldi eil suo tempo)を見つけた。
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入場無料なので気楽に中に入ってみるとバロックの曲が静かに流れている。嬉しくなってじっくり見学をする。
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教会の内部を博物館にしたようで、ヴァイオリンを中心にビオラ、チェロなど古い時代の弦楽器が展示されている。ヴェネツィアにおけるヴィヴァルディの偉大さをここでも感じる。
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夜のサン・マルコ広場(写真)も趣きがある。3ヶ所のカフェは遅くまでオープンしており、特設ステージでは生演奏が続行されている。
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10月下旬のヴェネツィア、夜は寒くなる。ヴァイオリニスト(写真)も厚いコートを着てステージに立つ。朝から晩まで交代勤務(演奏)で、なかなかハードな仕事と推測される。ご苦労さま。
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さて、これだけヴィヴァルディやバロック音楽に溢れたヴェネツィアに来た以上、どこか演奏会を探してコンサートに行くしかない。写真:サン・ステファーノ広場にあるオープン・レストラン
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今夜のコンサート会場は、サン・ステファーノ広場からアカデミア橋に向かう途中にある大きなサン・ビダル教会(写真:San Vidal Church)である。「ヨーロッパの教会でバロックの生演奏を聴く」これが以前からの私の夢であった。今夜、夢が叶う。
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演奏は弦楽合奏団「The Interpreti Veneziani」(写真)。1987年にデビューし、来日公演もしている。年間200日以上の演奏会をヴェネツィアのサン・ビダル教会で開く。10/25〜11/1まで休みなく公演。その他の日程は手元に資料がなく不明。
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今夜のプログラムは
①ヴィヴァルディ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」
②ヴィヴァルディ「ピッコロ協奏曲」
③バッハ「ヴァイオリン協奏曲」
④ヴィヴァルディ「フルート協奏曲」
⑤Giovanni Paisiello「ピアノ協奏曲」
他の日のプログラムはヴィヴァルディの「四季」とコレルリ、パガニーニ、モーツアルト等。 -
開演は20:30、全席自由席で料金は24ユーロ(3168円)早めに教会に行き前の方の席を確保する。教会内部(写真)は天井が高く壁画も素晴らしい。続々とお客が詰め掛け満席に近い。Good.
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そして、演奏がはじまった。2人のヴァイオリニストが絶妙に掛け合ってヴィヴァルディの協奏曲を演奏していく。しかし、意外にも、教会内に音が響き過ぎて金属的な音に聞こえてくる。本来柔らかな弦の調べが冷たい石の壁に反響して電子音のように聞こえてくる。教会はコンサートホールではない。私の夢は冷めた!(注:あくまでも私の主観です)
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コンサートの後、アカデミア橋からヴァポレットに乗って夜の大運河(写真)を巡りながらホテルに帰る。たった2泊3日であったが素晴らしいヴェネツィア滞在になった。明日はミラノに行く。
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