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 分かりにくい絵画の代名詞とも言える抽象画やアクション・<br />ペインテング。古い価値観からの開放をもたらしたことは高く<br />評価されるが、その分だけ現代美術を複雑にしたようにも思え<br />る。そんな技法に、思索と時間的概念を取り入れ、新たな挑戦<br />を行っているのが田中秀和。今回の「連続の要因」展では勢い<br />と色彩と抑制の3つが画面上でせめぎ合い、新たな可能性を感<br />じさせる。<br /><br />大学でデザインを専攻していた田中が抽象画を選んだのは、描<br />く対象よりも、描く中から生まれてくる形やリズムに興味を覚<br />えたからだという。以来、過去の記憶の断片や以前の作品から<br />抽出した線を用い、即興的でありながら、思索的抑制を利かせ<br />た作品を作ってきた。<br /><br />「連続の要因」と名づけられた今回の個展では、大画面を用い<br />たことで力強いリズムが生まれ、その結果、色彩や抑制にも抜<br />けるような広がりがもたらされた。制作中は時間の概念を作品<br />に込めようと試行錯誤を繰り返したが、一本の線にも時間が表<br />現されていることに気づくと、それまでの迷が吹っ切れ、制作<br />に打ち込めたという。<br /><br />展示作品の中でもスキージというへらを使い、シンプルな色彩<br />で伸びやかに描いた作品に優れたバランス感覚が見受けられた。<br />偶発的な要素や勢いも取り入れた、意識と偶然性とのせめぎあ<br />いが魅力なだけに、全てが期待どうりとはいかないが、だから<br />こそそこには大きな可能性が感じられる。<br /><br />児玉ギャラリーウェブサイトhttp://www.kodamagallery.com/<br />文化ブログよりhttp://abekaheki.blog72.fc2.com/

日本と世界の凄い場所15 「児玉ギャラリー京都・田中秀和『連続の要因』展」

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2009/10/17 - 2009/11/21

38208位(同エリア44981件中)

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阿部和璧

阿部和璧さん

 分かりにくい絵画の代名詞とも言える抽象画やアクション・
ペインテング。古い価値観からの開放をもたらしたことは高く
評価されるが、その分だけ現代美術を複雑にしたようにも思え
る。そんな技法に、思索と時間的概念を取り入れ、新たな挑戦
を行っているのが田中秀和。今回の「連続の要因」展では勢い
と色彩と抑制の3つが画面上でせめぎ合い、新たな可能性を感
じさせる。

大学でデザインを専攻していた田中が抽象画を選んだのは、描
く対象よりも、描く中から生まれてくる形やリズムに興味を覚
えたからだという。以来、過去の記憶の断片や以前の作品から
抽出した線を用い、即興的でありながら、思索的抑制を利かせ
た作品を作ってきた。

「連続の要因」と名づけられた今回の個展では、大画面を用い
たことで力強いリズムが生まれ、その結果、色彩や抑制にも抜
けるような広がりがもたらされた。制作中は時間の概念を作品
に込めようと試行錯誤を繰り返したが、一本の線にも時間が表
現されていることに気づくと、それまでの迷が吹っ切れ、制作
に打ち込めたという。

展示作品の中でもスキージというへらを使い、シンプルな色彩
で伸びやかに描いた作品に優れたバランス感覚が見受けられた。
偶発的な要素や勢いも取り入れた、意識と偶然性とのせめぎあ
いが魅力なだけに、全てが期待どうりとはいかないが、だから
こそそこには大きな可能性が感じられる。

児玉ギャラリーウェブサイトhttp://www.kodamagallery.com/
文化ブログよりhttp://abekaheki.blog72.fc2.com/

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