2007/04/25 - 2007/05/08
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ちゃおさん
<閑話休題> 「タイの道路状況及び高速バス」
タイに有料の高速道路があるのはバンコク首都圏及びその周辺の一部に限られている。他はすべて無料の国道か一般道である。しかしその道路網は素晴らしく整備されていて、日本の地方都市以上だ。確かにタイには日本の東名、東北、関越自動車道のような自動車専用道路はないが、どんな田舎に行っても町と町を結ぶ国道は基本的には片側2車線の高速道で、都市間のネットワークは相当に整備されており、しかも無料である。平野が多いので、大体が真っ直ぐ地平線の彼方まで直線状に延びている。バンコク市内の高速道路を除いて、速度制限は無いから、それぞれの車が思い思いに飛ばしている。スピードメーターもついていない様な古いバスなども、車体を震わせて飛ばしている。
新聞等によれば飲酒による死亡事故が多発しているようであるが、しかし事故は全く見かけない。この国では事故渋滞など皆無だ。一体に車の好きな国民で、どの町でも日本車で溢れかえっている。特にバンコク市内の渋滞は今や世界の名物(?)にもなっている。そこへ王族の車などが通過する際は、何キロにもわたって高速道の通行をシャットアウトし、更に渋滞に輪を掛けるが、多分国民は辛抱強く我慢しているに違いない。交通遮断されて1台も残っていない高速上を、国賓の5−6台から10台位の車両の列がさっと通り過ぎると、高速上には待ち構えた一般車両が堰を切ったように溢れ出る。まるでスタートダッシュを始めた水澄ましのようだ。残念ながら地方道では国賓・王族車両の通過に遭遇しなかったが、バンコクの状況と同じ様な状況と思う。
どの町にもオートバイが多い。日本以上の数だ。その代わり、自転車は余り見かけない。国が広く町と町の間も距離があり、自転車は余り流行らないのかも知れない。自転車の代わりにオートバイ。日本以上に贅沢だ。女性運転者も多く、人口に比例しているようだ。アオザイ風のスカートを翻し、さっと走り去る女性運転手は魅力的でもある。朝夕のラッシュ時には大体二人乗りが多い。バイクによっては3人乗りもいる。後部座席がソフトクッションになっていて、最初から乗れるように製造されている。しかも必ず取っ手のバーがつくられていて、後ろの乗客はその取っ手をしっかり掴むか、恋人同士だと胴体にしっかり密着している。バイクはその殆どが日本製で、特にスズキが多いようだ。各町の目立った場所にはバイクショップが幅を利かせ、スズキの販売店など現地タイ語で「+&+&db」と看板に大書されていて直ぐに分かる。それに比べると「Vvofhk」の看板を目にすることは少なく、英文で「HONDA」となっていて、こんなところにも世界の「HONDA」の意識が違うのか。同じように「TOYOTA」の看板も各都市で目にし、タイ語での看板表示は殆ど見かけなかった。実際に街を走っているトヨタ車の数も多い。右ハンドルのタイは日本車の独壇場とも言えようか。トヨタ車の市場占有率は相当高いと思われるが、そのトヨタの中でもプリウス・レクサス等のハイブリッド高級車も多く目につき、国民の所得の高さが窺われる。日本車に比べるとアメ車はほぼゼロ、ベンツ等の欧州車がごく少数走っている程度であり、タイ政府の関税等も影響しているのかも知れない。
この国では高速バスが王様。メルセデスの大型バスが幅広の国道をぶんぶん飛ばす。けたたましく警笛を鳴り響かせ、前を走っている低速車をそこの退け、そこ退けの態度で追い散らし、すっ飛ばす。しかしこんなに飛ばしても、予定の運行時間からは必ず遅れる。運行時間は多分町から町までのノンストップの走行時間を単純に時刻表に表していると思うが、実際の停車場所は任意で、乗客がどこそこの場所で下車したいと希望すれば、どこでも自由に停車するのが実情で、又バス停以外の路上でも、手を上げれば随意に拾ってくれ、至って親切だ。従ってバスが国道上をどんなに飛ばしても、定刻には間に合わない。
時刻通りには運行されないことを乗客も知っているから、文句も出ない。むしろ随意な場所で乗降できることをメリットと思っているようだ。遠距離バスの規定停留所には、バスから降りて、更にその先の田舎町まで行くためのツクツク、乗合バイクが待っていたり、身内が車で迎えに来ていて時間遅れのバスを辛抱強く待っている。今や高速バスはこの国では鉄道に代わる大動脈となっている。
遠距離バスには荷物を出し入れする乗務員と、切符回収の乗務員が最低二人は乗務しており、場合によっては荷物のクーリアが二人いて、三人乗務のこともある。ドアが前後ろに二箇所あり、混雑している時など、荷物クーリアは前後のドアに一人づつ張り付き、荷物の出し入れを手伝っている。誰がどの荷物かを良く覚えていて、間違うことは無いようだ。
同じ区間を何社かが競合して走っていて、各バスセンターでは乗客の取り合い(当方に取っては客の奪い合い状態)が行われている。バスの高級感を出したり、高級リクライニングで値段を高くしたり、逆に古いタイプのバスを使用して他社より安い料金を設定したりと、将に自由競争のメッカである。長距離になると一度に渡される切符が3−4枚綴りになっていて、ある区間切符を切っていたコンダクターがいつの間にか下車し、代わりのコンダクターが乗車してきて、綴りの他の切符を切ったり、一覧表のような乗客名簿をチェックして、乗客の昇降を確認している。どうも思うに、以前は細切れの区間を運行していた各地元会社の運送権利が、共同運行か何か一本化する過程で、このような形態として残ったのではないか、とも想像した。身近にガイドがいないので、確認する術はなかったが、外形を見ていてそう判断せざるを得なかった。
最後に道路事情で忘れてならないことがもう一つ。それはどんな田舎町へ行っても、住宅街の道路にはスピードを落とす為の路上の盛り土が作られていることである。これはタイに限ったことではないが、日本以外の多くの国で採用していることである。これはバンプと言って、路上に10cmから20cmの高さのデコボコを作ることにより、住宅街を走行する車両は必然的にスピードを落とし、前方に注意が集中し、事故の防止となる。何よりも住宅街の道路は車が優先ではなく、歩行者が主人公であるとの認識の違いである。
日本も早くそうしなければならない。行政の遅れを痛感する。タイは必ずしも全面的にアメリカナイズされているとは思わないが、無料の高速国道、スピード制限なし、事故の自己責任、住宅街における歩行者の保護、等、良い面を積極的に取り入れているように思える。それに比べ日本行政の後進性を恥じなければならない。アメリカの占領下にあった沖縄など、一般道にも凹凸の盛り土、バンプ(Speed−Killer)が作られていたが、日本に返還後、いつの間にかそれ等は取り払われ、一部旧道を除いて今は米軍基地内にのみ残されるのみとなった。行政の後退、人と車の価値判断を取り違えた本末転倒の行政と言わざるを得ない。当職も今後機会があればこの面の発言をして行くべきだと、タイに於いて改めて認識した。
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