中欧古都巡り（６／８）　ドナウベント地方

2007/11/21 - 2007/11/21

１１月１６日より、９日間のツアーで中欧の古都（プラハ、チェスキー・クルムロフ、ザルツブルク、ウィーン、ブダペスト）を訪れた。いずれも、中世の街の佇まいをそのまま残した美しい街だった。

これはハンガリー・ドナウベント地方です。
ハンガリーはまだまだ貧しい国だった。天気もどんよりと灰色の国だったが、ドナウの河畔は美しい国だった。現地の日本人ガイドさんが現地の暮らしぶりをいろいろ教えてくれた。国の幸せ度ってどう計るのだろう。

エリア ドナウベント(ハンガリー)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 観光バス
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

６日目１１月２１日（水）ドナウベント地方

出発　ドライブインで両替

天気は曇りで、朝は８：２０にウィーンを出発する。今回のツアーグループは皆さん集合が早く、５分前には皆バスに乗っている。今日は、ブダペストへ向かう途中にブダペスト近郊のドナウベント地方を訪れる。１時間足らずで、ハンガリーへの国境に差し掛かり、ここでは入念なパスポートチェックがあり、２０分ほどかかる。オーストリアに入るときは何もしなかったが、ハンガリーはちょっと厳しいのか。少し行ったドライブインで休憩して通貨の両替をする。ハンガリーの通貨単位はフォリントで小銭分だけ交換する。大体のところはユーロで通ったが、交通機関や美術館などフォリントが必要に成る。

アパートメントは貧しいが

バスから見るハンガリーの村は、貧しくアパートメントも旧ソ連の影響も有り何とも簡素な造りだったが、どの家も窓から見るレースのカーテンが綺麗な装飾で素晴らしかった。
ドナウベント地区はブタベストの北にあり、スロヴァキアの国境に有る。ドナウ側の曲がり角と言う意味のドナウベント地区でドナウ川に沿って街がある。

エステルゴム　王宮の下はレストラン

４時間近く掛かってドナウベント地区の最初の訪問地エステルゴムに着く。すぐに昼食と成ったが、王宮の下の城壁で穴倉のようなレストランに入る。

昼食はまずまずだった

仔牛のシチューとパスタとワインで久し振りに美味しい昼食を頂いた。

２００年前のワインセラーを改造

店内はご覧の様な石壁に囲まれて、良い雰囲気である。ここはいったい何だったのかと聞いたら、２００年前のワインセラーを改造してレストランにしたそうだ。

エステルゴモの大聖堂

エステルゴムは初代国王イシュトヴァーンが王宮と大聖堂を築いたハンガリーの古都だった。大きなドームの大聖堂はハンガリー・カトリックの総本山である。トルコの襲来で破壊されたが、１８６９年に再建され、ギリシャ神殿みたいでこの時代の流行だったとか。

大聖堂　世界最大のキャンパス画

正面の祭壇を飾る聖母被昇天の画は一枚のキャンバス画では世界最大で13.5ｘ6.6メートルも有る。

難を逃れた礼拝堂

また、正面の左側に有る礼拝堂はトルコ軍に破壊されるのを防ぐため、解体して移動し難を逃れて大聖堂の隣に再建された。トルコ軍は偶像破壊によって顔を破壊する。

パイプオルガンも

ここのパイプオルガンも古めかしく立派である。

大司教のシャレコウベ

それと、なんと大司教のガイコツが有る。う〜ん、こちらはよくガイコツに残している。なかなか立派なシャレコウベだ。

ドナウからスロヴァキア

ここからのドナウ川の眺めが素晴らしい。ハンガリーでの日本人女性ガイドさんはハンガリー生活の話を良くしてくれる。ガイドのKさんは11年前に一緒に来た家族が日本に帰ったときにハンガリーに残ったそうで、話がとても面白い。

エステルゴムは工業地帯

ガイドさんの話その１。ドナウ川の向こうはスロヴァキアで5年前に出来たあの橋から大量にスロヴァキア人が働きに来ている。ここには、日本のスズキ自動車の工場が有り、生活レベルの低いスロヴァキアは物価がハンガリーの1/3程でハンガリーまで出稼ぎに来る。もっとも、スズキ自動車でも給料は5万円で、ハンガリー人も生活は苦しい。エステルゴムは工業地帯で、ハンガリーでは恵まれた土地だ。あの橋を通って物価の安いスロヴァキアに買出しにも行くそうだ。このドナウ川は水深が5メートルしか無く、雨が降るとよく氾濫する。

ヴィシェグラードからドナウ川

ドナウ川を下って２０キロメートル行くと、次の訪問地ヴィシェグラードでハンガリーの１４〜１５世紀の黄金時代を象徴する古都である。ここから、大きく曲がるドナウ川を見る事が出来、まさにドナウベンド（ドナウの曲がり角）だ。

ヴィシェグラードの城塞

山頂に有るヴィシェグラードの城塞は１３世紀ころマジャール人が築いた。この城砦はオスマントルコ軍の侵入によって破壊されてしまい廃墟となっていたが、第２次大戦後、一部が発掘・再建された。発見された遺物などが博物館に展示されている。

霞のドナウ川

ドナウ川を見ながらまたガイドさんの話その2。この辺は豊かな土地だが、ブダペストへ乃東は本当に田舎。今年のハンガリーは水不足で食料品が高く物価高である。ハンガリーは人口１，０００万人の農業国だが、最近のバイオエネルギーの影響も有り物価高が続き、卵が20円、パン１Kgが150円、牛乳150円これで給料5万円では生活が苦しい。学生は2人で住むと安く上がるので同棲している人が多い。こんな、国なのに最近ヨーロッパ最大のショッピングセンタが2週間前に出来、そこにスターバックスが入ったと。一体、誰があんなに高いコーヒーを飲むんだろうと。

センテンドレ　路の両側はみやげ物屋さん

さらにドナウ川を下って3番目の訪問地センテンドレ。センテンドレは、１４世紀〜１７世紀のオスマン・トルコ支配から逃れて来たセルビア人やギリシャ人達が開発した小さな町で、石畳の中央広場へ通じる路の両側は小さなみやげ物屋が続く。

中世の街並みが

中央広場の周りには中世の街並みが広がるが、シーズンオフな性か観光客は少なく寂しかった。

センテンドレの教会

中央広場の前にはセルビア正教のブラゴヴェシュテンス教会がデンと建っている。街は小さいが、他にも教会や小さな美術館、ギャラリーが多く有った。

狭い小路を

小さな街の狭い小路を目的も無くあちらこちらに行くのが楽しい。

夕陽のセンテンドレ

高台に上ると、折からの夕陽が遠くの山並みに沈むところで、幻想的な美しさだった。

ドナウ川を小船が

街から外れて行くとすぐにドナウ川で、小船がゆっくりドナウ川を進んでいる。ドナウ川のこの先はブダペストに通じている。ハンガリーはドナウ川で潤っている。

ハンガリーの月

ドナウ川のこの先はブダペストに通じている。ハンガリーはドナウ川で潤っている。空には月も出ていた。
ここで再び、ガイドさんの話その3。ハンガリーは住み難い町で給料は低く税金が高い。貧しくて女性はファッションに全く興味が無く話題に成らず悲しい。離婚率は高く6割は離婚する。寒くて鬱陶しい天気で鬱病になる人が多い。野菜はキャベツの漬物しかなく、みな肉ばかり食べている。サラダと言うと漬物をさす。寒いが雪は降らないのでスキー場は3箇所しか無い。暖房費は高く、電気ガスが高く（電気代3,000円／月）マキに変えている人が多くなっている。それなのに、アパートは平気で廊下にも暖房を入れている。もっとも、ガイドさんが切って回っているとか。

ブダペスト　バスの中から国会議事堂

寒さで観光を早めに切り上げて、ドナウ川を下りいよいよブダペストへ向かう。ブダ地区に入ると期待通り綺麗な夜景が見えてきてバスの中から楽しむ。ドナウ川に沿って、王宮や、教会、国会議事堂、橋などが続々と見えてくる。明日は、ドナウ川のナイトクルーズが有るのでその時の楽しみにしておく。

ここの夕食も、あまり・・

6時前にラマダホテルに着く。ホテルでの夕食は予想通りあまり美味しくなく、魚料理はこちらでは高級料理らしいが、ほとんど残す。

街路樹も寂し気

気を取り直して、ホテルの近くを散歩する。街は寒くて、暗くて、人も少なく街路樹も寂し気に立っている。

表通りも暗い

表通りに出ても、暗いイメージは変わりない。夜景が綺麗と言う事は裏を返せば街は全体的に暗いと言う事かと変に納得してしまう。
明日はブダペストに期待。