2008/12/05 - 2008/12/07
4374位(同エリア4689件中)
瑞樹さん
旅行最終日、函館山の麓を歩く私。
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- その他
-
「ガンガン寺」の敷地から続く階段を下り歩いて行くと、パステルピンクの可愛い建物が現れました。こちらも函館市指定伝統的建造物の、遺愛幼稚園です(次の写真)。
-
1882年(明治15年)に「カロライン・ライト・メモリアルスクール」が創立され、1895年(明治28年)に幼稚園を併設。これが現在の遺愛幼稚園の前身。1907年(明治40年)の函館大火で校舎が焼失、1913年((大正2年)に幼稚園が再建されました。
玄関の幾何学模様のプラケットが可愛いです。玄関左右のスペースは、雪国ならではの寒さ対策でしょうか。 -
道の左側には皇太子殿下行啓記念碑の建つ、函館西高校があります。その石垣には
-
誰かが書いた、おっさん?の顔が。誰?
-
教会群を見て八幡坂を通った後は、気の向くままに散策。
この辺りは道の両側に色々な店が軒を連ねています。 -
先ず目に付いたのは、大正10年築の酒問屋の別宅跡をほぼそのまま使用している「茶房菊泉」。甘味処ですが、食事メニューもあるみたいです。
店内の調度品も、殆どが実際に使われていたものだそうです。 -
ここはどうやららソフトクリーム通りらしく、ソフトクリームの縦看板やオブジェのある店が目立ちます。使用している牛乳を売りにしているところ、沢山の有名人が来たことを売りにするところ、珍しい味を売りにするなど様々。
食べたかったけれど、雪とソフトクリームの組み合わせが納得いかなくて(笑)食べず。 -
おおっ、流石函館。昆布の無人販売所。
「無人販売は日本の良心です。」という張り紙が寂しいです…。 -
ふと足下を見ると、これまた流石!イカのマンホール。
-
この通りもとても伝統的建造物を多くて、飽きないですね。いつ付けられた看板なのか、とてもレトロ。
-
こちらの建物は1908年(明治41年)建造の「めがね工房まかべ」。もとは網走の豪商・又十藤野社の社宅だったそうです。
-
こちらは「函館日和館」。ねこ雑貨などがいっぱい。
-
隣の建物も歴史がありそう。
窓が広くて明るそうですが、冬は寒くないのかな。 -
民家の庭に、小さな雪吊りが並んでいてとても可愛かったです。
-
元町散策の中、ふと函館山方面を見ると鳥居が見えました。
土台はコンクリートのようですが、本体が茶色…トタンみたいな金属で出来ているのでしょうか。珍しい鳥居だなぁ。
きっと昔はこの参道も、静かな敷地だったのでしょう。今は住宅が密集しています。
兎にも角にも、函館に来て初めて神社に参拝出来そうなので嬉しいです。初めて来た土地では、やはり”余所者”という意識があって、先ずはその土地を守ってきた、見守ってきた寺社に挨拶に行かないと、と思っています。 -
参道の向こうは階段になっていて、ギリギリまで車が乗り付けてあります。階段を上ると右側に手水舎。お清めしようと思ったら、おおっ!蛇口からはツララが!
うぅむ、これでは清められませぬ。まぁこの気候だし、神様も許して下さるでしょう。
で、その手前には -
顔をはめ込む立て看板があります。船魂神社には「義経伝説」があるのです。
案内板には、
「蝦夷実地検考録によれば、文治の末(一一九〇)義経津軽より渡り来る洋中に、逆波起り船まさに沈もうとした時、船魂明神の奇せき有り、つつがなく岸に着き此のあたりを、歩いている時、にわかに、咽が渇き水を探していると童子神が、忽然と岩上に現れ、指さす方をみれば、清水こんこんと湧出ていた。
後世、御宣託の泉と言伝えた。」とあります。 -
それがこの童子岩。先ずは参拝。
御祭神は鹽土老翁神、大綿津見大神、須佐之男大神、配祀は火之加具土神、埴山姫神、罔象女神、倉稻魂神だそうです(読めない…)。 -
船魂神社は、融通念仏宗を広めるため良忍という高僧がこの地に来て「ここは観音菩薩の霊跡である。」といい、保延元年(1135年)観音堂を建てたのがこの神社の始まりとされ、北海道最古ともいわれているとか。
明治25年(1892年)に改築された社殿は、同40年(1907年)の大火で焼失した後、谷地頭町の函館八幡宮に御神体を移していましたが、昭和7年(1932年)に再び本殿が築かれたそうです。 -
現在の建物は、同37年に改築されたそうですが、直線の組み合わせと臙脂色・白色の配色が面白いです。
社殿の左には、「護北神社」と書かれた石碑や小さめの狛犬だけがあってちょっと寂しい。 -
右には境内社が並び、出雲神社(大國主命)、弥彦神社(天香語山命)、永福稲荷大神、函館稲荷大明神などがあります。「函館山七福神・福禄寿」と書かれた祠もありました。
-
昨日今日の雪で、狛犬もこの通り白いものを被っています。阿形は口の辺りに亀裂が入り、崩れていました。
吽形、雪のせいで角があるのかないのか分かりません。なさそうな形をしているので、獅子と呼んだほうが良いのかな。 -
奉納された幟を見ると、遠く横浜の住所が読み取れました。成るほど全国から、海運業に関わる人が参拝に来ているようです。
-
私以外はひと気のない、船魂神社の境内からの眺め。元町散策する観光客は居ましたが、ここへくる人は少ないようです。何となく、得した気分。
-
海を右に見つつ歩いて行くと、観光客が出入りしている建物がありました。ブルーとイエローが目を惹くのは、旧函館区公会堂。
これも普通の日本の街だったら浮きまくるところですが、やはりいち早く開港された函館ならではの建物です。1910年(明治43年)、当時の洋風建築の粋を集めて造られたコロニアル・スタイルの木造建築です。 -
自販機で切符を買います。この館だけのものから、周辺の施設4館を廻れるものまで4種類あります。
内部は保護の為、下足を脱いでスリッパに履き替えます。
玄関を入って正面にあるのが、大食堂。床も天井も木で覆われていて、とても暖かく豊かな印象です。 -
大食堂にはモニターがあり、ビデオが上映されています。その横には暖炉があります。暖炉の両端を赤い模様が彩っているのが珍しい。
-
同じ部屋に、こんなものが。
人力車かな?と思ったら「明治の乗物赤馬車」との表示。札幌農学校(北大の前身)の好調だった橋口文蔵博士がアメリカ留学の帰り、明治14年に持ち帰り愛用していたのだそうです。 -
その向かいには、「燕尾服」。
なんと、日本でも明治年間の法令によって一般の礼服に定められているんですね。
知らなかった…だから内閣発足のときに皆着ているんだ。でもあれを見る度、「和服がいいのに…」と思います。燕尾服やモーニングが似合う日本男子なんて、滅多にいないんだから。 -
大食堂の隣は球戯室。
ここには記念撮影用のパネルと椅子、そしてカメラを置く台まで用意されています。
これはひとり旅には嬉しいですね〜。普段ひとり旅のときは自分の写真は余り撮りませんが、折角なので活用させて頂きました。 -
天井の端が湾曲していて、凝った造りになっています。照明も綺麗。
-
様々な部分が装飾されていて、贅沢です。
-
こういう洋風建築でも「縁側」って云うんですね。とても明るく開放感があります。
-
こちらは廊下を挟んで球戯室の向かいにある寝室。開堂当時は、ホテル営業の話もあったそうです。
-
ほかにももうひとつ寝室や応接室、役員室などがあり、建物の右奥にあるのが商業会議所事務室。
調度品も洋風なんですね。 -
階段があったので、早速二階へ上ってみます。
木の床を保護するためなのか、真っ赤な絨毯が敷かれています。
さて二階には何があるかというと… -
御後架ですって〜。御後架って何?それはつまり「便所」。
ここはは明治44年8月、大正天皇が皇太子殿下時代に訪れた際、滞在中の3日間御宿所としたそうで、そのために増築されたもの。後の昭和天皇も、皇太子時代に使用したそうです。
当然、便器の下方には便受箱があり抽出し式となっているそうです。 -
案内板には「便受箱には、当時砂や杉の葉等が入れられ、御用便後は侍官が抽き出し、侍医の検査後、処分された。床部には高麗緑の薄緑が敷き詰められていた。また、便器の用材は桧、他は蝦夷松の柾材が使用されている。」とあります。
-
御後架の隣には、御湯殿があります。御湯殿は脱衣所(7.8?)と浴室(10.8?)とに分かれていますが、浴槽は当時お持ち越しだったそうで、こちらにはありません。床部や内壁等は全て蝦夷松の柾材が使用されています。
-
そして二階の大部分を占めるのが、大広間。一番奥がステージになっていて、現在でも実際にコンサートも行われているそうです。今年は6月から10月まで様々なコンサートが開催されました。いいなぁ。
そうそう、一階に「ハイカラ写真館」なるものがあって、そこで殆どの日本人には凡そ似合わない縁のない衣装を借りることが出来ます。私が訪れたときも、何人かの人がドレスを着ていました。 -
さてこちらは御座所。修復されているものの、家具・調度品・壁紙・シャンデリア・天井中心飾りなどは往時のもの。平成元年10月2日には、天皇・皇后両陛下が行幸啓の際に休憩したのだそうです。
-
一階へ下りてきました。渡り廊下で一番奥まで行くと、浴室がありました。こちらは洋風風呂で、
-
こちらが和風風呂。でも当時の設計図が残っておらず、浴槽の詳細は不明だそうです。
-
和風風呂の天井がとてもかわいらしく凝っていました。明るい浴室でいいなぁ。
-
最後、こちらは平民の私でも入れるお手洗い。木製の扉で、鍵部分がこんなレトロ!
-
因みに鍵を閉めると赤地に「使用中」に替わります。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
瑞樹さんの関連旅行記
函館(北海道) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
46