2008/10/22 - 2008/10/26
358位(同エリア649件中)
極楽人さん
ドブロブニクで4泊した後、路線バスで次の目的地スプリットへ移動しました。4時間半の道のりは、アドリア海に沿って美しい海岸線を走ります。バスでは上手く左側の座席を確保、上々の天気と絶景続きでウトウトする間もありませんでした。
目的地のスプリットはクロアチア第二の都市。欧州では昔からよく知られたリゾート地で、夏場は大変な混雑のようです。ローマ皇帝の宮殿に人が住み着いてそのまま旧市街になった、という不思議な景観も見られます。また交通の要所でもあり、船やバスに加えて北部やザグレブ方面へは鉄道も利用できます。
私たちはここに4泊して、周辺の観光地にも足を伸ばしました。
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スプリットへ出発する前日の早朝に、ドブロブニク郊外の長距離バスターミナルへ確認に行きました。ターミナルはピレ門前から市内バス1Aか1Bで10分程度、新港のすぐ近くです。始発が5時なので券売所にはもう人がいました。1時間一本のSPLIT行きは、日本で調べた通りでした。
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当日は、遅い朝食に合わせて11時発の便を選びました。まずはピレ門前から市内バスで長距離バスターミナルへ。市内バス券は売店で買うと8kn、車内では10kn。1時間以内なら乗り換えも可能です。
ターミナルは確か4つ目か5つ目の停留所でした。 -
ドブロブニク→スプリットは一人112kn(2,200円)。
券売所ではハッキリと「左側の座席」を頼みましたが、乗り込んでみると右側でした。すぐ抗議に行きましたが座席は「コンピュータが順番に打ち出してしまう」そうで、「無視してよい」とのことでした。これ以降、バスでは好きな席に座るようにしました。他のお客も同じでした。 -
時刻どおり、11時きっかりに出発。乗客は6割程度です。
ターミナルを出てドブロブニク玄関口の吊橋を渡ります。この橋の名前はとうとう分からないままです。 -
進路を北に取り、少し走ると道はすぐ海岸に沿って続きます。
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相変わらずきれいな水です。
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これから数時間、特に海に面した左座席の窓には、美しい入り江や町が次々と現れては後方に流れます。
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膝に地図を、手にはカメラを構えたままで、突然現れるシャッターチャンスを狙います。木々に、かすかに秋の気配が漂っています。
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小一時間も走ったでしょうか、ストンの町が見えてきました。万里の長城に次ぐ長い城壁が特徴です。塩の生産地として有名、牡蛎(かき)の養殖も盛んで、ドブロブニクの半値で食べられるそうです。
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ドブロブニク滞在中ここに来ようとしましたが、SOBEのNENNYおばさんに大笑いされました。STONは何もない町だと言います。先日も二人の女性が“忠告を無視して”出かけたけど「やっぱり何にもなかった」と帰ってきたそうです。日本人のSTON好きが不思議だと言っていました。ガイドブックのせいでしょうか?
その時の二人が置いていった塩を「記念に持ってゆきなさい。」といただきました。愛知万博にも出ていたSTONの塩、重かったけれどしっかり持ち帰りました。 -
国境の検問所が見えてきました。ここから先の数キロはボスニア・ヘルツェゴビナの領土です。内戦時の、独立を急ぐクロアチアと海への出口が欲しいボスニア・ヘルツェゴビナによる妥協の産物だそうで、このためにクロアチア南部は“飛び地”になってしまいました。
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ボスニア・ヘルツェゴビナのネウム(NEUM)の町はずれで20分間トイレ休憩。ここには小さなスーパーもあって、自国通貨のほかknもユーロも使えます。
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私は「現地の煙草をください。」と2箱買いました。
あとで確かめたら、これはクロアチアの煙草でしたが、「健康への警告」はボスニア・ヘルツェゴビナ語でした。 -
休憩所から見えたネウムの町です。海岸続きなので景色の特徴は何ほども変わらず、きれいな海岸線と美しい町が明るい陽光を受けています。
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一服したら、もう出発です。MOSTARには、今回は行けませんでした。
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検問所をもう一つ超えて再びクロアチア領内、めずらしく平地に出ました。水田の用でもありますが、写真で黄色く見えているのは「ミカン」です。バナナと同じく、手を汚さずに食べられるので人気があります。
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鉄道の線路が見えました。地図で確認してプロチェ(PLOCE)の近くだと分かりました。地図で見ると、この鉄路はボスニアヘルツェゴビナに繋がっているようです。クロアチア国内の鉄道は、スプリットから北側にだけ走っているようです。
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線路で驚いていたら、突然列車が。ピンボケですが何とか写っています。
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山がまた、海岸まで迫ってきました。
ディナール山脈でしょうか、細長いクロアチアの背骨のように、最南部のドブロブニクからずっと北に続いていて、隣国との自然の「衝立」になっているようです。 -
中規模の町でまた休憩。1時間走ると必ず休憩します。住宅のすぐ裏まで、鋭い岩山が迫っています。
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マカルスカの文字を見つけました。ここも有名なリゾート地だそうで、海岸線のきれいさから「リビエラ」とも称されているようです。駐車場所が悪くて、景色がまったく見えません。
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バスは更に険しくなった崖の道を辿ります。
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先のほうに、ガイドブックか何かで見覚えのある岩山が見えてきました。そろそろオミシュ(OMIS)かな、と見当をつけました。
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オミシュでした。ここも有数のリゾート地。ここまで来れば、スプリットはもうすぐです。
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オミシュから30分、スプリットが見えてきました。特徴のあるディナール山脈を背に、旧市街が広がっています。その周りには新市街の新しい建物も見えて、この街の大きさが分かります。(写真は別な日に海上から撮ったものです。)
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スプリットの長距離バスターミナル到着。ほぼ時刻表どおりの午後3時半過ぎでした。写真は旧市街の端に立つ聖ドミニク教会でしょう。バスターミナルから撮った、スプリットでの最初の写真です。
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長距離バスターミナルの向かい側はスプリット港の桟橋が。大型フェリーが何隻も留っていました。
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スプリットの宿はTOMAYA(苫屋)さん、ここに4泊します。日本から拙い英文の予約メールを出したら、オーナーのOさんから「日本語で大丈夫ですよ。私は東北出身です。」とありがたい返信をいただきました。
長距離バスターミナルからは歩いても15分位ですが、大きな荷物もあるのでTAXIにしました。写真の通りの、右上にのぞく高層ビルの11Fにあります。
この通りにはよく似た高層ビルがいくつか建っています。苫屋さんのビルは、旧市街からの角から数えて3つ目の、クリーム色のビルです。
(詳細はTOMAYAさんのHPに詳しく書かれています。
「苫屋 クロアチア」でも検索できる筈です。) -
これがTOMAYAさんの入っているビル。玄関は写真の右の面で、鉄製の青い扉です。エレベータで11階に上ると「苫屋」と漢字でも書いてあります。
3LDKのマンションに手を加えたのでしょうか。ツイン2室とシングル1室、他にドミトリーと称する2段ベッドのスペースもあって定員7名ですが、お客が多いときは居間で雑魚寝もありといいます。
キッチンと男女別のシャワー&トイレは共有、洗濯機とPC(日本語環境)も利用できて便利です。
寝室以外に居間があるのは実にくつろげます。ここは旅人同士の情報交換の場でもあります。
我々は毎朝、近くのパン屋さんやお肉屋さんで買ってきた食材で朝食を作り、この居間で食べました。苫屋さんにも朝食メニューがありますが、自分たちでするのも楽しいものです。 -
苫屋さんは日本の若い旅行者に人気の宿で、年配の我々ではご迷惑かとも思いましたが興味に勝てず、図々しくお世話になることにしました。それにしても、急に日本語の世界に戻ると戸惑いますが、気安さと便利さはやはり格別です。
お邪魔した時はひとり旅の女性客が二人、旅の疲れを癒したり、次の目的地の情報を集めたりしていました。オーナーのOさんは彼女たちのお姉さんと言った感じで親身に相談に乗ります。
1人の旅は気楽ですが心細いものです。旅が長くなると人恋しさや虚しさもつのります。苫屋さんは彼らの「灯台」の機能を果たしていました。それにしても、「親切」と「ビジネス」の境目がはっきりしない難しい仕事だと感じました。
スタッフのYさんは世界旅行の途中。オーナーを手伝いながらしばらく羽根休め、だそうです。 -
11Fの窓からはスプリットの街が一望できます。これは港の方向。さっき到着した長距離バスターミナルは白い船が泊まっているあたりです。
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眼を少し右に向けると、朝陽を浴びたディナール山脈と山裾に広がるスプリットの街。4日間、この景色を毎朝眺めていました。
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再び街へ出ます。来た道を逆に辿って旧市街へ。宮殿の手前に大きな市場が開いていました。
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野菜、果物、衣類、革製品、何でもあります。市場は朝5時半頃から準備が始まり、7時前開店。お昼過ぎの3時頃まで開いています。
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これは、蜂蜜屋さんです。
写真にはありませんが、妻はこの市場で、創りながら販売している手編みの刺繍を何枚も買っていました。お店によって、出来・不出来が大きいそうです。 -
市場を抜けると、城壁の入り口が現れます。4つの大きな門にはそれぞれ金・銀・鉄・青銅の名がついています。
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これは東側の「銀の門」。先ほどの青空市場の横です。
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門の辺りまでお店が立ち並び、人通りも絶えません。
ドブロブニクの魅力が「整然」なら、スプリットの魅力は「雑然」でしょうか。 -
だから、こういう人もいます。
10月下旬、陽射しはまだ暑く、彼でなくてもアイスが欲しい気候です。 -
この方は戦争で家族を亡くしたようです。息子の写真とメッセージを持ってたたずんでいました。ほんの気持ちだけカンパさせてもらいました。
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銀の門を入ると、そこはディオクレティアヌス帝の宮殿。一見、廃墟に見えますが、この奥に広場(ぺリスティル)が、その先におしゃれな店が並ぶ露地に繋がっています。
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広場(ぺリスティル)〜左を見ると、南(海)側の「青銅の門」に続く前庭が見えます。写真右側のホテル前ではストリートミュージシャンの演奏が、左側には大聖堂の高い塔への上り口があり、賑やかなところなんですが、このときはあまり人がいませんでした。
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広場を起点に延びる露地。両側にはネクタイ、絵画、骨董、お土産屋さんから生活用品、文具、ファッションまで、綺麗で新しいお店が軒を連ねています。
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生地屋さんです。露地は迷路と言うほどでもありませんが結構入り組んでいて、突然行き止まりだったり、アパートの入り口だったりして驚きました。
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CD屋さん。メモしていったクロアチアの伝統的な楽曲は置いてありませんでした。楽器の伴奏無しで歌う男性コーラス、ドブロブニクのSOBEで毎朝聞いた曲を買おうと思ったのです。
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宮殿北側の「金の門」の外に立つグルグール・ニンスキの像。足に触ると、またいつか戻って来られるそうです。みんなが触れる左足の親指が、つるつるになっていました。3mくらいの大きな像です。
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西の「鉄の門」を出たところのナロドニィ広場。近くに魚市場もあります。「そこではトロを捨てている」なんていう妙な噂もあり、日本からワサビを持参してゆきましたが、とうとうマグロを買う機会には恵まれませんでした。(木・金が入荷日だそうです。)
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おしゃれな通りを更に西へ進むと、レプブリカ広場。
艶やかな赤い回廊に囲まれ、海辺(手前側)には噴水が水を噴き上げていました。 -
もう一度、城壁の中に入ります。大聖堂(カテドラル)の鐘楼に登ってみます。
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上り口の階段で、降りて来た日本の方とすれ違いました。怖くてとても上までいけない、のこと。それでも料金を払ってしまったので、やはりここはチャレンジします。
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古い石段はすぐに途切れ、工事現場のような鉄の階段が上へ続いていました。上り下りする機能しか考慮されておらず、確かに下を見ると足がすくみます。それでも、一段登るごとに美しい赤屋根が下になってゆきます。
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息切れと冷や汗の中、10分ほどで頂上へ到着。眼の前にスプリットのパノラマが広がります。
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これがスプリット港の西の半分。フェリーの桟橋や長距離バスのターミナルは手前側にあり、この写真では見えません。
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更に拡大します。こちら側はプライベート用の小型船の停泊場所になっています。
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こちらは北側の街並。いま登っている鐘楼の影が映っています。
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眼を海の方に戻して、旧市街の古びた屋根と青い海の対比を押さえておきました。
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鐘楼の南西、民族博物館のあたりでしょうか?
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これは銀の門を上から。最初ここから入ってきました。
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鐘楼を降りて、今度は宮殿の正面玄関である「青銅の門」に向かいます。ここは地下道になっていて、両側には貴金属店などのお店が並んでいます。
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お店の脇に、地下宮殿の入り口があります。作られた当時はワインの貯蔵や倉庫として使われたそうですが、中世以降は人々のゴミ捨て場だったとか。ゴミの中から発掘され、存在が確認されたのは最近になってからと聞きました。
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これがデイオクレティアヌス帝。なかなか凛々しい顔をしています。男はやはり“髭”ですね。
今は自ら築いた宮殿の下、地下の一室でひっそりと暮らしています。 -
地下には、かつての街の模型や説明のパネルなどが展示されています。新しいトイレも完備していて、ここは無料で利用できます。
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こちらが海に面した城壁、「青銅の門」がある宮殿の正面玄関です。お天気も良く、レストランのテラス席にはたくさんの人で賑わっていました。お客の目当ては、勿論シーフード料理でしょう。
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我々も苫屋さんに教えてもらった、港の西はずれのレストラン“FIFE”に向かいます。
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フィフェは、むしろ「居酒屋」と言った方が似合います。流行っているらしく、路地を挟んで2軒の店の前にはお客が並んで順番を待っています。
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地ビール、生ハム、焼き魚、鳥料理などひと通り注文して満腹。凝った料理じゃないので、素材が新鮮なぶん味もまあまあです。会計してみると、二人で121kn(2500円)。他のレストランの半値以下のお得な店でした。滞在中、二度お世話になりました。
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もう一軒。レストラン・ボバン(BOBAN)も苫屋さんの紹介でした。苫屋のビルから住宅街に入った一角に、思い切り新しいデザインの店がありました。法事(?)とか特別な集まりのときに地元の人が利用する店だそうです。
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手長えびが有名と聞き注文しましたが、これまで食べたどこよりも大きく身も詰まっていました。このときは食欲がなく、リゾット一人前とビール2本を頼んだだけでしたが、全部で300kn(6,000円)ほど。日本の居酒屋でも4〜5,000円取られますから何処もずいぶん安いのですが、旅先での相対的な値段としては立派なものでした。
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スプリットを離れる日の朝、港の西側の丘に登ってみました。またまた、どこまでも続く階段で参りましたが、それだけのことはある景色が広がっていました。
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柔らかい朝陽の中、湾の中心にある旧市街デイオクレティアヌス帝の宮殿あたりが一望できました。
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この街にもお世話になりました。
写真はバスターミナル附近から見た朝の街並みですが、早起きの私は毎朝5時過ぎに起きてコーヒーを飲みに来ていました。波止場に近いこのあたりだけ、早朝から店をあけています。今は懐かしい光景です。
次は、スプリットから訪ねた街や自然です。
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この旅行記へのコメント (1)
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- maki5963さん 2009/07/01 23:13:59
- クロアチア旅
- 極楽人さん、はじめまして。
私も先週クロアチアから帰ったばかりでどこも興味深く拝見しました。
リュブリヤーナから入ってザグレブ、ブリトピツェ、ザダールから海岸線南下でスプリットでは同じ苫屋さんにお世話になりました。
日本でははっきり決められなかった希望の島伝いのドブロ入りができたのも、オーナーの助けがあって実現しました。
どこもとても美しくたくさん写真を撮り、私はこの旅の前にドイツストップオーバーの旅もして長旅でしたので、旅行記の完成はいつになるやらですがたくさんの思い出を記したいと思っています。
イタリアからスイスののんびり鉄道旅もいいですね。
私も同じような旅がしたくなりました。
興味深いステキな旅行記にまたおじゃますると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
maki
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