![ザグレブはクロアチア共和国の首都、人口100万人を超える都会です。ウイーンやベネツィア、ブタペストなどのヨーロッパの都市とアドリア海とを繋ぐ交通の要所でもあり、多くの旅行者がクロアチアへの玄関口として利用するようです。私たちも、帰国便がザグレブ空港発になっており、今回の旅の最終訪問地として訪れました。<br /> ザグレブをあなどっていました。なかなか魅力的な街です。一見、典型的なヨーロッパの中都市ですが、重厚な石造りの街並みには何処となく東方文化の風情が混じりあい、適度なスロープ(坂道)がアクセントになって街並みが単調になるのを防いでいます。観光しないで通過してしまう方も多いようですが、勿体ない話です。私たちは丘の上の旧市街を中心に、丸一日楽しく歩き回りました。ずっと海辺の町ばかりを見てきた眼には、新鮮でもありました。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/28/96/650x_10289685.jpg?updated_at=1236293130)
2008/10/26 - 2008/10/27
679位(同エリア981件中)
極楽人さん
ザグレブはクロアチア共和国の首都、人口100万人を超える都会です。ウイーンやベネツィア、ブタペストなどのヨーロッパの都市とアドリア海とを繋ぐ交通の要所でもあり、多くの旅行者がクロアチアへの玄関口として利用するようです。私たちも、帰国便がザグレブ空港発になっており、今回の旅の最終訪問地として訪れました。
ザグレブをあなどっていました。なかなか魅力的な街です。一見、典型的なヨーロッパの中都市ですが、重厚な石造りの街並みには何処となく東方文化の風情が混じりあい、適度なスロープ(坂道)がアクセントになって街並みが単調になるのを防いでいます。観光しないで通過してしまう方も多いようですが、勿体ない話です。私たちは丘の上の旧市街を中心に、丸一日楽しく歩き回りました。ずっと海辺の町ばかりを見てきた眼には、新鮮でもありました。
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10月26日。中途半端な日付ですが、この日からクロアチアは「夏時間」から「冬時間」に変わりました。テレビや新聞を見ていない旅行者は要注意です。
飛行機の出発時間に合わせて、時計を1時間遅らせます。日本との時差も1時間増えて8時間になりました。
畑の真ん中のスプリット空港はモダンな建物です。
スプリット−ザグレブ間を飛行機にしたのは移動時間の節約のため。列車やバスだと5時間以上、飛行機なら僅か45分で到着です。 -
クロアチア航空は予約が早いほど安くなるとか。
「変更・解約不可」の一番安い券は4,000円程度、これは迷っているうちに無くなりました。
予約できたのは次に安い「一回のみ変更可」の7,000円くらいのものでした。
この区間だけ、日本との往復航空券とは別に手配したため「国内旅行の規定」になり、荷物に超過料金が課されると言われました。21kgオーバーだそうで、1kgあたり20knとのこと、結構な額です。
「そこを何とか」と頼み込み、成田往復の券も全部見せて「全てスターアライアンスだから・・・」とやって、無事に通過できました。
この交渉、40分位かかりました。 -
離陸すると一度海に出て、そこから反転して内陸に向かいます。
ところでクロアチアの国内航空は、ほとんどがザグレブ経由のようで、たとえばドブロブニクからリエカなどの地方都市間では、一度ザグレブに寄るケースが多いためやたら時間がかかります。
注意が必要です。 -
窓の下にはアドリア海が。トロギールが見えた(クルカ・シベニク・トロギール篇)のもこの窓下です。
私たちはこれでアドリア海とお別れです。 -
内陸に進むごとに空はどんより、雲が低くたれこめてきました。10日間ではじめての曇り空です。
着陸直前の、ここはザグレブの郊外でしょう。 -
ザグレブ空港からバスでザグレブ鉄道駅裏のバスターミナルまで約30分。そこからタクシーでホテルに向かいました。ホテルは駅から遠くありませんが、大きな荷物やら一方通行やらで、10分100kn(2,000円)かかりました。ちょっとズルそうな運ちゃんでした。
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ザグレブ・パレスホテル。
鉄道駅と旧市街を結ぶ広い道路の途中にあります。
貴族の館を改築して開業したのが1907年という格調あふれる建物です。
日本からのWeb予約で120€でしたが、現地払いですから円高で多少得をしました。 -
これがロビー、豪華で重厚な調度と装飾。
左ドアの奥がレストランになっています。
旧ユーゴのチトー大統領もこのホテルが気に入っていたと聞きました。 -
クロアチアでは初めてホテルに泊まります。
SOBEも良かったですが、ホテルの機能的な快適さも嬉しいものです。 -
翌朝の朝食はバイキングスタイル、意外とたくさんの宿泊客がいました。
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ホテル前の通り。
後方(写真では手前側)400m附近に鉄道駅、前方400mあたりにイェラチッチ広場。
そこから街がせり上がって旧市街が始まります。
曇り空はいつしか晴れあがりました。お天気に関しては幸運続きです。 -
ここがイェラチッチ広場。旧市街と新市街の境目であり、繁華街の中心です。
正面右の茶色の建物は現在改装中で、完成した姿を描いた大きな絵が貼り付けてあります。
観光客にはありがたい配慮です。 -
ホテルでもらった地図を頼りに、まずは茶色の建物のわき道から旧市街を目指します。
下を走る青い「機関車バス」は市内をぐるっと廻る観光客用の乗り物です。 -
ゴシックの高い先頭を持つ大聖堂はザグレブのシンボルのひとつ、街のどこからでも見えます。
もともとは13世紀から数百年かけて造られたものだそうですが、19世紀の大地震後に建て直されたようです。ケルンドームなどと比べてスッキリした装飾は、そのせいかも知れません。 -
この日は日曜日。中では楽団が奏で聖歌隊が歌い、荘厳にミサが行われていました。
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夕方5時近く。大聖堂に灯が点りました。入り口の上部と、尖塔にも淡いオレンジの灯が入ります。
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ミサが終わり、修道女さんたちが出てきました。
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大聖堂を左に折れて、青空市場に。もう閉まっていますから、明日また出直す事にします。
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色とりどりの可愛いカフェが並ぶトカルチチェヴァ通りは下町の風情。若者に人気の「原宿の裏通り」といった感じです。
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その一本先の通りを登ったあたりから見所が連なりますが、もう陽がすっかり翳り、なんだか夜の気配が濃厚です。
見学は翌日にして、食事をとりに繁華街へと降ります。
このあたりの坂はなだらかで、息を切らせることもありません。 -
妻によると、ザグレブの名物はアイスクリームだそうです。これはその人気店。店内でも、通りの外のテーブルでも、持ち帰りでもOKです。
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メニューの一部。季節がら、栗を使ったものが人気のようでした。
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私たちが入ったレストランは、大聖堂近くのKAPTOLSKA KLETというお店。イタリアンと地元料理の2軒並んでいる、地元料理の方を選びました。
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どなたかの旅行記に出ていたお店のようです。
私はカツレツを、妻は「美味しいと書いてあった」というモツ煮込みを頼みました。
他に2〜3品注文しましたが、親切なウエイトレスさんに「多すぎる」と断られてしまいました。
実際、食べきれないほどの量でした。
ビールとパンを加えて二人で194kn(4,000円)は安いと思いました。 -
翌朝の窓、この日も快晴のようです。
妻は前の晩のモツ煮込みが多すぎたようで、気分が悪いと言っています。一人で、鉄道駅まで行ってみることにしました。 -
駅前から旧市街に続く並木の大通り。
両側を一方通行の道路に挟まれた広い緑地は公園になっています。
ザグレブは内陸部なので、これまでいた海岸の町々より5度くらい気温が低いようです。
朝夕はとくに、少し冷え込む感じがします。 -
10分ほどでザグレブ中央駅が見えてきました。その正面に建つ、クロアチア初代国王トミスラフの騎馬像。
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中央駅には、クロアチア発着の全ての国際列車が立ち寄ります。
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駅の内部。駅地下はスーパーなど商店が並んでいるということで、「日曜日に何処も開いていない場合」にもショッピングが可能です。
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私は鉄道マニアではありませんが、記念に一枚。
今度の旅では列車に乗る機会がありませんでしたが、列車を見ると旅心がそそられます。 -
駅舎を出て、左前方を見ます。トミスラフ国王像と、緑地のところが旧市街まで続く公園、その両側が一方通行の道路です。
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これは駅を背にして左側(西)に延びる道路沿いの街並みです。威風堂々、華麗で荘厳な大都会の風貌です。
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緑地帯の右側。先のほうに大聖堂の尖塔がのぞいています。
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朝の大聖堂。ここから旧市街の散歩を再開します。
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青空市場は、やはり午前中の賑わいが格別です。中央部は青果を中心に屋台が並び、威勢のよい掛け声が飛び交います。
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クロアチアではみかんが人気、日本のものと変わりません。“こたつ”がなくて残念です。
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周辺には刺繍や衣類のお店。
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人気のサッカーグッズも出ています。
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昨日も訪れたトカルチチェヴァ通り。何処かの大型レジャー施設の中の、作り物の町のようです。
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通りの先まで歩いてゆくと・・・
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こんな古い家もありました。これが“原型”なのでしょう。
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かつての城壁の入り口だった「石の門」。ここのマリア像は18世紀の大火にも無傷で残り、今でも祈りを捧げる人が絶えません。
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聖母マリアにロウソクを捧げる人々。
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聖マルコ教会の美しい屋根の模様。
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左側がクロアチアの、右側がザグレブの紋章だそうです。
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残念なことに、屋根以外は満身創痍の改築中です。
イェラチッチ広場の建物のような配慮は、無理だったようです。 -
聖マルコ教会の向かいに建つ国会議事堂。丘の頂上附近のこのあたりは、政府の重要な建物や美術館、博物館などが集まっています。
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国会議事堂のすぐ横、これは学校のようです。
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エジソンを凌ぐ、と言われる天才ニコラ・テスラの像。交流発電機や誘電モーターを発明しましたが、地味な分野なために世界的な知名度は今ひとつです。クロアチアの生んだ巨人の一人です。
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丘の端に立つロトルシュチャク塔は、中世の見張り塔です。月曜日は休館で上へは登れませんが、正午に大砲を鳴らすというので時間を逢わせて来てみました。
旅行客や近所の人も、見物に集まって来ます。 -
右の窓に大砲、左の窓から砲手のおじさんが愛嬌を振りまいています。そろそろです。
12時ちょうど、ものすごい轟音がとどろきました。
これがザグレブの、正午の時報です。
“その瞬間”を撮ろうとカメラを構えていましたが、あまりの凄さに身体がのけぞり、カメラは空を向いて雲しか写りませんでした。
いやあ、びっくりしました。 -
振動で公衆電話も振るえ・・・
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近所の子供もこのとおり。
砲撃の轟音は毎日正午、たった一発だけ轟きます。
一発で十分な威力でした。 -
丘の左手の景色、大聖堂とザグレブの赤屋根。
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これは駅の方向。このあたり、丘は一段と高くなっています。
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下の新市街との高低差を、ケーブルカーが橋渡しします。
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すれ違うケーブルカー。乗れば2分、運行は15分ごとのようです。
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ケーブルカーの線路に沿って、階段も用意されています。我々も新市街へ降りてゆきます。
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整然とした街並み、住宅は3階建てが標準のようです。
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荷運びおばさんの像、下には花屋さんのパラソル。
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階段を降りるにつれて、お店が増えてきます。このあたりは青空市場から続いていて、人の流れも絶えません。
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花屋さん。
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ハートの街ザグレブの刺繍屋さん。
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手の込んだものは、値段も張ります。これはン万円。
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レストランのテーブルクロスもハート模様。これと同じ物を買って帰りました。
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階段を降り切って振り向くと、旧市街の丘へ繋がるケーブルカーの線路が。
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新市街へ降りてきました。イリツィア通りを手前に進むと、出発点のイエラチッチ広場に戻ります。
トラムは16系統。新型、旧型、青や赤、黄色のさまざまな電車がザグレブの町を縦横に走り回ります。 -
新市街の中心部は歩行者天国。両側には人気のブティックやアイスクリーム店などが並んでいました。
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季節モノの焼き栗屋さん。軽量カップで掬ったあと、素手でもう数粒をオマケしてくれます。全世界共通のサービス・テクニックです。
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古い建物がそのままショッピングモールになっていました。天井も立派です。
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中はネクタイの老舗CROATAなど、高級有名店で埋まっていました。
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クロアチアはネクタイの発祥地です。
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買い物を終えて、お昼過ぎにホテルへ荷物を取りに帰りました。ザグレブ出発は17:45発です。
ザグレブ空港まではTAXIで行け、とホテルのフロントに強く勧められました。ホテル契約の割安なTAXIを紹介するというのです。
ちょっと胡散臭かったのですが結局はこれを予約、170knで空港まで直行してもらいました。
驚いたことに、運転手は到着時にこのホテルまで来てもらったTAXIのおじさんでした。 -
15:00過ぎ、空港着。小さなTAX FREE SHOPで残りのKnを使い果たしました。持ち帰ると両替が困難だと聞いていました。
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帰りの便も往路と同じ、ルフトハンザとクロアチア航空のコードシェア便です。
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クロアチア最後の写真。これでフランクフルトまで飛び、そこから全日空とのコードシェア便で成田に帰ります。12日間の旅が終わります。
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【旅を終えて・・・・】
ドブロブニクから始まった旅行は、コトル〜スプリット〜フバル島〜クルカ国立公園〜シベニク〜トロギールと進んで、ザグレブで幕を閉じました。
モンテネグロをほんの少し含めて、クロアチアの南半分を覗いて来たことになるでしょう。
デジカメは大・中・小の3台持参しました。撮影枚数は2,000枚を超えて、整理が大変です。
どれもワンショット5秒以内の早撮りで、じっくり気に入った構図で撮影したい、という希望はほとんど満たされませんでした。ゆっくり旅行しているつもりでも、やはり日数に制約された“急かされ旅”だったのでしょう。 -
帰国後ちょうど1ヶ月経過して、今この旅行記をまとめています。正味はたったの10日程ですが、準備の段階から"まとめ"まで、数ヶ月も楽しめました。
今度の旅を相撲の番付風にまとめると、
《横綱》は何といっても「ドブロクニク」。独特の景観、アドリア海の青との対比の美しさ、完璧に保存され管理されている中世都市、世界中でここにしかないという圧倒的な存在感を示していました。
この街を最初に訪れたのが良かったのかどうか、迷うところです。 -
《大関》はふたつのSOBE。
ドブロブニクのGULL'S HOMEとスプリットのTOMAYAさん。どちらも4泊づつお世話になりましたが、ここでの人々との交流が旅をいっそう豊かなものにしてくれました。
貴重な情報もたくさんいただきました。
(写真は手つくり朝食が美味しいGULL'S HOMEの食堂。) -
《関脇》は季節でしょう。
お天気は快晴続き、気温も暑過ぎず寒過ぎず、人の混雑具合もちょうどいい時期に当たりました。
喫煙者にも寛容で、普通に(節度を持って)煙草を吸うぶんには何の障害もありませんでした。これも《関脇》級です。
(写真は中継地フランクフルト空港の喫煙コーナー。同じスペースに複数の喫煙ブースが設置されています。) -
《小結》は円高・ユーロ安。
航空券などは事前に払い込んでいたので効果は限定的でしたが、カード払いのレストランやホテルでは効きました。カード会社の請求書によれば、1kn=16〜17円で計算されています。
訪問地では、スプリットから訪れた美しいフバル島を《小結》に推挙しておきましょう。
ところで、写真は前泊した成田のホテル日航です。“外壁塗り替え中"の特価で、33?の広い部屋に朝食付き2人で11,000円。東京駅八重洲口からの送迎バス(有料)も便利でした。窓外に組まれた足場は我々には何の問題もなく、これもちょっと得をした気分でした。 -
《前頭》上位には、シベニクやトロギールなどの町や島が並びます。ただ、どこも造りがよく似ていて、特別な事でもないと印象に残らないかもしれないところが損をしています。
クルカ自然公園はきれいな公園ですが、短期旅行者が急いで見に行くところではないのかな、とも思いました。いい例ではありませんが、神奈川県なら「こどもの国」や「丹沢渓谷」のように、地元の人が休日をリラックスする場所として利用するような場所ではないかと感じました。
今回も幸運続きの12日間でした。
それは出発時、成田を離陸してすぐ窓に富士山が見えた時から始まっていたようです。(終)
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