2008/09/01 - 2008/09/02
1398位(同エリア1813件中)
fukiさん
山が私を呼んでいるのか、私が山を呼んでいるのか。
いずれ連休が取れたら高い山へ赴くつもりだった。
これ以上望めないほどの天候に恵まれ、剱岳の頂上からは全方位を見渡せた。
威風堂々とした山の姿が、心に棲んでしまった。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル
-
長野駅前から出ているバスで、長野県側からのアルペンルートの入り口「扇沢」へ。
日本で唯一という電気で走る「トロリーバス」で着いた先の黒部ダム。
ダムは去ることながら、遠くに見える立山の雄雄しい姿に感動。あれに行くのだ!と思うと戦慄が走るのであった。 -
ロープウェイを乗り継いだりしながら、交通機関でアクセスできる最後の地点「室堂」へ到着。
中年以上の方がたくさんいる。こんな老後の過ごし方もいいな。
それにしてもテントと寝袋の入ったでっかいザックを背負ってる女性一名・・・物珍しい目で見られる。
出発!! -
人も虫もいる。
まだそんな匂いのするエリア。 -
雷鳥沢。キャンプ場もある。私の目的地はさらに次のキャンプ場。
-
分厚い雲がごろんとしている。
そして音という音を吸収している。
静寂。 -
約4時間歩いて、16時すぎに剣沢キャンプ場に到着。
白黒の風景の中に、カラフルなテントが配置されている。
夜はチキンラーメンを食べてから暗くなるまで小説(『海辺のカフカ・下』)を読んで過ごす。
テント泊の時は、日が暮れたら即・就寝時間となる。
テントの中も周りも真っ暗。そんな時に何を考えるか。不思議とこれから先のことは考えない。「今まで自分が大事にしてきたもの」について、考えた。 -
朝は四時半に起きて、まっさらな冷たい空気の中、剱岳を目指す。
途中でご来光。
手を伸ばす。身体も心もぐうっと伸ばす。
こんな風に毎朝迎えられたら素敵だな。 -
歩いてきた道。テントを張った場所がもう小さく見える。
日が高くなって暖かくなってきた。
ガレ場が続く。 -
この先に見えるのが剱岳。
ここからさらに1時間半・・・
もう十分満足したので引き返そうとすら思うが、
やはり行くしか選択肢はない。 -
「ここ、どこに足かけるの?」
っていうほど、ほとんど垂直な壁。
こういうのが2,3箇所ある。 -
来た、頂上!
-
念のため記念写真。
-
ごつごつした岩の頂上地点から、文字通り全方位360度見張らせた。大きすぎる風景。
こんなことって、人の人生の中でほとんどないだろうと思う。
自分より高いところには空しかないこと。
いつもは見上げる山を見下ろしていること。
電線や車や上下水道や家や、文明らしいものが立ち入れないところにいること。
うーんと、でもそういうことじゃないんだ。
言葉を重ねても重ねても言い得ない感動だ。
山になりたくて、泣きたくなった。
憧れて近づきたくて近づいて、でも山は何も言わない。何も言わない。
ただ然りとしてそこにいる。人も緑の森も空も全部そのままに抱きとめながら。
人がどう足掻いたってかなわない山の歴史、地球の歴史。
その雄大さを前にすると、自分はすうっと消えて、ただ佇むのみ。
1時間くらいそうしていたと思う。
山の雄大さ。美しさ。強さ。
そんなものが心に棲んだ。生涯、忘れない風景。 -
海の向こうに能登半島が見える。
ここまで晴れることはほとんどない、と足しげく剱岳に登っている方が今日の天気を褒めた。 -
今回の山行で夢が一つ増えたんだ。
「日本アルプス縦走」。
白馬から始まって南は何だ?
とにかくテントと食糧をたっぷり背負って、ゆっくりじっくり黙々と歩いてみたい。
そしたら山になれるかもしれない。
そんなことを本気で思ったのだった。
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