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グムンデンで食器を買ったあと、バート・イシュルへ。温泉地バート・イシュルは皇帝フランツ・ヨーゼフが愛した町で、ここにある別荘カイザーヴィラで毎年のように夏を過ごしたのだそう。今も当時のまま残されているその別荘を見に行ってみることにしました。<br /><br />ゆっくり滞在する時間があったらカイザー・テルメ(温泉プール)にも入ってみたかったなぁ。

ザルツカンマーグート 湖水めぐりの旅(2)~孤独な皇帝フランツ・ヨーゼフの夏の別荘 カイザーヴィラ in バート・イシュル

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2008/07/17 - 2008/07/17

33位(同エリア39件中)

ショコラ

ショコラさん

グムンデンで食器を買ったあと、バート・イシュルへ。温泉地バート・イシュルは皇帝フランツ・ヨーゼフが愛した町で、ここにある別荘カイザーヴィラで毎年のように夏を過ごしたのだそう。今も当時のまま残されているその別荘を見に行ってみることにしました。

ゆっくり滞在する時間があったらカイザー・テルメ(温泉プール)にも入ってみたかったなぁ。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
レンタカー

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  • カイザーヴィラに一番近い駐車場に車を停め、早速、皇帝の別荘へ向かいました。<br /><br />別荘はこの橋を渡った向こうにあるのですが、うっそうと茂る木々に隠れてその姿はまだ見えません。

    カイザーヴィラに一番近い駐車場に車を停め、早速、皇帝の別荘へ向かいました。

    別荘はこの橋を渡った向こうにあるのですが、うっそうと茂る木々に隠れてその姿はまだ見えません。

  • 橋の下を流れるイシュル川。

    橋の下を流れるイシュル川。

  • 皇帝とシシィ(エリーザベト)もこの川辺の景色を眺めたんだろうな。

    皇帝とシシィ(エリーザベト)もこの川辺の景色を眺めたんだろうな。

  • 木立ちの間の坂道を登ると、目の前にカイザーヴィラが現われました。<br /><br />この別荘は元々はオーストリア帝国の宰相メッテルニヒが所有していたもので、この館を皇帝の両親が皇帝とシシィの結婚のお祝いに購入し、二人に贈ったのだそう。まわりは森に囲まれ、とても静かです。<br /><br />それにしても、皇帝とシシィの結婚に猛反対した母ゾフィー大公妃が二人にこのような贈り物をしていたとは、ちょっとびっくり。

    木立ちの間の坂道を登ると、目の前にカイザーヴィラが現われました。

    この別荘は元々はオーストリア帝国の宰相メッテルニヒが所有していたもので、この館を皇帝の両親が皇帝とシシィの結婚のお祝いに購入し、二人に贈ったのだそう。まわりは森に囲まれ、とても静かです。

    それにしても、皇帝とシシィの結婚に猛反対した母ゾフィー大公妃が二人にこのような贈り物をしていたとは、ちょっとびっくり。

  • ウィーンの宮廷生活を嫌ったエリーザベトも、この静かなたたずまいの別荘は気に入ったようで、はじめのうちはよく避暑に訪れていたそうです。<br /><br />購入当初、この館は中央部分だけしかなかったそうですが、皇帝が両側の部分を増築させ、エリーザベトの頭文字Eの形にしたのだそう。でも、皇帝のそんな粋な計らいもむなしく、エリーザベトの足は次第に遠のいてしまったとのことです。

    ウィーンの宮廷生活を嫌ったエリーザベトも、この静かなたたずまいの別荘は気に入ったようで、はじめのうちはよく避暑に訪れていたそうです。

    購入当初、この館は中央部分だけしかなかったそうですが、皇帝が両側の部分を増築させ、エリーザベトの頭文字Eの形にしたのだそう。でも、皇帝のそんな粋な計らいもむなしく、エリーザベトの足は次第に遠のいてしまったとのことです。

  • ファサードの鹿のレリーフ。この別荘は狩猟の館でもあったそうです。<br /><br />建物内部はガイドツアーで見学します(内部は撮影禁止)。ガイドブックではツアーはドイツ語のみとのことでしたが、わたしたちが着いたときにちょうど英語のガイドツアーが始まるところで、タイミングよくそれに参加することができました。日本語の解説書もあったので貸してもらいました。<br /><br />内部は思っていた以上に見ごたえがあり、1時間ほどのツアーがあっという間でした。礼拝堂、皇帝とシシィのそれぞれの書斎や寝室のほか、皇帝が狩猟に使った道具やシシィの遺品などなど、見るものがたくさん。皇帝の寝室は帝国の統治者の部屋とは思えないほど質素。部屋の片隅に置かれた祈祷台がすり減っていたのも印象的でした。<br /><br />そして何より驚いたのは、壁に掛けられたおびただしい鹿の頭骸骨。それらの鹿は皇帝が仕留めたもので、ここにあるのはそれでもその一部だそう。狩猟が皇帝の唯一の楽しみだったそうですが、それにしてもあまりにも多いその数。妻のシシィが留守がちで、その寂しさを狩りで紛らわしていたのでしょうか……。<br /><br />ところで、1914年7月28日にセルビアに対する戦線布告の署名はここの書斎でされたそうです(書斎のデスクは署名当時のままの状態で保存されています)。皇帝がバート・イシュルで過ごしたのはその夏が最後になったとのことです。<br /><br /><br />

    ファサードの鹿のレリーフ。この別荘は狩猟の館でもあったそうです。

    建物内部はガイドツアーで見学します(内部は撮影禁止)。ガイドブックではツアーはドイツ語のみとのことでしたが、わたしたちが着いたときにちょうど英語のガイドツアーが始まるところで、タイミングよくそれに参加することができました。日本語の解説書もあったので貸してもらいました。

    内部は思っていた以上に見ごたえがあり、1時間ほどのツアーがあっという間でした。礼拝堂、皇帝とシシィのそれぞれの書斎や寝室のほか、皇帝が狩猟に使った道具やシシィの遺品などなど、見るものがたくさん。皇帝の寝室は帝国の統治者の部屋とは思えないほど質素。部屋の片隅に置かれた祈祷台がすり減っていたのも印象的でした。

    そして何より驚いたのは、壁に掛けられたおびただしい鹿の頭骸骨。それらの鹿は皇帝が仕留めたもので、ここにあるのはそれでもその一部だそう。狩猟が皇帝の唯一の楽しみだったそうですが、それにしてもあまりにも多いその数。妻のシシィが留守がちで、その寂しさを狩りで紛らわしていたのでしょうか……。

    ところで、1914年7月28日にセルビアに対する戦線布告の署名はここの書斎でされたそうです(書斎のデスクは署名当時のままの状態で保存されています)。皇帝がバート・イシュルで過ごしたのはその夏が最後になったとのことです。


  • 別荘側から見た様子。正面には緑の芝と森が広がっています。この森の先にシシィがティーハウスとして使っていた小城があり、現在は写真博物館になっています。そこへもできれば行ってみたかったのですが、また雨が降ってきそうだったのでやめました。

    別荘側から見た様子。正面には緑の芝と森が広がっています。この森の先にシシィがティーハウスとして使っていた小城があり、現在は写真博物館になっています。そこへもできれば行ってみたかったのですが、また雨が降ってきそうだったのでやめました。

  • 見学後、カイザーヴィラに併設されているカフェ《Cafe im Kaiserpark》でお茶することにしました。

    見学後、カイザーヴィラに併設されているカフェ《Cafe im Kaiserpark》でお茶することにしました。

  • こちらはカフェのテラス席。<br /><br />ここのカフェで、皇帝の大好物だったグーグルフプフ(ドーナツ型のスポンジケーキ)が食べられるのですが、残念なことに売り切れでした。

    こちらはカフェのテラス席。

    ここのカフェで、皇帝の大好物だったグーグルフプフ(ドーナツ型のスポンジケーキ)が食べられるのですが、残念なことに売り切れでした。

  • テラス席から見たカイザーヴィラ。

    テラス席から見たカイザーヴィラ。

  • 飼い主さんがお茶している間、おりこうに待っていたわんこ。

    飼い主さんがお茶している間、おりこうに待っていたわんこ。

  • ひと息ついたので、そろそろ引きあげることにしました。<br /><br />写真はカイザーヴィラから橋へ向かう坂道。

    ひと息ついたので、そろそろ引きあげることにしました。

    写真はカイザーヴィラから橋へ向かう坂道。

  • バート・イシュルの町中まで来たら、また雨がポツポツ降ってきました。トリンクハレで飲用泉を飲んでみたかったけれど、ザーザー降りにならないうちに車に戻ったほうがよさそう。町の老舗カフェ《Cafe Zauner》にも行ってみたかったんだけどなぁ。まあ、一番の目的は果たしたのだからよしとしよう。

    バート・イシュルの町中まで来たら、また雨がポツポツ降ってきました。トリンクハレで飲用泉を飲んでみたかったけれど、ザーザー降りにならないうちに車に戻ったほうがよさそう。町の老舗カフェ《Cafe Zauner》にも行ってみたかったんだけどなぁ。まあ、一番の目的は果たしたのだからよしとしよう。

  • 観光馬車のお馬さん。この空模様じゃ、お客さんもいないよねぇ。<br /><br />車に戻り、これから3泊するザンクト・ヴォルフガングへ向かいました。走り始めてしばらくすると雨はどしゃ降りに。あのまま町歩きをしていたら、今ごろ大変だったかも。

    観光馬車のお馬さん。この空模様じゃ、お客さんもいないよねぇ。

    車に戻り、これから3泊するザンクト・ヴォルフガングへ向かいました。走り始めてしばらくすると雨はどしゃ降りに。あのまま町歩きをしていたら、今ごろ大変だったかも。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • hirootaniさん 2008/08/22 07:00:39
    私もそこにいきましたよ。
    ショコラさん こんにちは。

    ザルツカンマーグートって本当にいいですよね。私も昨年の夏に訪問しました。
    カイザーヴィラは、わざわざカイザーテルメの温泉に入るためにいったのですが、なんと改装中ではいれなかったのです。

    http://4travel.jp/traveler/hirootani/album/10178109/

    ショコラさんもはいられなかったようですが、すでに改装は終わったのでしょうか?

    残りの旅行記楽しみにしています。


    hirootani

    ショコラ

    ショコラさん からの返信 2008/08/23 01:04:43
    RE: 私もそこにいきましたよ。
    hirootaniさん、こんにちは。

    アルプスのハイキングからはもうお帰りになられたのかな? hirootaniさんは登山をなさるんですね。わたしもハイキングは大好きなのですが、体力がないので下り専門のへなちょこハイカーです。

    旅行記を見てくださってありがとうございました。ザルツカンマーグートは本当にいいところですね。すっかり気に入ってしまいました。

    カイザーテルメを目当てに行かれたのにクローズだったとは残念でしたね。バート・イシュルで半日くらい過ごせたら、わたしも入りたかったです。サイトを見たところでは、もう再オープンしているようです。カイザーテルメの外観だけでも見たかったのですが、あいにくの天気でそこまで行けませんでした。併設のホテルに泊まって温泉につかれたら最高だろうな〜。

    ショコラ

    hirootani

    hirootaniさん からの返信 2008/08/23 06:18:15
    RE: RE: 私もそこにいきましたよ。
    ショコラさん

    アルプスからは土曜日に帰りました。今回のアルプスでは、私もロープウェーで上に上って、歩いて下るだけのへなちょこハイカーでした。本当は訓練の積もりだったんですが・・・

    日曜日は念願のブラッセルのフラワーカーペットを見、今週は月曜日夜からカザフスタン・ウクライナへの出張でした。折角なので、明日・明後日はキエフに残って観光予定です。


    hirootani

    ショコラ

    ショコラさん からの返信 2008/08/24 18:11:03
    RE: RE: RE: 私もそこにいきましたよ。
    hirootaniさん、

    うわっ、スイス旅行からお帰りになって、すぐにウクライナとはすごい! キエフでオフのお時間もあるとのことなので、そちらも楽しんでこられてくださいね。

    ところで、スイスのハイキングですが、わたしも2年前にツェルマットへ行きました〜。そのときはグリンデルワルトとツェルマットとサンモリッツでハイキングをしました。そのときからハイキングにはまっています。それで去年はクロアチアのプリトヴィチェに3泊してハイキング、今年の夏は北イタリアのグランパラディソ国立公園と東リビエラのチンクエテッレの海岸線をハイキングしてきました(実は先週帰ってきたばかり)。

    ブリュッセルのフラワーカーペット、綺麗だったでしょうね〜。旅行記を楽しみにしています。

    ショコラ

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