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&#3623;&#3633;&#3604;&#3626;&#3636;&#3619;&#3636;&#3585;&#3636;&#3605;&#3636;&#3660;(ワット・シリキット)。<br /><br />町の人々は、この町の外れの一番高い山の頂に聳え、朝日に金色に輝やく尖塔を持つこの寺院を愛情を篭めてこう呼んでいる。この町、メーサロンへ来て、一度は訪ねるべき寺院。人々は、タイの(タイ北部のと言ったかも知れないが)3大壮麗寺院の一つがこの「シリキット寺院」であり、是非お参りに行くべきだ、と勧める。<br /><br />町から見て歩いて行けない距離でもなさそうだが、行く道も分からない。ツーリスト・ポリス(タイの場合、観光客専用の警察官がいて、英語も出来、観光案内などもしている。)の勧めに従い、100バーツ払ってバイクタクシーに乗って行く。このバイクタクシーに乗るのは、去年のお正月、ウドンタニのバスターミナルからホテルまで乗って以来の2回目の乗車。どうも不安定で、後ろにひっくり返りそうな怖い思いもし、片方の手でドライバーの胴体にしっかり巻きつき、左手は後ろの取っ手をがっちり掴む。<br /><br />くねくねした山道を走ること約20分、山の中にこの寺院が忽然と現れる。町の人が自慢するとおり、壮麗な寺院である。つい先日、タトンで、ワット・タトンにお参りしたが、それよりはやや小振りであるが、均整の取れた壮麗さは変わらない。<br /><br />タイへ来て、ドイ・インタノンの国王夫妻の二つのワット、ワット・タトン、それにこのワット・シリキット。幸運にも今回の旅行で一度に3つの壮麗寺院を見ることができた。旅行冥利に尽きるというものである。<br /><br /><br />この寺院の名称シリキット(&#3626;&#3636;&#3619;&#3636;&#3585;&#3636;&#3605;&#3636;&#3660;)は言うまでも無く、現国王婦人(何故かタイでは日本のように皇后陛下という呼び方はしない)のシリキット王妃のことである。<br /><br />妃はこの町で生まれ、育ち、後年ラーマ9世、プミポン国王の后になった。それを記念する寺院で、妃からの多大な喜捨も行われているという。仏教国なればこそのことである。祭政一致ではないにしても、国民の多大な尊崇の上に、現王室があまねく平和を齎しているのではないか。深い森の彼方に霞む、現ミャンマーの混乱の極みと対比して、そう考えざるを得なかった。<br /><br /><br />深い森の彼方には、第二次大戦中、多くの日本の敗残兵が飢餓に彷徨い、マラリアに苦しみ、餓狼の果てに命を落とした密林が続く。「飢餓街道」。誰がいつ銘々したかは知らないが、ミートキナの悲惨な戦場を思い、深い森を見ていているとつい涙ぐむものもある。<br /><br />「平和の礎」がタイにもあるとすればここに他ならない。この寺院はタイの人々にとって、半世紀前の日本軍の地獄、現今のミャンマーの混乱、現在のタイの平安をまざまざと対比させる絶好の場所にあった。深く頭を垂れ、この場所を後にした。<br />

タイ北部旅行(57)วัดสิริกิติ์(ワット・シリキット)

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2007/12/30 - 2008/01/09

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ちゃお

ちゃおさん

วัดสิริกิติ์(ワット・シリキット)。

町の人々は、この町の外れの一番高い山の頂に聳え、朝日に金色に輝やく尖塔を持つこの寺院を愛情を篭めてこう呼んでいる。この町、メーサロンへ来て、一度は訪ねるべき寺院。人々は、タイの(タイ北部のと言ったかも知れないが)3大壮麗寺院の一つがこの「シリキット寺院」であり、是非お参りに行くべきだ、と勧める。

町から見て歩いて行けない距離でもなさそうだが、行く道も分からない。ツーリスト・ポリス(タイの場合、観光客専用の警察官がいて、英語も出来、観光案内などもしている。)の勧めに従い、100バーツ払ってバイクタクシーに乗って行く。このバイクタクシーに乗るのは、去年のお正月、ウドンタニのバスターミナルからホテルまで乗って以来の2回目の乗車。どうも不安定で、後ろにひっくり返りそうな怖い思いもし、片方の手でドライバーの胴体にしっかり巻きつき、左手は後ろの取っ手をがっちり掴む。

くねくねした山道を走ること約20分、山の中にこの寺院が忽然と現れる。町の人が自慢するとおり、壮麗な寺院である。つい先日、タトンで、ワット・タトンにお参りしたが、それよりはやや小振りであるが、均整の取れた壮麗さは変わらない。

タイへ来て、ドイ・インタノンの国王夫妻の二つのワット、ワット・タトン、それにこのワット・シリキット。幸運にも今回の旅行で一度に3つの壮麗寺院を見ることができた。旅行冥利に尽きるというものである。


この寺院の名称シリキット(สิริกิติ์)は言うまでも無く、現国王婦人(何故かタイでは日本のように皇后陛下という呼び方はしない)のシリキット王妃のことである。

妃はこの町で生まれ、育ち、後年ラーマ9世、プミポン国王の后になった。それを記念する寺院で、妃からの多大な喜捨も行われているという。仏教国なればこそのことである。祭政一致ではないにしても、国民の多大な尊崇の上に、現王室があまねく平和を齎しているのではないか。深い森の彼方に霞む、現ミャンマーの混乱の極みと対比して、そう考えざるを得なかった。


深い森の彼方には、第二次大戦中、多くの日本の敗残兵が飢餓に彷徨い、マラリアに苦しみ、餓狼の果てに命を落とした密林が続く。「飢餓街道」。誰がいつ銘々したかは知らないが、ミートキナの悲惨な戦場を思い、深い森を見ていているとつい涙ぐむものもある。

「平和の礎」がタイにもあるとすればここに他ならない。この寺院はタイの人々にとって、半世紀前の日本軍の地獄、現今のミャンマーの混乱、現在のタイの平安をまざまざと対比させる絶好の場所にあった。深く頭を垂れ、この場所を後にした。

  • ワット・シリキットは町の郊外の高台に建っている。見た感じは近いようだが、バイクタクシーで行ったら、随分距離があった。

    ワット・シリキットは町の郊外の高台に建っている。見た感じは近いようだが、バイクタクシーで行ったら、随分距離があった。

  • ワット・シリキットの本殿。

    ワット・シリキットの本殿。

  • 本殿内に安置される仏像。工事中であっても、日本のようにうるさいことは言わないのがタイ流。

    本殿内に安置される仏像。工事中であっても、日本のようにうるさいことは言わないのがタイ流。

  • 内陣内の装飾。煌びやかである。<br />

    内陣内の装飾。煌びやかである。

  • 奥の院。この後ろの森はミャンマーまで続いている。

    奥の院。この後ろの森はミャンマーまで続いている。

  • 森と仏教。あらゆるものを飲み込み、永久に続く。

    森と仏教。あらゆるものを飲み込み、永久に続く。

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