2007/08/11 - 2008/08/19
213位(同エリア336件中)
ダイサクさん
2007年の夏旅、直前までキリマンジャロ行きを計画していたが、チケットが取れなかった。第二希望で手配していたバングラデシュへ8/11から行ってきた。バングラデシュ、世界最貧国とも呼ばれ、夏には洪水が発生し国土の1/3が水に浸る。当日首都ダッカに降り立った私はアクシデント(!)で怪我をし、病院へ。その後、日本領事館を訪れ、現地の病院で手術・入院。点滴を受けながらの入院4日間。
ある意味、最悪の一人旅、また一方では貴重な体験だったと言えるだろう。
今、言えることは、無事に日本で生活できていることへの感謝の気持ち。そして外務省職員、ダッカ山形友好病院のラーマン先生をはじめとするスタッフなどへの感謝の気持ち。
*写真は帰りに寄ったタイはバンコクのホテルにて
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真っ暗だった。
一眼レフのストラップを右手で握りながら、私は駆けていた。 履いていたビーサンは途中で脱げ、裸足で駆けていた。道沿いに並ぶ家々は生気を失ったように静まっていた。
灯りが見えた。
2m以上は優にある高い塀の向こう側にカメラを投げこみ、足場のない塀に手と足をかけ、よじ登った。なんとか塀の上に体を持ち上げ、その上の70cmほどの鉄柵の向こう側に体を投げこんだ。手と足にズキッと電気のようなものが走った。柔道の受身のような体勢で、敷地内に生い茂っていた草木の上にドスンと落ちた。
手からは血が出ていた。投げ込んだカメラを数秒探すが、ない。カメラを探すのをあきらめ、庭の角の受付からこちらを伺っている警備員たちのところに駆けていた。
-
「Help!HElp!」
言葉はほとんど通じなかった。突然敷地内に侵入し、手から血を流している東洋人を見た警備員はパニックになっていた。
「出ろ!出るんだ!」
警備員2人に門から真っ暗な道に押し出された。
再び、真っ暗な闇夜を駆けはじめた。どこを駆けているのかは、全くわからなかった。ただ、人がいるところに行かねばならないと思っていた。真夜中のダッカ市内を、独り、灯りを求めて駆け続けた。
幸いにも、貴重品だけは身につけていた。 -
再び、灯りが見えた。
その灯りは、希望の灯りそのものだった。
少しお金持ちの家だからか、バングラデシュの夜は危険だからなのか、その家の周囲にも塀、そして鉄柵があった。
再び、塀によじ登り、乗り越える。はたから見れば、強盗そのものだろう。客観的にそんなことを想いながらも、その時は躊躇もせずに、乗り越えていた。
家の前の庭から、家の中でテレビを見ている住人の姿が見える。 ドアをノックする。 住人がゆっくりとした動きでドアに近づいてくる。ドアが少し開く。
-
「Help !Help!」
血が流れている左手を見せながら、怪我をしている、どうにか家の中に入れて欲しい、お願いしますと必死で伝える。 今思えば、深夜に家族でテレビを見ていたら、庭先で物音がし、ドアがノックされ、開けてみたらこれまで見たことがない東洋人が立っていたら、手から血を流しながら、Tシャツを赤く染めなが
ら立っていたら、誰であってもびっくりするだろう!
幸いにも、この家の住人は私を家の中に招き入れてくれた。
「怪我をしている。病院に連れて行ってくれないか。警察でもいい。お願いします。お願いします。」
英語とジェスチャーでなんとか伝えようと試みるが、なかなかうまく伝わらない。が、怪我をした手を
ナプキンなどで拭いてくれる。
「落ち着け。大丈夫だ。」と言ってくれているようだったが、僕はまだ混乱していた。早く病院に行かなければ、警察に行かなければ。そんな脅迫観念に、憔悴にも似た心境でいっぱいいっぱいだった。
幸いにも家の住人がリキシャを呼んでくれた。そのリキシャに乗り、闇夜を走った。リキシャに揺られながら、私は闇夜で自分のことを探しているだろう彼らに見つからないよう、必死で祈っていた。
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