2007/08/11 - 2007/08/19
213位(同エリア337件中)
ダイサクさん
8月に入り、キリマンジャロ行きのキャンセル待ちの期限が切れた。よし、バングラデシュへ行こうー。出発まで時間がなかったこともあり、ビザは代行取得してもらう。その後、バングラデシュで洪水が起きたというニュースを会社の同僚から聞いた。
町は水に浸かり、伝染病などが蔓延し始めているという。会社の上司や両親との会話の中で、洪水の被害がひどそうだったら、バンコクから陸路でカンボジアへ行こうかと思いはじめた。
無理はしないで、そのときはアンコールワットでも見よう。
僕は社会人なのだ。そんな悩める心境で、とうとう出発日を迎えた。
前日は21時まで仕事をし、明け方までボランティアのWORKをしてから少し眠て実家に帰る。やはり旅に出る時は、家族に見送られていきたい。家族はいつだって自分にとってかけがえのない存在だ。母は徳島の田舎に帰っており不在であったが、父と兄に見送られて家を出た。 睡眠不足と行く先が確定していない心境からか、気だるさと不安が体を包んでいた。
果たして、今夏の旅はどうなるのだろう。
バングラデシュに行くか、それともアンコールワットに行くか。
水道橋で用を足し、新宿にあるJTBトラベルデザイナーに向かう。ここでチケットとパスポートをもらうのだ。少し待ってから呼び出される。キリマンジャロ行きのチケットなどに奔走してくれた担当者と対面。
「○○さん、いろいろとお世話になりました。バングラデシュは洪水が起きた直後みたいなので、もしかしたらバンコクから陸路でカンボジアに行くかもしれません。」
「ダイサクさん、チケットは一式ですから、バングラデシュに行かないとチケットは無効になりますよ。。」
「そうなんですか?」
「せっかくビザも取りましたし、バングラデシュ楽しんできて くださいよ!」
「・・ですね~!」
こうなったら行くしかない。今行かなかったら、バングラデシュへ行く機会は一生ないかもしれない。洪水後のバングラデシュなら尚更だ。 これもなにかの縁ー。そんなことを想いながら、成田行きの電車の中でぼんやりと窓の外を眺めていてた。
24時間後、リキシャーから降りた僕はあっという間に囲まれていた。
*写真はダッカの子供たち
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- タイ国際航空
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ダッカの町並みは、まるでモノクロ映画のワンシーンのようだった。
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曇天だったこともあるだろう。僕自身、タイの空港で一夜を過ごし、ダッカの空港では荷物紛失騒ぎに巻き込まれて疲労が溜まっていたこともあるだろう。
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しかし、何よりも大きかったのは、町を行き交う人々の表情や、彼らが発散させる雰囲気自体に明るさをあまり感じることができなかったからだと思う。
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空港前にある駅からダッカの中心街まで電車で行こうと思っていたが、ちょうど電車が出たあとみたいだった。客引きが集まってきて、雨がふってきたこともあり、リキシャーをつかまえて乗り込んだ。
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リキシャーとリキシャーの間隔は狭く、土の匂いが漂っているのを感じる。人口密度が濃いこの国では、地元の人々を乗せたリキシャーやバスが道路を埋め尽くしていた。
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ダッカ中心でリキシャーを降り、「ようやくこれでおれの旅も始まるか!」とテンションがあがった矢先、ストリートチルドレンが群がってきた。旅行者に群がるストリートチルドレンというのは、特別珍しいことではない。これまでの旅行でも何度も経験をしていた。自然に笑みがこぼれ、“旅モード”に入ったことに嬉しさを感じる。
が、同時に小さな怖さも覚えた。それは一気に群がってきて囲まれたこともあるのだが、何よりも彼らの表情を見てのことだった。
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仕事の傍ら活動しているNGOで、よくストリートチルドレンの写真などを見ることも多く、また、インドやネパールや各地を旅したときにもストリートチルドレンには多く出会うが、彼らの表情には貧しいながらも、ひたむきさや明るさ、まっすぐさを見てとれることが多い。もちろん、ドラッグをやっている子どもや絶望的な状況に置かれた子どもたちの表情からは、それらのポジティブな印象を抱くことはなかなか難しい。
自分を取り囲んできた彼らの表情は、ドラッグをやっていたり、絶望的な状況に置かれている子どもたちの表情ではないにしろ、なんとなく嫌な感じを覚えるものだった。
子どもたちは作り笑いを浮かべて、口々に「お金をくれ」と言って体を掴んで離さない。お金が欲しいのか、それとも日々の生活の中ではなかなか出会わないだろう東洋人旅行者が珍しかったのだろうか、後になってから想像しうる範囲での解釈でいうと、悪しき企みを持っていたためかもしれないー。
子どもたちに囲まれて、「ようやく旅らしくなってきたな」という思いと、少しの怖さを抱きながら、町中へ向かって歩いていく。ここがバングラデシュなのかー。インドとはうって変わって、町に活気を感じることはないものの、穏やかそうな表情を携えて歩く人がいる。
子どもたちは振り払っても振り払ってもついて来る。柔和な表情で彼らを追い払っていた為だろうか、次第に数を増やしながら、僕と共に歩こうとやめない。人数が10人程になってた。
そろそろ叱り飛ばして追い払って、今日泊まる宿でも探そうー。そう思った矢先、どこからか、よく耳に馴染んだ言葉が聞こえてきた。
「危ないよぉ。何をやっているんだ。」
びっくりしてその声の主を探す。辺りには日本人は誰もいなかったが、再度近くから声が聞こえてきた。
「大丈夫ですか?彼らは危ないですよ。こっちへ来てください。」
そこには、40代後半くらいの年のバングラデシュ人がいた。第一印象で言うのならば、僕の直感は当たっていたのかもしれない。彼の表情からもまた、健康的な匂いを感じることができなかったのだ。
それはこの日深夜の出来事から、結果的にそう思えるところも多々あるだろう。事実、僕はこの日の深夜、彼らから危険を覚え、逃げ出し、怪我をすることになる。
それが、僕と彼(以下、M氏と呼ぶ)との最初の出会いだった。
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