2007/07/18 - 2007/07/18
340位(同エリア456件中)
まみさん
2007/07/18(水)第11日目:マラムレシュ地方観光3日目(w/現地ガイド)
【宿泊:Pension Prisacaru(ヴァド・イセイ村)】
シゲット・マルマッツィエイの市場見学、木彫りの門の彫刻家のアトリエ見学、バルサナ修道院、ボティザの司祭の家で昼食&カーペット・アトリエ見学、ボティザの木造教会、イェウドの木造教会(閉鎖中だったので窓から眺めた)
※時間が足らなくて、ポイエニレ・イセイの教会には行けなかった(泣)
ボティザの教会のそばには、2人の司祭さまが暮らしていました。
それぞれ家庭をもって。
1人は、たくましい腕むき出しのシャツ姿でしたので、昨日のサプンツァ・ペリ教会の司祭さまと同様、「大工のおっちゃん!」に見えてしまいました。
その司祭さまのお宅に招かれて、奥さんの手料理をごちそうになりました(要予約で有料)。
この奥さん───ヴィクトリア・バルベカル(Victoria Barbecaru)さんは、長いこと見捨てられていた伝統的な織物と染色技術を復活させた方で、彼女の作品はヨーロッパ中で見られるそうです。
つい昨日も、テレビの取材を受けるためにブカレストまで行っていたとか。
昼食の後で、彼女のアトリエを見学し、織物も見せてもらいました(売り物でしたので買っても良かったんですけどね)。
おなかの大きな娘さんにも会いました。
彼女と少しばかり、日本語で会話しました。
彼女は日本語をクルージ・ナポカの大学で学び、現在、日本語と英語を教えているとのこと。
この司祭さま夫妻にはもう一人娘がいて、彼女は医者で、イタリアで働いているそうです。
ルーマニア正教の司祭さまって結婚ができるんですね───と、後で現地ガイドのニコラエさんに聞いたところ、自分の家庭をもって家族愛と苦労を知らなければ、司祭さまにはなれないとのことでした。
(少なくとも一定階級以上の聖職者。ニコラエさんは私のレベルに合わせて平易に解説してくれましたので、アバウトです。)
キリスト教といえばまず思い浮かべるのは、聖職者に結婚を禁じ、神への愛の貞節を誓うカトリックなので、これにはびっくり、でも目からウロコ。
(新教でも牧師さまが結婚できるのは知っていますが(「赤毛のアン」に出てくる牧師さまがそうだったから@)、新教ではカトリックや正教会のような聖職者のヒエラルキーがなかったと思いますし、結婚しないと司祭以上になれないとかいうこともなかったような。)
でも修道士は妻帯しないそうです。
ボティザの教会のもう一人の司祭さまにも会いました。
日本語を話す娘さんと結婚した、さきほどの司祭さま夫婦にとっては義理の息子さんです。
おひげの顔と、日に焼けて赤くなったほっぺの優しい顔つきの若い司祭さまから、サンタクロースを連想してしまいました@
といっても、ステレオタイプのサンタクロースより若くてハンサムでほっそりしたイメージ@
若い司祭さま夫妻には2才くらいの男の子がいました。
ふだんはとってもやんちゃらしいのですが、私という外国人に会って緊張していたのか、おじいちゃんの腕の中でとても大人しかったです。
おめめぱっちりで、表情をほとんど変えなかったので、動かなければお人形さんかと思ってしまったくらい、はっきりした顔立ちの可愛い男の子でした。
別れ際、私がバイバイしたら、やっと反応してくれました。
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毛織物のアトリエとなっている木造家屋の別棟
ひょっとしたら、昔はこの木造家屋の方が本宅だったかもしれません(あくまで私の推測)。
現在、司祭さま一家は、石造りのもっと近代的なお宅で暮らしていました。 -
アトリエの前にトロイツァ
十字架が3つ重なったモチーフです。
そういえばルーマニア語で「3」=「trei(トレイ)」。
トレイとトロイツァ、似てるかな? -
木造の立派な門
この門の向こうに、司祭さまのお宅と教会がありました。
それにしても、これまで木造の門をたくさん見てきましたが、これほどの大きさのものはめったにありませんでした。
教会見学の前に、先に司祭さまのお宅で昼食をいただくことになりました。 -
司祭さまのお宅のダイニングに飾られていた毛織物のカーペットとバジル
食事が運ばれるのを待っている間にもパチリ。
だってこの毛織物の模様が、マラムレシュ地方の典型的なデザイン、生命のダンスの「ホラ(Hora)」だってニコラエさんが説明してくれたんですもの。
手をつないで踊る女性のみつあみ頭の背中姿です。
というのも、女性は子供を生むので、生命のシンボルなのだそうです。
背中を向けているのは、未来に目を向けているからだそうです。
そしてスカートは、マラムレシュ地方の伝統衣装です。巻きスカートの「ザディエ」。
そしてその脇の乾燥バジル。
ルーマニアでは、バジルは、司祭さまがイースターの食べ物や新しい教会を建てたときなどに聖水につけて祝福するために使うものであって、口のするものではないそうです。
祝福に使われたバジルは、こうして飾ることもあるそうです。
そういえば他にも教会内でこうして飾られたバジルを見た覚えがあります。 -
司祭さまのお宅のダイニングに飾られていたガラス絵
厳密なイコンではない、とニコラエさん。
私がイコンと勘違いして写真を撮ったのかと思ったせいかもしれません───単に可愛らしくて気に入っただけなんですけどね@
お祭りの絵でしょうか。
これはルーマニアのサクソン人の村がモデルだそうです。
サクソン人はこのように家と家がくっついて、間に門がある建て方をするのだとか。
そういえばブラショフでこういう家並みを見かけましたっけ。
事実、絵には、チンク(Cincu)と書かれてあって、ニコラエさんから、ブカレストに近いトランシルヴァニア地方の地名だと教えてもらいました。
また、ニコラス・スク(Nicolas Sucu)という画家の署名も入っていました。
関連の写真:家と家がくっついて間に門がある、サクソン人らしいブラショフの町並み
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12118124/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12118125/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12118127/
関連の旅行記
「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第19日目ブラショフ2日目(5):スケイ地区散策」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10144364/
上から見たブラショフの町並みはモロにドイツっぽいです@
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12082856/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12082857/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12082858/
関連の旅行記
「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第19日目ブラショフ2日目(3):トゥンパ山へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10142442/
2007年の今回の旅行で見たシビウの家並み
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12678883/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第4日目(2)シビウ:大広場・小広場をめざして+雨あがりの帰り道」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10178563/ -
司祭さまのお宅のダイニングに飾られていたガラス絵
クリスマスでしょうか。
それにしてもステキな民族衣装です@
ちなみに、サクソン人の家に対して、マラムレシュの典型的な家の建て方は、垣根が低くても、外から家屋や庭がよく見えます。
たとえば、ここマラムレシュに来るまでに見学した、ブカレストやバイア・マーレの野外博物館にあった家屋などが参考になります。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12589172/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第2日目(5)ブカレスト:ルーマニアのフォークロアの宝庫・農村博物館・その1」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10172885/
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12841120/
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「2007年ルーマニア旅行第8日目(1)バイア・マーレ:花盛りの野外民俗博物館・その1」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10185200/ -
ブドウの葉にくるまれた、あつあつのサルマーレ
司祭さまのお宅の昼食で出たメインディッシュです。
もちろん、これ一個ではなく、テーブルの中央には山盛りになっています。
「サルマーレ」とは、ルーマニア版ロールキャベツ。
酢漬けのキャベツに挽肉、タマネギなどを包み込み、充分に煮込んでつくるもので、見た目よりはるかに手間のかかる料理だそうです。それがブドウの葉でくるまれたものもあるとは知っていましたが、たいていキャベツです。
でもこれは、ブドウの葉@
中はライスです。五目ライス?
ブドウの葉はよく蒸されていて、とっても柔らかかったです。
後にブカレストで、やはりブドウの葉にくるまれたサルマーレを食べましたが、葉っぱの柔らかさ、味のしみこみ具合は全く違いました。
もちろん、家庭料理に軍配!
社会主義時代にあまり外食産業が発達しなかった東欧諸国は、レストランの料理よりも断然、家庭料理!───という国がまだまだ多いですものね。 -
木造家屋のアトリエに飾られていた毛織物のカーペット
2種類の「生命のダンス(Hora)」が描かれています。
縞模様のスカート「ザディエ」を身に付け、みつあみ頭の女性の背中姿と、無地の長いスカートと帽子をかぶった女性の姿。
Metaneira社のマラムレシュガイドブックによると、こういう手作りの織物のカーペットやラグを「トルリ(toluri)」というそうです。
染料には化学染料は一切使われてなく、自然の花や植物や野菜からとられています。
緑、青、灰色、黄、オレンジ、赤、そして青ですら自然のものが材料です。
たとえば、クルミ、タマネギ、マスタード、イラクサ、クサノオウ、ユキノハナ科の植物、樺の木、ハンノキの樹皮など。
アトリエにはその材料もおいてありました。 -
木造家屋のアトリエに飾られていた毛織物のカーペット
昔から使われている、マラムレシュの人々にとってはなじみ深いモチーフのオンパレード。
熊手みたいなのは、「生命の木」です。
ほかに、馬やシカや花など。 -
木造家屋のアトリエにあった家具
絵が描かれていた古めかしい家具に目をつけました。
ニコラエさんいわく、これはこの地方のものでもルーマニアのものでもないようだ、とのこと。
ハンガリーか、あるいは長いことハンガリーの支配下にあったトランシルヴァニア地方かも。
そういえばブダペストの民俗博物館で見ました。
ばっちり写真を撮っています。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11485140/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11485142/
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「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第3日目(2)ブダペスト:民族博物館」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10104268/
それから、ルーマニアでは、木造の家具なり民芸品、それから木造建築もそうですが、装飾としては主に浮彫を施し、特に彩色せず木の色を残します。ウクライナも同様。
それに対して、ハンガリーやポーランドは色鮮やかにペイントする傾向がある、とニコラエさんが教えてくれました。
それは、私も、今までの旅行経験からそれには大いに納得できました(ウクライナはまだ行ったことはないですけど)。
テーブルの上に乗っているもののうち、確実にルーマニアの民芸品と分かるものもいくつかあります。
木のコップや奥の黒い陶器@ -
木造家屋のアトリエに飾られていた毛織物のカーペット
井戸、木の門など、これもマラムレシュの人々にとって身近なものがモチーフとなっています。
てこの原理を使ったこのタイプの井戸は、ブルサナ村の木彫り師の家のそばで見て、写真を撮りました@
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12985034/
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「2007年ルーマニア旅行第11日目(2)マラムレシュ地方:ブルサナ村の木彫り師のアトリエを訪ねて」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10195173/ -
司祭さまのお宅にて
おそらくお孫さんのぬいぐるみだろう、とニコラエさん。
そして本がたくさん! -
司祭さまのダイニングに飾られていたガラス絵
これも可愛らしいので撮ってしまいました@
木に家が建っている───木は系譜を示します。
ということで、可愛いと同時に、なかなか意味深なモチーフです。 -
立派な木造の門、再び
これからいよいよ教会を見学しに行きます。
ただし、木造教会は手狭なので今は使われてない、とニコラエさんがあらかじめ説明してくれました。
鍵を借りるためにいったん敷地の外に出て、若い司祭さまのお宅を訪ねたので、この立派な門の写真を、アングルを変えて再びトライしてみました。
さっきは逆光に悩まされましたから。 -
7つの塔のある石造りの新教会(手前)と木造教会(奥)
ボティザの木造教会は1694年に建てられたものですが、ボティザ村の教区の人口も増え、どうにも手狭になったため、石造りの大きな新しい教会が1974年(あるいは1975〜1976年)に建てられました。
その新しい教会の方も、今までこのマラムレシュ地方に来るまで私を夢中にさせたルーマニア正教会そのもので、私は入口ポーチの壁画をチラッと目にしたときから大変興味がそそられました。
本当は、こっちの教会のポーチの壁画の写真も撮りたかったのですが、ニコラエさんの手前、写真をパチパチやるのがなんとなく気が引けて、新しい教会の写真はこの一枚にとどめました。
なにしろ、ニコラエさんは、古き良きマラムレシュの伝統文化を紹介したがっていましたし、ふつう観光客は、私を含む、それを目当てにマラムレシュにやって来るわけですからね。
木造教会が手狭になったという仕方がない理由から現在のボティザの教会は石造りの新しい教会の方ですが、ニコラエさん自身も、木造教会が現役でなくなったことを非常に残念がっていました。
それに石造りの教会なら、ここマラムレシュ地方でなくてもルーマニアのあちこちで見られますから、来週以降、また一人で回っているときに好きなだけ撮ればいいんです。 -
二重の屋根と塔が魅力的な、ボティザの木造教会
もう使われていない教会だけあって保存状態は良くなかったので、写真はこれしか撮っていません。
中に入りましたが、確かに小さな教会でした。
(情報源:RomanianMonasteries.orgのサイトで購入したMetaneira社のマラムレシュガイドブックによると、今の木造教会がある同じ場所に、14世紀の木造教会があったはずですが、それが手狭になったので、ヴィセウ・デ・ジョス(Viseu de Jos)の1699年の木造教会が1899年にここボティザに移築されたそうです。
木造教会っていろんなところで大事に使いまわしされてきたんですね@
しかし、その新しい木造教会もボティザ村が大きくなるにつれて再び手狭となり、1975〜1976年(ただしLonely Planetによると1974年)に石造りの教会が建てられました。 -
墓地の屋根つきのキリスト磔の十字架
-
ボティザ村の境界線にあったトロイツァ
十字架を守る屋根付
「モロシェニ(マラムレシュの人のこと)はルーマニアでもとりわけ信心深い。十字路や三叉路や路傍によく、木の十字架が立っている。十字架(クルーチェ)には、ところどころはげかかって、時には錆びてもいる下手な細工の着色したブリキのキリストがはりつけられている。十字架の前を通る時、ほとんどのモロシェニが十字を切るか、神さま、私を守ってください、とすばやく唱える。」
(「マラムレシュ〜ルーマニア山村のフォークロア」みやこうせい著(未知谷社)より)
このタイプのトロイツァ(ルーマニア版道祖神のようなもの、道端の十字架)は、マラムレシュ地方でよく見かけました。
トロイツァ自体は、ルーマニア全土で見られます。
村や町の始点と終点にはほぼ必ず、そして道が交差するところによく建てられるようです。
また、教会にはほぼ必ずあります。
ただ、マラムレシュで多く見かけたこのタイプのものは、キリストの絵が稚拙なのがはじめのうちは気に入らなくて、写真に撮りたいと思いませんでした。
しかし、コマーシャル効果のようなものでしょうか、いくつも見てくるうちに、だんだん愛着が沸いてきました。
このトロイツァのキリスト磔像が教会の敷地にある場合、彫刻=三次元の場合は、神と神の子と聖霊の三位一体を唱えるカトリック(おそらく多くの場合はもと正教会のギリシャ・カトリック)、そして絵=二次元の場合は、聖霊は神から発するが人から発しない(すなわち、父なる神と神の子の2つのペルソナ(人格・位格)しか認めない)とする東方正教、つまりルーマニア正教会、と見分けがつく───とニコラエさんに教えてもらいました。
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