2006年ハンガリーとルーマニア旅行第19日目ブラショフ２日目(3)：トゥンパ山へ

2006/10/26 - 2006/10/26

2006/10/26（木）第19日目：ブラショフ
中央公園近くの墓地散策、11月１日通りのルーマニア正教会、MADOでティータイム、中央広場、黒の教会、ケーブルカーでトゥンパ山に登り展望台へ、スケイ門とスケイ地区散策、スケイ地区の聖ニコラエ教会と墓地散策、統一広場から中央広場まで写真撮影散策

午前中に中央公園の前の墓地と11月15日大通りのルーマニア正教会を見学できたとはいえ、ガイドブックで薦めるようなブラショフ観光を開始できたのは午後からです。
まずはスファトゥルイ（中央）広場に行き、黒の教会や歴史博物館を回り、それからスケイ地区に行って聖ニコラエ教会と学校博物館を見学しましょう。
そんな青写真を思い浮かべていた私ですが、黒の教会を見学し終えて歴史博物館の入口の前に立ったとき、博物館の閉館時間が18時で、思ったより遅くまで開いていることを知りました。
歴史博物館を見学するのに、まだ時間に余裕がある───。
そう思ったら、急に、トゥンパ山に登りたくなってしまいました。

ブラショフの旧市街を囲むようにしてそびえる標高865mのトゥンパ山。
「地球の歩き方」には「中世の町並みが一望できる。カルパチア山脈のすそ野にこぢんまりと華開いたように見える赤茶色の屋根群が、なんとも美しい。」とあります。
それにネットでブラショフ情報を下調べしてみると、たいてい、山頂からの景色は良い、と薦めていました。「トゥンパ山は登るべき」と書いてあるところもありました。
そしてちょうど今は、トゥンパ山そのものも、紅葉の姿にドレスアップされていて、ところますます魅力的になっています。

しかし、やはりケーブルカーで登れることが、トゥンパ山に行こうとは思った決め手です。
山登りが特に好きでもない私にとって、ケーブルカーで手軽に上り下りできるというのは魅力の１つです。

ただし、ケーブルカーの運行本数はそんなにたくさんないと思ったほうがよいです。
いま、時間は14時30分。
トゥンパ山のケーブル駅は17時まで。つまり、17時には下りていなければならないことになります。
というより、17時には駅が閉鎖できるように、最終便は16時台に出るはずです。
行くなら、早めに行った方がよいです。
歴史博物館は、今からトゥンパ山に行って帰ってきてからでも、きっと間に合うでしょう。

と思ったけれども。
あいにくケーブル駅は歴史博物館のあるスファトルイ（中央）公園から思ったより遠く、また、ケーブルカーで上ったら上ったで、上った先はそれほど見晴らしはよくなかったため、展望台のようなところまで歩きたくなりました。
そのおかげで期待どおりの展望を楽しんでいるうちに、次に行くところについては気が変わってしまい、歴史博物館をあきらめました。

あのときは簡単にあきらめた歴史博物館ですが、帰国後にまた旅行記やガイドブックや書籍をひっくりかえしているうちに、思ったより充実した展示のある博物館だったらしく、後悔しました。

でも、後悔したのは、歴史博物館をあきらめてしまったことだけです。
トゥンパ山に登ったことも、気が変わって次に向かったところも、どちらも行ってよかったと思います。これについては後悔していません。
時間的に両方選ぶことはできなかったのですから、仕方がありません。

エリア ブラショフ(ルーマニア)

スファトゥルイ（中央）広場から見上げるトゥンパ山

ケーブルカーが見えます。
あのケーブルカーでトゥンパ山へ登りましょう。

「スファトゥルイ広場から東に見える小山はトゥンパ山。ケーブルカーが通じていて、865mの山頂までわずか数分で運んでくれる。今は市街地を一望する人気の観光名所になっている。この山にはブラショフで最初に要塞が建てられた。かのヴラド・ツェペシュがかつてここを攻撃し、陥落させた。その時には彼はザクセン人の主な商人40人ばかりを引っ捕らえ、トゥンパ山の山頂で串刺しにした。現在の平和な佇まいからは想像だにできないことである。」
（「旅名人ブックス　ルーマニア　伝説と素朴な民衆文化と出会う」（日経BP社）より）

カステルルイ（Castelului）通りから見上げるトゥンパ山

ケーブルカー乗り場に向かう途中です。
トゥンパ山があまりに美しいし、道路沿いにもなかなかステキな建物が並んでいるので撮りました。
左手はケーブルカーで登れる山頂でしょう。
右手にあるBRASOVの文字。実はあのあたりが展望台だったのです。
これからあそこまで行きます。
というのは、登ってみてから分かったことです。
この写真を撮った時点では、まさかあそこまで行くとは思ってもいませでした。

やっとケーブルカー乗り場に着きました。
壁のケープルカーが可愛いです@

実は黒の教会のところで一緒だった女の子の集団と、ここでもまた一緒になってしまいました。
と言いつつも、ケーブルカー乗り場は分かりにくく、彼女らが通行人に聞いたり、地図を見ながらあーだこーだ言いながら歩いている後ろをはからずもくっっいて歩くことで、私もこの乗り場を思ったより苦労せず見つけることができたといえます。
でないとこの付近でもっとうろうろしてしまったと思います。

登るケーブルカーの窓から
中世の雰囲気の残るブラショフと、遠景に見えるトランシルヴァニア・アルプスの山々

ちょうど15時発のケーブルカーに乗ることができました。
乗り場に着いたときは、15時２〜３分前だったのです。
切符売り場には時刻表はありませんでしたが、時間的に15時ぴったりにあってもおかしくないと思っていたので、売り場では早く切符を買いたくて焦りました。
しかし、私の前にいた20人近くの女の子の集団が切符を買うのに手間どっていました。
大人が一人引率で、小学生低学年くらいから高校生くらいの団体だったので、子供料金と大人料金の組み合わせで、いくらになるかすぐに計算ができなかったようです。
しかも、引率らしき大人の女性は、中学生くらいの子たちに「あなた、何歳だったっけ？」と改めて聞いている有り様だし。
でも切符売り場の人が私たちに切符を売った後、「急いで、走って、走って！」と叫んでくれて、その勢いのまま、飛び乗りました。

登るケーブルカーの窓から

白い塔が見えます。
スファトゥルイ（中央）広場もちらっと見えます。
とすると、あの教会は、黒の教会なのですね。こうして眺めると、ちっとも黒くないです（笑）。

ケーブルカーで着いた山頂にて
子犬がいました。可愛い@
でも野良犬ですよね。

トゥンパ山の山頂にいた子犬

写真は１匹ですが、３匹でじゃれていてやっぱり子犬は可愛い、と思ったので撮りました。
でも野良犬には違いないので、少し離れたところから。

まもなく親犬が出てきたので、用心して離れました。
ルーマニアで野犬は要注意ですからね。
犬たちが私が向かう方についてくるそぶりを見せたときはドキッ！としましたが、やがて犬たちとは進路が分かれました。

展望台へ向かう途中で見下ろしたブラショフ旧市街
黒の教会を中心に

ケーブルカー乗り場の山頂駅は、あまり見晴しが良くないです。
ケーブルカーの窓から見た方がずっと良かったくらい。
仕方がないので、展望台の方にも行くことにしました。

展望台へ向かう途中で見下ろしたブラショフ旧市街
ポスタヴァルル山に白の塔が見えます。

展望台に向かいつつ、本当は山歩きをするつもりなどはこれっぽっちもありませんでした。
しかしここまで来たからには、やはり展望台まで行かずにはいられなくなりました。
登ってすく降りるのでなくては、歴史博物館に行く時間がなくなるかもしれないと思いながら。
ただ、山道には柵などなく、こんな風にすぐ足元に町を見下ろせるのはいいけれど、あまり近付くと足を踏み外しそうで、クラクラします。
自己責任───そういうことなのでしょう。

展望台から見下ろして
スファトゥルイ（中央）広場を中心に

さすがに見晴しが良いです。紅葉もきれいです。
向かいの山は、ポスタヴァルル山（Muntii Postavarul）でしょう。
ブラショフ旧市街は２つの山に挟まれていて、防衛上も好都合だったに違いありません。

BRASOVの看板のうしろ

展望台はここだったのです@
正確にはこの文字の裏を渡り切ったところ。

展望台から

ブラショフ旧市街のオレンジ屋根が続く様子もいいですけれど、紅葉が本当にきれいです@

展望台から

手前に写っているのは展望台の柵です。
このあたりはスケイ地区でしょうか。
と思ったら、聖ニコラエ教会の位置を確かめたくなりました。
山を下りたら今度こそ歴史博物館に行こうと思ったのですが、急にスケイ地区の聖ニコラエ教会の方に行きたくなってしまいました。

展望台から
ブラショフを囲むもう１つの山、ポスタヴァルル山

展望台から

望遠で撮りました。
スファトゥルイ（中央）広場と白い塔を中心に。
旧市庁舎もくっきりとよく見えます。
こうして見ると、スファトゥルイ広場はきれいな三角形ですね。
黒の教会も。
白い塔には人影があります。
時間があればあの塔まで行ってみたいけど……たぶん時間はないでしょう。

展望台の十字架

トゥンパ山の岩肌は白いですね。

展望台から

パノラマで撮ってみました。
ポスタヴァルル山と彼方に広がる平原とトランシルヴァニア・アルプス。
ポスタヴァルル山の紅葉も見事です@

トゥンパ山の紅葉

日本で埼玉のベッドタウンに住む私は、関東ではこのようにきれいに紅葉に染まった山を身近に見ることはできないでしょう。
秩父まで足を伸ばさない限り。
ルーマニア第２の都市でありながら、町中でこんな身近に美しい紅葉の山が見られるなんて、すばらしいです。

展望台からロープウェイ乗り場に戻る山道

柵がないです、柵が！
ちゃんと歩いていれば落ちることはないけれど、ちょっとおっかない@

下りのケーブルカーの窓から
トゥンパ山がカラフルです！

16時発の下りケーブルカーに乗ることができました。
乗客は私一人っきりでした。
ケーブルカーの運ちゃんは、最初、乗客が一人しかいないのでは、運行しない、などといじわるを言いました。
乗ろうとしたときも、ダメだとか言われて途方にくれかけた私。
ほかに乗客が来るまで待たされるのかな、と思ったのですが、ケーブルカーはちゃんと定刻に出発しました。

下りのケーブルカーの窓から

上りのケーブルカーがやってきました。
コカコーラの宣伝が派手すぎ。

下りのケーブルカーの窓から

だいぶ低い位置になりましたが、白い塔とスファトゥルイ（中央）広場の旧市庁舎が、いいアングルで見えます。
このケーブルカーの窓からの景色も本当に絶品でした@

石段の落ち葉

ケーブルカー乗り場から下の道路に続く石段です。
落ち葉の散らばり具合が、なんだか絵になるなぁと思って。

さあ、この次は、スケイ地区の聖ニコラエ教会へ急ぎましょう。
時間は16時を少しすぎたところ。
聖ニコラエ教会は17時までです。
たどり着くまで一時間もかかるとは思えません。急げばきっと間に合うでしょう。

この旅行記へのコメント （5）

• babyananさん 2007/05/04 02:46:30

  まみさんも登りましたね♪

  まみさん、こんにちは☆
  
  トゥンパ山へ、まみさんも行かれたのですね。
  私も、きっとケーブルカーでもなかったら行かなかったかもしれませんがｗ
  時期が違うので（くどいですね・笑）、紅葉の景色が新鮮。階段に落ちていた落ち葉や、ケーブルカーから見えるカラフルな木々など、ふとした景色もとてもステキですね。
  
  私は朝一で登って、その後ウロウロした流れでしたが、中央から意外と距離がありますよね。時間が早かったためかあまり人には会いませんでした。同じように観光できていたと思われる、小さな子供を連れた家族一組だけ･･･と書きながら、あっ、そんなことなくって帰りは子供の団体に遭遇。日本人の私を物珍しそうに見ていましたっけ。地元の子供たちでしょう、きっと。
  
  たしか、ケーブルカーのチケットのシステムはかなり進んでいたような。。。列車の切符とは大違い！（笑）不思議に思いましたね。
  
  そうそう、のら犬も多い！
  
  あ〜。
  また、行きたくなってきちゃいましたよ。。。
  来年、また行こうかしら？（爆）
  

  まみさん からの返信 2007/05/07 18:01:12

  RE: まみさんも登りましたね♪

  babyananさん、こんにちは。書込みありがとうございます。
  
  登りました、トゥンパ山。
  シギショアラ旅行記を調べたときに、babyananさんをはじめ、意外にトゥンパ山がお薦めだったので、それで頭の隅に記憶に残り、足が向いてしまったのだと思います。
  おっしゃるとおり、中央広場から意外に距離があって、見つけにくかったですね。
  チケットシステムとは、つまり改札と往復使える磁気チケット（でしたっけ？）のことでしょうか。
  ええ、シギショアラからブラショフ行きの窓口で買ったボール紙のチケットには唖然、というか、ノスタルジアを感じさせてもらいました@
  ブラショフからブカレストへの移動はC.F.Rのオフィスで買ったので、ふつうにコンピューター制御で、プリントアウトチケットでした@
  
  10月は紅葉の時期で、本当にすてきでした。
  日照時間の短さについては嘆いていましたが、代わりに美しい紅葉とハンガリー部分とあわせて約3週間、雨にほとんど遭遇しなかったことで十分、おつりがきました。
  でも朝晩、寒かったですね。安ホテルとプライベートルームは暖房きいてませんでしたから（笑）。

• パパスさん 2007/05/02 07:55:30

  決めました。

  まみさん、おはよーございます。
  
  やはりルーマニアは良いですね。
  色々調べてみましたが、結構時間が中途半端ですね。
  短期間の旅行では移動に時間が掛かり過ぎ、見る所が少なくなってしまいますね。
  でも行きたい！！！
  
  ケーブルカーの窓から見えるブラショフ＆トランシルヴァニア・アルプスの山々
  も素晴らしい景色ですね。
  勿論、ルーマニア正教会もですが。
  
  という事で８月はルーマニアに決定しました。
  
  パパス。
  
  

  まみさん からの返信 2007/05/02 13:03:03

  RE: 決めました。

  パパスさん、こんにちは。書込みありがとうございます。
  
  おお、ルーマニアに決定ですか、お仲間〜！
  
  いまは下調べと同時並行なので、去年の続きの旅行記のアップがゆっくりですが、ブラショフ２日目の残りと、ブカレスト２日分もおいおいアップしますね。
  去年の旅行でルーマニアは正味5日間です。
  短期間ではもちろん物足りなくなるかもしれませんが、それでもブラショフやシギショアラあたりを回ると、一応、ハイライトは味わえますね。
  シギショアラの代わりにお城と僧院を目当てにシナイアに行く人もいるみたいです。
  そしてルーマニアの中では評判の悪いブカレストは、時間がないのでスルーしてしまうのもアリですが、たぶん、ヘラストラウ公園の農村博物館に行けば、地方の昔の雰囲気を味わえるのかもしれません。
  博物館・美術館、教会が目当てなら、ブカレストはたくさんあります。
  軍事博物館は去年いけなかったのですが、今年の再訪では楽しみにしてるんですよね@
  
  ちなみに。。夏は虫除け、虫刺されの薬は必須だそうです。
  ヨーロッパの田舎。いいことばかりではないです。もちろん、それも覚悟の上！
  （日本にいても、食われ放題の私です。もっとも、その中にダニはさすがにないはずなのだが。。。最近、部屋の中に掃除機をかけられない部分が増えてしまいましたから、ううむ。）

  パパスさん からの返信 2007/05/02 16:28:16

  RE: RE: 決めました。

  了解しました。
  夏は虫除け、虫刺されの薬は必須ですね。
  必ず忘れないように持って行きます。
  
  パパス。