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体の疲れは幾分取れたが、ストレスは増えた。<br />それがカイロの旅なのかもしれない。<br /><br />おまけに暑さも手伝ってイライラ感が募る。<br /><br />ここから移動してブルーモスクのあるバーブ・イル・ワジール通りに入る。<br />ここら辺は、表通りとはかけ離れた裏通りチックな通りで舗装はされていない。<br />目に付くのが、あちこちで工事が行われている。<br /><br />なんとかブルーモスクの前に到着。<br />ここも改装か何かの工事がされている感じがしていた。<br /><br />「次行くか?」<br />「そおですね」<br /><br />入らなくてもいいよな、とノブラに確認すると同意する。<br /><br />通り過ぎようとすると、メガネをしたこぎれいな感じの男が笑顔でモスクから出てきた。<br /><br />「入場料は要りません」<br />英語で話しかけてきた。<br />「どうせバクシーシだろ?」<br />男は控えめにうなずく。<br /><br />ノブラを見る。<br />目で、あちきに任せると言っていた。<br /><br />「少しのバクシーシお願いします」<br /><br />今までに会ったカイロの人間にしては、嫌味もなく文明の匂いがするその男を注意深く見る。<br />メガネの奥にある眼差しに気を許さないようにした。<br /><br />ノブラにうなずくと、ノブラから先に入らせた。<br /><br />お決まりのこのブルーモスクの説明が始まる。<br />英語だからさっぱりわからんが、聞きなれた地名が出てくることから、トルコからタイルを取り寄せたらしいと推測。<br />ガイドブックには、大変きれいに保存された状態で写真が掲載されているが、現物は泥まみれでいかにいい加減にほったらかしにしているか一目瞭然である。<br /><br />男は、ノブラとあちきと交互にガイドをするが、あちきは気のない振りを演じた。<br /><br />あまり見る価値がないので早々に出ようと出入り口の方に向かおうとする。<br />すると男はあちきの前にさっと立ちはだかった。<br /><br />そして指で天を挿す。<br /><br />「このミナーレからの景色は素晴らしい」<br />確かにここのミナーレは高いところまで伸びているようだ。<br /><br />男は手招きしてミナーレに誘導する。<br />「入れるのか?」<br />「もちろんです」<br /><br />前回のイスタンブールでモスクをいくつか見て周ったが、ミナーレには登れなかった。<br />まあ、いいだろうと男の誘いに乗ることにした。<br /><br />中は真っ暗でライトなんて親切なものはない。<br />男が先に行き、手をつないで男の誘導で登っていく。<br />あちきの旅の装備にマグライトは必需品にしていたのだが宿に忘れてきてしまった。<br /><br />本当の闇の中をゆっくりと登ると、ちょうどモスクの屋上に出る。<br />さらに続きがあり、また暗闇を登っていくとミナーレの最上部に着く。<br /><br />そこからの景色は、さえぎるものがなくてとても素晴らしかった。<br />ちょうど夕日がイスラム地区を赤く染めようとしていた。<br /><br />男の話を要約すると、この地域は大規模な工事が行われている。<br />この周辺の歴史的な価値を評価してユネスコが関係各国に寄付を募って地域をまとめて改修工事をしているらしい。<br /><br />寄付ねぇ・・・。<br /><br />見物も終わり、モスクの屋上まで降りる。<br />そのまま下までいっきに降りるかと思いきや、モスクの屋上で男がもみ手をする。<br /><br />バクシーシね。<br /><br />「二人分だ」<br />あちきは用意していた10LE札を差し出した。<br />だが、男は受取らない。<br />「足りない」<br /><br />その態度にキレた。<br />「お前が少しのバクシーシでいいって言ったんだろ!」<br /><br />俺は、これでもかというくらいキレた。<br />バクシーシって貴賎だろ?<br />なんで貰う側が金額を指定するんだよ!<br /><br />「私には子供が4人います」<br />「作りすぎだ! このボケ!」<br /><br />おまえの家庭環境なんか知らんわ!<br />どうせ嘘だろうと思うが。<br /><br />男もこちら相当怒っているのにひるまないところを見ると明らかに常習である。<br />これがこいつの手なのである。<br /><br />もう許せなかった。<br />いくら文化が違うとはいえ、これはあんまりである。<br /><br />挙句の果てには、いきなり俺の手をつかむと手の甲にキスをしようとする。<br />この世のものとは思えない悪寒がしたので強引に手を振りほどいた。<br /><br />一瞬だが、メガネの奥の瞳に敵意が見えた。<br /><br />こいつ・・・。<br /><br />10LEを強引に投げ渡してさっさと降りた。<br /><br />男は、入るときには散々下手に出ていたのに、出るときには笑顔すらなかった。<br /><br />モスクって神聖なところと思ったが、場所によっては寄生虫みたいなのがいることを嫌というほど知らされた。<br />

2007 ヨルダン・エジプト旅記 0520-09

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2007/05/15 - 2006/05/24

1680位(同エリア1769件中)

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3

morikens

morikensさん

体の疲れは幾分取れたが、ストレスは増えた。
それがカイロの旅なのかもしれない。

おまけに暑さも手伝ってイライラ感が募る。

ここから移動してブルーモスクのあるバーブ・イル・ワジール通りに入る。
ここら辺は、表通りとはかけ離れた裏通りチックな通りで舗装はされていない。
目に付くのが、あちこちで工事が行われている。

なんとかブルーモスクの前に到着。
ここも改装か何かの工事がされている感じがしていた。

「次行くか?」
「そおですね」

入らなくてもいいよな、とノブラに確認すると同意する。

通り過ぎようとすると、メガネをしたこぎれいな感じの男が笑顔でモスクから出てきた。

「入場料は要りません」
英語で話しかけてきた。
「どうせバクシーシだろ?」
男は控えめにうなずく。

ノブラを見る。
目で、あちきに任せると言っていた。

「少しのバクシーシお願いします」

今までに会ったカイロの人間にしては、嫌味もなく文明の匂いがするその男を注意深く見る。
メガネの奥にある眼差しに気を許さないようにした。

ノブラにうなずくと、ノブラから先に入らせた。

お決まりのこのブルーモスクの説明が始まる。
英語だからさっぱりわからんが、聞きなれた地名が出てくることから、トルコからタイルを取り寄せたらしいと推測。
ガイドブックには、大変きれいに保存された状態で写真が掲載されているが、現物は泥まみれでいかにいい加減にほったらかしにしているか一目瞭然である。

男は、ノブラとあちきと交互にガイドをするが、あちきは気のない振りを演じた。

あまり見る価値がないので早々に出ようと出入り口の方に向かおうとする。
すると男はあちきの前にさっと立ちはだかった。

そして指で天を挿す。

「このミナーレからの景色は素晴らしい」
確かにここのミナーレは高いところまで伸びているようだ。

男は手招きしてミナーレに誘導する。
「入れるのか?」
「もちろんです」

前回のイスタンブールでモスクをいくつか見て周ったが、ミナーレには登れなかった。
まあ、いいだろうと男の誘いに乗ることにした。

中は真っ暗でライトなんて親切なものはない。
男が先に行き、手をつないで男の誘導で登っていく。
あちきの旅の装備にマグライトは必需品にしていたのだが宿に忘れてきてしまった。

本当の闇の中をゆっくりと登ると、ちょうどモスクの屋上に出る。
さらに続きがあり、また暗闇を登っていくとミナーレの最上部に着く。

そこからの景色は、さえぎるものがなくてとても素晴らしかった。
ちょうど夕日がイスラム地区を赤く染めようとしていた。

男の話を要約すると、この地域は大規模な工事が行われている。
この周辺の歴史的な価値を評価してユネスコが関係各国に寄付を募って地域をまとめて改修工事をしているらしい。

寄付ねぇ・・・。

見物も終わり、モスクの屋上まで降りる。
そのまま下までいっきに降りるかと思いきや、モスクの屋上で男がもみ手をする。

バクシーシね。

「二人分だ」
あちきは用意していた10LE札を差し出した。
だが、男は受取らない。
「足りない」

その態度にキレた。
「お前が少しのバクシーシでいいって言ったんだろ!」

俺は、これでもかというくらいキレた。
バクシーシって貴賎だろ?
なんで貰う側が金額を指定するんだよ!

「私には子供が4人います」
「作りすぎだ! このボケ!」

おまえの家庭環境なんか知らんわ!
どうせ嘘だろうと思うが。

男もこちら相当怒っているのにひるまないところを見ると明らかに常習である。
これがこいつの手なのである。

もう許せなかった。
いくら文化が違うとはいえ、これはあんまりである。

挙句の果てには、いきなり俺の手をつかむと手の甲にキスをしようとする。
この世のものとは思えない悪寒がしたので強引に手を振りほどいた。

一瞬だが、メガネの奥の瞳に敵意が見えた。

こいつ・・・。

10LEを強引に投げ渡してさっさと降りた。

男は、入るときには散々下手に出ていたのに、出るときには笑顔すらなかった。

モスクって神聖なところと思ったが、場所によっては寄生虫みたいなのがいることを嫌というほど知らされた。

  • ブルーモスク界隈。

    ブルーモスク界隈。

  • ブルーモスクのいわれとなっているブルータイル。<br /><br />掃除しろよ。

    ブルーモスクのいわれとなっているブルータイル。

    掃除しろよ。

  • コーラン読むところ。<br /><br />掃除しろよ。

    コーラン読むところ。

    掃除しろよ。

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