2007/06/01 - 2007/06/10
439位(同エリア493件中)
きっちーさん
世界遺産の町、リヨン。
建物はわりと古そうですが、中身は現代的。
MORGANやLEVIS、メガシネマなど、原宿や渋谷のストリートを歩いているのと、そんな大差はありません。
イアタリアの古都なんかに比べると、ぜんぜん今風。
カフェがならぶ華やかな通りの一角に、ヴァージン・レコードの巨大な店舗が建っています。
偽学生は、リヨン美術館の見学を駆け足で済ませたあと、買い込んだ重たい画集を宿へ置きに戻り、大急ぎでシャワーを浴びてレコード店へむかいます。
午前中、散々歩かされたもん。
風呂入んなきゃ気持ち悪くって。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空
-
リヨンのヴァージン・レコードは、1〜2階がCD・DVD、文具。
3階に、書籍などが置かれています。
日本のマンガもあります。
立ち読みしてる人もちらほら。
スダちゃんを待っているあいだ、ぶらぶら店内をまわります。
そばにあったDVDコーナーをのぞくと、なんとすべてゲイソフト。
マッチョなお兄さんたちが、きわどいポーズを取っています。
すごいな。
ここ、イッパンのお店だよね。
すべてがポルノってわけではないでしょうが、脱いでるよな。
ツタヤのようにカーテンの仕切りがあったり、繁華街の裏手にひっそりあるゲイ専門店舗でもありません。
これがフリー・セックスというやつかしら。
ヨーロッパはゲイの権利運動も、さかんだっていうしな。
性癖だけとりあげて、その人のすべてを否定し、カテゴライズするのは性差別だし、同性愛や同性の結婚も合意の上なら、全然問題ないと思っています。
そもそも結婚自体は、『財産権』と『Sex制限』の公的約束、というだけではないでしょうか。
法律上、異性婚の婚姻において、
?お互いの同意があれば、愛情の規定はない
?子どもを持てる持てないで、結婚は制限されない
のです。
つまり、
?感情面は立ち入らない(愛情が純粋か『不純』かは、他者が判断できるものではない)
?子どもがつくれない(つくらない)からといって、結婚できない、ということではない
と考えれば、同性婚そのものに、特定のパートナーを持つ、財産を共有するという意味の「結婚制度」の、障害となる要素は、なにも無いと思います。
異性愛と同様の同性による愛情表現をみて、気持ち悪いと感じるならば、それはみる側の問題。性差別。フォビア。
差別を助長したり、子どもの権利を侵害し搾取するようなのじゃなければ、ポルノもけっこうだとは思いますが・・・。
やっぱ、ポルノ・コーナーにいるのは、恥ずかしいのだ!
こそこそと、書籍のコーナーに戻ります。
料理本を立ち読みしていると、スダちゃんがいつのまにかそばに立っています。
「それ、分かりやすくていいでしょ。そのシェフ、TVにもでてる有名な人だよ。こっちの本なんかもいいよ。デザートならねー・・」
棚にある、料理本を次々解説してくれます。
ある意味、このひともマニアだよな・・。
「今日はどこ行く」
「そだな、えーと・・。あ、スダちゃんの店!!」 -
「やだ」
「なんでー!!せっかく来たのに、見ないで帰ったんじゃ、意味ないじゃんっ」
「ええ〜。いいよぉ」
「ダメ!行くの!行こう行こう」
しぶるのを、無理やり引っ立てて、案内させます。
ホラ、写真も撮ってあげるし。
お店とならんで撮ろうとしますが、逃げられました。
せっかく、記念なのに。
2枚とってやれ。
お店にも潜入したかったのですが、残念ながら5時開店で、クローズしていました。
フランスでは、調理師の社会的立場が強いので、お客さんがいくら行列しようと、ちょっと早めに店をオープン、とかは無いそうです。
「外で待ってても、絶対開けないの。シェフなんか『ああ、ホラならんでるよ。ははは』みたいなこと言って、メシ食ってるもん」
どんな店だ。
「古いからさ、トイレも壊れてるんだよね。ケチって直さないの。
『トイレ水流れません』とかの張り紙もしてないから、知らないお客さんが、水が流れなくてガチャガチャやってるのが、隣のスタッフロッカー丸聞こえで、みんな声を殺して笑ってるよ」
笑ってるスタッフはトイレどうすんの?!
「向かいの店いって、借りる」
つくってないよね?
「ウソじゃないって」
とんでもない店だ。
皆さん、この店は要注意ですヨ。 -
客をあざ笑う、スダちゃんの勤務先はパスして、リヨンの町めぐり。
せっかくなので、リヨンの市場へ連れて行ってもらいます。
こちらが、リヨンの市場。
築地や野外マーケットみたいなのを想像していたのですが、キレイな建物のなかが、市場なんです。
デパ地下みたい。
連れ立って歩くと、
「ニーハオ、ニーハオ」
と声をかけられます。
やっぱ、中国の人は人口が多いんだよなあ。
どこ行っても、アジア系はまず中国の人だと思われるもん。
「ニーハオ」
スダちゃん、フツーに返してます。
お客さんの姿がほとんど無い市場。
ひょっとして、業者の人しか立入禁止なんじゃないかと心配しますが、一般の人も買えるそうで。
「ちょ〜有名な、チーズ屋さんがあるんだ。三ツ星レストランにも卸してて、ほんっと美味しいよ。
パッケージ見ただけで、あそこだってわかるくらい有名。
買ってく?おみやげに買ってくでしょ?」
チーズ。乳製品でしょ?
飛行機でけっこうあるよ。
温度とかわかんないし。
おみやげには、ムリなんじゃない?
「そーかなあ。きいてみようか?」
お店のマダムに、話しかけます。
やけに長いやり取りのあと、スダちゃんが振り返ります。
「飛行機でも大丈夫だって。時間が分かれば、到着する頃にちょうど食べごろになる若いチーズ、すぐ食べるなら、それにあわせたチーズがあるって」
す、すごい。
さすが、チーズがお新香の町・・もとい、美食の町!
でも、「傷んじゃったらヤダし」小心者は今夜のつまみ用のチーズにします。
早いうちに食べた方が、安心?
ところが・・・。
こないだ『世界ふしぎ発見!!』を観たら、チーズは携帯食品だったそうな。
心配しすぎだったか〜。 -
つぎにスダちゃんが案内してくれたのは、リヨンの動物園!
娯楽施設の少ない世界遺産の町にあって、Lyon Pert-dieu駅の商業施設に次ぐ、じもちーの憩いスポットだそう。
動物園といっても、おおきな公園の中にある、一区画で、キリンやペリカン、ライオンなどが(リヨンだけに)飼育されています。
「キリン、でかいな・・。すっごいよねー!ホラホラ!!」
スダちゃん、大喜び!
って、自分みたかったんでしょ?そうでしょ?
そりゃスダちゃん年齢なら動物園セーフだが、きっちーサマ的には、もっとアダルトコースにしてほしいんですけど。
美術館とか博物館とか資料館とか・・。
恥ずかしいもん。いいオトナが、動物園は。
イヤ、中国行くたびにパンダ観にでかけ、ルパン三世TVBOXをオトナ買いしてしまう人が、言ってはいけないか・・?←ついに買ってしまいました〜。
「いいオトナが動物園は、危険なんですけど」
の主張を汲んでくれたらしく、リヨンのデザイナーズマンションへご案内。
どうですか?
ちょっと近代的なデザインだと思いませんか? -
このような、不思議オブジェも!
-
せっかくだから、スダちゃんも入ろうよ。
「え?オレ、いいよ。撮んないでいいって」
またか!
なんでー。記念じゃーん。
「ホームページに載せるから、ヤダ」
載せない、載せない(ブログだから)。
なだめすかして、1枚。
スダちゃんとペンギン。
くたびれてきたので、今日はここまで。
バス停めざして歩きはじめます。
こんもり茂った緑の向こう、新宿で見かけそうな高層ビルを指差して、スダちゃんがひと言。
「あれ、ICPO」
は?
ICPOって、あのICPO?
銭形警部が出向している、ICPO?
パリでしょう。
「パリじゃない。あそこが本部だよ」
だって、ルパンじゃ『パリICPO本部』だったよ!
「でも、あれがそうだよ」
ええ〜。うっそ〜。
ブルーのガラス窓が西日をうけて輝く、でっかいオフィスビル。
ICPOっていうと、国会議事堂みたいなせいぜい2〜3階建ての、入口に円柱が立ってそうなイメージなんですけど。
こんな、おニューなビルと違うんですけど。
「本当だって」
あとでネット検索したら、本当に本部でした〜っ!!
くそー!
写真撮ってくれば良かった!
自慢できたのに〜っ(誰に?)!! -
「あした、何時に発つの?」
「8時」
「8時か〜。1:30かかるんだよね、ここまで来るの。オレ、朝よわいから、見送りに行けないけど・・」
「とんでもないっす。3日間、お付き合い頂きまして、スンマセンね。いったん帰ってくるんでしょ?いつだっけ?」
「18日」
「なに〜っ?!来週じゃん。なんだ、日本ですぐ会えるじゃん」
「まあ、そうだけど。リヨンからは離れるし」
「そおか。いよいよ、お店も最後だね」
「つぎの店には、もう採用もらってるんだ」
切り替えの早いヒトだ。
まあ、スダちゃんとは来週にも会えるので、さよならもさばさばしたものです。
「じゃあ、またね」
「気をつけて帰って、パリは物騒だから。あ、これ。おみやげ」
「わーい、サンキュー!ありがと。もどったら、メールちょうだい」
「うん」
テイスティング用グラスセットと、ナイフ、フォーク、スプーンのセットをもらいます。
サンキュー。物に弱いのよ。
送ってもらい、宿につくと、さっそく買ってきたチーズの味見を!
へっへっへっ。
これが、包装紙でわかるくらい有名という、チーズ屋さんのチーズか!
よし。
包装紙も写しとこ。
パチリ。 -
あしたでリヨンも最後かー。
今日のウチに見てないトコ、まわってこよう。
すでに夕暮れの時間ですが、ちっとも暗くならないので、あるってても怖くないし、写真も明るさを気にしなくて良いので、うれしいな。
「撮りたい撮りたい」と言いつつ、撮り忘れていたサンテグジュペリ像も、激写。
スダちゃんによると、地元ではこの像が出来ていることすら、知る人が少ないらしい。
観光客や留学生には話題になっているものの、広場の端っこで確かに目立っていない・・。
まあ、いいや。
記念、記念。 -
今夜は、スダちゃんのレストランナビも無いので、自分で飯を確保しなければ。
町をうろついていると、シシュケバブのお店が!
おフランスでケバブも、おかしいですが、なんとなく目についてしまうと、食べたくなってしまいます。
「ぼんじゅ〜る」
「ボンジュール!」
小さな店内にはカウンター席と、テレビ。
たったひとりの店員さんが、元気よく返してくれます。
中近東とかグリース系ではなく、思い切りフランスの人です。
あ、ダメ・・。
フランス語が頭から消えた。
「ディスワン、プリーズ」
もう速攻、フレンチ離脱。
「チキン、オア、ビーフ?」
「チキン、プリーズ」
って、飛行機かここは。
「ドレッシング?」
手際よく生地に具をつめながら、お兄さんがたずねます。
マヨorケチャップ。
「じゃあ、こっちで」
もはや英語ですらありません。
できたてケバブ(ケチャップ味)にかぶりつき、カウンターで足をぶらぶらさせながら、テレビなど観ていると、
「ドゥユスピーク、フレンチ?」
お客がいなくてヒマしているお兄さんが、話しかけてきます。
「ノーノー。アイム、ソーリー。あ〜、ドゥユスピーク、イングリッシュ?」
「ノン」
「ウイ」とか「イエス」と言われても困りますが。
気を悪くしたようすも無く、話しかけてくれます。
「コレアン?ジャパニーズ?」
「ジャパニーズ」
簡単な英語のやりとりですが、こういう交流は楽しいので、分からないところは笑ってごまかしながら、楽しいお食事。
「オールボワ」
食べ終えて席を立つと、別れ際に少し思案顔のお兄さん、
「サヨナラ」
おお〜っ。
日本語だ〜!
ビックリした顔をみて、得意そうに笑っています。
いやー、さすが観光地。
きっと、いろんな挨拶を知ってるんだろうな。
宿に帰り、ベッドに転がりテレビを観ながら過ごしていると、ゆっくりと日が暮れていきます。
ああ〜。
リヨンも今夜でお別れかぁ〜。
こちらに来て初めて、白夜とまでは言いませんが、日が落ちるまでの長い時間を感じます。
パリじゃ明るくても、夕方になったら宿から出る気になれなかったもんな。
その点、リヨンはお店がクローズする8時以降も、ひとり歩きしてても、ヤバさを感じません。
治安は、かなり良いと思います。
はじめてのフランスですが、楽しくすごせて、良かった良かった☆ -
翌朝。
いよいよ、パリのド・ゴール空港へもどります。
この3日間、ず〜っとスダちゃんにお世話になりっぱなしだったので、もっとちゃんと御礼も言うべきであったような・・。
まいっか。
どうせ、来週には会うし。
チェックアウトをすませ、トランクを転がしながら、朝の静かな空気のなかを、石畳を踏んで、PERRACHE駅へむかいます。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- ジェームズ・ボンドさん 2007/11/14 23:00:19
- サンテグジュペリの像でっか?
- ワタシもパリのレコード屋を回りましたがユーロ高で日本の方が安かったです。
それに、ヨーロッパのDVDはNTSCじゃないしリージョンコードも違うし。
そう言えば「アメリカには、日本で言うところのワイセツという概念がない」と聞いた事があります。
最近、裁判所に行ってなかったのでスタンプを置いている事を知りませんでした。
でも、押すヒトなんか居るんですかねぇ。
- きっちーさん からの返信 2007/11/15 10:27:01
- RE: そうでーす
- コンニチハ!
旅行者には有名でも、現地では知ってる人が少ないとか。
最近できたようですから、しょうがないのかも。
ユーロはすごいですね。
中国行くたびに、100元札を2〜3枚とって置くなんて、セコイ貯金をしていましたが、ユーロにしとくべきだったか(笑)。
日本はドルを買い支えているから、ドルが下がると市場も海外に対する円の価格も、えらいことになりますね。
いや、もうなってるか・・。
職場によく遊びに来る、博打好きの近所のおじいさんが、近頃は株にハマっているそうで、昨日会ったら、
「立ち直れないよ〜」
と嘆いていました。
持ってた銘柄が軒並み下がりまくったそうです。
経済はまったくわかりませんが、ドルだけでやってくのは、ばかばかしい気がしました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
きっちーさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
10