2007/02/25 - 2007/03/13
6473位(同エリア7233件中)
nkさん
[3/1(木)夜〜3/4(日)夜]
グラナダからバルセロナまで寝台車で12時間。一番安い4人部屋には2段ベッドが2つ並び、私は左下のベッドで、何もできないので荷物を抱えるようにして早々に眠りにつく。
どこでも寝られることがB型の特技と思っていたけれど、夜中に隣の下段のベッドで寝てるおばさんのすごーーいいびきで目を覚まし、それからほとんど眠れなかった。寝心地と身の安全の心配はしていたけれど、まさかあの、目が真ん丸くてかわいいおばさんのいびきに悩まされるとは・・。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- KLMオランダ航空
-
バルセロナのサンツ駅に着いたのは朝9時半。
大きなターミナル駅で、人の数も全然違う。地下鉄の切符券売機の操作にとまどい、駅員の女性に聞いたら紙幣は使えないとはね返され、なんだか、大都市に来たことを実感する。
寝ぼけた自分の顔はすごくブサイクで、いっそうテンションが下がる。
仕方なく駅構内のカフェでデニッシュとカフェ・コンレチェを注文し、お金をくずして、一休み。 -
気を取り直したところで、いよいよ地下鉄に乗り、リセウ駅に到着。街の中心のランブラス通りは、すごい活気。歩行者通路にはキオスク、花屋、ペット屋などのテントが並び、大道芸人もたくさんいる。車道を挟んで両脇の道には土産物屋、レストラン、両替所、ホテルなどがずっと続く。外国人観光客がいっぱいいて、ここにきてやっと当たり前に日本人を見かけるようになった。
古い建物の間に新しい建物がひしめく雑多な雰囲気が、まさに観光地という感じだった。
ランブラス通りから一本道を入ってすぐのところに、私が泊まるホテルがある。12時までチェックインを待たされたのち、まずお風呂に入り、続いて部屋の洗面台で5日分の洗濯物を洗う。大変だけど、やっと同じホテルで2泊できるので、今しかない。狭くてこぎれいな部屋の中に洗濯物をたくさん干して、ようやく14時頃、外に出る。 -
街をただゆっくり散歩して、17時、バルセロナ大学前でアンナと会う。彼女はスペイン好きの夫婦に紹介してもらったバルセロナ在住の女の子(27歳だけれど、女性というより、とってもチャーミング)。半年くらい前に品川で会ったときよりも、あか抜けている印象。当たり前か。自分がその土地に馴染んでこそ、オシャレになる気がする。
アンナは日本大好き&日本語ペラペラなので、とても話しやすかった。町の説明も熱心にしてくれて感激。一人旅の途中、ホッとした。
さっそく一緒に地下鉄に乗って、グエル公園へ。ここに一番初めに来たのは、正解だった。公園全体がガウディの建築物にあふれていたし、小高い丘にある公園からはバルセロナ市内と地中海までを一望できた。 -
広場のベンチや、小さな家や、トカゲの噴水(アンナにずっと龍と言われていたので、帰国後にネットで調べるまで龍と思い込んでいた・・)などに見られる、カラフルだけど優しい色合いの破砕タイル装飾には、そのセンスに脱帽。
ガウディの作品を見る前は、ただ派手で奇抜なものかと思って、それに興味があったのだけど、実際に目の前に現れると思わず「かわいい!」と叫んでしまうくらい、おもちゃみたいに遊び心満載で、おとぎの国のような世界観を感じた。
こんな公園が東京にもあればいいのに。 -
夜は私のリクエストを全部叶えるレストランに連れて行ってくれた。
スペイン最後の都市のバルセロナでやっと、赤ワインとスパニッシュオムレツとイカ墨のパエリアなどなどを楽しみ、大満足だった。
オープンしたばかりのきれいなレストランで満腹になり、12ユーロ。地元っ子は強いなぁ。 -
その後、アンナの仕事の友人の誕生日会をパブでやっているということで、夜のバルセロナ散歩かねがね、お邪魔した。地元の若者の遊び場・・雰囲気は六本木の騒がしいバーのような感じかな。
パーティーはとてもにぎわっていて、みんなビールやカクテルを片手に、アボガドディップなどメキシコ風の料理を食べていたけれど、私もアンナもお腹いっぱいだったし、アンナは一切お酒を飲まないので、私もファンタオレンジを飲むだけにした。
帰り際、誕生日の男性は、みんなの頬にキスをするのでちょっと緊張していたら、私には軽いハグだった。彼も日本語をちょっと話せたし、日本人について分かっているんだなぁ。
他に「ワサビ ハ ミドリ デス」って話しかけてきた男の人もいた・・。
ホテルに戻ったのは深夜1時。驚いたのは、アンナに「パブまで歩いて30分くらいだけど平気?」と聞かれて、私も歩くのが好きなのでOKしたところ、実際は1時間ほど歩いた。これを往復。うむ、東京だったら飲み会まで1時間歩くのはないなぁ。筋肉痛は治っていたけれど、よりによって裸足にヒール靴だったのでダメージ倍増。 -
翌日、携帯電話の時差アラームを間違え、昼まで寝てしまった・・。
取りあえずサグラダ・ファミリアへ急ぐ。
サグラダ・ファミリア聖堂は1882年に着工され、翌年ガウディが建築を引き継ぎ、1926年の彼の死後も工事が続いているが、未だに完成は100年後とも200年後とも言われている。
私が今回の旅行を決めた一番初めの目的も、この有名すぎるサグラダ・ファミリアを自分の目で見てやる!というものだった。
地下鉄サグラダ・ファミリア駅を降り、いざ実物が目の前に迫ると・・・でかい!すごい! -
これまで確実に見たことのない、複雑で巨大な石の建造物。ただただ、その独創的な塊に圧倒されてしまうけれど、一つ一つ彫刻を見ると、確かに教会なんだと納得する。
昨日のグエル公園と違って色味はないのに、華があるというか、派手というか。「世界一目立ちたがり屋な教会」の称号があったら間違いなくもらえるな。
サグラダ・ファミリアのチケット売場の列は外まで続き、敷地の前には何かの生演奏のための簡単なステージが設けられていて、屋台の食べ物屋や土産物屋見も並んでいたので、辺り一帯は観光客で混み合っていた。西洋人が多く、学校の社会見学として来ていると思われる子ども達もいた。ここでは日本人のグループもたくさん見た。 -
中に入ってみると、笑ってしまいそうなくらい、本当に工事中。
-
花のような形に光が差し込むステンドグラスは美しかった。
でも・・・あとは外見だけじゃん!
これですでに世界遺産に登録され、入場料に8ユーロとり、それでもみんな見たいなんて、さすがだなぁ。 -
・・・と不満をもらしつつも私はさらに2ユーロ払い、かつ1時間並んで、エレベーターで塔に昇る。
だって、せっかく来たんだもん!
塔の頂上部分を間近に見れたこと、晴れたバルセロナの街と青い地中海が見れたのはよかった。
そしてアンナとの約束があるので10分ほどで降りる。 -
15時にホテルでアンナと落ち合った後、サン・ジュセップ市場に行く。
私はその土地の人たちの生活に根付いているもので埋め尽くされている、外国の市場を見るのが好き。カラフルな野菜や果物が山積みになっているのや、どぎつい色のお菓子や、とことん卵だけ売るお店や、目をつぶってしまいたいくらいリアルな肉屋などなど・・歩いて回るだけでワクワクする。
私は砂糖漬けのオレンジスライスにチョコレートがコーティングされた、ちょっと大人のお菓子を食べ歩き。 -
その後、買い物スポットでスペインブランドの服屋にたくさん連れて行ってもらった。いくつかいいと思った店があったけれど、日本と趣向が似ている気がして、価格帯も変わらなかったので、ピンとこなかった。
でもアンナが4着くらいぽんぽん買っているのに触発されて、ZARAで黒のカーディガンを買ってみた。19ユーロって、日本よりどのくらい安いんだろう。
お買い物の休憩に、カフェに連れて行ってくれる。ホットチョコレートに粉砂糖のかかった甘いデニッシュをひたして食べる。女の子のすることや好きなものはみんな一緒だね。 -
街を回っているとき、アンナがきらきらした瞳で
「ここが、私の一番。とってもきれい」
と、サンタ・マリア・ダル・マル教会を紹介してくれた。それまで色々案内してくれた目を引くような華やかな建物とは違って、無駄な装飾が一切ないカタルーニャ・ゴシック様式の教会。私もすぐにその荘厳な空気に取り込まれていた。
そんな風に、「自分の町で一番好きなものはこれだ」と、他人に伝えることができるのは、すごく素敵だと思った。私は自分の故郷が好きではないし、今いる東京は好きだけれど、何を紹介できるだろう、と考えてしまう。
アンナはとても親切で賢くてチャーミングだと感じた。私は人見知りで、愛想よく取り繕ってしまうので、彼女が私のことを気に入ってくれたか不安になった。少し。 -
夜、アンナが予約してくれた彼女のお気に入りのレストランに行った。1月ごとに内装が変わるそうで、そのときのアフリカンぽいインテリアはまた異国の雰囲気があっておしゃれだった。
料理はアンナ曰く「とってもスペインぽい料理」(私には歴史や背景がよく分からないのだけれど、彼女は「カタルーニャ」と「スペイン」を明確に使い分けているようだった)。
一品一品とても丁寧な料理で、ステーキのソースとお皿の盛り付けの美しさはフランス料理みたいだった。デザートの梨のタルトもあったかくておいしかった。一人18ユーロで、またまた大満足。これまでで一番素敵な食事だった。 -
翌日、バルセロナ最終日は一人で観光。まだまだこの街を体験しきれていない!と勢い余って6時半に起床。
9時にホテルを出て、ランブラス通りを10分ほど下る。大きなコロンブスの塔とバルセロナ港に朝日がまぶしく射している。けれど人通りの少なさと苦手な鳩の多さに怖くなって、私はすぐにその場を去ってカフェに入る。 -
狭いファーストフード店みたいな店内で、カフェ・コンレチェと小さなピザパンを食べたら8ユーロもした。これで1,200円!昨日のディナーとは真逆で、これまでで一番納得いかない食事だった。
このランブラス通りは他と比べて倍くらいの値段になる場合もあるって、本当だね。 -
たくさん歩いてグラシア通りのカサ・ミラへ行く。
ラ・ペドレラ(石切場)とも言われるこのガウディの建造物は、直線を一切持たない。外観の、大きくなめらかな石のうねりは、すごく奇妙だけど、美しくもかわいくも見える。 -
8ユーロ払って中の住居部分やガウディ作品の博物館、屋上を見学したけれど、こういったものは他でも見てきたので、私には必要なかったかも。
-
すぐ近くのカサ・バトリョの入館料は16ユーロもするから、迷わず外観だけ楽しむことにした。
色とりどりのガラスとタイルで散りばめられた壁面がとってもきれい。バルコニー部分の曲線もガウディらしい。
私が思うに、ガウディ作品は中に入らなくても十分楽しませてくれる。
バルセロナは道を歩いているだけで、そんな芸術的な建物にあちこちで出くわす、ワクワクさせてくれる街だ。 -
次に行ったカタルーニャ音楽堂はドメネク・イ・モンタネールの代表作で、こちらも外観から素晴らしかった。街に馴染む赤色のレンガ造りの壁面と、バルコニーに並ぶ8本の柱は全て異なるモチーフのモザイクタイルで装飾されていて、ガウディとはまた違った優美さを見せていた。
こちらは入館し、ガイドツアーに参加した。どうせ英語も聞き取れないと思って、時間の早いカタルーニャ語のツアーにしたら、本当に分からない!とにかく雰囲気を楽しむことに努めた。
大ホールの天井にあるステンドグラスのシャンデリアは、宝石の雫がこぼれ落ちているみたいに美しかった。
完璧な音楽ホールのステージで、ピアノの練習をしている男性が2人いた。ラフな格好で情熱あふれる演奏をし、しばらくして途切れて互いに何か熱心に話し、また力強く美しいピアノを引く・・。私は全くの音楽素人だけれど、圧倒されてすっかり聴き入ってしまった。 -
まだ中盤なのに旅の残金が不安になり、昼はスペインのファーストフード店のBocattaでセットを食べる。
6.7ユーロだったので、まあよし。この先お金がなくなったらどうしよう・・毎食自腹なんて本来は当たり前なのに、日本でごちそうしてくれた人のありがたさを改めて感じた。 -
夕方くらいにやることが思いつかなくなって、シウタデリャ公園へ行くと、広い敷地はどこもにぎわっていた。
ダンスや楽器の演奏をしているグループもいた。
珍しくキャッチボールをしている青年を発見、下手だったな。やっぱりヨーロッパはサッカーなんだなぁと思ったけれど、嬉しかった。
カップルは例によってすごくイチャついている。私も環境が違えばこうなれるのかなぁとか考えたりした。感情も、自分の考えも、あんな風にオープンに表へ出すことって、私にはすごく難しい。 -
パリまでの寝台車が出るフランサ駅へ向かう。
ホテルで荷物をピックアップし、地下鉄に乗り、最寄の駅の地上に出たら方向感覚を失ってしまった。21:05の出発まで十分余裕はあったのに、なんだか焦ってしまって、近くのレストランの店員に道を聞いても言葉は通じず、身振りで教えてもらっても、どこか冷たく感じた。
なんとか迷いながら駅に着いて、椅子に座るとじわじわ涙が出てきた。
日本を出てちょうど1週間が経って、言葉も通じず、治安の悪さにビクビクして、自分の身を守ることと全部一人でやることのストレスが溜まっていたみたい。私はこれといった取柄も信念もなくて、唯一くらいに好きだと思ってた旅行をしてもこうして不安で寂しくなって、本当に何にもない人間なんだと悲しくなった。
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