2007/02/25 - 2007/03/13
1323位(同エリア1490件中)
nkさん
[2/28(水)夜〜3/1(木)夜]
グラナダに着いたのは20時だった。
空はすっかり暗かったけれど、大通りにはたくさん明かりがついていて、大都市を感じさせる。
地図を見ながらホテルへ向かう途中、日本人のグループ何組かとすれ違った。ちょうど学生の卒業旅行シーズンなのだ。やっと、日本人観光客がいる都市へ来たんだ・・と、悔しいけれどホッとしてしまった。
今回のホテルはシングルの風呂付きで19ユーロとすごく安い。狭くて殺風景だったけれど、部屋にお風呂が付いてくるってすばらしい!と、しみじみ。
この日は朝のチュロスと昼のパニーニしか食べなかったので、お腹はきゅるる〜と鳴いていたけれど、疲れきってしまって22時頃にそのまま就寝。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- KLMオランダ航空
PR
-
よーく寝て起きて、観光開始。
灰色や茶色の落ち着いた建物の様子は似ているのに、グラナダの街はセビーリャよりずっと都会的な印象を受けた。一番それを感じたのはたぶん、街の目抜き通りに車がせわしく行き交っていることや、ゴミくずが落ちていること。
私は街の何気ない写真を撮るのが好きだけれど、グラナダでは結局ほとんど撮らなかった。 -
朝、カテドラルに向かったはいいが、そのゴシック様式とルネサンス様式が混合しているという立派な建物は目の前にあるのに、入口がさりげなさすぎて分からず、3周もしてしまった。足、痛いっつうの。
外国では小さな感覚の違いのために、大きく遠回りしたりする。 -
カテドラルはセビーリャのものと比べると小さいけれど、それでも十分な広さと内容だった。
私は宗教的なものを一人でじっくりと見るのが限界になってきていて、ただ美しさや神聖さや力強さなどを感じたりするだけではなく、単純に、キリストの十字架や、その他の流血している像などが怖くなったりした。
カテドラルのすぐ隣の王室礼拝堂にはイサベル女王とフェルナンド2世、その娘と夫らの柩が安置されているのだけれど、柩のある地下への階段を下りるのもすっかりビクビクしてしまっていた。 -
あやしげな古い灰色のビルの3階の「日本語情報センター」をノックすると、あやしげな眼鏡の中年男性が一人、部屋に迎えてくれた。教室みたいな部屋の中には猫もいて、簡素な棚にはスペインの情報誌や民芸品が展示されていた。
「はい、こんにちは。なーんでも聞いて下さいね」
私は不審に思いつつも、久々に日本人と話せたことが嬉しくもあった。日本語の使用できるインターネットカフェの場所、アルハンブラ宮殿からアルバイシン地区への行き方、安いスペイン料理屋を聞くと、男性はオリジナルのチラシにメモを加え、親切にそれ以上のこともたくさん教えてくれる。
オリジナルのチラシは強烈だった。
冒頭「日本語情報センター:館内は無料解放”個人博物館”」
末尾「果たして人の一生は物の売り買いで一喜一憂するだけのものでしょうか。家や車のローンを払いながら、たまに海外旅行に行き、美味しいものを食べて自分の欲だけ満たして最後は皆等しく死ぬために働くのが人生でしょうか。日本語情報センターは単なる情報屋ではありません。スペインの情報やサービスを通して別次元の人生観を日本の同胞に問いかけます。」
本当にクセありすぎで若干ひるんだけれど、男性も暇なのか色々教えてもらえたし、私は奇妙な状況に出くわすのがわりと好きなので、来てよかった。 -
さっそく紹介してもらったインターネットカフェで仕事のメールを打ち、次に「ウサギ定食」のあるレストランへ行く。
私はウサギを食べる心の準備をするのが本当に大変だった。ただでさえ動物嫌い、さらにウサギは身近な生物なのでリアル、でもゲテモノには挑戦しなければ・・・という葛藤。
お店でメモを見せると、店員の男性に
「今日は、ウサギ、ありません」
と言われて気が抜けた。少し残念だけどホッとした。
代わりに牛肉の煮込み料理になり、他にパエリア、デザート、コーヒーが付いて8ユーロ。これこれ、この満足感が欲しかったの。おじさんさすが!
ボリュームも満点で苦しかったけれど、次はいつまともに食べれるかも分からないし、残さず食べる。 -
スペインで一番の人気を誇る観光スポットのアルハンブラ宮殿。チケット売場は長蛇の列になる恐れがあるのでネット予約が確実、と聞いてそうした。
でも実際にチケット売り場に着くとガラガラだった。ガイドブックも人間のアドバイスも、念には念を重ねている。さすがに中に入ると観光客はわりと多かったけれど。 -
アルハンブラ宮殿はイスラム期最後のナスル王朝の歴代王の居城。アルハンブラは「赤い城」を意味し、城壁が赤く見えたことに由来しているらしい。
敷地は広大。見学は3時間を要した。私はサラッと見てしまう方だけれど、見ごたえ十分だった。 -
最初に入ったルネッサンス様式のカルロス5世宮殿は、16世紀の建築と比較的新しい。
円形にくり抜かれた建物と、それに沿って並ぶ柱を見て、ロンダの闘牛場を思い出してしまった・・。
2階の美術館で現代アートの映像展示などされていたのが、新鮮だった。 -
次のアルカサバは、9世紀頃からのもので、宮殿の中で最も古い城塞跡。
城塞の土台部分だけが残っていて、日本の住宅の建設現場でも似たものを見るような、不思議な感じがした。 -
一番西にあるベラの塔から見渡すシエラネバダ山脈のうっそうとした緑の木々や、世界遺産に登録されているアルバイシン地区の白い家々の眺めは、本当に美しかった。
-
いよいよ私のチケットの指定時刻がきて王宮に入る。
たくさんのある建物は、壁や床や天井や柱などの、どこをとっても非の打ち所がないほど細かく緻密で、美しく、豪華だった。
床には落ち着いた緑や赤やベージュ色のタイルが、正確なパズルのように敷き詰められていたし、アーチ状の柱には、気が遠くなりそうなほど細かく、レースのように透ける漆喰細工が施されている。 -
二姉妹の間の鍾乳石装飾の天井は、蜂の巣がさらに細かく芸術的になったよう。天井をこんなに装飾するって不思議。
-
私は青空の下でコマレスの塔を池にそのまま映した、アラヤネスの中庭が気に入った。
-
残念だったのはライオンの中庭が工事中で見れなかったこと。
工事中の壁の隙間から噴水部分だけが覗き見えたけれど、その周りを囲む、肝心のライオンさんたちはどこに隠されてしまったんだろう・・。会いたかったなぁ。 -
最後に、少し離れたヘネラリフェへ。ヘネラリフェとは「すべてを見尽くす者の楽園」という、何ともうらやましい響き。
夏の離宮ということで、季節違いのため満開の花は見れなかったけれど、噴水や池からは水の音が溢れていて、涼しげだった。 -
出発前、スペイン好きの友人夫婦が
「アルハンブラ宮殿は日本人団体客もたくさんいるナンパスポットだからね。きっと声かけられるよ」
と私に言い、
「女の一人旅では何かあるかもしれないから」
とコンドームを渡してきた。
私は
「何かあったとしても、これだけはない!」
と言って、もちろんその場に放置した。私は外国でそんな楽しみ方ができるほど余裕のある人間じゃない。
・・しかし自分でも驚くくらい、誰にも話しかけられなかった。確かにオフシーズンということもあり、日本人も3人くらいしか見かけなかったのだが、個人旅行(時節柄、大学の卒業旅行と予想)のようだった。
個人は個人に話しかけそうなものだけど・・そう言えば私は旅先で現地人以外に話しかけられたことはほとんどなかった。東京ではうっとうしいほど変なキャッチやナンパにあうのに。
私も自分から話したいこともなかったので、そのまま観光終了。 -
アルハンブラ宮殿を出たらバスに乗り、次は逆にアルバイシン地区のサン・ニコラス広場からアルハンブラ宮殿を眺める。
高台から望む夕暮れ時のアルハンブラ宮殿の全貌はきれいだった。 -
アルバイシン地区は確かに迷路のように込み入っていて、窓辺に鮮やかなグラナダ焼のお皿や赤やピンクの花で飾られた白い家は美しい。
治安が悪いというのはとても残念。 -
出発時刻の21:25まで時間があったので、昼に行ったお店にリピート。昼に入った奥のテーブル席ではなく、カウンター席に座る。一杯飲んで行こうと思ったら、昼の店員のお兄さんが片言の日本語と英語で色々と話してくれて、もう一杯ごちそうしてくれる。赤ワインとレモネードを混ぜたもの、おいしかった。タパスも4種類ほど出してくれて、お腹も満足する。
そして「ウサギ」を頼んでいる日本人の男子学生たちを発見、ウサギと彼らと写真を撮らせてもらう。あ、私から日本人に話しかけてしまった。
そしてウサギは食べず、見た目も特に印象的でなく、安全パイな道を進んでしまった私。
お店のおにいさんに「写真送ってね」と住所を渡された。こうゆうの、いつもそれきりにしちゃってたけど、今度こそ旅が終わっても冷めないで約束守りたい。こうゆうの、社会人になって変わった気持ちかな!?
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
nkさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
19