2007/02/25 - 2007/03/13
944位(同エリア988件中)
nkさん
[2/26(月)夜〜2/27(火)夜]
たくさんの客を乗せてリスボンを出たバスは夜中に国境を越え、私は体勢を何度も変えながら寝て、翌日の早朝5:15、約9時間かけてセビーリャへ到着した。
みんなのように夜明けまでバスターミナルの待合所で待機すればいいのに、何を早まったか、私はいてもたってもいられなくなり、外へ出てタクシーを捕まえる。
地図もないマイナーなホテルの場所を、英語が全く通じない運転手のおじさんは知らなくて、私はさらに分からないから、互いにとても困った顔をして、スペイン語と下手な英語で同じ言葉を繰り返していた。
そこへ救世主が登場、英語も地理も分かる若手のタクシー運転手が、ホテルまでの道順をしっかり教えてくれた。おじさんと私のタクシーはようやく出発。よかったぁ。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- KLMオランダ航空
PR
-
ホテルに着いたのは6時頃。門が閉まっていたのだけれど奇跡的に中に人がいて、門を開けてくれた。
スーツケースを預かってくれたのは幸いだけれど、
「Check in is 10:00.」と言われて閉め出される。私が甘かった・・。
私は真っ暗な寒空の下、一人セビーリャの町をうろうろ。
でもうろつくと言ってもせいぜい100メートル圏内。小さな広場とおしゃれそうな洋服屋さん、高級そうな家具屋さんなどが並ぶこの通り、作業着姿の掃除のおばさんやおじさんが働き始めている、まだ安全そうな、ここの場所から離れられなかった。
7時になってもいっこうに明るくなる気配がしない。私は何度も「怖い!」「寒い!」を心の中と独り言に出していた。 -
7時過ぎに勇気を出して、明かりが窓からもれている小さなバルに入る。準備中かと思ったのだけど、もうお店にはお客さんがいて、なぜか客であるおじさんが私にも「ここへ座れ」とカウンターへ招いてくれる。
カウンターの中にいるお店のおじさん2人は、太ったお腹に白いシャツをピシッと着て、日本人には許されないかっこよさを感じた。そして迷子みたいな私をにっこり受け入れてくれた。
出発前にスペイン好きの友人に教わった「カフェ・コンレチェ(スペインのカフェオレ)」がさっそく役に立つ。細い耐熱グラスで出てきたカフェ・コンレチェは、とてもおいしくて冷たい体が温まり、時間もつぶしたいので、おかわりしてしまった。
でも朝のバルは本来ゆっくりするところではないらしく、地元の人たちが入れ替わり立ち代り、一人で、あるいは仲間とカフェ・コンレチェを飲みに来る。フランスパンにチーズをのせたトーストを頼む人もちらほら。お店のおじさんともみんな親しそう。
こうゆう一日の始まりって贅沢だなぁ、と思った。 -
8時前に店を出たら、空も街も明るくなっていた。通勤中の人もいっぱいいる。
あ〜もう怖くない!日が昇るって素晴らしい!
さっそく街に繰り出し、ヌエバ広場へ。
ここのコンセプトは何だったんだろう・・。見るに恐ろしいくらいの、ボロボロになった巨大な人間の頭だけの像が横に倒れて置いてあったり、腰から羽の生えた下半身だけの像の足元に頭が置かれていたり、何だか私の理解を超えていた。
インフォメーションでインターネットサービスを利用した後、街をぐるっと散歩して、ホテルへ戻ってチェックインし、ゆっくりお風呂に入る。
長い夜明けだった・・。 -
セビーリャの一番の見どころは、15世紀にイスラム支配時代のモスクをカトリック教会として改築した、世界で3番目の規模を誇るカテドラル。
ガイドブックの「聖堂参事会員が『正気の沙汰とは思えないほどの巨大なカテドラルを建てよう』と宣言」という言い回しが面白かった。
カテドラルは街の中心のコンスティトゥシオン大通りに、堂々と構えていた。ただ、通りに面した外壁と、通り一帯は工事中。旅行のオフシーズンに来ると、よくこうゆう風景に出くわす。 -
カテドラル中に入ると、とにかく大きい!奥行き116m、幅76mあるらしい。天井も高くて、空気がひんやりして荘厳な雰囲気。そしてとにかく豪華。
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大きな宗教画とか、細かい彫刻が金色にまぶしい祭壇とか、「○○礼拝堂」がたくさんありすぎて、全部を写真に納めるのは嫌になってやめた。
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しかし、キリストの十字架はリアルで正直ちょっと怖かったなぁ。
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カテドラルに隣接しているヒラルダの塔に登る。階段ではなくスロープになっている造りは、元々は馬でも登れるためだったって、これも面白い。
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高さ70m、360度の展望台からセビーリャの街を見渡す。白っぽい建物が遠くまでぎっしりと広がり、都会だと感じた。きれいだった。
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カテドラルからすぐ、第二の名所、アルカサルに行く前に、近くのレストランに入って腹ごしらえ。
ここではメニューをほぼ笑顔が素敵な男の店員さんに任せてしまったら、お会計は20ユーロ。ランチで3千円なんて、ありえない! -
気を取り直してアルカサルに入る。
この王宮もイスラム時代に建設され、レコンキスタ後にキリスト教徒の王たちが改築を繰り返してきたらしい。 -
全体的にこざっぱりとして綺麗な印象を受けた。「ムデハル様式」って聞いたこともなかったけれど、確かに純粋にヨーロッパというよりは、強くイスラムの雰囲気が漂っていた。
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驚いたのは、庭園の広いこと。
アルカサルの3倍くらいありそうな庭園には、噴水が散らばり、ヤシの木やオレンジの木、レモンの木などが茂り、開放的だった。 -
続いてはスペイン広場。
広場なんてあまり期待していなかったけれど、青い陶磁器でできた橋の欄干や、スペイン各地をタイルに描いて作ったベンチがとてもかわいいので、しばらくぼーっと休憩していた。 -
夕方になり、遠そうなマカレナ教会へ行くか迷ったけれど、一番人気の希望の聖母像とやらを見るべく、バスに乗る。
そこで見た、頬にガラスの涙がつたうマリア像は、確かにこれまでのどの像よりも、見る者の心に訴えかけるような表情をしていて、人気があることを納得。美しかった。 -
私はこれまで、日本人は世界中のどこにでも観光客として溢れていて、現地人は呆れながらもいいカモにしているのだと、思い込んでいた。でも、リスボン、シントラ、セビーリャで見かけた日本人は、たぶん計5人くらい。
ここまで、一度も日本語のパンフレットや音声ガイダンスを見かけなかった。また、本気で困ったのが、インターネットカフェで日本語が文字化けしていること。
私はこれまで10ヶ国くらい旅行したけれど、こんなにも、日本の立場の弱さというか、薄さのようなものを感じさせられた都市は初めてだった。 -
まったく未知のところに来た!という嬉しさはもちろんある。でも私は今、現実問題として、日本語が文字化けしていたら困るのだ。
この一人旅みたいに大胆な行動はできるのに、根が小心者の私は、アルバイトとはいえ会社の仕事のメールが数件きているのに読めないことが気になって仕方なく、観光中もそれをどう解決するか、ずっとひっかかっていた。
夜、再チャレンジして使ったパソコンは、奇跡的に日本語が読めた!書くことはできなかったけれど、前に勝手に設定してくれた日本人に感謝。
そして私が対応できなかった仕事は、代わりに上司がやってくれていて、本当〜に感謝。自分はいつも誰かに助けられてやっと過ごしているなぁと感じる。 -
セビーリャで泊まったホテルは、おしゃれな服屋や靴屋、飲食店などがひしめき、夜までにぎわうシエルペス通りのすぐ近く。私は周辺をぐるっと歩き、(おそらく)地元の人達で外まで溢れているバルへ潜入!
「今日こそ飲んでやるー!」と思ったんだ。
ここのバルは本当にひどいくらいの立ち飲み屋で、狭い店内に30人くらいが体をくっつけ合って飲んでいる。その人達をかき分けてやっとカウンターまで到達する。ステンレス製のカウンターはグラスとお皿で埋まっているし、色々こぼれている。
店員のおじさんに、ビールとタパスを身振り手振りで何とか注文する。タパスというのは小皿料理のことで、バルによって種類が違い、ここでは魚とイカのフライが出てきた。ビールとおつまみだな。 -
バル体験に満足したら帰るつもりが、楽しくなってきてもう一軒!
次は少し大きめの、でもやはり外までにぎわってるバルに入る。カウンターの上の天井から大きな生ハムがぶら下がって並んでいる。椅子席もあり、カップルやグループで祝日前夜みたいに盛り上がっている(この日はまだ火曜日)。
私は迷わずカウンターに行き、奥にたくさん積まれているフランスパンのサンドウィッチとビールを指差して注文。おいしくいただく。
どっちのお店でも3ユーロしなかった。昼食より断然安い!これでいいんじゃん、スペイン!と、少し分かった気がした。
酔っ払わないようにだけは注意して、21時過ぎにホテルへ帰った。
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この旅行記へのコメント (2)
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- DriveUSAさん 2007/08/14 19:21:04
- リスボンに行こうと思って見ていたので、余計なお世話ですが
- > 日本人は世界中のどこにでも観光客として溢れていて
それは、日本でも有名な都市や観光地だけの話でしょう。
北欧だって、ちょっと郊外に出ると日本人は皆無です。
さすがに米国では、日本では無名の国立公園に行っても日本人に会うことがあるますが、現地在住の人ばかりです。
YHの部屋で男女同室の話が書いてありましたが、これも世界標準。
別々の方が少ないと思います。
日本以外のバックパッカー宿で別になっていた経験はありません。
お隣の韓国でも、特に記載がなければ同室です。
- nkさん からの返信 2007/08/16 02:48:39
- RE: リスボンに行こうと思って見ていたので、余計なお世話ですが
- メッセージありがとうございます!
やっぱり日本人の観光客がいないところなんて、世界中に当たり前にあるんですね・・。
ちょこちょこ旅行していますが、まだまだ自分の視野の狭さを感じます。
いつか私も北欧にも行ってみたいです。
リスボンもお気をつけて楽しんできて下さい!
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