2007/01/13 - 2007/01/15
2458位(同エリア3757件中)
NODAさん
以前から行きたかった長崎。
ポルトガルとの交易に始まり、その後オランダや中国と交流し、20世紀には広島に次いで原爆の悲劇の舞台となった町。華やかさと忘れてはならない歴史を持つ町。
二泊三日の旅でしたが、長崎市内を歩くだけでも時間が足りませんでした。
長崎は、奥が深い町です。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- JALグループ
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-
空港からバスに乗って長崎新地バスターミナルへ。
ここが町歩きの出発点となり、ちょっと行くと早速中華街です。でもまだお昼前のためか開いているのは中華まん屋か土産物屋が殆ど。人通りも少なく閑散としていました。 -
中華街を背に西浜通りを歩くと青空市場がありました。
道の両側にゴザを敷いたり簡単な屋台を出して、おばちゃんたちがとれたての野菜や魚を売っているのですが、特に魚はキラキラ光って実に新鮮でおいしそう。
アマダイ、マダイ、ヒラメ、シタビラメ、キス、サバ、タチウオ、イカ…
いいですねぇ。美味しい魚が食べられるのが嬉しいのはもちろんですが、お店のおじさん、おばさんとちょっとしたやりとりをしながら買い物ができるのがいいです。
「500円でよかよ〜」「袋にいっぱい入っとるけん」、長崎弁が心地よかったです。 -
大きなアーケードを歩いていたらお腹が空いてきたので、長崎出身の方に教えて頂いたお店に向かいました。狙いは長崎名物トルコライス。
このトルコライス、チャーハンとトンカツ、昔ながらのスパゲティナポリタンがひとつのお皿に載って出てきます。一皿で三度おいしい、というグリコ顔負けの一品です。
どうしてトルコライスっていうんでしょうねぇ。
トルコライス、いかに3つの料理が載っていようとも、相手がお腹を空かせた食べ盛りの男とあってはどうにもならず、一瞬で皿の上から消えてしまいました。
ご馳走様、おいしくいただきました。 -
小さな商店の店先でみつけた「ながさきがんもどき」。
丸く、ふっくらとした厚みもあって、何ともおいしそう。
このお店で作っているようでした。 -
道で出遭ったボランティアガイドのおじさんによると、長崎の町を流れる中島川には14の橋があり、その橋を渡って行くと13のお寺があるそうです。つまり橋はお寺に行くために架けられたわけ。
それはこの絵で一目瞭然です。 -
その14の橋の中のひとつがこの眼鏡橋。
ほら、川面に映った橋が丸い眼鏡を作っているでしょ?
この橋の設計者は皇居の二重橋も設計したそうです。 -
磨屋(とぎや)町なんて昔ながらの町名が残っているのはいいですね。刀や包丁の砥ぎ職人が集まっていたのでしょうね。
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歩き疲れたらおいしいもの。これ、町歩きの常識です。
そしてここはぶたまんの桃太呂。手のひらにちょんと乗る、小さく可愛らしいぶたまんが人気で、2つ3つはぺろりと食べられてしまいます。お味も結構! -
ぶたまん食べて後ろを振り返れば、そこには「銅座市場」がありました。ここは、「歓楽街の御用達の市場」であり、「別名をおめかけさん市場」というそうです。ちょっと色っぽいですね。
中には魚屋、肉屋、乾物屋などが入っていて、いくつか椅子を並べた休憩所までありました。ほのぼのしていい感じ。 -
長崎といえば出島です。
出島が作られた目的は、表向きは貿易、実はキリスト教布教目的で日本にやってきたポルトガル人達を日本人から隔離するため、だったそうです。確か出島の面積は4000坪。広いようにも感じますが、ここだけに閉じ込められた生活は退屈だったことでしょう。実際、食事とビリヤードと丸山町の遊女と遊ぶことしか楽しみがなかったそうです。
ポルトガル人、オランダ人達が食べた食事のサンプルがテーブルに並べられていますが、それらは確かに(現代の僕らから見ても)豪勢なものでありました。 -
出島はその名の通り海に突き出た人工の島だったのですが、今では周りが埋め立てられ、小さな川の向こうに見える扇の内側となる曲線を持つ塀だけが当時の雰囲気を残しています。
そして、人工の島といっても当時の技術は高くなかったので、「島」と「陸地」を繋ぐ橋の長さはほんの数メートル。監視さえ厳しくなければ島から抜け出すのは難しくない感じでした。 -
町歩きをするとお腹が空きますね。
お腹が空いたら何か食べなくてはなりません。
そこで向かったのが唐八景さんに教えていただいた築町市場のクジラカツのお店。食べながら歩けるように袋に入れてくれました。
子供の頃はクジラの竜田揚げを良く食べましたが、カツを食べるのは初めて。少し甘めの味付けでした。 -
街の中の、魚屋さんが入ったスーパーの階段にはなんとタイが干してありました。ネコに持っていかれないんでしょうかねぇ。ちょっと心配。
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長崎の地下道にはステンドグラス風の壁絵がありました。
洒落てますね。 -
この看板もお洒落ですね。
ヨーロッパっぽいです。 -
地下道を抜け、諏訪神社にお参りしてから長崎歴史資料館へ。
ここ、結構面白いです。
南蛮貿易時代について資料と映像で紹介しており、貿易に関して起きた珍事件見せるコーナーもあります。抜け荷や汚職など、今でも珍しくない事件があって笑ってしまいます。
また、長崎は遠山の金さんの父上である遠山影晋が4年に渡って赴任した地なので、遠山奉行が裁くお白州を再現した寸劇を見ることもできます。これが面白い。
で、劇が終わるとお奉行が「どなたか写真を撮りませんか?」と言ってくれるわけ。このチャンス、逃すわけにはいきません。「はい、はい、は〜い!」と手を上げ、この写真となりました。 -
浦上天主堂から少し歩いたところに「長崎の鐘」を記した永井隆博士の記念館と、その隣に博士が住んだ如己堂があります。放射線科の医師である永井博士は原爆で重症を負ってもそれをおして負傷者の治療にあたり、さらに治療に力を入れるあまりに多量の放射線を浴び、43歳の若さで白血病に倒れた方です。また如己堂は病を得た博士に友人知人が贈った2畳の部屋を持つ小さな家で、「己の如く人を愛せよ」とのキリスト教の教えから名づけられたもの。
今回の旅で最も強く心に残ったのが永井博士の生き方でした。 -
原爆の爆風により半分を吹き飛ばされた鳥居です。
しかしこの神社には傷を負いながらも生き残ったたいへん立派な楠(欅だったかな)もありました。 -
路面電車に乗り、唐人街跡に向かいました。
昔はこんな感じだったのですね。
西洋人が出島に閉じ込められたのに対し、唐人さんは街の中に住めたのですね。とはいえ、やはり唐人街の周りには細い堀があって、日本人が住むエリアとは区別されていたようです。 -
これは孔子廟に祭られたお祖師様。
ちょっと、可愛らしいですな。 -
長崎といえばオランダ坂。
ここはテレビや雑誌でよく紹介される坂ですが、本当のオランダ坂は丸山町辺りの坂の総称らしいですね。昔長崎では西洋人を「オランダさん」と呼んだそうで、彼らが遊びに出かけて歩いた坂道なのでこの名がついたのでしょう。 -
オランダ坂から歩いてグラバー園に向かいました。
僕らは旧スチイル学校側の入り口から入りました。ここへは長崎電気軌道(路面電車ね)の石橋駅から細い路地を入って行くのですが、園の入り口は坂をず〜っと登った上にあるので辿り着くまでがたいへんです。
実はここの坂には斜めに走るエレベーターが付けられており、観光客も地元の人たちもこれを使って楽に坂を登ることができます。写真は坂を登った上から下界を見たものです。結構高いでしょ?もしエレベーターがなかったら、ここに住むのは本当にたいへんなことです。 -
これがグラバー園ですね。
オペラ「蝶々婦人」の舞台として有名ですが、本当は蝶々婦人とグラバーさんは何の関係もないのだそうです。また、蝶々さんのモデルはグラバー氏の奥さんである、との説も違っているとのこと。でもそういうロマンのある、というか、美しい話を無碍に否定するのも無粋なことなので、園も長崎の皆さんも、表立って「それは違うよ」とは言わないとか。
園内にはカフェもあるので、歩き疲れたらカステラで一息つくのもいいかもしれません。 -
グラバー園に住んだ皆さんのお食事を再現しました。
豪勢なものですね。 -
グラバー園からの町の眺めもいいのですが、園の裏手にある鍋冠山展望台に登るとさらに素晴らしい眺めを得ることが出来ます。まぁ、そのためには少し汗をかかなくてはならないのですが・・・
この写真は外海(魚力灘)を見たもの。 -
こちらは長崎市内です。
-
グラバー園を出て名物のちゃんぽんを味わい、外に出たら日が暮れていました。夜景もきれいです。
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おまけ:長崎県は島が多いので海上交通が発達しているようです。フェリーであちこちに渡るのも楽しそうです。
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おまけ:3日めのお昼。鯛飯定食。
民家調のお店でのんびりとおいしくいただきました。
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この旅行記へのコメント (10)
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- めぐみ☆さん 2007/02/08 10:35:46
- ショートカット。
- NODAさん、この道まで良く辿りつけましたね(^^)v
市場の横を突っ切って行くので分かり難いと思ってましたが…。
この辺りも小学生の頃の遊び場でした。市場の中には同級生のお店も…。
鍋冠山にも登られたようで、、凄い!!
次回はぜひ「唐八景」へ。大浦方面の反対側は茂木が見えて良い眺めです。
遠くは天草も見える(お天気が良ければ)
お寺さんは拝観料を取るところは数寺しかありません。境内自由に!が多いですからぜひ。。
道で面白いのは、諏訪神社横(県立図書館があった所の道)は良いですよ。
道の真中にケヤキ?かな。。大木がどーんと!
下りカーブではちょっと怖い。
ランタンも素敵でしたよ。
この時期でしたら、「桃カステラ」があるかもしれません。
ご賞味下さい。
そうそう、長崎は古の頃から砂糖が豊富だったので、甘い味付けかもしれませんね。
実は皿うどんにもチャンポンにも少し砂糖が入ってます。
勿論かまぼこにも…。
長崎の素敵なレポート、、元市民としてとっても嬉しいです。
有難うございます。
私が長崎に住んでいたら、あちらこちらとご案内できたのに…
(ハード過ぎて疲れるかしらん ^_^; )
- NODAさん からの返信 2007/02/10 18:16:24
- RE: ショートカット。
- 町歩きの楽しみは路地裏歩きにありますから、どんな道にでも入って行ってしまいますよ。小さな飲み屋が集まる小路や地元の市場が集まる広場なんて楽しいですよね。場所によっては怪しいところもありますけど・・・
長崎の町が遊び場だったなんて、唐八景さんは恵まれていましたね。
もし僕が長崎っ子だったら、川崎なんかには来なかったと思います。
次の旅も友人と行くので行き先をどの程度自由に決められるか分かりませんが、唐八景公園は行ってみたいと思います。そして桃カステラを食べてカマボコも味わって、できれば卓袱料理も。
あと2週間あるので、唐八景さんの旅行記を読み直して研究します。
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- アル中さん 2007/02/05 20:48:31
- 酔う前に書いとこうっと
- NODAさん、お久しぶりです
こんばんは〜
長崎に行かれたのですね。
私は行った事がないので、ぜひ行きたい所です。
いろいろ参考になりました。
トルコライスは聞いた事は有りますが、ぜひ食べてみたいです。
ボリューム有りそうですね。
原爆で吹っ飛んだ鳥居は初めて知りました。
一度、見ておきたいですね。
クジラカツも良いですね〜
少し、やせられたのでしょうか?
次のアジア旅行記も楽しみにしております。
では、また〜
- NODAさん からの返信 2007/02/07 21:53:48
- RE: 酔う前に書いとこうっと
- アル中さん、まいど。
長崎は良かったですよ。
歴史もおいしいものもたっぷりある町ですから。
お酒も美味しいと思いますよ。
また、今月半ばから来月にかけてランタンフェスティバルが催されますので、これも華やかで楽しそうです。となれば行かない手はありませんから、今月に続いてまた遊びに行ってしまいます。
レポートをお待ちくださいね。
-
- コクリコさん 2007/01/23 23:15:13
- 長崎
- NODAさん、こんばんは。
3日間の長崎旅行記できあがりましたね。
3日といっても実質は1日半くらいでしょうか。
見たりなかったのは頷けます。
長崎は大陸や半島に近いので原始日本人の中ではいち早く文化が進んだ地域だったでしょうね、その後も数々の歴史の舞台になったり華やかなことも悲惨なことも。畿内のヤマトとはまた違う深さを感じます。
美味しそうなものを食べ尽くすには3日では足りないですよね。
NODAさんの好きそうなものばかりです。宿に持って帰って食べられるものもありましたか?
またオランダ坂を走り下りるのは大変だったでしょう?写真を見ただけでも長そうですね、まぁNODAさん若いから大丈夫だとも(^^)
有名所ももれなく行かれたのですね。同じ場所でも女性の唐八景さんの旅行記と微妙に違うので面白いです。
ところでお白州のお奉行さまはNODAさんのお友だちですか?
そうそう、妹もNODAさんの旅行記を見てると言いましたよね。「NODAさんが写ってる」と喜んでいました。
長崎市内だけなら安いツアーがありそうなのでいつか行ってみたいと思います。五島列島や島原へ行くのは格安料金はないですよね。
- NODAさん からの返信 2007/01/24 22:30:26
- RE: 長崎堪能しました
- コクリコさん、いらっしゃいませ。
二泊三日の旅でしたが、初日と3日めは移動があったので、歩き回れたのはまる二日、といった感じです。歩数でいうと、初日が11,000歩、二日目が18,000歩、三日目が12,000とメモがありました。いやぁ、我ながら良く歩きました。
オランダ坂を駆け下りたのは二日目でしたが、スピードがついて本当に転んでしまいそうでしたよ!
出島のガイドさんは、「長崎の歴史には4つのポイントがあります。ポルトガルとの交易と、・・・原爆投下です。」と説明されましたが、確かに考えてみればもっと昔には朝鮮半島との交流があったのですから、懐が深いのは当たり前なんですよね。市内の本屋でご当地本を買っておけばよかったなぁ、と悔やんでいます。案外早く、次の機会が来たりして・・・
今回の旅は本当に駆け足で、有名処を見て回っただけのように思えます。
歴史博物館にしろ出島にしろグラバー園にしろ、もっと時間をかけて見たかったし、唐人街跡や13のお寺にも立ち寄ってみたかった。国宝のお寺もあるんですものね。あとはちょっと高級なお店で卓袱料理も食べてみたかったです。
でも食べ物に関して言えば、唐八景さんのおかげでいろいろ食べられましたよ。クジラかつなんて川崎では食べられませんから!
>まぁNODAさん若いから大丈夫だとも(^^)
これは…ちょっとはずかしいですね。
本編にも書きましたが、今の僕と同じ年43歳で亡くなった永井博士の生き方を考えると、今月は長崎、来月は奈良、その次はどこに行こうかな、なんてフラフラした生活をしていていいんだろうか、と思います。普段は口が減らない僕も、永井隆記念館を出た後は少し考え込んでしまいました。
>ところでお白州のお奉行さまはNODAさんのお友だちですか?
まさか!
あのお奉行はれっきとした役者さんです。
寸劇のあと、お奉行が「どなたか写真を」と言ってくれているのに、お客はそそくさと帰ってしまうんですよ。そんな中、僕だけが大声で「はい、はい、は〜い!」。お奉行が勧めてくれた座布団に座りましたが、やはりお奉行の形が決まってますね。お奉行の左隣には友人が座っているのですが、このご時世なのでカットしました。
>「NODAさんが写ってる」と喜んでいました。
これも気恥ずかしいですが、喜んでいただけで僕も嬉しいです。
次はもっと大きな写真を載せますからね!(いや、冗談です)
長崎へは低料金の航空会社が就航していますから、これを使えば割と安く行けると思います。ただツアーだと乗る便が制限されてしまう場合がありますので、それが不都合な場合にはJALの特割、ANAの早割がいいですね。
Yahoo Travelで調べると安いツアーが見つかりますよ。
- NODAさん からの返信 2007/01/25 21:44:18
- 格安ツアー
- ランタン祭りの頃の長崎パックツアーは、週末二泊三日で24,800円からありますね。スカイネットアジア航空往復と、ホテル一泊付きです。もう一泊は自分で好きなところを手配するわけ。
行ってしまおうかなぁ。
- コクリコさん からの返信 2007/01/25 23:39:35
- RE: 長崎
- こんばんは。
安いチケットを見つけましたね。
昨日のNHKの「その時歴史が動いた」と島原の乱でしたね。
スペインやポルトガルの思惑と幕府の思惑に挟まれた貧しかった島原の人たちが犠牲者ですね。
いつも一番酷い目に合うのは庶民です。
天草四郎の肖像画は美男子でした。
- もろずみさん からの返信 2007/01/26 00:19:04
- RE: 長崎
- NODAさん、こんにちは。
天気に恵まれた長崎だったようで何よりでしたね。
もっと観光地っぽい感じかと思いましたが、写真をみると庶民的な雰囲気がします。
コクリコさんが書いているように有名所を網羅したようですね。
歴史の層が厚いんだなぁというのはよくわかりますよ。
市内だけでも十分堪能できそう。
それにしても食べ物の豊富さにはそそられますね。
クジラかつ食べてみたいです。
えっ!もう一度ですか?
- NODAさん からの返信 2007/01/26 07:53:00
- RE: 長崎
- もろずみさん、おはようございます。
長崎市内だけでも、じっくり歩くと結構な時間が必要ですし、それだけいろいろな発見があると思います。長崎行き、お勧めしますよ。
来月のランタン祭りは写真でみるとかなり華やかで楽しそうです。有給休暇もかなり余っているし、3月は仕事が忙しくなりそうなので、この機会に行こうかどうか、迷ってしまいます。まぁ、2ヶ月続けて、ってのは躊躇するところではあるのですが・・・
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