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旅も5日目、好きな時に好きな場所へ。気ままな旅は続きます。<br />今日は敦煌の残りの観光地をまとめて周遊する事にする。<br />ま、超強行軍だった昨日に比べりゃ全く問題なかんべや。<br /><br />写真は朝一で行った月牙泉。まぁよくあるアングルです。<br />もともとここは何もない砂漠で、敦煌の観光名所を増やす目的で<br />この泉と楼閣が造られたんだとか。はぁ……ちょっと幻滅。<br />ただ、このいかにもイメージ通りの砂漠地帯である事は嬉しい。<br /><br />旅も中盤……え、もう中盤?半分きちゃったのか。<br />旅に出た時には10日強の長旅だと感じていたのに、半分を過ぎると一気に残り時間が駆け抜けていってしまう感覚だ。

異文化散歩 絹の道ひとり旅~第5章・青龍の巻~

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2006/09/25 - 2006/09/28

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ぱんぱーす

ぱんぱーすさん

旅も5日目、好きな時に好きな場所へ。気ままな旅は続きます。
今日は敦煌の残りの観光地をまとめて周遊する事にする。
ま、超強行軍だった昨日に比べりゃ全く問題なかんべや。

写真は朝一で行った月牙泉。まぁよくあるアングルです。
もともとここは何もない砂漠で、敦煌の観光名所を増やす目的で
この泉と楼閣が造られたんだとか。はぁ……ちょっと幻滅。
ただ、このいかにもイメージ通りの砂漠地帯である事は嬉しい。

旅も中盤……え、もう中盤?半分きちゃったのか。
旅に出た時には10日強の長旅だと感じていたのに、半分を過ぎると一気に残り時間が駆け抜けていってしまう感覚だ。

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  • 9月27日。9時半に西域賓館入り口で待ち合わせる。まずはすぐ隣に建っている切符売り場で、明日の敦煌〜嘉峪関の列車の切符を買う。今までは街から130kmも離れた柳園という駅まで行かねばならなかったのだが、8月に敦煌の街のはずれに新しく敦煌駅が建てられ、運行を開始したのだ。これは行かねば。<br /><br />う〜ん、この写真、切符売り場の目の前にあったものなんですが……気持ちはわかるんですよ。何が書きたいかもとってもよくわかるんです、頑張ってるんですよ〜。みんなもわかるでしょ〜?でもね……「ゴバ」ってなんじゃい「ゴバ」って!どうやら「ゴミ」と「バコ」が合体した挙句、この結末を迎えてしまったようです。

    9月27日。9時半に西域賓館入り口で待ち合わせる。まずはすぐ隣に建っている切符売り場で、明日の敦煌〜嘉峪関の列車の切符を買う。今までは街から130kmも離れた柳園という駅まで行かねばならなかったのだが、8月に敦煌の街のはずれに新しく敦煌駅が建てられ、運行を開始したのだ。これは行かねば。

    う〜ん、この写真、切符売り場の目の前にあったものなんですが……気持ちはわかるんですよ。何が書きたいかもとってもよくわかるんです、頑張ってるんですよ〜。みんなもわかるでしょ〜?でもね……「ゴバ」ってなんじゃい「ゴバ」って!どうやら「ゴミ」と「バコ」が合体した挙句、この結末を迎えてしまったようです。

  • 9時56分。早々と月牙泉の入り口に到着。ここは敦煌の街に程近く、車でわずかに10分足らずで着いてしまう。なるほど、敦煌市観光局は、街の近くに観光名所があれば街自体も潤う、と考えたんでしょうね。<br /><br />ここで俺が出てくるのを待たせるのもアレなので、運ちゃんには仕事に行ってもらった。待ち合わせは13時。3時間のフリータイムだ。

    9時56分。早々と月牙泉の入り口に到着。ここは敦煌の街に程近く、車でわずかに10分足らずで着いてしまう。なるほど、敦煌市観光局は、街の近くに観光名所があれば街自体も潤う、と考えたんでしょうね。

    ここで俺が出てくるのを待たせるのもアレなので、運ちゃんには仕事に行ってもらった。待ち合わせは13時。3時間のフリータイムだ。

  • 入り口で意外な石碑を発見。何と敦煌市は大分県の臼杵市と友好関係を築いているというのだ……何故に臼杵市?いや、まぁ別に構わないのだが。<br /><br />我が故郷・四街道はどこの外国の街と友好関係を築いているのだろうか。

    入り口で意外な石碑を発見。何と敦煌市は大分県の臼杵市と友好関係を築いているというのだ……何故に臼杵市?いや、まぁ別に構わないのだが。

    我が故郷・四街道はどこの外国の街と友好関係を築いているのだろうか。

  • 10時ジャスト。まずは鳴沙山がお出迎え。名前の由来は、特定の気象条件下において砂が音をたてるためという事らしいが、俺が駆け上ろうが何しようが砂はうんともすんとも言わなかった。おいコラ、鳴れや。どうも晴れでは鳴いてくれそうにない。ううむ、残念。

    10時ジャスト。まずは鳴沙山がお出迎え。名前の由来は、特定の気象条件下において砂が音をたてるためという事らしいが、俺が駆け上ろうが何しようが砂はうんともすんとも言わなかった。おいコラ、鳴れや。どうも晴れでは鳴いてくれそうにない。ううむ、残念。

  • もうね、このコすっごく可愛かったんですよ。寝そべって砂に身体をこすりつけて遊んでるの。でね、俺がカメラのファインダーを向けてるのを見ると、動きを止めてじーーっと俺を見てるの。そのつぶらな瞳が黒くてきょろっと俺を見つめてて、もう可愛くて可愛くて……ぎゅーって抱きしめてあげたかったぁ☆<br /><br />いけね、女のコみたいな文体になっちまった。次行くぞ、次。

    もうね、このコすっごく可愛かったんですよ。寝そべって砂に身体をこすりつけて遊んでるの。でね、俺がカメラのファインダーを向けてるのを見ると、動きを止めてじーーっと俺を見てるの。そのつぶらな瞳が黒くてきょろっと俺を見つめてて、もう可愛くて可愛くて……ぎゅーって抱きしめてあげたかったぁ☆

    いけね、女のコみたいな文体になっちまった。次行くぞ、次。

  • 10時20分過ぎ、駱駝にしようか車にしようか迷った挙句、徒歩で月牙泉まで行く事に決定。駱駝はもう何度か乗ったし、車じゃ早いけど味気なさ過ぎる……<br /><br />徒歩の際は、10元で靴の中に砂が入らないように袋を貸してくれる。靴を履いたまま、更にこの袋を履くのだが……えーと、右足はちゃんと膝と脛の間でヒモを結べるのですが、左足の袋のヒモはいくらキツく結んでもすぐにずり落ちてきてしまいます。うーん、同じ大きさの袋、1組にしておいとけよ全く……

    10時20分過ぎ、駱駝にしようか車にしようか迷った挙句、徒歩で月牙泉まで行く事に決定。駱駝はもう何度か乗ったし、車じゃ早いけど味気なさ過ぎる……

    徒歩の際は、10元で靴の中に砂が入らないように袋を貸してくれる。靴を履いたまま、更にこの袋を履くのだが……えーと、右足はちゃんと膝と脛の間でヒモを結べるのですが、左足の袋のヒモはいくらキツく結んでもすぐにずり落ちてきてしまいます。うーん、同じ大きさの袋、1組にしておいとけよ全く……

  • およそ20分ほどであっという間に泉へ到着。これなら歩きでも全然問題ない。というか、入り口からわざと離れたところ(尚且つ鳴沙山の裏手で入り口からは全く見えないところ)に泉と楼閣を設置して、距離感のない旅行者相手に交通機関を有料で提供して金を稼ぐ魂胆だな。んったく、このヤロウ。<br /><br />道中、駱駝のコロコロとした糞がそこかしこに転がっている。駱駝の通り道にあたる部分は悲惨の一語だ。間違っても転んだりする事のないよう注意せねば!

    およそ20分ほどであっという間に泉へ到着。これなら歩きでも全然問題ない。というか、入り口からわざと離れたところ(尚且つ鳴沙山の裏手で入り口からは全く見えないところ)に泉と楼閣を設置して、距離感のない旅行者相手に交通機関を有料で提供して金を稼ぐ魂胆だな。んったく、このヤロウ。

    道中、駱駝のコロコロとした糞がそこかしこに転がっている。駱駝の通り道にあたる部分は悲惨の一語だ。間違っても転んだりする事のないよう注意せねば!

  • 10時54分、楼閣に足を踏み入れる。ここでは月牙泉の成り立ちや、有名著名人がここを訪れた際の写真などを展示してある。胡錦濤なんかもばっちり来訪していた。次は俺の写真を貼りやがれ。<br /><br />やはり砂漠、陽の光がかなりキツい。慣れない砂地を歩き続けた事もあって、まだ午前だというのにかなり体力を消耗した。<br /><br />この後、1つ上の写真左の砂山に設備を使わず(砂山の至るところに頂上まで上るための梯子等が設置してある。有料)に上ろうとしたのだが、まるで蟻地獄のような砂山はとても上りきれるものではなかった。4分の3程まで上りながらも断念。しかも写真も見事に撮り忘れた!ちなみに上りにかかった時間はおよそ30分強、下りるのにかかった時間は1分だった……をい、何だこの差は?

    10時54分、楼閣に足を踏み入れる。ここでは月牙泉の成り立ちや、有名著名人がここを訪れた際の写真などを展示してある。胡錦濤なんかもばっちり来訪していた。次は俺の写真を貼りやがれ。

    やはり砂漠、陽の光がかなりキツい。慣れない砂地を歩き続けた事もあって、まだ午前だというのにかなり体力を消耗した。

    この後、1つ上の写真左の砂山に設備を使わず(砂山の至るところに頂上まで上るための梯子等が設置してある。有料)に上ろうとしたのだが、まるで蟻地獄のような砂山はとても上りきれるものではなかった。4分の3程まで上りながらも断念。しかも写真も見事に撮り忘れた!ちなみに上りにかかった時間はおよそ30分強、下りるのにかかった時間は1分だった……をい、何だこの差は?

  • 砂山を死に掛けの状態で上り下りし、もはやピクリとも動きたくない俺を救ったのはコレ「杏皮茶(5元)」だった。日本ではまず味わえない味と喉ごしだ。少々くせがあるので好みは分かれそうだが。<br /><br />おっと、こんな事をしている間にもう12時20分だ。運ちゃんから電話がかかってきた。どうやらもう着いて待機しているようだ。さて、それじゃぼつぼつ戻るとしますか。

    砂山を死に掛けの状態で上り下りし、もはやピクリとも動きたくない俺を救ったのはコレ「杏皮茶(5元)」だった。日本ではまず味わえない味と喉ごしだ。少々くせがあるので好みは分かれそうだが。

    おっと、こんな事をしている間にもう12時20分だ。運ちゃんから電話がかかってきた。どうやらもう着いて待機しているようだ。さて、それじゃぼつぼつ戻るとしますか。

  • 帰り道。てくてく歩きながら写真を撮る。月牙泉周辺一体はオアシスのようになっていて、草木も花も見事に咲き誇っている。田舎の散歩道を草っぱをくわえながら歩くような、そんな情景がふっと頭をよぎった。<br /><br />昨日見た陽関や玉門関周辺とこの月牙泉周辺、どちらも砂漠であり、距離もそれほど離れていないのに、この砂の差は一体何なんだ?と少々驚いた。この砂と荒地の境界線がどんな地形になり、どんな地面になっているのか、調べてみたら面白いかもしれない。

    帰り道。てくてく歩きながら写真を撮る。月牙泉周辺一体はオアシスのようになっていて、草木も花も見事に咲き誇っている。田舎の散歩道を草っぱをくわえながら歩くような、そんな情景がふっと頭をよぎった。

    昨日見た陽関や玉門関周辺とこの月牙泉周辺、どちらも砂漠であり、距離もそれほど離れていないのに、この砂の差は一体何なんだ?と少々驚いた。この砂と荒地の境界線がどんな地形になり、どんな地面になっているのか、調べてみたら面白いかもしれない。

  • 遠くからはるばるシルクロードを越えてやってきたキャラバン隊を発見……した訳ではなく、砂漠と駱駝を1つの写真に収めてみたかっただけなのですが、実際のキャラバン隊はこんな感じで旅を続けてきたのだろうな、と思うと感慨深いものがある。<br /><br />ここでは、スノボーの砂版「サンドボード」を楽しむ事ができる。俺は時間が足りずにできなかったのだが、どこかで是非やってみたいものである。かなり楽しそうだ。エアーとか決めるジャンプ台も欲しいな。

    遠くからはるばるシルクロードを越えてやってきたキャラバン隊を発見……した訳ではなく、砂漠と駱駝を1つの写真に収めてみたかっただけなのですが、実際のキャラバン隊はこんな感じで旅を続けてきたのだろうな、と思うと感慨深いものがある。

    ここでは、スノボーの砂版「サンドボード」を楽しむ事ができる。俺は時間が足りずにできなかったのだが、どこかで是非やってみたいものである。かなり楽しそうだ。エアーとか決めるジャンプ台も欲しいな。

  • 12時43分、入り口を出る。目の前に広がるのはお土産屋の数々。駱駝の置物とか、普段なら気にもかけないようなものなのに、こういうところだとやけに目に留まる。うわ、危ない危ない。荷物はおいそれと増やせないぞ。<br /><br />入り口から少し歩き、車止めを過ぎると、運ちゃんが待っていた。何やら別の客を乗せている。あんにゃろ、次の行き先が莫高屈だからって、同じ方面に向かう他の客をうまく見つけやがったな。だから時間前に電話なんかよこした訳だ……んったく。まぁいいや。俺、この運ちゃんとかなり気が合うから。

    12時43分、入り口を出る。目の前に広がるのはお土産屋の数々。駱駝の置物とか、普段なら気にもかけないようなものなのに、こういうところだとやけに目に留まる。うわ、危ない危ない。荷物はおいそれと増やせないぞ。

    入り口から少し歩き、車止めを過ぎると、運ちゃんが待っていた。何やら別の客を乗せている。あんにゃろ、次の行き先が莫高屈だからって、同じ方面に向かう他の客をうまく見つけやがったな。だから時間前に電話なんかよこした訳だ……んったく。まぁいいや。俺、この運ちゃんとかなり気が合うから。

  • 13時52分、月牙泉から民芸博物館を経由して莫高窟へ到着。博物館では360度のパノラマ画面で甘粛省の名所を紹介していた(月牙泉とセット料金なので大がかりの割に無料)。これから蘭州と嘉峪関に行こうという時にモロにその地の映像を見せられてしまい、正直参った……。<br /><br />敦煌の駅は、丁度高速道路から莫高窟へ続く脇道の入り口近くにありました。というか、空港もすぐ傍に見えてるんですけど……まぁ着いた時は真っ暗だったし、しゃあないか。

    13時52分、月牙泉から民芸博物館を経由して莫高窟へ到着。博物館では360度のパノラマ画面で甘粛省の名所を紹介していた(月牙泉とセット料金なので大がかりの割に無料)。これから蘭州と嘉峪関に行こうという時にモロにその地の映像を見せられてしまい、正直参った……。

    敦煌の駅は、丁度高速道路から莫高窟へ続く脇道の入り口近くにありました。というか、空港もすぐ傍に見えてるんですけど……まぁ着いた時は真っ暗だったし、しゃあないか。

  • 莫高窟入り口の川。完全に干上がっている。しかし水の流れた跡が比較的くっきり残っているところからして、きっとまた水は流れてくるのだろう……どこからくるんだろう、この水。<br /><br />ここで俺は、よくシステムを理解せずにチケット(100元)を購入してしまい、中国語ツアーに参加する事になってしまった。日本語のツアコンを手配するにはもう20元必要なのだが、この暑い中を莫高窟入り口からチケットセンターまで戻ってチケットを買い直す気力は無く……結局このツアーへの参加を決断した。意味も無くゲートとチケットセンターを500m近く離すんじゃねぇ。俺以外にも戸惑ってる客いるじゃねぇか!<br /><br />実はシステムを理解していながら中国語ツアコンのチケットを購入した事は内緒だ。

    莫高窟入り口の川。完全に干上がっている。しかし水の流れた跡が比較的くっきり残っているところからして、きっとまた水は流れてくるのだろう……どこからくるんだろう、この水。

    ここで俺は、よくシステムを理解せずにチケット(100元)を購入してしまい、中国語ツアーに参加する事になってしまった。日本語のツアコンを手配するにはもう20元必要なのだが、この暑い中を莫高窟入り口からチケットセンターまで戻ってチケットを買い直す気力は無く……結局このツアーへの参加を決断した。意味も無くゲートとチケットセンターを500m近く離すんじゃねぇ。俺以外にも戸惑ってる客いるじゃねぇか!

    実はシステムを理解していながら中国語ツアコンのチケットを購入した事は内緒だ。

  • 莫高窟入り口。中国語ツアーは大体15人前後でひとかたまりになってツアコンの指示のもと移動する。見られる石窟の数は、常時開放されている石窟5〜6箇所前後と施錠されている石窟2〜3箇所といったところだ。<br /><br />ちんぷんかんぷんかと思いきや、意外や意外、ある程度は説明が理解できる。これは俺が得意な歴史に関する分野の話だからなのか、それとも俺の中国語能力がアップしたのか……いずれにせよ嬉しい誤算だった。

    莫高窟入り口。中国語ツアーは大体15人前後でひとかたまりになってツアコンの指示のもと移動する。見られる石窟の数は、常時開放されている石窟5〜6箇所前後と施錠されている石窟2〜3箇所といったところだ。

    ちんぷんかんぷんかと思いきや、意外や意外、ある程度は説明が理解できる。これは俺が得意な歴史に関する分野の話だからなのか、それとも俺の中国語能力がアップしたのか……いずれにせよ嬉しい誤算だった。

  • 残念ながら内部の撮影は禁止されているので、外壁だけしか撮る事はできない。もっとも、これだけでもかなりお腹いっぱいにはなれるのだが。<br /><br />何故に中国仏教ではこんな苦行のような修行が流行したのだろうか。山肌に穴を掘るだけでも一苦労なのに、更にその中で大小様々な仏像や絵画を彫りつけていくのだから。今のように明かり取りも充実してはいなかっただろうに、並々ならぬ苦労があったのだろうと思われる。日本の仏教とのあまりの差異にしばし驚く。<br /><br />面白いのは、1つの場所にありながら様々な年代の作品が混在し、様式が全く異なる点だ。一口に説明するのは難しいので専門のHPを見てもらいたいが、例えば第401窟(隋代)の壁画には千仏や飛天像が壁面一杯に描かれており、部屋全体で信仰を表現しようとしたのに対し、第130窟(唐代)などは巨大な大仏1体で信仰を表そうとするなど、素人目にもわかる違いも多い。他にも印度色の強い造作か中国的な造作か、同じテーマでありながら表現に大きな差がある、など沢山の切り口から作品を見ることができる。歴史や芸術好きにはたまらない場所だ。

    残念ながら内部の撮影は禁止されているので、外壁だけしか撮る事はできない。もっとも、これだけでもかなりお腹いっぱいにはなれるのだが。

    何故に中国仏教ではこんな苦行のような修行が流行したのだろうか。山肌に穴を掘るだけでも一苦労なのに、更にその中で大小様々な仏像や絵画を彫りつけていくのだから。今のように明かり取りも充実してはいなかっただろうに、並々ならぬ苦労があったのだろうと思われる。日本の仏教とのあまりの差異にしばし驚く。

    面白いのは、1つの場所にありながら様々な年代の作品が混在し、様式が全く異なる点だ。一口に説明するのは難しいので専門のHPを見てもらいたいが、例えば第401窟(隋代)の壁画には千仏や飛天像が壁面一杯に描かれており、部屋全体で信仰を表現しようとしたのに対し、第130窟(唐代)などは巨大な大仏1体で信仰を表そうとするなど、素人目にもわかる違いも多い。他にも印度色の強い造作か中国的な造作か、同じテーマでありながら表現に大きな差がある、など沢山の切り口から作品を見ることができる。歴史や芸術好きにはたまらない場所だ。

  • 莫高窟のシンボルともいえる第96窟外観。正面から撮っても芸がないので、あえて左斜めからのアングルで撮らせていただいた。<br /><br />この中におわしますは、見上げると首が痛くなるような超巨大大仏。間違いなく鎌倉のそれよりはでかい!奈良のは見た事ないからようわからん!こんな岩の内部にこれだけの大仏を造るって、一体どんだけ苦労したかったんだ、当時のお坊さん達は!!この楼閣のほぼてっぺん部分まで大仏が聳え立っているのだから、下に小さく写っている人間と比較してその大きさを慮ってもらいましょう!<br /><br />愚かな事に、ここでフラッシュ撮影などしてしまった女の子がいた。その刹那、優しい声で解説していたツアコンさんの様子が一変、「誰だ今写真撮ったのはっ!!」と怒声を響かせた途端に警備員2名があっという間に人ごみの中から当該女の子を見つけ出し、連行していってしまった。まだ二十歳にも満たない女の子だろうに、対応が怖すぎる。女の子は恐怖で泣き叫んでいましたよ。ま、自業自得だけどね、可哀想だけど。俺も注意しよ〜っと。

    莫高窟のシンボルともいえる第96窟外観。正面から撮っても芸がないので、あえて左斜めからのアングルで撮らせていただいた。

    この中におわしますは、見上げると首が痛くなるような超巨大大仏。間違いなく鎌倉のそれよりはでかい!奈良のは見た事ないからようわからん!こんな岩の内部にこれだけの大仏を造るって、一体どんだけ苦労したかったんだ、当時のお坊さん達は!!この楼閣のほぼてっぺん部分まで大仏が聳え立っているのだから、下に小さく写っている人間と比較してその大きさを慮ってもらいましょう!

    愚かな事に、ここでフラッシュ撮影などしてしまった女の子がいた。その刹那、優しい声で解説していたツアコンさんの様子が一変、「誰だ今写真撮ったのはっ!!」と怒声を響かせた途端に警備員2名があっという間に人ごみの中から当該女の子を見つけ出し、連行していってしまった。まだ二十歳にも満たない女の子だろうに、対応が怖すぎる。女の子は恐怖で泣き叫んでいましたよ。ま、自業自得だけどね、可哀想だけど。俺も注意しよ〜っと。

  • 第96窟の隣にある第94窟。正面に大きな如来像を置き、左右に菩薩像が置かれている。ふと思ったのだが、何故どの仏像も絵画も人が見られるレベルなのだろうか。当時の坊主全員に彫刻や描画の心得があったのだろうか。もしかして未公開の石窟の中には、未研究のため公開を控えているのではなく、とても人に見せられたものではない下手ッぴ〜な石仏や絵画もあったりして。<br /><br />このツアー、説明内容はともかく引率についてはかなりいい加減なツアーで、途中で客がはぐれてもさして気にしないし、ツアー終了時に客が出口から出るのも確認していない。という事は……バックレOK?という事で俺は最後こそっとツアーから離脱し、たまたま近くにいた日本語のツアーにこそっとついていきました。悪い事してますね、俺……でもおかげで第158窟の超巨大涅槃像を見ることができた。その美麗さと圧倒的な存在感にしばし呆然。しかも凄いのは、前面の釈迦涅槃像や一部の弟子達の彫刻が、背景の絵画に途中から溶けて1つになってしまっているところだ。2次元と3次元を見事に混在させた姿には、1000年以上も前の作品だというのに現代芸術にも通じるものがある。当時のインスピレーションでこれを造り出した製作者はまさに天才的な芸術センスの持ち主だったのだろう。写真を撮れないのが残念でならない。

    第96窟の隣にある第94窟。正面に大きな如来像を置き、左右に菩薩像が置かれている。ふと思ったのだが、何故どの仏像も絵画も人が見られるレベルなのだろうか。当時の坊主全員に彫刻や描画の心得があったのだろうか。もしかして未公開の石窟の中には、未研究のため公開を控えているのではなく、とても人に見せられたものではない下手ッぴ〜な石仏や絵画もあったりして。

    このツアー、説明内容はともかく引率についてはかなりいい加減なツアーで、途中で客がはぐれてもさして気にしないし、ツアー終了時に客が出口から出るのも確認していない。という事は……バックレOK?という事で俺は最後こそっとツアーから離脱し、たまたま近くにいた日本語のツアーにこそっとついていきました。悪い事してますね、俺……でもおかげで第158窟の超巨大涅槃像を見ることができた。その美麗さと圧倒的な存在感にしばし呆然。しかも凄いのは、前面の釈迦涅槃像や一部の弟子達の彫刻が、背景の絵画に途中から溶けて1つになってしまっているところだ。2次元と3次元を見事に混在させた姿には、1000年以上も前の作品だというのに現代芸術にも通じるものがある。当時のインスピレーションでこれを造り出した製作者はまさに天才的な芸術センスの持ち主だったのだろう。写真を撮れないのが残念でならない。

  • そろそろ運ちゃんと約束した16時が近づいてきた。現在15時53分。莫高窟遠景を1枚撮る。撮るには撮ったが、全体の1/4も収められていない。いかに莫高窟が広いか……これだけじゃわかんないか。<br /><br />山肌一面に石窟が並ぶのを見て、ふっとアフガンのバーミヤン遺跡を思い出した。実際に見たのではなくTVでの知識でしかないが、不思議に石窟が多いのは一致するのだ。インドの西側の国と中国とでは仏教の表現様式にも大きな差があるはずだが、穴を掘って中に仏像や絵画を彫りつけるという方式はこのあたりから伝わったのだろうか。そういえば玄奘三蔵もこのあたりを通って(方面逆じゃん?何でまた)中国と天竺(印度)を行き来したらしいし、そのルートで伝わっていったのだろうか。中東方面の仏教の様式ってとても興味深い。それだけに、タリバンの一面的かつ偏狭?なイスラム原理主義思想で世界的な文化の伝承地が爆破されてしまった事は、宗教上の対立や価値観及び思考系統の差異を理解できるとしてもあまりに残念でならない。<br /><br />別にイスラム教を貶める気はないんですよ。土地ごとに適した思想や文化が育っていくのは当然の事ですから。西側諸国の「正義」を中東あたりの「正義」に押し付けるのも問題なんですよね。といってテロリストが正義のはずもありませんが!(♯゜Д゜)

    そろそろ運ちゃんと約束した16時が近づいてきた。現在15時53分。莫高窟遠景を1枚撮る。撮るには撮ったが、全体の1/4も収められていない。いかに莫高窟が広いか……これだけじゃわかんないか。

    山肌一面に石窟が並ぶのを見て、ふっとアフガンのバーミヤン遺跡を思い出した。実際に見たのではなくTVでの知識でしかないが、不思議に石窟が多いのは一致するのだ。インドの西側の国と中国とでは仏教の表現様式にも大きな差があるはずだが、穴を掘って中に仏像や絵画を彫りつけるという方式はこのあたりから伝わったのだろうか。そういえば玄奘三蔵もこのあたりを通って(方面逆じゃん?何でまた)中国と天竺(印度)を行き来したらしいし、そのルートで伝わっていったのだろうか。中東方面の仏教の様式ってとても興味深い。それだけに、タリバンの一面的かつ偏狭?なイスラム原理主義思想で世界的な文化の伝承地が爆破されてしまった事は、宗教上の対立や価値観及び思考系統の差異を理解できるとしてもあまりに残念でならない。

    別にイスラム教を貶める気はないんですよ。土地ごとに適した思想や文化が育っていくのは当然の事ですから。西側諸国の「正義」を中東あたりの「正義」に押し付けるのも問題なんですよね。といってテロリストが正義のはずもありませんが!(♯゜Д゜)

  • 16時37分。敦煌の街に戻ってきた俺は、運ちゃんと一緒にちょっと遅めの昼食(早めの夕食?)をとる。これは「羊肉粉湯」といって、しこしこした太めのビーフンのような麺が入っているラーメンのような料理。麺はマロニーちゃんではない事が確認された。中村玉緒もきっと残念がっているだろう。羊の肉は骨付きでがっつり入っている。周囲に浮かぶ香菜や臭めの羊肉が食べられない人にはちょっと辛い上、おそらく店によって当たり外れが大きいと思われる。この店のは……うん、まぁこんなもんでしょ。5元。<br /><br />さて、これで敦煌で見るべきものは一通り見た、と思っていたら、運ちゃんから「いいものがあるんだ。夜遊びに行こう。こいつは仕事じゃないからタダで乗っけてってあげるよ」と申し出があった。何だろう?いいものって。わくわくしながら、一旦宿へ戻る。<br /><br />青龍の巻 閉幕

    16時37分。敦煌の街に戻ってきた俺は、運ちゃんと一緒にちょっと遅めの昼食(早めの夕食?)をとる。これは「羊肉粉湯」といって、しこしこした太めのビーフンのような麺が入っているラーメンのような料理。麺はマロニーちゃんではない事が確認された。中村玉緒もきっと残念がっているだろう。羊の肉は骨付きでがっつり入っている。周囲に浮かぶ香菜や臭めの羊肉が食べられない人にはちょっと辛い上、おそらく店によって当たり外れが大きいと思われる。この店のは……うん、まぁこんなもんでしょ。5元。

    さて、これで敦煌で見るべきものは一通り見た、と思っていたら、運ちゃんから「いいものがあるんだ。夜遊びに行こう。こいつは仕事じゃないからタダで乗っけてってあげるよ」と申し出があった。何だろう?いいものって。わくわくしながら、一旦宿へ戻る。

    青龍の巻 閉幕

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