ヨハネスブルクのダウンタウンの治安

2004/04/14 - 2004/05/14

南アフリカと聞いて一般的な日本人は何を思い起こすだろうか？　ダイヤモンド、喜望峰、アパルトヘイト、治安の悪い国、ネルソン・マンデラ・・・、私自身この国を旅するために南アフリカの町を調べるまで、ケープタウン、ヨハネスブルクしか知らなかったし、首都がプレトリアではなく、ヨハネスブルクだと思っていたほどだ。

ヨハネスブルクの人口は700万人と公式には言われているが、アフリカの他諸国からの流入や、スラム街での人口爆発は凄まじく、実際の統計は全く把握できていないそうだ。郊外の黒人街アレクサンドラに400万人、ソウェトに400万人住んでいるといわれ、それだけでヨハネスブルクの公式の人口をすでに大幅に超えている有様で、実際には2000万人、いや、それ以上の人間が住んでいるのかもしれない。

　現在、ブラック・アフリカ諸国全体のGNPの総計の50％以上が南アフリカに集中している。そのため多くの黒人が不法越境・滞在し、そのまま居ついているのだ。部外者が、南アフリカのスラム街を見ると、どうしてこんな所に住むの？　と思うかもしれないが、そのスラム街では生きていく上で最低限の生活ができる。しかし他のブラック・アフリカにいたのでは最低限の生活どころか、食糧難のため、生きていくこともできない。そうなれば、当然南アフリカに人口が固まってしまう。更にそのスラム街で多くの子供が生まれ人口が爆発的に増えている。そして多くの子供が何も教育を受けることなく育っていく。こうした「無知」が犯罪の増加や、ＨＩＶの感染を増やし、「公式の人口」に対してだけでも30％を超える人を蝕んでいる。

ヨハネスブルクは1700ｍの高地に作られた高原都市だ。この地が大都市に発展していったのは、金が発見され、19世紀後半に多くの移民が移り住んだことに始まる。こうした鉱山開発は白人が黒人の人格を全否定する形で強制労働によるもので行われたといわれている。ヨハネスブルクは急速に発展を遂げていったが、アパルトヘイト解放後、顕著に治安が悪化した。そのため白人や一部の時代の流れにうまく乗った黒人たちはダウンタウンから10キロ離れたサントン地区に移った。そのため現在の経済の中心はこのサントン地区となり、辛うじて治安は維持されている。

エリア ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 航空会社: マレーシア航空

ジョバーグのダウンタウンに位置するマーケットシアター。

HIVに対する劇をしていました。劇団員の中には実際にHIVポジティブの方もおられ、迫真の演技でした。