ブダペシュト　劇場模様

1995/03/04 - 2006/03/15

私が学生時代、中東欧圏の研究をすべく、どの国をピックアップしようかと94年から95年にかけ圏内のほぼ全ての国を回っていたわけですが、その中でもハンガリーを基本軸に考えたのはブダペストの美しさ、雄大な平原、人間味溢れるマジャール人達との出会いがあった故でした。
　ハンガリーを知っていく中でもう一つ、ああこれは良いなーと思ったのが、音楽。東欧圏には多くのすばらしい劇場が存在し、国がこうした芸術を手厚く保護していた為に、市民のある一定の階層であれば誰でも楽しめるような価格設定になっていました。こうした文化・芸術が市民レベルにあることは、本当にすばらしい事であると感じました。当時既にモスクワのボリジョイ劇場やプラハの3劇場ではダフ屋がチケットを抑えてしまい、多くのチケットが観光客に流れていましたが、不思議なことにブダペストのオペラハウスでは欧州で有数の劇場にも拘らず、比較的市民も足を運んでいました。

　当時安い席だと50円で観劇できたオペラハウスですが今では300〜500円に跳ね上がり、市民から遠退きつつありますが、それでもまだまだブダペシュトっ子も多く観劇しています。ブダペシュトに訪れた際にはこうした音楽を是非楽しんでください。

エリア ブダペスト(ハンガリー)

• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 船 タクシー ヒッチハイク
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空

ドナウ川河畔に位置するペシュトヴィガドー。コンサートやオペレッタが開かれています。１８６４年に建てられましたが、先の大戦で被害を被り、１９８０年に再建されました。
95年ブダペスト春の音楽祭で観劇しましたが、普通の席で６００Ft!

ペシュトヴィガドーはドナウ河畔に位置し、ドナウ川に映えとても美しいです。

１８８４年に作られたオペラハウス。世界三大オペラハウスはパリのオペラ座、ミラノのスカラ座、ウィーンのオペラハウスが挙げられますが、ブダペストのオペラハウスはウィーンのオペラハウスを模して作られた姉妹オペラハウスでもあります。

　ウィーンのオペラハウスは戦災を受けて戦後再建されたものなので、ウィーンのオペラハウスの代わりにブダペストのオペラハウスが三大オペラハウスに数えられる事もあります。

但し、三大オペラハウスが絶対的に良いわけでもなく、チェコのプラハには国民劇場やオペラ劇場、ドイツにはドレスデンにゼンパーオペラ、ロシアのモスクワにぼりジョイ劇場、サンクトペテルブルクにはマリィンスキー劇場などそれに匹敵するまたはそれに勝るのではないかと思われる劇場は多く存在します

95年当時、ボックスシートだと侍従のような方が付いていましたが、今はどうなのでしょう？？

最上階のシート。安いシートでもオペラやその雰囲気は十分に堪能できます。

オペラハウスの規模としては他の著名なオペラハウスと比較しても小さく、全体的にも中規模ですが、内装の美しさに見とれてしまいます。

列柱に挟まれた観覧席はシシィの間。シシィとはオーストリア・ハンガリー帝国の后妃エルジェーベト(エリザベート)の愛称。窮屈なウィーンの宮廷生活を嫌った彼女は頻繁にハンガリーに訪れ、このオペラハウスのシシィの間からオペラを楽しんでいました。

オペラハウスではオペラだけでなく、クラシックコンサートやバレエも行われます。オペラ
ハウスの舞台は一見狭く見えますが、実は長さ48ｍもあり、現在世界で二番目の長さを誇ります。因みにブダペストフィルハーモニーは以前コバケンこと、小林研一郎が指揮を勤めていた時期もあります。

安い席では、正装は不要ですが、ボックス席では少なくともカジュアルスマートな格好をしていないと少し恥ずかしいかもしれません。写真をアップにして映った観客を見ればどのような服装で皆来ているかわかります。特にオペラやバレエで有名な題目をする時は安い席でもそれなりに着こなした人たちが普段よりも多く見られます。

オペラハウスの見学がてらに、オペラを是非楽しんでください。現在オペラハウスのチケットは、西欧と比べるとはるかに安価な為、西欧から多くのクラシックファンが訪れ、チケットを取るのが年々難しくなってきています。ですので、訪れる前にオペラハウスのホームページから直接チケットを購入したり、題目もわかるので、インターネットを利用してチケットを獲得することをお勧めします。

チケットの見方ですが、
1995. marcius 5. vasarnap 19 ora
1995年3月5日、日曜日19時開演

?.em OLDALULES
所謂三階の最上階の側面の席のことです。もしKOZEPULESとなっていれば舞台正面あたりの中央席になります。

BAL
左側。オペラハウスは舞台を正面に見て左右に分かれています。ですので、BALと書かれていれば舞台を正面に見て左側、JOBBと書かれていれば右側に行ってください。

sor 2.
前から二列目という意味です。

szek 2.
2番の席です。

下記シート表と照らし合わせればわかりやすいと思います。
http://www.jegymester.hu/images/nezoter_nagy_33.gif

王宮の丘に位置するマーチャーシュ教会。教会でもパイプオルガンのコンサートが開かれることがあります。

教会のパイプオルガンは、教会後ろの上のほうにあるので、強い演奏になると音符が頭の上に落ちてくるような感じで全身に響き渡ります。

リスト音楽院はハンガリーの誇る音楽学校として世界的に有名で、初代総長はあのリスト・フェレンツが努めました。

リスト音楽院の初代総長リストフェレンツ。マジャール人の最も有名な作曲家・ピアニストでもあります。

音楽院にはハンガリーを代表するコンサートホールもありチケットを音楽院で購入す事も可能です。

リスト音楽院の周りにはオープンカフェが多く、雰囲気は抜群です。オープンカフェで佇んでいると、音楽院の練習している音楽も聴け最高です。

数々の有名なミュージカルをロングランで上演するマダーチ劇場。95年当時キャッツをロングランでしてい
ました。

オペラハウス同様に馬蹄型の劇場で、一番安い席で06年3月現在９００Ｆｔ(約550円）でした。生演奏でのミュージカルは迫力満点です。
マジャール語での上演ですが、演技や音楽だけでも十分に楽しめることができるので、お勧めします。マダーチではミュージカルの当日券の発売が行われています。

オペラ座の怪人の鑑賞ではファントムが最後仮面とバラを置いて去っていくシーンには感動しました。ミュージカルは満席で、拍手は暫くの間止むことはありませんでした。