越後妻有アートトリエンナーレ２００６大地の芸術祭～（６）ナカゴグリーンパーク＆仙田

2006/08/06 - 2006/08/15

　
　８月１０日（木）午後。
　
　車を運転できる友人と合流して、
「どこ行きたい？」と友人。
「あのねウサギに会いたい」と私。
「あ～ニノミヤ君ね」
というわけで、やって来たナカゴグリーンパーク。

　薪を背負って本を読んでるこのウサギに、２０００年に初めて出会ったときに受けた衝撃。

　以来、妻有に来るたびに挨拶することにしているニノミヤウサギ君（と勝手に私たちが名づけた）。

　正しい作品名は「レイチェル・カーソンに捧ぐ～４つの小さな物語」（藤原吉志子）です。

エリア 十日町・津南(新潟)

• 同行者: 友人
• 交通手段: JR特急

ニノミヤウサギ君が読んでいる本から「宇宙」の文字が浮かび上がっています。

宇宙のロマンを探求する人を讃える作品なのでしょうか？

いいえ、そうではないようなのです。
なぜなら…

彼が歩きながら取りこぼしているのは
「環境」「自然」「海」「オゾン」「緑」…

ウサギ君が歩けば酸性雨が降り

森が踏みしだかれ

背中の薪には、化石燃料を大量消費するものがいっぱい。

星空を見上げることもなく…

（宇宙について考えているのに）

そんな勤勉や学問や科学のありようが私たちを
誤った道に導いてはいないか？
という疑問を投げかけてくれる作品なのです。

これは「囲まれている」（宿南泉）という作品。
緑の中に白がまぶしい。

ベリー畑も作品なんです。
ここでいただけるベリー茶は、甘味ゼロで超美味。

蓋にクリムトの絵がついているお洒落なベリージャムも売られていました。

トゥー・サ・ウッズ「ベリー・スプーン」

かわいいベリーたち

あ。ネコバス。

…じゃなかった。魚沼交通のバスでした。

ジェームズ・タレル「光の館」。

新築だった２０００年に見たときよりも、風格が増しているように感じられます。

タレルは光を自在に操るアーティスト。

この建物をつつむすべての光と影は、タレルによって計算しつくされ、デザインされたもの。

額縁の中の絵画のように切り取られた庭の風景。

朝・昼・夕方と太陽が動くにつれて、描かれる絵が変化します。

朝は黒砂の上に草の影がくっきりと出るのだそうです。

そしてこの建築の目玉はこの天井。

屋根がスライドして動き、ぽっかりと四角く天井が開いて（ガラスははまっていません）和室の畳に仰向けに寝ころんで、空を見上げることができるのです。

ここに宿泊すると、夕刻から夜にかけての空の光の変化を楽しむことができます。

お風呂です。夜になると光ファイバーで、お湯の中の自分の体が発光するのを見られるんですって。

ここは宿泊施設を兼ねていて、けっこうお高いのですが、予約は一杯だそうです。
周囲にお店はありませんが、自炊できる立派なキッチンがあります。

晴れた夜には星空も見事でしょうね。

これは何でしょう。
遠くから見ると運動会の万国旗のようでもあり、

近くで見ると洗濯物のようですが

「明日に架ける橋のように」（カアリナ・カイコネン）という作品なのです。

風になびく洗濯物が大好きな私は上機嫌！　
深呼吸してこの作品を味わいました。
ん〜気持ちいい！

その横に吊り橋があって

吊り橋のつきあたりには「ようこそ仙田農村公園へ」（関直美）という作品がありました。

これ、巨大な植木鉢なんです。
アロエが植えられています。

今にも歩きだしちゃいそうな植木鉢。

またまた未知の野菜と遭遇！
UFOズッキーニって？　
あのズッキーニとは似ても似つかないよ？？

この旅行記へのコメント （2）

• antabaさん 2008/10/08 22:41:40

  「光の館」ですね！

  はじめまして、antabaと申します。
  アートトリエンナーレの文字をみて、
  もしや、と思ってみてみたらやっぱりありましたね、「光の館」。
  前から宿泊したいと思ってるのですが、
  遠いのと、土日は半年以上も予約がいっぱいなので、
  イジイジしているところでした。。。
  昼間もかっこいいけれど、天気が良い日の夕方とかって素敵そうだな〜
  他の展示作品も面白いのがあったんですね。
  動き出しそうな植木鉢いいですね♪
  いいもの見させて頂きありがとうございました〜

  huwaさん からの返信 2008/10/08 23:58:31

  はい＾＾「光の館」です！

  antabaさん＾＾ようこそ！
  
  わあ＾＾アートのお好きな方のご訪問　とっても嬉しいです！
  antabaさんも金沢２１世紀美術館にいらっしゃったんですね！
  ジェームズ・タレル　いいですよね〜！！！
  
  私は　この新潟の「光の館」が　タレル初体験でしたが、
  「タレルって凄い！」と心から思ったのは、その後に訪れた直島ででした。
  それからもう一度「光の館」を訪れて　
  朝・昼・夕と変化する光を味わうためには　宿泊するしかないかな〜と思ったんですけど
  決してお安くはない宿泊費と　お天気に恵まれるとは限らないしな〜という思いとで
  やっぱり　いじいじしてしまって（笑）。
  まだ宿泊したことはないんです。
  誰か「雨が降っても光の館はいいよ〜」って
  背中を押してくれたらいいんですけどね〜（笑）
  
  私の写真技術のつたなさのせいで　ご紹介しきれなかったんですけど
  光の館周辺には　他にもいろいろと面白い作品があるんですよ。
  たとえ宿泊予約が取れなくても　楽しいアートめぐりができますから
  ぜひぜひご訪問くださいませ。
  来年は第四回のアートトリエンナーレですね〜。
  今からとてもとても楽しみにしているんです。
  
  antabaさんの「クレマチスの丘」旅行記　とっても楽しかったです。
  時間のあるときに　他の旅行記にもゆっくりとお邪魔させていただきますね！
  これからもよろしくお願いします！
  
  ではでは。
  huwaより。