
2003/02/29 - 2003/03/19
428位(同エリア501件中)
さかこさん
グアルダでカリジェの絵本の世界を堪能したら、次はこちらでしょう。シュタイン・アム・ライン。スイス北東部のライン川のほとりにある、それは綺麗な小さな街だ。それもそのはず、シュタイン(宝石)・アム(ある)・ライン(ライン川)とは、ライン川の宝石という意味なのだそうだ。
この街にはカリジェが壁画を描いた、ホテル「アドラー」がある。スイスに行くからには絶対にこの街にも足を運びたいと思っていた。
お天気にも恵まれ、絵に描いたような小春日和のある日、ついに願いが叶い、本の中でしか見ることのなかったカリジェの壁画を、この目で見ることが出来たのだ。ああ・・・今でも夢のようです・・・。
この街の入り口となる時計台をくぐり、左右の古い建物とそれに描かれた美しい壁画を眺めながら真っ直ぐに進むと、ほどなく街の広場に出る。その広場に面してホテルアドラーはあった。
遠目に見ても絵のタッチや色彩で、すぐにカリジェのそれだと分かる。いかにもカリジェらしい優しい絵にもちろん感動したが、1956年に壁画が描かれてから今日までの永い時間を思うと、胸が熱くなるのを止められなかった。
ところで、「カリジェって誰?」と思ってる方も多いでしょう。ここで少し、画家カリジェのご紹介を・・・。
アロイス・カリジェ(1902〜1985)は、スイスの東南部トルンという山間の小さな村に生まれ、山岳酪農家の父親の元、自然の中で少年期を送ります。16歳頃から絵の勉強を始め、21歳頃にチューリッヒへ出て広告やコスチューム等のデザインの仕事をしました。
1939年、全国博覧会のポスターで1位になるものの、その後紆余曲折を経てグアルダに移り住み、そこで詩人ゼリーナ・ヘンツと出逢い、この出逢いがあの名作「ウルスリのすず」「フルリーナと山の鳥」「大雪」を生むのです。
その後、クール、チューリッヒ、プラテンガなどを転々としながら画家としての修行を積み、1949年にチューリッヒ市内の迎賓館の壁画で画家としての成功を収めます。
1960年、終の棲家となった生まれ故郷のトルンに戻り、文、絵ともにカリジェが書いた「マウルスと3びきのヤギ」「ナシの木とシラカバとメギの木」「マウルスとマドライナ」を出版、 1966年「国際アンデルセン賞」を受賞しました。最晩年に大作「光のマリア」というとても美しい絵を残しています。この絵はトルンの教会に納められていますが、一般公開はされていません。私は本でしか見たことないのですが、それはもう神々しいほどの美しさで、見ることは出来ないにせよ、カリジェの故郷トルンに行かなかったことが悔やまれて仕方ありません。
アドラーの前のオープンカフェで、ここでもやっぱりココアを飲んだ。まず温めた牛乳が出てきて、それに添えられているパックに入ったココアの粉を、自分で入れて溶かすのだ。
グアルダのホテルの紅茶に続いて、またまたびっくりのヨーロッパ式。でもこれが不思議と美味しいのよね。ここでは時間の流れもゆっくりで、何時間でもぼーっとしていられそうです。
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