2005/09/03 - 2005/09/03
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めもるさん
奥日光から日光市街地へ。世界文化遺産の二社一寺を初訪問。トップ写真、あえて陽明門はやめてみました。
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中禅寺湖からの乗客の半分くらいが西参道バス停で降りた。共通拝観券(1,000円)を買って参道を登る。裏参道なのでにぎわいはやや控えめ。木陰が涼しくて助かる。
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まずは徳川家光公の廟所、輪王寺大猷院へ。水盤舎(手水所)でさえこの絢爛さ。ここまで色あざやかな手水所はお目にかかったことがない。
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水盤舎の天井画。狩野派最盛期の絵師、狩野探幽による龍の画とのこと。贅をこらしていることがこれだけでわかる。
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柱のひとつひとつにもきちんと葵の御紋が彫り込まれている。石灯籠にも全部彫り込まれていた。
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これはまだ本堂の門ではない。赤・青・緑の極彩色の門を見て、はやくもおなかいっぱいな気分。正直なところ、じっくり堪能するという気分にはあまりなれない。
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ようやっと本堂の門(唐門)。今度は金ぴかである。もういいです、わかりました。
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本堂。その名も「金閣殿」。その名の通り、金色である。自らを「生まれながらの将軍」とのたまった家光公。江戸幕府がもっとも力があった頃だからこそ、このような豪奢が認められた(認めさせることができた)のだろう。
あまりに目にやさしくないのでそそくさと後にする。 -
二荒山神社へ向かった。ここは大猷院に比べればずっと落ち着いていて、少しほっとする。平安神宮よりも落ち着いて感じるくらいだ(笑)。
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縁を結ぶと言われる夫婦の杉。おみくじでも結べばよかったかな。隣には親子の杉もあった。
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二荒山神社から東照宮へ向かう杉の回廊。大きな杉の木には幾重にも苔がむしていて、歴史を感じさせる雰囲気のよい道。でも、花粉症の人は春先たいへんだろうなと余計なことを考えてしまった。
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おちついたのも束の間、東照宮へ着いたら出迎えたのは真っ赤な五重塔。またも派手系。予想がついていたとはいえ、やはり。神社仏閣は質素に落ちついたたたずまいというイメージを根底から覆す。薬師寺の西塔以来のカルチャーショックだ。
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神厩舎の長押に彫り込まれた有名な三猿。カメラの人気の的となっていた。
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経蔵。「寺」じゃなくて「宮」なのになぜ「経」を納める場所があるのか、謎だ。
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日光の社寺の象徴、東照宮陽明門。やはり立ちどまって写真を撮っている人がいちばん多い。色は思ったほどきらびやかではなかったけれど、その造りはやはり徳川家の威光を誇示するがごとくで、彫刻のひとつひとつまで細かに造られていた。
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魔除けのための逆さ柱。12本ある柱のうち、この柱だけ模様が上下逆さまとのこと。完璧だとなにかあったときにすべてやられてしまうからとかなんとかとガイドさんが言っていた(盗み聞き)。
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泰平の国づくりに貢献のあった徳川家康、豊臣秀吉、源頼朝に奉納する御輿。こちらは家康に奉納するもの。
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外壁にも極彩色の彫刻が隙間なく彫り込まれていた。いくら威光を示すためとはいえ、ここまで豪華絢爛さを全面に押し出されると、感激するどころかかえって疲れてしまう。「もうけっこうです」と思った。
ただ、東照宮の本堂で説明をしてくれたご神職と巫女さんは「えー」「あのー」と一度も言うことなく、落ちついた口調でわかりやすく話をしてくれたのは感心した。三十六歌仙の画や大杉戸などが印象に残った。説明の時にいちばん前に座ったら「ここは80万石相当の大名が座するところです」と説明してくれた。 -
輪王寺三仏院にお参り。比叡山延暦寺とここしかないと言われる中宮造り、親子の三仏、自分の干支の守り神にお参りをして、すっかりへとへと。もう14時だ。
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門前町のお店を探して歩くが、あまり店がない。そのうちにバス通りまで出てしまった。ここがいちばんにぎわっていて門前町の役割を果たしているようだ。川にかかる朱塗りの神橋。由緒正しい橋のようで、「今なら橋の下から構造を見ることができる」とあったが、渡るのに500円もするとなるとその気は起きない。見るだけにとどめる。
錦帯橋だってそんな値段しないよ。 -
すっかり疲れてお腹もすいた。湯葉料理でも食べようかと思ったら、日光金谷ホテルの「100年カレー」の案内が目についた。これを食べなきゃカレー好きの名がすたる。「上まで上がるのはたいへんよねぇ」と話をしているおばちゃんたちの横をすり抜け、高台をめざす。
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偶然見つかった100年前のレシピを再現した「100年カレー」。食べてみたら、口当たりの甘さに一瞬「ぐはっ」ときた。あとからぴりぴりと辛味がやってくるが、やはりカレーそのものとしては絶対に甘め。カレーとしておいしいかと言われれば「……」なのだが、今のようにカレー文化が成熟していない中で、スパイスなどの知識も不十分な状態で試行錯誤の末にできたカレーだろうから文句は言えない。そもそも、100年前のレシピを味わおうというのが趣旨なのだから、うまいまずいを論じるのが筋違い。サラダつきで1,732円だったけれど、鴨肉はたいへんおいしかったのでよしとする。
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JR日光駅へ戻り、寺社風の駅舎をじっくり観察。
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日光線に乗ってうとうと。40分で宇都宮へ。
宇都宮といえば餃子。東武で日光に行くと浅草直行になってしまうが、18きっぷ・JRのメリットを生かしてここぞとばかり途中下車。餃子をめざして暑い中20分近くを歩く。
県庁のそばにある小さな店、香蘭。ここの餃子がおいしいらしいと聞きつけて、駅の中にある老舗の支店を袖にしてやってきた。 -
メニューは焼き餃子、揚げ餃子、持ち帰りの生餃子、以上。ラーメンやビールどころか、ごはんさえ出ない、生粋の「餃子屋」。そしてカウンターが10席あるかないかの狭い店だった。「ひとすじ」という感じのご主人と奥さんが切り盛りしていた。焼き餃子を注文。
びっくり水をかけると「じゅぅ〜」といい音が響く。焼き加減を真剣な面持ちで見るご主人。その一方で、電話注文がひっきりなしに入り、裏口からお客さんが引き取りに来る。静かに、そして熱い店だ。
絶妙な焼き加減の餃子。味は文句なし…と思う。おいしかったが、自分がラー油を入れすぎてしまったのが悔やまれる。もう一度食べにきたい。 -
宇都宮までまた20分歩いて戻る。臨時列車「快速やすらぎの日光号」がちょうどやってくる時間帯だったので、指定券を買ってちょっと贅沢。それでも普通列車のグリーン料金より安いわけだし、座席は同レベル。先週に比べれば240円得しているんだし、いいのいいの。
ちなみに車両形式は189系。「彩野」という愛称がついていた。 -
天井の照明には陽明門、聞か猿、華厳の滝。反対側にはイルカ、帆船日本丸、マンボウ。湘南と日光を結ぶ列車であることを念頭に置いた演出だ。
これを撮ったあとはまたうとうと。なんと言っても4時半起きが効いている。リクライニングでゆっくりと帰った。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 高級和牛の会のかいさん 2005/10/04 21:33:21
- 痛いニュース+
- 高級和牛の会のかい@栃木県民です。
日本三奇橋の一つ、神橋(国重文・世界文化遺産)は、8年の歳月と8億円の費用を掛けて今年の春に修復が完了しました。
ところが、先月中頃、ある男が神橋の漆塗りの欄干に足を掛け(自殺未遂?)、傷付けてしまいました。二荒山神社はその男に対し、約20万円の修復費用を請求する方針を決めた、というニュースがありました。
文化財を大切にしましょう。
神社に経堂があるとの疑問ですが、日光山は勝道上人によって開かれた山岳宗教の聖地です。平家も厳島神社にド派手な経巻を納めたくらいですから、二社一寺(一括りにこう呼びます)の境内に経堂を設置しても当時は違和感などなかったのでしょう。
陽明門の「魔除けの逆さ柱」ですが、悪魔というものは完全なものを破壊してしまう性質らしいので、敢えて一本だけ逆さにしたらしいです。陽明門をはじめとした東照宮の永続を祈念したのでしょうが、個人的な推測ですが、そこに徳川将軍家の永遠の繁栄の意も込めたのではないでしょうか。
- めもるさん からの返信 2005/10/04 23:51:15
- RE: 痛いニュース+
- 高級和牛の会のかいさん、書き込みありがとうございました(初カキコ、うれしいです)。
神橋の件、損害賠償もさることながら、そもそも文化財保護法違反で罰金になるような気がしますね。
それから、逆さ柱の補足説明もありがとうございました。たしかにガイドさんは高級和牛の会のかいさんがおっしゃるようなことをいっていた気がします。なにせ、こちらは盗み聞きでもあったので、完全には中身を覚えきれていませんでした(笑)。
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