フランス【７】バルビゾン　コケティシュなパリのマダム

2005/04/13 - 2005/04/13

　バルビゾンのクレープリー（＝クレープ屋さん）

　バルビゾンの可愛い村は、フォンテーヌブローの町から１０キロ強離れて、同じ森の端にある。

　街は一本しかなく、その中ごろにあるクレープリーの薄暗いドアを、店内に灯っている小さな電気を頼りに、勇気を奮いながら開く。
　美味しいクレープが食べたかったからだ。

　クレープ屋さんと言っても、やや軽めの食事を供する小型レストラン。
　机が三脚と椅子が十脚あまり。

　するといきなり薄暗い中から「ボォンジュール！」と女の大声が響き、ドキッとする。

　やや遅れて、店の女主人が現われる。
　「クレープだけを食べてよろしいか」
　「もちろん」
　これまた圧倒的な元気さで・・。
　グランマルニエのクレープを注文。
　
　大声の主は、パリに住みながらバルビゾンに別荘を持ち、毎週末ここにやってくる女客だった。
昼食のワインですっかり出来上がっている。

店の女主人とはとても気が合って仲が良さそうだ。
　「今日は木曜日。もう週末なのかい」
　「そろそろリタイヤが近いのでね。ここに来ると人生の憂さを忘れるのよ」
　コケティッシュな太い声は、エネルギーの充実を示している。恐らくちょっとした事業主なのだろう。
　
　クレープ・グランマルニエは、ほんのりと甘さの中に、穏やかなリにリキュールの香りが閉ざされ、身も心も温まる逸品だった。

　最後にマダムの至言。
　「お友達（女性）を大切にネ。奥さんはもっとヨ」

エリア フランス

バルビゾンの街並み。
中央が私の入ったクレープリー。

中央がパリからやってきているマダム。
右がクレープリーの女主人。
左はマダムの友人。

クレープリーで働くマドモアゼルが、
中庭で踊って見せてくれる。

クレープリーの元気娘

瀟洒なクレープリー

プティホテル